2018年のMercer国際生活資質調査で、オークランドは世界450都市中3番目に生活の質が良いと発表されました。実際住んでいて治安面、衛生面、教育、医療、社会福祉においても納得できる順位だと感じます。
オークランドはニュージーランドの最大都市であり、消費者物価も国内一高いといわれています。
今回は「Quality of Living」第3位のオークランドに、夫婦プラス子ども2人の4人家族で住んだ場合の1カ月の生活費を紹介します。※1NZD=約77.96円 (2019年1月)
週単位で支払われる給料
ニュージーランドでは、ほとんどの場合お給料が週単位で支払われます。そのため、家計のやりくりも週単位で行います。国から支払われる年金、家賃補助金、失業保険などの社会福祉金も週単位で支給されます。
水道・光熱費、インターネット料金、自動車保険などの支払いは月払いです。
オークランドの家賃
ニュージーランドの家賃は週払いが基本です。賃貸物件は日本のようなアパートはほとんどなく、一軒家を借りるか、一軒家をシェアして住むフラットがほとんどです。
単身で住む場合
オークランドに単身で住む場合は、フラットと言われるルームシェア形態が一般的です。1部屋170NZD~250NZD(13,253円~19,491円)が相場で、週の家賃に水道・光熱費、インターネット代などが含まれている場合が多いです。
ただし冬場は暖房費として別途お金がかかることが多いので、冬場の家賃は若干値上がりします。
家族の場合
家族連れの場合は、一軒家を賃貸する場合がほとんどです。私は家族で一軒家(2LK)をオークランド都市部郊外で借りていますが、家賃は1週間450NZD(35,083円)です。
治安などにこだわりがなければ週300NZD(23,389円)くらいから借りることができます。ただ、子どもも一緒ということならば、家賃は多少上がっても治安のいいエリアを選ぶことをおすすめします。
部屋数によって値段も変わりますが、家族連れの場合は450NZD~650NZD(35,083円~50,676円)程度が相場だと思います。
私の場合
- 1週間の家賃=450NZD(35,083円)
オークランドの食費
食費は日本と比べると全体的に高く感じます。
オークランドで食品を買う場合、大手スーパーマーケットの利用が一般的ですが、アジア人が経営するスーパーなどもよく利用します。
野菜や果物の値段が大手スーパーより1~2割程度安いことが多く、大手スーパーにはない白菜や大根などの食材が購入できます。
またオークランドでは、田舎では買えない日本でなじみ深い食材や、日本食が簡単に手に入る点も魅力です。
果物・野菜
果物や野菜は季節により値段が変動します。旬のものは安く手に入り、そうでない場合は高額です。
例えば、きゅうり(1本が日本のきゅうりの5倍ほどの大きさ)ですが夏場は1本約1NZD(77円)、冬は5NZD(389円)になります。ミニトマト1箱も夏場は約3NZD(233円)、冬場は6NZD(467円)という具合に変動します。
旬の野菜や果物は日本より安く手に入りますが、旬でない時期は日本よりもかなり高額になります。
肉類
ニュージーランドといえば羊です。そのためラム肉などが安いと思われがちですが、国内で生産されているラム肉や牛肉の90%は輸出されており、国内に出回る量は制限されるため、価格はそれほど安くはありません。
高額だといわれるもう一つの理由
ニュースなどでも牛肉やラム肉の価格が高いと度々取り上げられていますが、それでも日本と比べると安いと思います。
私は大容量のお肉を購入、小分けにして冷凍します。家庭では普段日本食を作っていますが、1度の食事では少量の肉しか使用しないためとても安く感じます。
BBQやステーキなどを毎日食べたいニュージーランド人にとっては、この値段では、ちょっと高額なのかもしれません。
- 牛ひき肉1キロ:12NZD(935円)
- 牛サーロインステーキ1キロ:25NZD(1,949円)
- ラムショルダーチョップ1キロ:13NZD(1,013円)
- 鶏むね肉1キロ:9NZD(701円)
- 豚ロース1キロ:15NZD(1,169円)
ちなみに魚は種類も少なく、肉類よりも高額です。
- サーモン切り身1キロ:35NZD(2,728円)
- スナッパー(鯛)切り身1キロ:38NZD(2,962円)
乳製品
肉類同様、国内で生産されたものの多くが輸出されているため、こちらもそこまで安さは感じません。
- 牛乳2リットル:約3.50NZD(272円)
- バター500グラム:約 6NZD(467円)
- シュレッダードチーズ350グラム:約6NZD(467円)
パン
ニュージーランド人の主食であるパンは、種類がとても豊富です。種類によって値段は異なりますが、平均700グラムの1斤で3NZD(233円)ほどの値段です。
日本の食パンに比べて1枚の大きさは半分ほどと小ぶりなサイズですが、約25スライス入っているので、こちらは比較的安い印象です。
日本食
オークランドにはジャパンマートとよばれる日本の食料品を販売しているお店があります。品ぞろえがとにかく豊富で行くだけでも楽しいです。
ただし、日本の食品や調味料の値段は日本で購入するよりも約3倍ほど高くなります。
- 生ワサビチューブ:約5NZD(389円)
- インスタントラーメン5食入り:平均13NZD(1,013円)
- 冷凍納豆3個入り:約3NZD(233円)
また、お米などは大手スーパーで10キロ25NZD~30NZD(1,949円~2,338円)ほどで購入できます。アメリカ米やオーストラリア米が一般的で、味は日本米と比べるとやはり劣ると思います。
節約するポイント
海外に住んでいると、やはり日本食が食べたくなるものです。輸入している分値段が高くなるので、とくに調味料はこちらに渡航する前に多めに持ってくるといいと思います。
私の場合
- 1週間の家族4人分の食費=平均250NZD(19,491円)
オークランドでの外食費
ニュージーランドで外食した場合は、日本で外食するよりも高くなる感覚があります。
コーヒー
日本ではコンビニコーヒーは100円で買える時代ですが、こちらはコンビニやカフェで購入して3NZD~5NZD(233円~389円)が平均です。
日本食
オークランドには日本食を提供しているレストランや、テイクアウト店が多くあります。
ラーメンは1杯約13NZD(1,013円)から、お寿司は海苔巻きが主流で10個入りが約10NZD(779円)からと、やはり安くはありません。
日本食レストランで夕食を食べる場合は、飲み物込みで1人40NZD~50NZD(3,118円~3,898円)は最低必要だと思います。
カフェ
私はコーヒーが好きなので、近場にある全国チェーンのカフェ「The coffee club」というカフェによく行きます。
ほとんど食事は購入しませんが、食事で一番安いメニューはフライドポテト9NZD(701円)です。オムレツやハンバーガーなどの軽食は平均18NZD(1,403円)と決して安くはありません。
飲み物も頼めば1人20NZD~25NZD(1,559円~1,949円)ほどの値段になります。
ファーストフード
日本のマクドナルドで100円のハンバーガーは、ニュージーランドでは3.60NZD(280円)と倍以上の値段になります。
ビッグマック指数
エコノミストが考案した、世界のビッグマック価格を比較したビッグマック指数というものがあります。それによるとビッグマック価格はニュージーランドが13位・472円、日本は23位・390円という結果が出ています。
各国の通貨価値を比較しているものですが、やはり、日本と比較してもニュージーランドの平均年収は高く、通貨価値も大きい、つまり物価が高く、食費は高い現実があるのかなと感じます。
外食を節約
私の場合、子どもがまだ小さいのでほとんど外食はしません。週に1度、ファーストフードやカフェでコーヒーや軽食をテイクアウトする程度なので、かなり外食費は少ないです。週末に出かける際は、お弁当を持参したりしながら節約しています。
私の場合
- 1週間の外食費=平均30NZD(2,338円)
オークランドでの交通費
現在のガソリン代はリッター2.20NZD(172円)と、日本と比べても安くはありません。
ニュージーランドは車社会の上、私が住んでいる場所は公共交通機関が発達していないため、どこに行くにも車を使用します。主に、5キロ程先の子どもの幼稚園と小学校の毎日の送り迎えと、週1~2回の買い出しと、週末のレジャーに使用します。
私の場合
- 1カ月の交通費=平均280NZD(21,829円)
オークランドでのインターネット料金
インターネット料金は月払いです。VodafoneやSparkなどが有名な会社です。
私の住んでいるエリアに光ファイバーはまだ通っていないので、住んでいるエリアによって加入できるプランが限られることもあります。私はSparkの無制限のブロードバンド「Unlimited」に加入しています。
私の場合
- 1カ月のインターネット代=約100NZD(7,796円)
オークランドの水道・光熱費
一軒家を借りる場合は水道・光熱費の支払いは月払いです。フラットなどで部屋を間借りする場合は週の家賃に含まれていることが多いです。
光熱費
ニュージーランドの一般家庭はオール電化がほとんどです。そのため、ガス代というものがかかりません。
電気代は季節によって異なりますが、私の場合、暖房、乾燥機などを頻繁に使用する冬場は250NZD(19,491円)前後、そのほかの季節は100NZD~150NZD(7,796円~11,694円)程度です。1カ月の平均は130NZD(10,135円)程度です。
ガス代がない分、電気代が高くなってしまうのは仕方ないことですが、冬場の金額は結構な痛手です。
水道代
水道料金は、水道代と下水道代の2種類があります。
私が住んでいるような郊外や田舎では、公共下水道が未発達のエリアが多く、各家庭に浄化槽が設置されています。そういった場合は下水道代を払う必要がないので、使用した水道代のみの支払いになります。
私の家も浄化槽が設置されているので、下水代はかかりません。そのため月額平均は水道代のみで約20NZD(1,559円)です。
私の場合
- 1カ月の水道・光熱費=平均200NZD(15,592円)
オークランドでの携帯代
ニュージーランドでは月額契約と、プリペイドタイプの2種類の携帯契約ができます。
私の場合、外出時にしか携帯電話を使用しないため、プリペイドで契約していますが、周りの長期滞在者のほとんどは月額契約をしています。
月額契約の場合は身分証明書などの書類が必要になりますが、プリペイド式の場合は必要なものは特にありません。
プリペイド式でも、契約している携帯会社のサイトで細かなプランを組むことができます。私の場合は通話しかしないので、通話メインのプランを選択しています。
私の場合
- 1カ月の夫婦の携帯代金=40NZD(3,118円)
家族4人・オークランドでの1カ月の生活費
- 家賃:1,800NZD(140,335円)
- 食費:1,000NZD(77,963円)
- 外食費:120NZD (9,355円)
- 携帯電話:40NZD(3,118円)
- インターネット:100NZD(7,796円)
- 水道・光熱費:200NZD(15,592円)
その他
- 個人加入健康保険約:100NZD(7,796円)
- 両保険:約50NZD(3,898円)
- 日用品:30NZD(2,315円)
- その他交際費:平均100 NZD(7,796円)
1カ月合計:3,540NZD(275,992円)
まとめ
こうやって書き出してみると、やはりニュージーランドの生活費はそれほど安くはありません。ただ、その分、所得額も日本より若干高く、2018年現在のニュージーランドの最低賃金は時給16.50NZD(1,286円)です。
とはいえ、所得税も税金も日本に比べて高く、普段の生活で節約している人は私を含めて多くいます。
1カ月の家賃が支出の半分を占めますが、そこは節約できません。やはり食費を抑えることが節約するポイントだと思います。
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