海外勤務・海外出向の5つのメリット、国内勤務に比べて転職に有利?

ビジネス 駐在員

ほんの数年前まで、海外で仕事をするのはハードルが高い、普通の人には難しいと思われていました。かつては、国内で経験を積んだ人が海外へ駐在員として派遣されることが多かったため、そのようなイメージがあるのかもしれません。

しかし最近では、新卒や第二新卒としていきなり海外で働く方も多くなってきています。

私自身は駐在員として海外勤務を経験しましたが、日本にいては得られそうにない多くのメリットがあることを実感しました。今日は、そのメリットを5つご紹介します。

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海外勤務・海外出向のメリット

仲間

考え方の幅が広がる

海外で仕事をするということは、日本とは最大180°違った環境や文化、習慣の中で、日本人とは少し違った思考回路を持つ人達と付き合っていくことです。

日本で仕事をするときは、自己中心的な考え方を捨て、相手の立場になって一緒に考える、つまり自分が担当する業務だけでなく、その仕事全体を把握して仕事を進めることが大切だと言われます。

会社のために従業員が一致団結して努力するという考え方は、日本で働くときに忘れてはいけませんよね。

事前に日本との違いを知っておこう

初めはびっくりするかもしれませんが、いつも自分の考え方が正しいとは限らないと理解でき、見方を変えることができます。仕事だけでなく人生を豊かにしていく上で、様々な考え方に触れてそれらを吸収できるのは大きな利点と言えます。

もちろん、その国の文化や価値観、問題の解決方法などを前もって知っておくと、順応するにあたってのストレスも必要最低限に抑えることができます。

今は、海外で働いている方のブログやサイトなどもたくさんあります。日本との意外な共通点や違いを知ることができるので、探して気軽にのぞいてみましょう。

海外では自己主張が大切

東南アジアやヨーロッパ、アメリカなど海外のほとんどの国では、自分の失敗の責任を自分以外の人やものに転嫁し、完全な過失であっても謝罪しないことが多いと言われています。

日本人には受け入れがたい考え方かもしれませんが、そういうものだと割り切るしかありません。海外ではいちいち相手の立場になったり下手に出たりしていると、逆に責任を押し付けられたり、余計な罪を被ったりしてしまいます。自己主張しなければ仕事も進まないのです。

責任を取らない典型的な例はフランス人

私はフランスに駐在していたのですが、フランス人は自分で責任を取らない例の最たるもので、たとえこちらが困っていても必要以上に仕事をしてくれたりしません

警察官に道を聞いても、知らなければ仲間に尋ねもせず、一応丁寧に「知りません」と言われます。子供を急な発熱で病院に連れて行っても、受付時間を過ぎていれば受付にはだれ一人出て来てくれません。

注文した家具のセットの配達で、1個積み忘れてきた大型家具店の対応は「今週はもう便がないので来週にするか、今すぐ欲しければ自分で取りに来てくれ」でした。

海外に出ることで日本の特殊さがわかる

日本の思いやり精神や良識といったものは、いま世界でもだんだん注目されてきてはいますが、ビジネスにおいてはまだまだ特殊な価値観です。

いざ海外の企業と取引を行うときには、相手の合理的で強気な進め方に非常に苦労することでしょう。また、ときには日本人の慎ましさが先方を困惑させてしまうこともあります。日本人の会話は真意がわからないという意見はよく耳にしますよね。

この海外と日本との違いは、日本の中でのみ暮らしていたら気づくことのできないものでしょう。

広い視野を持つグローバルな人材に

勉強

日本を離れて海外で働くことによって、多様な文化や価値観を知り、様々な国の人と触れ合うことができるので、今度は日本を客観的に見ることができるようになります。

海外にはない日本特有のビジネス精神はやはり良いものだと再確認できたり、逆に日本の企業に足りないものに気づけたり。

違いを認め、受け入れることで、自分にとって大きな経験となり、「視野の広いグローバルな人材」に成長することができます。

海外勤務・海外出向は人脈形成のチャンスが豊富

海外駐在経験が転職に有利になる理由として人脈が豊富になることが挙げられます。

普通は転職する際、新しい業界にチャレンジするよりも自分の経験してきた業界に目を向けることが多いですし、採用する側も同業界から人を採用した方が即戦力になるので、中々新しい業界に飛び込むことは難しく思えます。

海外駐在員の場合も、普段の仕事の中では、当然顧客は同業界の人になるので人脈は同業界の方達で形成されます。

しかし、国内勤務と違って他業界の方と幅広く出会うことができる関係が海外にはあります。しかも異国の地で働いている者同士、関係も深くなります。

出会うことができる場所として、県人会や、共通の趣味の集まりがあります。このような集まりには実に様々な職種、業種の方達が集まっているので色々な情報交換をすることができます。

転職にも有利

通常の転職だと、どこかのサイトに登録して、書類を提出、面接という流れですが、限られた時間の中で、その企業の詳しいことまではわかりません。採用する側も限られた時間の中でその人の人物像を全て把握することは無理です。

海外では県人会や共通の趣味を通じてプライベートを共有することで、それぞれの業界のことがよく分かりますし、どこの会社が人材募集中なのかといった生の情報を掴むことができます。

駐在員の中には役員クラスの方も沢山いるので、その人達が直接本社に推薦してくれるといったケースもあります。

このように、海外駐在員同士の横のつながりが社外で強くなり、生の情報を掴むことができるので転職には有利になります。

海外勤務経験はキャリアで有利になるのか

海外勤務経験

なんと言っても、「海外勤務経験あり」という職務経歴を得られることは大きなメリットです。日本国内企業に転職・再就職することになっても、企業側の重要な評価ポイントになります

語学以上のものに期待

昨今、日本の企業で働いていても、海外の企業や顧客と国際電話やメール、もしくは出張などで取引をしなければならないことが増えてきています。また、初めから海外駐在要員として求人を出しているところも多いです。

そういった企業が求める人材の最低条件はもちろん、外国語を話せることです。

しかし、海外の企業を相手に円滑な取引をするためには実際に海外で働いていた経験が大きくものを言い、外国語ができることにプラスαのバックグラウンドや実務経験を重視して人材を集める企業は多いのです。

海外勤務経験者はキャリアアップも早い

元々国内企業に雇われ、駐在員として海外へ派遣された方の中には、海外勤務のキャリアを得てもっと条件の良い、もしくはその経験をもっと活かせる会社へ転職したり、ライバル会社に引き抜かれたりする人もいます。

しかし企業側からすれば、海外勤務という高い投資をし育ててきた人材をみすみす手放すわけにはいきません。とりわけ日系企業は駐在員を優遇し、帰国後にもっと良いポストを用意して待っていることも多いのです。

実際に私も海外駐在後、昇格していく人を何人も見てきました。

企業にとって重要な存在

そんな人が転職を理由に会社を辞めたいとなっても、そう簡単ではありません。企業は何とか思いとどまらせたり、逆にもっと良い条件を出したりし、なんとか引きとめようとします。

それだけ、海外勤務経験を持つ社員は企業にとって重要なのです。そして、企業はそういった人材を欲し、それを最初から持っている人材(駐在経験者や現地採用者も含め)を求めているのです。

海外勤務・海外出向での外国語の必要性

語学力

私たちが話す日本語は日本でしか使われていません。海外で働くなら、英語をはじめとする外国語で話すことが必須です。語学力を上げるために海外で働きたいと考えている人もいるでしょう。

しかし、ここで一つ知っておいてもらいたいことがあります。「海外で働く=言葉が自然に身につく」 ではないということです。言葉を覚えるには、自分で努力する必要があります。

業務に使用する英語もしくは現地語を必死で勉強し、流ちょうではなくても覚えた言葉を駆使して仕事を進める。その結果、外国語が上達し、問題なく仕事ができるレベルになるのです。

フランスで働いたら下手なりにフランス語が身につけた

私が働いていたフランスは、幸いと言っていいのか、英語があまり好きではない国民性らしく、プライベートでも仕事でもほとんどフランス語を使っていました。

そのため英語を勉強する必要はなく、フランス語学習に専念できはしましたが、その分、完璧なフランス語の発音や聞き取りを余儀なくされました。

まだまだ上手くしゃべれない私に対し、フランス人たちはいじめかと思えるぐらいのスピードでしゃべってくるのです。聞き取れないとアピールしても、意に介す様子はありません。

語学学校にも通い、現地のスタッフともとにかくコミュニケーションを取りながら働く中で、自ずと言葉を覚えていく毎日でした。

現地の言葉を学ぶ必要性

私がいたのはたまたまフランスでしたが、ビジネスにおける世界の共通語はやはり英語です。英語が話せると、たいていの国で仕事ができます。現地の言葉が話せなくても、英語力があれば採用、という企業もあるほどです。

しかし、仕事では通用しても英語を公用語としない国で生活するとなると、現地の言葉が絶対的に必要です。日常会話を母国語でしない国はありません。

現地語はスタッフとの信頼関係を築くツール

私がフランスに駐在していたときのポジションは、現地のトップでした。トップとして仕事をしていく上で大切なことは「スタッフとの信頼関係」です。

信頼関係を築くために初めにしておくべきことと言えるのが、現地語を習得して現地の人達と関わり、コミュニケーションを取ることです。

特にフランス人という人種は、フランス語という自身の母国語に非常に愛着と誇りを持っているように思います。移民の多い国家なので多種多様に訛ったフランス語が飛び交い、特に年配の方はそれを嫌いますが、それでもフランスで働き、生活するならフランス語を話すことは避けて通れません。

溶け込もうと努力すれば仕事もうまくいく

コミュニケーション

そんな中、「90を4×20+10と言わなきゃならないなんて、どうかしている」などと言わずに、 彼らの愛するフランス語のすばらしさを認め、死ぬまで勉強してもペラペラになることはないとわかっていても努力を続けることで、彼らは心を開いてくれました。

やけにお節介になったりもし、わざわざ仕事が終わってからフランス語の個人レッスンまでしてくれる人もいました。もちろんワインを飲みながらでしたが。

その国の人たちにとっての文化であったり、アイデンティティーであったりする現地語を一生懸命勉強すれば、積極的にその国に馴染もうとしている姿勢が伝わり、現地スタッフも相手の企業も友好的に仕事を進めてくれるようになります。

そうすると、仕事の幅も広がり、良い循環が得られます。

どうやって言葉を習得するか

しかし、前述したとおり、英語であれ現地語であれ海外で仕事をすれば勝手に身につくということはありません

大人になってからの外国語習得は並大抵の努力ではできないことです。たまたま赴任先が英語や現地語を使わざるを得ない職場であれば必死にもなるでしょうが、日本語で何とかなるような赴任先だと、語学にはどうしても力は入りません。

とにかくストイックに

例えば、日本人駐在員や現地採用者が多い中国圏などの国では、日本人スタッフと現地スタッフの間に通訳者的なスタッフが数名いる場合が多いです。

その場合、仕事上の最低限必要な連絡は日本語ですることができ、それ以外の日常会話はお互いがお互いのコミュニティの中で、自分たちの言葉でします。

また、日本語が話せるスタッフが多くいたり、取引先が日系企業であったりすると日本語で事が足りるので、一応語学学校へ通ったりはしても、ほとんど趣味レベルの学習になってしまいます。

語学はとにかくストイックに勉強することが大切になってくるのです。

相手を知りたいという気持ちを持つ

簡単な挨拶が一言二言やっとできるというレベルで、仕事のために中国に渡った友人がいました。日本語を理解できる現地の人は一人もいません。初めの1年は思うようにコミュニケーションが取れず、大変もどかしい思いをしたそうです。

でも彼女はあきらめません。まずは相手の文化や考え方を知る努力をしました

そうすると、日本人にとっては理解しにくい反応の真意が理解でき、言葉が通じなくても相手がどんな反応をするか予測ができるようになったのです。

次第に、どう伝えたら懸命か、どんな指示を出せば良いのかがつかめるようになって、仕事上のミスも減っていき、職場の雰囲気もだんだんと和やかになっていきました。

理解しようとすることで自然に上達

彼女が中国に渡って2年後に再会したときには、日常会話はまったく問題ないレベルにまで中国語を習得していてびっくりしたものです。

初めは3年と言われていた中国での勤務でしたが、中国の人や文化が大好きになった彼女は、期間の延長を自ら希望。なんと10年近く留まっています。

今ではネイティブと間違えられるほど中国語がペラペラなのだそう。彼女曰く、「外国語学習のコツは、相手を知りたいという気持ちを持つこと」だそう。なんとも深い言葉です。

海外で働くことになれば、どんな環境であっても言葉は学ぶべきでしょう。「外国にいたのに英語も現地語もしゃべれないのか」と言われないためにも。

どうせ苦労するなら英語・中国語の習得を

将来海外で働くことを考えている方は、英語と中国語(普通話)を学習することをおすすめします。両者は世界中に普及しており、ビジネスにおいても必要不可欠です。

逆に言えば、これらを商談などビジネスの取引時にも使えるようになったら、働ける国の選択肢が広がるということです。

苦労して外国語を身につけるなら、メジャーに使われている言語から手を付けるのが賢明です。まずは英語と中国語から始めると良いでしょう。

海外勤務・海外出向の評価制度

実力

海外には実力で給料が決まる、いわゆる「成果主義」の国が多くあります。男女共に平等に仕事のチャンスがあり、女性であってもその実力が評価されれば相応の給料や昇進が望めます

現在の日本社会において、年功序列や女性昇進を阻む壁などの制度や慣習が残っている事実は否めません。能力があり、やる気もある若者や女性にチャンスが回ってくる機会がまだまだ少ない現実があります。

キャリアアップのモチベーションが高い方は、海外で働いた方が才能を発揮できるチャンスが多いと言えるでしょう。

上にいけばいくほどリスクもある

ビジネス

「日本では上にいくほど楽になり、海外では忙しくなる」と、日本企業の体系を皮肉られることがよくあります。

日本では、部下が優秀であれば仕事は部下に任せておけばよいですが、海外では部下が優秀であれあるほど、その部署のトップは仕事のマネージメントが大変になります。

実力を認められて昇進もするのですが、新たに重大な責任も背負わなくてはならないのが海外企業の体系です。実力主義ゆえに、その役割をこなせていないと判断されると、降格や左遷、解雇ということもあり得ます。

ただ、そういった厳しい仕事環境に身を置き、若くして上の階級に進んでいくことも、日本では得られない経験の一つと言えます。

海外勤務・海外出向のプライベートタイム

時間

日本で仕事をしているとよくあるのは、残業が多く、定時で仕事を終えるのが難しいことです。2、3時間以上も残業する日も少なくないはずです。

しかし海外の企業では、定時になれば「すっと仕事を終える」のが普通。ヨーロッパやアメリカ、東南アジアなどの国々では、仕事の途中でも定時に上がるスタッフが多いです。

契約書に書かれている仕事内容がすべて

労働者側は契約内容に応じた仕事をし、その契約内容に応じた給料をもらうという認識で働くため、日本企業に多いサービス残業や長時間拘束を好みません。

仕事内容は契約書に書かれている仕事のみ、エクストラワークが発生すれば賃金も上がり、それ以上の役割を任せられれば役職も与えられます。

知り合いの駐在員や現地採用スタッフもほぼ定時、もしくは定時を少し過ぎたころに仕事を終えています。もちろん、日系企業なら急な対応で残業もありますが……。

海外で働けば、日本よりプライベートの時間が充実する場合が多いです。趣味などがあればもっといいですね!

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まとめ~自分にとってのメリットが必ずある

海外就職は決して簡単なことではありませんが、文化や習慣の異なる環境で働くことは刺激的な体験です。これからのキャリアを築く上で、そして人生においても大きな影響を与えてくれるでしょう

ここでご紹介した以外にも、海外で働くことのメリットはたくさんあります。海外で自分の力を試してみたい、大きく成長したいという人は、思い切って日本を飛び出してみてください。

実際に海外で働いたときに、あなたなりのメリットが見つかるはずですよ。

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