中国に長期滞在中に急に歯が痛くなったりすると本当に困ります。
筆者も、普段から歯磨きをきちんとするように気をつけたり、年に1度帰国するときには、歯科検診を受けるように心がけてはいるのですが、中国での8年間に3度、同じ理由で歯医者に行かなくてはならなくなりました。
キャラメル系やミルキー系のキャンディーをガシガシ噛んで、以前日本で治療した歯に詰めていたものが取れた、という恥ずかしい理由です。
(特に中国で、春節のときにみんなが食べる大白兎というミルクキャンディーは、要注意!美味しいのですが……。)
それもなぜかこのハプニングは、帰国予定の全くないときに起こるので、詰めものが取れて、穴がポッカリ空いた歯のままで何ヶ月も過ごすわけにもいかず、しぶしぶ中国で歯医者に行くのですが、毎回いろいろな理由で、すごくがっかりします。
その3度の経験とは……。※1元=約16.2円で計算しています。
中国で驚きの「牙科診所」
※オープンすぎる「牙科診所」。入り口のドアには「いらっしゃいませ」
まずは、中国語の習い始めで初めて「牙科」を見た時は、一瞬止まりました。自分の犬歯を舌の先で確認しながら、「牙、治療するの?研ぐとか?」と思いました。
後で、中国語では歯のことを牙歯ということを知って、「なるほどね、1字目をとったわけだ」と分かりました。
最近は、「歯科」という名をつけているクリニックも結構見かけます。そして、歯科と口腔科の治療ができる「口腔医院」もあります。でも、昔からある歯医者さんや、大きい総合病院ではやはり「牙科」です。
何より、古めの「牙科診所」(歯科診療所)の最大の驚きは、プライバシーなし!ということです。普通の商店の店先のような入り口は、全面ガラスばり。時には、その扉も開けっぱなしです。
中にあるデンティストチェアーは、患者さんが入り口の方を向いて座るように置いてあります。つまり、大口を開けて治療されているのが、通りを歩く人から全部見られる、ということです。絶対無理!
それなのに、他の人がこういう「牙科診所」で治療していると、わざとゆっくりとその前を通り、見てないようなふりをしつつ、しっかりと横目で観察してしまうのです……。
1度、中国人の友達のお供で、ローカルな「牙科診所」に入ったことがあります。そこは、さすがに扉の開けっぱなしはなかったですが、狭い診察室に3台のデンティストチェアー。隣の患者さんとの間の仕切りはなし。そして、レントゲンもなし!
「どの歯だか分からないのだけれど、口の中の右上全体が痛い」という彼女に、なんとお医者さんがした「検査」は、右上の歯を一本ずつ、金属の器具で叩く、というもの。
もうあっけにとられました。何度叩いても、どの歯に問題があるのか分からず、結局、右上の歯茎全体に薬を塗って終わり。彼女も「もうあそこには2度と行かない!」と言っていました。
中国での歯科治療1回目:フレンドリーな女医さん、しかし……
※少し大きな口腔医院でも外から丸見え
ここから、筆者自身の中国での歯科治療の経験をお話しします。
最初は河北省の地方都市での6年以上前の出来事です。地区の総合病院の「牙科」に行きました。待ち時間は10分程度。
診察室に通されると、30代半ばの女医さんが「どうしたの?」と私が椅子に座る前に質問してきました。
ティッシュに包んでおいた、取れた銀の詰め物を見せて「これが取れちゃったので、もう一度つけて欲しいんです」と言うと、その小さな物体に非常に興味をそそられた様子。手に取って観察し始めました。
「これは……金属?」「ええ、銀だと思います」「どこでつけたの?」「日本です」「ああ、やっぱり。今、中国では、こういう素材は使わないのよ。だから、ここでは違う素材で治療することになるけど」
「あ、いえ、あの、ポロッと取れただけなので、消毒して、接着剤のようなものを入れて、もう1度、この銀のを入れていただければいいんですけど……」
「なるほどね、銀だものね、もったいないわよね。いくらしたの?」と、彼女の好奇心からくる質問にいくつか答えた後、やっと「じゃあ、診せて」となりました。
診てもらった結果、詰めたものが取れた後の部分も特に問題ないだろう、ということでシューと消毒し(この時「ずいぶん簡単な消毒だな」と思いました)、銀の詰め物を元の場所に入れる、という時になって「接着に使うものは、3種類。60元のドイツ製、40元の中国製、30元の中国製、どれにする?」と尋ねられました。
その頃、まだ中国の病院に慣れてなかったので、この突然の「インフォームド・チョイス」に、一瞬面食らいましたが、迷わず「ドイツ製で」とお願いしました。
輸入品の高級?接着剤をチョンと入れて、銀の詰め物を戻し、20秒ほどグッと噛んで完成。治療は5分以内で終わりました。
治療をしてくれた女医さん、外国人患者が来たのが珍しかったからか、テンションが上がっていて、それから10分くらい彼女のおしゃべりに付き合い、携帯番号を交換することに。
そして最後に「友達だから、10元安くしとくわ」と、治療費は全部で50元でした。「やった!」ただ、半年後に日本の歯医者さんでレントゲン撮影して、残念な事実が判明します。それは、後半に書きます。
中国での歯科治療2回目:歯科治療で流血事件!
※中国の歯科医院は、診察時間が長い。ここは8:00〜22:00まで。(筆者が治療した歯科医院ではありません)
2回目の歯科治療は、一昨年、広東省深セン市で、です。中国でも屈指の大都市ですし、大きくてきれいな歯科医院もたくさんあるので、きっとここなら、まともな治療が受けられるだろうと期待して行ったのですが、悪夢のような結果になりました。
行ったのは、地下鉄駅から徒歩1分、大きなホテルの1階にある拝博口腔です。深セン市内に何軒も、チェーン店ならぬチェーン医院を開いていて、広告もいろいろな所で見かける、歯科、口腔科の大きな病院です。
新しく清潔な感じで、予約なしで行ったのに、すぐに診察室に通され「これはいい!」と思いました。ただ、数10秒後に入って来た歯科医を見た途端、動物的本能で「いや、このお医者さんは、まずいんじゃ……」と感じてしまいました。
入って来たのは、20代、痩せた女性歯科医。真っ青なマスクをしているからか、もともとの顔色なのか、顔は青白く見えます。
マスクで顔の半分は見えませんが、異常に頻繁にまばたきをする目から、マスクの向こうの緊張でひきつった顔が容易に想像できます。
その数歩後から入って来た歯科助手も、20代前半。彼女もビクビクした様子。ただ、それはまだ慣れない仕事に対する緊張からだけではないと、この後すぐに分かりました。
「どうしました?」中国語なのに抑揚のない声での歯科医の質問。
「いや〜、大白兎キャンディーで、やっちゃいました。これで、歯に詰めたのが取れるの何回目かな?取れたの、これなんですけど…..。以前、日本でつけたものでして。ただ、元の所につけていただければいいんで……」
と、ジッパー付きの小さなビニール袋に入れたのを見せながら、努めて明るく、少しでも場を和ませようと答えると、無言で、その袋に手を伸ばす彼女。その手が震えているのを、患者が気づかないはずがありません。
「ひ〜、もしや、私が彼女の歯科医人生、初の患者?いや、そうだったら、もうちょっと経験のある人が一緒に来るか?歯科助手の子も、まだすごく若そうだし……。ここは、もうちょっと雑談でもして、この2人の緊張をほぐすべき?っていうか、なんで患者の私がこんなに気をつかってんの?」
などと考えているうちに、医師の「銀の詰め物観察」は終わっていて、例の声で「口開けて」もう雑談をする、というオプションもなくなりました。
あとはただ、なんとかこのシンプルな治療が無事に終わるのを願うのみ!歯科治療中、いつもは目を閉じている私ですが、この時ばかりは、しっかり閉じるのが恐ろしく、薄眼を開けて、状況を確認しながら治療を受けることにしました。
なにしろ、歯科医の彼女が私に話しかけたのは、ほんの数回。音による状況把握が難しかったのです。
この時は、接着剤の「3択」もなく、歯科医は最初、終始無言でした。でも患部の消毒のあたりで突然、さっきの抑揚ゼロの声とは打って変わって、感情的なキンキン声で「早く!」と歯科助手に怒鳴ったのです。
薄眼で助手の女の子を見たら、さっきよりもっと怯えた様子でした。「そりゃあ、この先生と組んだら、ビクビクするわ……」と思いました。
詰めたものが取れた歯は、左下、頰の内側の位置だったので、接着剤を入れる前に、まずその歯の周りの歯茎に、そして歯と頰の間の位置にコットンを敷きました。これは、いつも通りの処置です。
その後です。「これは、まずい!」と思ったのは。歯の小さな穴にちょっと入れればいい接着剤が、大量投入されたのです。溢れた接着剤が歯茎を伝って、口の中、特に頰の内側の方に広がるのを接着剤の化学的匂いで感じました。
さらに、そこに銀の詰め物が押し込まれ、もっと広がる接着剤。一気に冷や汗が出ました。どうやら冷や汗を出したのは、その場の3人のうち、私が最初だったようです。
しばらくして、敷いていたコットンを取り出そうと歯科医が私の口に入れたピンセットの動きが、ピタリと止まり、その後、また小刻みに震え出しました。覗き込んだ助手は息を呑み……。
もうお分かりの通り、溢れた大量の接着剤のせいで、敷いていたコットンがしっかりと歯茎と頰の内側にくっついてしまったのです。
この後は、もう悪夢のような20分間でした。最初は使い捨ての木のヘラのようなもので、コットンを剥がそうと必死だった歯科医。その後、金属のヘラに持ち替えて、ガリガリ。もうその時点で、口の中は血液の、あの塩気のある鉄の味でいっぱいです。
助手は大きなコットンの塊を私の口に突っ込んでは、血液を吸い取ろうとし、何度も歯科医の持つヘラにぶつかって、その度にヒステリックな怒鳴り声が、診察室に響きわたっていました。
喉の方まで流れてくる血と闘いつつ、そして最後はヘラから金属の鋭い器具に持ち替えた、恐ろしいモンスターのような歯科医の額の汗を薄眼でにらみつつ、筆者は20分間の悪夢に耐えたのです。
最後に頰の内側からビリっとコットンが剥がされるのを感じ、「うがいして」と抑揚のない声に戻った歯科医から言われて、デンティストチェアーから起き上がると、チェアーの横のゴミ箱に血のついたコットンが、ひと山見えました。
それに加えて、うがいした水が真っ赤なのを見、舌の先で、左頬の内側と歯茎にびろっとした傷を感じ、ちょっとめまいがしましたが、一刻も早くその悪夢の現場を後にしたくて、チェアーから立ち上がりました。
「はい、終わり」みたいなことは言われたような記憶がありますが、謝罪の言葉は、全くありませんでした。
ふらふらと受付に戻ると、何も知らない受付の女性が、「はい、120元(日本円で約1950円)です。次回のために、診察カードを作りますか?」と笑顔で聞いてきました。
「次回、来ることはありません」とあの歯科医のような抑揚のない声で答えるのがやっとでした。
今、冷静になって考えると、おしゃべりな私がなぜあの時、苦情も言わずにお金を払って帰ってきたのか、ちょっと自分に腹が立ちます。
それほど、もう話す力も残っていなかったのと、あの終始怯えていた歯科助手の子がちょっと可哀想に思えたからだと思います。
中国での歯科治療3回目:保険なしだと……
※この口腔医院は「24時間対応」と書いてある(筆者がかかった歯科医院ではありません)
3回目は、今年の2月、やはり深センでかかった歯医者の経験です。ここまで読んでくださっている読者の方は、「この筆者、ほんと懲りないな」とあきれていらっしゃると思いますが、原因は、またまたキャンディーです。
でも、決して噛んでいたわけではなく、今回は、口の中でキャンディーを転がしていたら、いつのまにかキャンディー以外の物も一緒に転がっていた、それが歯から取れた銀の詰め物だった、というケースです。
「大々的に広告を出しているような所はやめよう。あと、神経質そうな若い歯科医の所はやめよう。まず、ちょっと外からのぞいて観察してから」と決めて、住んでいるアパートの近くから始めていくつかの歯科医院の「覗き」をしました。
そのうちの1つ、中型総合病院の1階の歯科を外から覗いたら、手を後ろに組み、中から外を眺めている30代半ばと思われる男性歯科医と目が合いました。
微笑から人の良さが、立ち姿から自信のようなものが感じられたので「彼に頼むか」と決め、そのまま入口から中へ。
お昼近かったせいか、受付には誰もおらず、歯科にはその先生1人。「あちゃ、これは選び間違ったか?」と一瞬思いましたが、とにかく自分の勘を信じることに。
事情を説明し、取れた銀の詰め物を見せると、「それはもしかしたら、キャンディーにくっついて取れたのではないかもしれないよ。詰めたものの下が虫歯になって、緩んでいたのかも。ちょっと診せて。うん、やっぱり、中が少し黒くなってるよ。レントゲンで確認する?」
と、1人でとてもテキパキと動き、あっという間に歯一本分の簡単なレントゲンを撮り、小さな白黒写真を見せながら、説明してくれました。
「少し虫歯になっている所を削ってから埋めないとね」「そうすると、どのくらいの時間と費用がかかりますか?」
「時間は、そんなにかからないよ。1,2回。君は外国人だから、社保(社会保険)はないよね?そうすると埋めるのに使う材料にもよるけど、2000元(日本円で32,000円強)前後かかるね。」「2000元!?思ってたより高いですね…..。社会保険ないとそんなにかかるんですね……」
「もうすぐ、春節の休みで、君も国に帰るんじゃないかい?日本で保険を使って治療するまで、仮に詰めておくってこともできるよ。あくまでも仮だから、1ヶ月もしないで減ってなくなっちゃうけど」
そんなわけで、実は春節中に帰国の予定など全くなかったのに、彼の言った「仮詰め」というオプションを選んでしまったのでした。
彼は、やはり見た通り、経験豊富で自信に満ちた歯科医らしく、その後も歯科助手なしで、1人で虫歯部分を削り、しっかり消毒をし、仮詰めをしてくれました。
「この先生なら大丈夫だ」という安心感があったので、約15分の治療中、薄眼を開けて、様子をうかがう必要もありませんでした。
治療費は、200元(日本円で3200円強)でした。
中国で歯医者を賢く選べば……?
※臻美歯科の受付
実は今、中国語が喋れない友達の通訳で歯医者さんに来て、この記事を書いているのですが、中国でも賢く選べば、まともな歯科治療が受けられるのかもしれない……という気がしています。
今、彼女と一緒に来ているのは、深センの地下鉄1号線と4号線がクロスする会展中心駅の駅ビルに入っている臻美歯科という所です。
「虫歯の治療をすぐしたいんだけど、どの歯医者さんがいいかな?」という彼女に「さすがに人様に、自分が行ったような所は勧められない」と思い、深センで長く働いている中国人の友達に尋ねてみました。
そしたら「今、僕も通ってる所なんだけど……」と教えてくれた歯科医院です。電話での予約制で、電話をしたときから、とても礼儀正しい対応だったので「おっ、これは本当にいいかも?」と感じました。
驚いたのは、予約を入れた日の前日、歯医者さんから予約確認の電話が来たことです。「明日お持ちしています」と!なんと丁寧な!しかもこの歯科、診察時間が10:00〜22:00なのです。会社勤めの人でも、仕事の後行けますよね。
そういうわけで、友人の夕方の予約に同行してやって来たのですが、まず、歯科のエントランスにびっくり!ものすごく豪華です。
受付では、簡単に氏名と生年月日、電話番号(ここは、中国語でコミュニケーションできる人の番号を、と言われたので、私の番号を伝えました)を書き、中国の社保(社会保険)の有無を確認されました(中国の社保は、1等、2等があるのですが、この歯科医院は、1等の社保だけが使えるそうです)。
予約した時間より15分ほど前に到着したので、少し待つのは当然なのですが、受付のお姉さんは「すみませんね、もう少しお待ちください」と私たちをフワフワのソファーの方に案内して、お水を持って来てくれました。
しばらくして、30代前半、がっしりとした長身の男性歯科医が、奥の診察室から患者を出迎えに出て来ました。彼もとても礼儀正しく、好感が持てます。まず、ヒステリックで自信がなさそうなお医者さんではない、というだけで一安心です。
1階と2階で、おそらく10ほどはあるであろう個室の1つに案内されました。診察室も清潔です。
「今日は、どうされました?」との質問に、患者である友人と、通訳の私が話すのを、交互に眼を見ながらしっかりと聞いてくれる態度にも感激です。
中国の大きな公立病院の医師たちの患者の話を聞かない横柄で辛抱のない態度をさんざん見てきたからです。
さて、治療が始まりました。奥歯に虫歯を確認。「痛みは?歯茎が腫れることは?」と聞かれ、「ない」と答えると、「では、今日中に治療が終わります」と先生。
「え?虫歯の治療を1回で?普通、レントゲンで確認してから、虫歯部分を削って、ふたして、次回型とって、3回目に詰めて終了、じゃないの?」と内心驚きましたが、患者本人は「1回で終わるの?それは嬉しい!」と喜んでいます。
そしてここでお決まりの「3択タイム」です。
「虫歯部分を削った後、詰めるのに使う素材ですが、800元、600元、300元のどれにしますか?」「えっと……。その3つは、何が違うんですか?」「質です」(「そりゃそうだろ」通訳者、心の中でツッコミ)
「800元のものは輸入品とか?」「全部輸入品です」「では、300元にしたら、数年でダメになるとか?」
「そんなことはないですが、300元のものを前歯に使うことは勧められませんね。今回は奥歯で、噛み切るときの圧力はないので、300元のでも大丈夫です」などのやりとりの後、結局、患者である友人は、600元のを選びました。
ここからが、日本の歯科との大きな違いです。私の経験では、虫歯治療で歯を削るときは、必ずと言っていいほど、まず麻酔の注射を歯茎にするのに、麻酔なしで、いきなり削り出しました。
削るときの音は同じです。一生涯好きにはなれない、あのウィーンとキーンが交錯した音です。「通訳の方はこちらに」と椅子を出してもらって「15分くらいで終わるかな」と待っていても、いっこうに削り終わりません。
そういうわけで今、病室の中で、iPadを膝に置いて、記事を書いているのですが……。
はい、ここからが、実況中継ではなく、帰宅してから書いている部分です。結局、35分間ずっと削っていました。しかもその間、うがいをしたのは3回だけ。患者である友人は、その間、ずっと大口を開け続けていました。
「口を開けっぱなしで、あごが疲れました」という彼女に先生があごのマッサージをしたのを見て、筆者は吹き出しそうになりました。
その後、600元の輸入品の詰め物(金属ではなく、歯とほぼ同じ色のもの)を歯に詰め、さらに勧められるまま、歯石を取るお掃除もして、診察室にいた時間は、全部で1時間半!長い!
費用ですが、社会保険なし、つまり全て自費で808元(日本円で約13,170円。うち、歯に詰めた詰め物が600元、歯石を取るお掃除が128元、診察費は80元)でした。
このレベルの治療をこの費用で受けられるのは、悪くないんじゃないか、と筆者は思いました。ずっと口を開け続け、あごの感覚がなくなった患者はどう思ったか分かりませんが。
それから、治療の次の日、また臻美歯科の受付嬢から電話が来ました。「昨日治療を受けられて、その後、痛みが出たり、不都合はありませんか?」と。それで、友人に聞いてみたところ「大丈夫!」とのこと。
今後、半年、1年と問題なければ、かなりいいんじゃないでしょうか?「よし、次回またキャンディーで詰め物が取れたら、臻美歯科だな」と筆者は考えています。
基本情報
- 名称:臻美歯科(怡景中心店)
- 住所:深セン市福田区福華ニ路3号中心城商場L層R1027
- アクセス:地下鉄・会展中心駅B出口から徒歩3分
- 営業時間:10:00〜22:00
- 電話番号:0755-8272-1007(要予約)
- 公式サイト:https://www.nuomi.com/shop/63016714
日本の歯医者さんの苦笑い
※「キャンディートラブル」の元凶、「大白兎ミルクキャンディー」
懲りずに何度も「キャンディートラブル」で、中国の歯科にかかっている私。年に1度、日本に帰国すると必ずすぐに電話するのは、15年以上お世話になっている実家の近くのM歯科クリニックです。
「先生〜、帰国しました。歯科検診お願いします」と電話すると、すぐに予約を入れてくれるので、本当に助かります。
そして、ほぼ100パーセントなにかしらの治療が必要になるであろうことを分かっているM先生は、まず「今回の帰国はいつまで?」と聞いて、それに間に合うように治療の予定を組んでくれます。
中国で治療した歯のことを話すと、先生は「ふむ」と言ってちょっと苦笑いし、その歯をレントゲンで確認します。
前述の1回目と2回目の歯科治療経験で、銀の詰め物を元の場所に入れた歯は、どちらも中で虫歯になっていて(特に1回目の方は虫歯が神経までとどいていました……)、結局、日本でもう一度治療し直しました。
3回目の「仮詰め」してもらった歯だけは、言われた通り、詰めたものは3週間程度で、すり減ってなくなってしまい、また歯に穴ができてしまいましたが、その後帰国するまでの約3ヶ月間、気をつけて歯磨きをしっかりしていたこともあり、日本では型をとって新しく詰めてもらうだけで済みました。
日本のM先生も、歯科助手は使わず、どんな治療も1人でやってしまう先生です。丁寧でかつ無駄のない動きで治療をする先生に、「こういう歯科医が中国にたくさんいてくれたらいいのに!」と毎回思います。
もちろん、治療中に薄眼を開けての安全確認は不要です。それどころか、流れているクラッシック音楽を聴きながら、リラックスして寝そうになるほどです。
まとめ
やはり、費用の面でも、技術の面でも、日本で歯科治療したほうが絶対安心です。海外に長期滞在する前に、歯医者さんに行っておくことをお勧めします。また、一時帰国するときにも、歯科検診や歯石除去などのケアを積極的に受けたいものです。
どうしても、中国で歯科治療しなければいけなくなったら、やはり地元の中国人に直接聞いて、評判のよいクリニックを探すのがいいと思います。
ネットで調べると、まず出てくるのは、大きな広告を出している歯科医院ですが、そこの全ての歯科医の技術や人間性が素晴らしいとは、決して言えないです。
最後に。キャンディーは、噛まずになめましょう!
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