世界でも安全な国といわれる日本で暮らしている私たちは、海外に渡航するとなると、治安が一番気になるのではないでしょうか。
中国の中でも大連は治安がいいことで知られています。日本人はもとよりさまざまな国の人が旅行、留学、仕事などで大連に滞在しており、外国人が珍しいという土地でもありません。
周りに注意を払いながら、ごく普通に生活している限りでは犯罪に巻き込まれることは基本的にないでしょう。
今回は中国大連の治安と特に注意すべきことについてご紹介していきます。
大連の治安で一番気をつけるべきはスリ
夜中に一人でふらふら出歩いたり、怪しげなクラブに出入りするなど、危険な場所に近づいたりしなければ、普通に旅行したり、生活したりする上で、危険な目に遭うことは滅多にないでしょう。
しかし、油断は禁物です。
スリの現場は何度も目撃している
筆者は何度も大連でスリを目撃しています。ここ大連で一番気をつけるべきはスリです。自分自身がスリにあったこともありますし、携帯や現金を盗られた友人も何人かいます。
チャックがない中身が見えるバックは持たないのが賢明です。
また、携帯や貴重品は、カバンの外ポケットや洋服のポケットに入れておくのは危険です。気付いた時には無くなっていたということが非常に多いです。
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つい先日も、ボディバックの外ポケットに携帯を入れておいたら、いつの間にかとられていたという友人がいました。リュックサックやボディバックも自分の前に持ってくるなど工夫した方が良いでしょう。
実際あったスリ
こちらに来て初めてスリに遭遇したのは、友人と2人で道を歩いている時でした。
コートのポケットに携帯(スマホではなく、メールと通話だけができる小さなもの)を入れていたのですが、ふと何かが触った気がして振り向きました。
すると、男の人が金属製の菜箸のようなものをポケットに突っ込んで、携帯を取ろうとしていたのです。
幸い、その時は取られる前に気付いたので被害には遭いませんでしたが、とても怖い思いをしました。
混雑した場所では細心の注意を
混雑したバスの中は、スリの被害に遭いやすい場所です。
バスに乗るために押し合いへし合いしている最中に財布を取られていたとか、ドアの近くに立っていたら降りていく人にカバンをサッと取っていかれてしまった、などがよく聞かれるケースです。
座席に座っていても安心はできません。思わずうたた寝していたら、気付いた時には貴重品が無くなっていたり、スリグループに周りを囲まれて座われ、いつの間にか抜き取られているということもあります。
観光地でも要注意
また、人の多い観光地では特に気をつけてください。
人ごみに紛れて、複数人がグループになりスリをはたらくことがよくあります。一人が見張り、一人が周りから見えないようについたて代わりになり、一人が実際に貴重品を抜き取る、といった具合です。
細い路地には入らない
また、細い路地には入らないようにしましょう。外国人が足を踏み入れるととても目立ちますし、スリも姿をくらませやすいので、被害に遭いやすくなります。
また、火車駅(新幹線ではなく、昔ながらの長距離列車の駅)の周りは古い街が多く、貧しい生活を送っている人が集まる集落であることがよくあります。
そういったエリアは治安が悪いことが多いので、貴重品の保管には細心の注意を払いましょう。
春節の前は要注意
基本的に1年中スリの被害は絶えないのですが、特に要注意のシーズンがあります。それは、春節(旧正月)の前です。
春節は中国で最も大切にされている祝日の一つで、学校や会社、工場も長期休みになります。大連のような大都市で働いている労働者が、1年で唯一実家に帰ることができるときなのです。
この時期、実家に帰るためのお金が欲しいあまり、スリをはたらくというケースがよく聞かれます。盗みやすく、高値で売れる最新のスマホは格好の獲物になります。
また、イヤリングやピアス、ネックレスなどのアクセサリーも狙われることがあります。特に外国人の身に着けている物は高級だというイメージを持たれているので注意が必要です。
ひったくりは突然くる
以前、欧米人の友人が人ごみの多い駅の近くを現地の友だちと一緒に歩いていたところ、向かいから来た男の人にすれ違いざまにネックレスを引っ張られ、取られそうになったことがありました。
ピアスを無理やり引っ張られ、耳たぶがちぎれてしまったという話を聞いたこともあります。
結果何も取られなかったとしても、やはり気持ちが良くないものです。少しでも危険な目に遭わないよう、対策はしっかりしておきましょう。
誘拐
2016年5月、筆者が暮らしている近所で小学校低学年の女の子の誘拐未遂事件が発生しました。幸いにも近くにいた両親が気付いて未遂に終わりましたが、犯人(女性)はその場から逃走し、現在まだ捕まっていません。
中国では特に子供の誘拐事件が多発しています。
それを防ぐために、ここ大連でも小学校の下校時刻になると毎日祖父母や両親がわざわざ迎えにいく光景が見られます。一人で家に帰る子はほとんどいません。
誘拐された子は子供のいない人に売られたり、農村部へ労働力のために売られたりさまざまです。中には臓器売買や買った子に物乞いをさせて利益を得るというケースまで聞きます。
小さいお子さん連れで中国に滞在する場合には、どんなに治安が安定している大連でも、子供から目を離さないようにしたほうがいいでしょう。
振り込め詐欺
日本同様、中国にも存在します。どんな詐欺があるのかというと、主に以下2つです。
- 電話
- 携帯ショートメール
どこで携帯電話の番号がバレるのかわかりませんが、筆者は主に携帯ショートメールで週に1回くらい詐欺メールを受け取ります。
こんな内容が送られてきます
「大家です。まだ家賃が振り込まれてません。振り込み先が変わったのでこちらに振り込んでください。xxxx xxxx xxxx xxxx(口座番号)○○(名前)」
「まだ振り込んでないよね。私の口座番号が使えなくなったので、これから送る口座番号まで振り込んでください。xxxx xxxx xxxx xxxx(口座番号)○○(名前)」
等々の内容です。
こんなんで騙されるのかと個人的には思うのですが、たまたま状況が一致した場合などは引っかかる恐れもあるのでしょう。気をつけるに越したことはありません。
麻薬・ギャンブル・風俗
治安、というと少し意味合いが違いますが、相手から誘われて犯罪を犯してしまうという意味で、3つあげたいと思います。
大連ではこれらで日本人が摘発されるケースがありました。日本でも違法ですね。
中国は麻薬や覚醒剤の犯罪に対して、日本に比べて非常に重い刑罰が下されます。中身が分からないような物品の保管や運搬を頼まれても決して要求通りにしてはいけません。
賭博は違法です。違法賭博(パチンコやスロット)の場などの話を聞いても出入りしたりしないようにしましょう。
売春も違法です。そう言った怪しげな場所に出入りしたり、わけのわからない女性を連れて帰ったりしないようにしましょう。
大連での治安対策
- 夜中にふらふら出歩いたり、薄暗い人通りの少ない場所に行かない
- 知らない人の誘いに乗ったり、要求に応えたりしない
- 必要以上に目立つ格好をしたり、貴金属や現金を表から見えるようにしない(特に日本でよく見られる後ろポケットに財布や携帯を入れて出歩いたりは避けましょう)
大連滞在での万が一に備えて
大連など治安の心配な地域で滞在する場合には、海外旅行保険に加入し万が一の事故やトラブルに備えることが多いです。損保ジャパンや東京海上日動などの海外旅行保険に1週間加入するとなると、約7,000円〜10,000円前後の費用が必要になります。
しかし、そんな費用を抑えたい人も多いはず。そんな時に便利に使えるのがクレジットカードです。クレジットカードには海外旅行障害保険が付帯しているものがあり、節約しながら万が一に備えることができます。
保険に関しては、損保ジャパンや東京海上日動には劣りますが、約7,000円〜10,000円前後の保険料の節約ができるのはお得です。
海外旅行障害保険が付帯しているクレジットカードは「楽天カード」や「三井住友VISAカード」などがあり、航空券代をクレジットカードで決済するだけで海外旅行障害保険が適用されます。
海外旅行保険の保証内容を比較しながら検討してみることをおすすめします。
詳しくは「【楽天カード編】海外で便利にクレジットカードを使いこなそう!」にて解説しているので、あわせてご参照ください。
まとめ
大連には日本語を話す人も多く日本食も普通に食べられるため、気を抜いてしまいがちです。しかし、ここが中国であり自分が外国人であることを忘れてはいけません。
中国は「お隣の国」だけれど、日本人的感覚で過ごしていると、良い意味でも悪い意味でも、さまざまなカルチャーショックを受けることになります。
自分の身は自分で守ることを心がけ、大連での生活を楽しみましょう。
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