人々の多様性が美しいマレーシア。ここでは色んな宗教背景を持つ人が、互いの考え方を尊重しつつ、共存しています。人口の大半を占めるのはイスラム教徒ですが、他の宗教「キリスト教、仏教、ヒンドゥー教」についても知っておくと生活していくのにも、人々の考え方を知るのにも役立ちます。
今回はマレーシアの宗教についてご紹介します。
マレーシアのキリスト教
マレーシアのキリスト教徒の多くは、東マレーシアと呼ばれるサバ、サラワク州にいると言われています。もちろん、西マレーシアにもキリスト教徒はおり、教会もあります。
サバ州のキリスト教徒はカトリックやアングリカン、セブンスデーアドベンティストなど様々です。チャイニーズの人たちも多いです。
ただ中華系の多くは仏教徒の祝いの時にはそちらにも参加するフレキシブル?なキリスト教徒です。中国語の聖書を持っている人もいれば、教育を英語で受けたため英語しか読めない人もいます。
クリスマスの時期にはライトアップをしたりサンタのデコレーションをする家も多く、ショッピングモールには巨大ツリーが飾られます。
クリスマスから新年にかけてショッピングモールではセールが行われますが、新年の祝いは日本ほどではなく、1月1日を過ぎると平常にもどる印象です。
4月の最初の金曜日はグッドフライデーと呼ばれ、イエス・キリストの復活を祝うため教会へ行きます。
マレーシアの仏教
マレーシアの仏教は主にチャイニーズ系の人たちが信奉しています。
日本の仏教徒に似ていて、冠婚葬祭や祝日になると宗教色が濃くなる感じがします。そしてクリスマスや誕生日を祝う点も日本人と似ている気がします。
チャイニーズイヤーが仏教徒の最も盛り上がる日
仏教徒の大きな祝いと言えば、チャイニーズニューイヤーです。
名前の通り新年を祝うのですが、これがとても盛大でこの時期は街が新年ムードでいっぱいになります。中国独自の暦、旧暦で行なうので毎年微妙に日付けが異なりますが大体2月のどこかです。あらかじめ決められているのでインターネットで調べておくとよいでしょう。
カウントダウンも盛大に行われ、あちこちで花火が打ち上げられます。政府が花火を禁止したので、以前よりは減っていますが、住んでいる場所によっては新年の前日は音がうるさく、眠れないかもしれません。
国外に旅行する人も多く、お店などが二週間ほど閉まるところもあります。また台湾や中国本土など海外の中華圏から観光客も押し寄せます。
チャイニーズイヤー期間中は様々な手続きが止まることも
色々な手続きなどが止まってしまう可能性があるので、出来ればチャイニーズニューイヤー前にしなければいけない手続きなどは終らせておくとよいでしょう。
町中が赤色と金色で染まる
町中が縁起の良いと言われる赤と金になり、家族の平和を祈るサインやお金持ちになる事を願うサイン、その年の干支などがあちこちに飾られ、スーパーにはチャイニーズニューイヤーを祝うための縁起を担ぐ食べ物などがたくさん並びます。
みなパイナップルのお菓子やみかん(デコポン)などを各家庭で大量に買い、来客に振る舞います。この時期にチャイニーズの家に遊びに行くと大量に食べさせられます。おひねりを配る家もあります。
新年を迎える前に大掃除をしたり、家具を新調したり、ペンキを塗り替える家も多いです。
また、日本の獅子舞のようなドラゴンダンスと呼ばれるパフォーマンスをする人が各家を回っておひねりをもらいにきたり、学校ごとにドラゴンダンスのコンペティションがあったり。ドラの音と独特の音楽を大音量で流し、かなり騒がしくなります。
マレーシアのヒンドゥー教
主に西マレーシアにいるインド系の人たちが信奉しています。マレーシアにはインドのタミール地方から移民して来たタミール人と呼ばれる人がいます。
多神教のヒンドゥー教の教理はかなり複雑で、ヒンドゥー教徒の中にも教理を全て理解していない人たちも実はたくさんいるのです。
ヒンドゥー教徒は牛を神聖なものとしているため、牛肉は食べません。ヒンドゥー教徒の中には一切の肉を食べないベジタリアンも多くいます。
大きな祭りはタイプーサムと呼ばれるものです。これはタミール暦のタイ月という月(だいたい1月か2月頃)西マレーシアのバトゥケーブとよばれるヒンドゥー教徒の聖地で開催されるお祭りです。
このお祭りの特徴は身体中に針を刺した人がトランス状態になって行進する奇祭です。当日は人手ごった返して、地元の人でも危険だといいます。
サバ州にはヒンドゥー教徒は少ないですが、寺院もあります。
マレーシアのイスラム教
マレーシア人の約6割がイスラム教徒です。
イスラム教徒は女の人が公の場で肌を露出させるのを禁じているので、特にイスラム教徒が多い地域や、モスク付近などでは彼らの感情を考慮して服装に注意が必要です。
毎日五回、お祈りの時間があり、たいていの建物にあるお祈りの部屋でお祈りをしており、街のいたるところにあるスピーカーから、大音量でお祈りが流れます。
あまりの音量の大きさに、はじめは何事かと驚きますが、だんだんと生活の音として慣れてきます。
毎週金曜日は特別なお祈りがあり、皆さん正装してモスクへ向かう風景を見ることができるでしょう。そのためお店や郵便局が15時以降閉まってしまったり変則的になるので、金曜日に用事を済ませるなら午前中がおすすめです。
ラマダンとハリラヤ
イスラム教徒の断食の時期(ラマダン)には色々と注意が必要です。約1カ月のこの時期にはイスラム教徒の人は日中に一切飲み食いをしません。基本的に水さえ飲みません。
ただし、妊婦さんや授乳中の女性、小さなこどもや病気の人などは例外のようです。
ラマダンの時期は朝は日の出前に食事を取り、日没からまた食事を取ります。この時期女性たちは早く起きてたくさんの料理を作ります。仕事も早めに切り上げ、皆いつもより帰途に早くつくので、道路の渋滞の時間が早まるので、注意しましょう。
ラマダン期間中に外食するなら18時頃に注意
夕方は家族でレストランで食事をする家族も多く、18:00くらいにはレストランが満員になります。コタキナバルの日の入りは18:30くらいなので、それに合わせて事前にメニューを注文して食事を前に、今かと今かと待っています。
ラマダン中に夕方食事をする場合には、少し早めにレストランへ行き食事するようにしましょう。18時をすぎるとレストランはごった返し、注文をしても食事が出てくるまでにかなり時間がかかります。
少し早めに食事へ行くと、ラマダン期間中の子どもを含めみんなが18:30になるのを我慢して食べないで待っている中、自分たちだけ食べているのは少し居心地が悪いということもあります。
ハリラヤ、断食明けのお祭り
約1カ月するとハリラヤという断食明けのお祭りとなり、パーティーをしたり、里帰りしたり、まるで日本の年末年始のよう。実際、イスラム教の新年が始まり、この時期には学校が休みになったり銀行やお店なども閉まります。
毎年いつ断食入りするのか、いつ断食明けするのかは、イスラムの独自の暦で決まっており、前もって分かりますので、チェックしておくと役立ちます。
いつもと違う雰囲気を味わいたいならラマダンからハリラヤにかけてマレーシアへ行こう
ラマダンからハリラヤにかけては、街の様子もいつもと異なります。
ハリラヤを祝うデコレーションがされ、お店ではこの時期だけのセールが行われたり、レストランではいつもと違うメニューやビュッフェが用意されるところもあります。スーパーにはナツメヤシの実がたくさん並びます。
断食後に食事を取るときにはナツメヤシからとると胃に優しいとも言われており、味は黒糖のような上品な甘さで日本人にも合う味です。
おやつにしたりケーキなどに使ってもおいしいので試してみて下さい。
不浄の手
イスラム教徒は左手を浄められていない手と考えているので、食事の時などに左手を一切使いません。お手洗いの時に左手を使うからだと言われています。
それで物を渡す時や、握手をするときなどに右手を差し出すよう注意しましょう。
ハラル
イスラム教徒はハラルというイスラム教で許されたものしか食べません。そのためマレーシアの食品にはハラルの認定がされたハラルマークが付いています。
反対に禁じられているノンハラルのものには、豚肉、お酒などがあります。ポークエキスが入っているだけでもだめなので、イスラム教徒に食事を作ってあげたいと思う場合やレストランを選ぶ場合には注意しましょう。
恋愛や結婚
マレーシアのイスラム教徒と結婚したいと思う場合、男性であっても女性であってもイスラム教徒に改宗する必要があります。
またイスラム教には一夫多妻の習慣もあります。家族や親族が関わる大きな決定となりますので、文化や習慣、宗教についてじっくり学び、十分話し合って決定されて下さい。
まとめ
各宗教の特徴を知っておくことや、祝祭日を知っているだけでマレーシア生活がスムーズになります。ローカルの友人ができたら色々聞いてみて下さい。
そして彼らはあなたがどんな宗教に属しているのか、どんなことを信じているのか聞いてみるときっと面白いと思いますよ!
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