マレーシア人の仕事と人生の価値観とは?マレーシアで働く日本人が解説

マレーシア マレーシアでの働き方

東南アジアの中でも特に飛躍的な発展を遂げているのが、多民族国家であるマレーシアです。製造業やサービス業、IT関連の日系企業が多く進出し、日本人の駐在員も多い国です。

こちらの特集では、日本人とは異なる価値観を持つマレーシア人と仕事やプライベートを通じて関わりあう際に、知っておくと便利な情報をお伝えします。

旅行だけではきっと知ることができない、現地に在住している日本人だからこそわかる、マレーシア人の仕事観と人生観をのぞいてみましょう。

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マレーシア人は多様性に寛容

マレーシアの空

マレーシア人といってもルーツは十人十色

日本の国土の約0.9倍の国土に、約3,200万人が住むマレーシア。国民の7割がイスラム教徒であるマレー系、2割を中華系、残りの約1割をインド系が占めている多民族国家です。

同国の中でイスラム教が61%、儒教と道教と仏教が20%、ヒンズー教が6%、そしてキリスト教が9%を占めています。

宗教や民族の違いにもめごとなし

このように、宗教を基準に考えただけでも日常的に多様性を感じるマレーシアでは、宗教や民族背景の違いに関して、人々は想像以上に寛容的な態度をとります。

マレーシア在住7年目の筆者ですが、 他宗教の考え方を表立って批判したり、特定の宗教を差別する人は見たことがありません。もちろん、宗教批判が原因の暴動や衝突も、聞いたことがありません。

お互いが一線を越えないように発言には非常に気を配っているのです。視点を変えて捉えるとするならば、お互いの宗教や民族背景に関して無関心とも言えます。

ルーツに応じた祝日がある

同じマレーシア人でありながら、それぞれのルーツを大切にした祝日が設けられているのも興味深い一面です。ムスリムは礼拝の時間を取り、中華系は旧正月を祝う休暇を取り、インド系は伝統的な祭りのために休暇を取れる、などが例に挙げられます。

ムスリムが休暇を取る際には中華系やインド系が出勤をして穴埋めをする、といったサポートしあう空気ができあがっています

宗教に応じた食事にも対応

筆者自身は、現地採用としてフルタイムで働いて7年になります。日本ではまだまだなじみのない「宗教が理由で食事に制限がある社員」とも、共に勤務をしています。

今では、イスラム教徒やヒンズー教徒を交えて食事をする際に、豚肉や酒、牛肉を提供しないレストランで食事をすることは、もはや当たり前となっています。

レストランではベジタリアンメニューが用意されていたり、運ばれてくる前に、ソースに使われている材料に宗教的に問題がないかどうか、再確認を店員側からされることもしばしばあります。

宗教による食事制限という場面にあまり遭遇しない日本人としては、多様性を反映したサービスに何ともいえない気持ちのよさを覚えます。

外国人に慣れている

マレーシアは19世紀にイギリスの植民地支配を経験しています。この歴史的背景もあり、マレーシアでは公用語が英語とマレー語の2種類とされています。英語力は年齢や通っている学校によっても違いはあるものの、ほとんどの国民が英語を話せます。

こういった理由から、マレーシア人は外国人観光客にも臆せずに話しかける、フレンドリーな国民性を持ち合わせているといえるでしょう。

親日家も多い

また、中流階級が増えているマレーシアでは、高級といわれている日本の白物家電や車が一般的になっており、日本に対して親しみを感じている人が多いのも事実です。

「ありがとう」「こんにちは」といった簡単な日本語だけしか知らないにもかかわらず、「日本語が話せます」と堂々としているマレーシア人はどこか憎めないおちゃめなところがあります。

マレーシア人は小さなミスに寛容

プール

私が出会ったマレーシア人の多くは、他人のミスに大変寛容的です。それは、裏を返せば同じようなミスを相手にした際にも、「どうか私を許してほしい」という気持ちが込められているとも言えます。

私は同僚や顧客、業務を共有している相手がマレーシア人ですが、この傾向はどの立場にも当てはまります。

指定時間に来ないのはよくあること

レストランで注文した食べ物が忘れられていたり、あらかじめ指定された時間になってもタクシーや荷物が届かないといったことは日常茶飯事です。こういったことに関して、マレーシア人は驚くほど寛容です。

日本人であれば、特に仕事の場面に5分遅れたことに腹を立てることは当たり前かもしれません。しかし、マレーシアではアポイントの時間を相手側から指定しておきながら、その時間になっても来ないということが多々あります。

マレーシアでは「マレーシア時間」が流れているのです。ある一定の期間以上暮らしていると、時間に余裕があるときには、少しの過ちに関しては、「お互いさまだね」と笑って相手を許せる度量を持てるようになります。

小さな失敗はおおらかに許す

このように相手のミスにおおらかな態度を取るというのは、相手を責めすぎないという意味です。

規律正しい日本人から見ると、ミスを認めない態度とも受け取ることができますから、このあたりのラインは、相手がしたミスの度合いによって判断するしかありません。

しかし、失敗が許されない場面においての遅刻やミスに関しては、個別に呼び出してしっかりと注意することをお忘れなく。

重要なことは自分から何度も確認する

まったく混んでいないレストランや店舗でも、注文したメニューが来なかったりすることも日常茶飯事です。律儀な性格の日本人であれば、その忘れっぽさにあきれてしまうかもしれません。

こういった場合は、客である立場の私たちが、しつこく何度も確認をしておくしかありません。

レストランの注文であればまだ被害は少ないですが、これが仕事で出した指示である場合には要注意です。日本人のように経過報告をするタイプは少ないので、指示通りに業務が進んでいるかどうかを逐一確認しておくことをおすすめします。

「指示したつもりだった」「伝えたつもりだった」という結果にならないためにも、先手を打った仕事の進め方を常に心がけましょう。

マレーシア人は運転すると性格が変わる

道路

マレーシア人は温厚で人懐っこく、親日家が多いです。しかし、そんな穏やかな性格が一変するのが車のハンドルを握ったときです。

ペーパードライバーでマレーシアにやってきた、運転がお世辞にも上手くない筆者ですら、ウインカーを使用しない右左折や、強引な合流には驚かされました。

また、最近は日本でも厳しく取り締まられている「あおり運転」も、こちらでは日常的に見る風景です。

マレーシアでは法定速度が60キロ、高速では最高速度が110キロまでスピードが出せます。一般の道路でも日本とはスピード制限が大きく異なります。マレーシアは車優先の社会ですから、歩行者はこの点を常に念頭においておかなければなりません。

車検を怠っている車両が多い

車社会であるマレーシアでは、日本よりも車関連の店舗がはるかに多くあります。そんな環境であるにもかかわらず、定期的な車検を怠っている車が多いのも事実です。

交通量の多い道路で車が故障して停車していたり、怪しい黒煙をあげながら走行している車を見かけるのも、よくある光景です。

車を買い替えるお金を節約したいという思いからか、年季の入った古い車が日常的に走っているので、思わぬ事故に巻き込まれないように注意したいものです。

マレーシア人はプライドが高い

湖

マレーシア人は大らかでフレンドリーな性格ですが、人前で大きな声で叱られることを嫌います。

日本では失敗すれば叱責されることは当たり前であると考えられていますが、マレーシアでは違います。職場でマレーシア人の部下が失敗をした際は、彼らのプライドを傷つけすぎないような指導が必要です。

失敗をしておきながら態度が悪い、と感じてしまいがちですが、マレーシアで人材管理や社員指導を行う際には気を付けたい点といえます。

言い訳が多い

マレーシア人のマネジャークラスの人材にも時折当てはまるのが、失敗に対してすぐに謝罪をせず、言い訳をしてしまう人が多いことです。

約束された時間に遅れてきた際にも、「渋滞がひどかった」や「車が故障した」などといった理由で、悪びれるそぶりがない人もいます。

マレーシア人は責任の所在をあいまいにしてしまいがちな面があるので、日本人である社員が日頃から彼らの話をよく聞き、話しやすい雰囲気をつくっておくことが重要でしょう。

マレーシア人は仕事より家族が一番

スポーツ

マレーシアでは人生における優先順位は家族が一番です。業務があれば休日返上で、家庭を顧みずに仕事に明け暮れる日本人とは正反対の人生観を持っています。

そのため、家族のために休暇を取得するのは当たり前の風土があります。「妻の誕生日だから今日は早く帰りたい」「こどもの卒業式だから休暇を取りたい」といった要望が上がるのは日常茶飯事です。

定時には帰る

家族との時間を大切にしているので、定時になれば残業をせずに仕事を切り上げて帰ります

夕方のオフィスに残っているのは、駐在員の日本人だけという光景もよく目にします。我々日本人からすると、なんともうらやましい仕事観ではないでしょうか。

こういった日本人とは異なる価値観や生活スタイルを頭の隅に入れておくと、彼らとともに働く際にも、少し心に余裕が生まれるかもしれません。

まとめ

マレーシアでは転職がステータスになります。どんなに短期間の就労であっても、転職が多いほどさまざまな職務経験が多いと見なされるのがおもしろいところです。

ですから、仕事内容が気に食わないと勤務開始日の昼休みに音信不通になることも少なくありません。

人口に対して求人がはるかに多いため、辞めてもすぐに次の仕事が見つかる、経済発展の目覚ましいマレーシアの一面を垣間見る瞬間です。

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