マレーシアは他民族、他言語国家で、それぞれ独自の文化を守りつつも、融合している部分もある興味深い国です。民族によって様々な文化があり、独自の風習もあります。民族の数だけ言語があり、その環境で育つ子供たちは自然とバイリンガルに育ちます。
今回はどんな人たちがマレーシア(特に東マレーシア)に住んでいるのかご紹介します。
マレーシアの三大民族
- マレー族(67%)
- 中華系民族(25%)
- インド系民族(7%)
- 先住民(1%)
上記のようになり、残りは先住民族です。
マレー族
マレー族といわれる人々は基本的にマレー語を話し、西マレーシアでは特に英語も話せる人が多いです。ほぼイスラム教徒です。
中華系
中華系の人とは19世紀に中国本土の特に南方から移住してきた人たちで、親子何代もマりレーシアで生活しています。北京語の他に、広東語、客家語、福建語などそれぞれ出身地域の言葉を巧みに操り、中華系の文化を築いています。
世代によっては読み書きは英語が一番得意という人もおり、マレー語も生活に不自由なく話します。仏教徒が多いです。
インド系
インド系の人とは主に19世紀の英国統治時代にインド南部タミールから移住してきた人たちです。
西マレーシアのインド人はタミール語を話す人が多いですが、家庭により若い世代は英語のほうが得意という場合もあります。ヒンドゥー教の人が多いです。
中華系の学校を出て、中国語で読み書きのできる若い人たちもいます。マレー語も話します。
様々な先住民族がいるコタキナバル
コタキナバル市があるボルネオ島には昔から様々な先住民族が住んでおり、それぞれ独自の言語や文化、習慣を持ちます。サバ州にはカダザン族、ドゥスン族、ルングス族などがいます。
ボルネオ島のもう一つの州サラワク州には、イバン族、ビダユ族、カヤン族などがいます。
その他、海の部族といわれるフィリピン系のバジャウ族、インドネシアのトラジャ族などの人々も暮らしています。
先住民族の言語が廃れつつある現状
もちろん部族の数だけ言語もありますし、部族の中でも居住地区によって方言に分かれます。しかし、残念なこととして、多くの部族の言語は若者たちに受け継がれず、廃れつつあります。
現在は国語としてマレー語を学ぶのは必須なので、読み書きは別としてコタキナバルにもともと住んでいる人でマレー語が話せない人はほとんどいません。(例外として、村に住む年配の人で部族の言語しか話せないという場合はあります。)
テレビをつけると、インドの映画、中国の歌番組、マレー語のドラマ、BBCなどチャンネルの選択肢も色々です。映画やドラマには、たいていは字幕が二つ以上付いています。三つ(英語、中国語、マレー語)付いている時などは、画面が見にくくなって困るということが起こります。
子供達は小さい頃からバイリンガル、マルチリンガルとして育つ
このような多様性に富んだ国で生活しているため、たいていの子どもたちは小さな頃からバイリンガル、もしくはマルチリンガルとして育ちます。
そして、それは彼らにとっては何か特別のことではなく、マレーシア人として生活するのに普通のこととしてとらえています。日本で日本語だけで生活し、必死に英語を勉強しても身に付かない私たち日本人には、何ともうらやましい境遇にみえます。
また、小さな頃から色々な人種、宗教、文化や考え方に触れているので、考え方も柔軟で、それぞれを尊重したり理解しながら共生していく訓練が、ある程度できているように感じます。
多様な民族がいるため考え方に違いがある
もちろん民族間の考え方の違いで、差別や偏見が生じ、時には衝突することもあります。
でもこれだけの違いがあるにもかかわらず、基本的には大きな問題にならずに仲良く暮らしているのは、マレーシアの人たち全体にみられる、のんびりした寛容な考え方にあるのでしょうか。
まとめ
どちらにしてもマレーシアで暮らし、色々な人々と考え方に触れることは、単一民族で育った私たち日本人にとっては特に刺激となり、学べることがたくさんあるのではないでしょうか。
最初は多様性に圧倒されますが、徐々にそれを愛せるようになってきて、居心地がよくなっている新しい自分に気付くかもしれません。
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