世界の在外公館(領事館大使館、その他在外政府機関)で働く方法:在外公館派遣員制度

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「語学力を活かして海外で働いてみたい。」そんな風に考えたことはありませんか?世界中にある日本の在外公館が、そんなあなたのキャリアの選択肢のひとつになるかもしれません。

在外公館では、外交官がバリバリ働く敷居が高いイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。しかし、国家公務員試験に合格して外交官になる以外にも、これらの在外公館で働く方法があるんです!

今回はそのひとつ「在外公館派遣員制度」にスポットを当て、「世界の在外公館(領事館大使館、その他在外政府機関)で働く方法:在外公館派遣員制度」をお届けします。

そもそも在外公館って?

日本

在外公館とは

在外公館という言葉に、あまりなじみのない方も多いのではないでしょうか?在外公館とは、世界各国にある日本の大使館、総領事館、そして政府代表部(パリのUNESCO日本政府代表部など)を総称した呼び方です。

世界各地に200を超える在外公館が存在し、日本を代表する立場として、政治・経済などの交渉や情報収集、日本文化の広報活動などを行う重要な拠点として活躍しています。

その国の日本人の保護も重要な役割のひとつで、外国でパスポートを無くしてしまった!といった際の領事対応も、これらの在外公館の仕事です。

その他、その国の人が日本へ行くために必要なビザの発給も行っており、その国からの日本への入り口のような役割も担います。

外交官にならなくても大丈夫?どうやったら働けるの?

パスポート

在外公館では「日本から送られてきた職員」と「現地職員」が働いています。この、日本から送られてきている職員というのが主に外務省に属する外交官です。

役職によって書記官や領事など呼び方は変わりますが、彼ら外交官が、各国の在外公館で日本を代表してその国と政治・経済・文化など多岐にわたる交流・交渉を行います。

外交官になるには、「国家公務員(総合職・一般職)」「外務専門職員」といった該当する公務員採用試験に合格して、国家公務員にならなければいけません。ここでハードルがぐっとあがりますが、実は公務員試験を受験する以外にも、日本から派遣されて在外公館で働く方法があるのです。

その方法のひとつが「在外公館派遣員制度」を利用して「派遣員」になることです。

在外公館派遣員制度とは?

電車

在外公館派遣員制度とは、原則2年間の任期で民間人を世界中の在外公館に派遣する制度で、外務省の委託を受けて国際交流サービス協会が実施運営しています。派遣員には語学力と異文化コミュニケーション能力が求められ、外交官のサポート役としての後方支援業務が主な役割です。

1973年からと制度の歴史は長く、日本の青年が国際社会での経験を積み、友好親善に広く貢献していけるような場の提供という側面を持っています。

また募集言語は英語やフランス語などのメジャー言語から、アラビア語やラオス語といったマイナー言語など多岐にわたり、日本国内の一般企業では活かすことが難しい言語も必要とされている点が特徴のひとつです。

派遣員になるには?

辞書

派遣員に求められる条件は、

  1. 日本国籍を持っていること
  2. 運転免許を持っていること
  3. 高等学校卒業以上であること
  4. 語学が堪能であること

の4つだけ。

語学力の目安は「専門言語で新聞を読み、内容について説明できる程度」と考えていただければ問題ありません。また、資格などは求められません。これらの条件さえ満たせば、派遣員制度に応募することができるのです。

試験(一次試験:外国語・教養・作文・適正検査/二次試験:外国語と日本語の面接)に合格し、外務省での研修を終えれば、晴れて内定した各国の各在外公館へ派遣されます。

ここで注意が必要なのが、どこへでも行きたい国へ行けるわけではないということ。派遣員の募集が毎年2回、春と秋に行われるのですが、募集言語や人数にはその都度変更があります。

派遣員になりたいタイミングに、自分の行きたい国や専門言語の募集がない!なんてこともあり得ますので、こちらの募集(HP:http://www.ihcsa.or.jp/zaigaikoukan/hakenin-01/hakenin-02/)をよく確認しましょう。

派遣員として在外公館で働く魅力とは

飛行機

派遣員として在外公館で働く魅力とは何なのでしょうか。それはやはり、日本と外国の架け橋となれること。在外公館という外交の最前線で、日本を代表する立場の一端を担い働く、というのは、同じく海外で活躍している企業の駐在員とは一味違った醍醐味があります。

また、言語や文化そして価値観も違う人達に揉まれながら共に働くことで、自分の知見や視野も広がっていきます。2年間の任期を経て次のステップへ進む際には、派遣員の経験は高く評価されることも魅力のひとつです。

語学力だけでなく、在外公館勤務で培ったコミュニケーション力や人間力がキャリアアップへ繋がり、任期後は外務省の外交官として採用される人、日本や海外の企業に就職する人、海外大学院へ進学して専門性を磨く人など多岐にわたります。

まとめ~派遣員制度にチャレンジしてみよう

建物

在外公館派遣員制度は、一般的な認知度はあまり高くない制度ですが、語学力を活かして海外で働きたい!という方には、素晴らしいチャンスです。応募にあたって特殊な資格なども必要なく、広く門戸が開かれているのも大きな魅力です。

派遣員の仕事は決して楽な仕事ではありません。ですが、異文化環境の中で揉まれながら、自身の語学力を活かして働くという経験は必ずあなたのキャリアを後押ししてくれるでしょう。

この記事が、読んでくださったあなたのキャリア選択のひとつの参考となれば幸いです。

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記事を書いた人
ユイ

ヨーロッパ歴5年目の日本人。ドイツで留学と就労を経験し、現在はロンドンでOLとして働く傍ら、フリーランスのドイツ語翻訳者兼ライターとして活動中。お気に入りの国はポルトガル、趣味は旅行とコンポスト。

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