イギリスの会社というと、どんなイメージがあるでしょうか。それぞれがそれぞれの仕事のみをこなし、上司にも気軽に意見できて、休みはたっぷり、といったことを想像される人が多いかもしれませんね。
海外ドラマなどを見てなんとなく日本人が持っているそんなイメージ、イギリスの会社にはすべて当てはまります。私は日本流の働き方をする日系企業ではなく、イギリスの複数のローカル企業に就職し、その企業文化を肌で感じました。
日本では通用しない、イギリスの会社の“常識”をご紹介します。
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イギリスでは個人の仕事の範囲がきっちり決まっている
イギリスでも日本と同様に、求人票にはその職務に求められる役割が書かれています。日本の小さな企業なら、求人票に書かれていなくても掃除やお茶汲みなど雑用を求められることがありますが、イギリスではそれは通用しません。
私がイギリスで最初に働いた場所は、オフィスというより事務所と呼びたくなるぐらいのこぢんまりとした環境で、社員も5名ほどしかいませんでした。そんな小さなオフィスでしたが、掃除は外注のクリーナーの仕事でした。
契約書に書かれていない仕事は仕事ではない
そこでは、自分でやった方が早いから……と雑用に手を出しがちなのは日本人社員だけ。イギリス人の社員は自分が使ったコーヒーカップの洗浄さえ「私は皿洗いのために雇われたのではない」と拒否する状況でした。
単にだらしないだけなのではないか……とも思いましたが、彼らの言い分は「雇用契約書に書かれていない仕事はする必要がない」という契約社会らしいものでした。
イギリスでは「まだ教わっていない」は通用しない
その後、転職した会社は世界中にオフィスがある、世界でも有数の大企業でした。
内定の段階から、既にチーム内では”buddy”と呼ばれるお世話係が決められており、入社式の後すぐにお迎えに来てチーム仲間に紹介してくれたり、オフィス内を案内してくれたりと心強い存在でした。
この“buddy”とは別に、相談役としてカウンセラーも必ず一人付き、仕事やキャリア、人間関係の相談に乗ってくれました。
けれど、彼らは仕事を教えてくれるわけではないので、実際に働き始めてからは自分の力で仕事を覚えなければなりません。マネージャー達は相手が新入社員でも、その人物がするべき仕事は容赦なく依頼してきます。
「入ったばかりなので……」「やったことがないので……」という言い訳は通用しないのです。
自分で考えて行動することが必要
日本のように、誰かが隣について一から十まで教えてくれることは稀で、たいていは「誰か分かる人に聞いてやっておいてね」と言われるのがオチ。運が良ければその人物の名前も教えてもらえます。
電話や社内チャット、さらにはオフィス中を右往左往しながら、仕事を教えてくれる人を求めて駆けずり回ったのも今では良い思い出です。
「分からない」という訴えに対しては、「ではなぜ分かる人に聞かないのか?」「なぜ自分で調べないのか?」という返答しかもらえません。
イギリスでは『自ら進んで行動すること』=”proactive”という言葉を耳にタコができるくらい聞かされることでしょう。
イギリスでは金曜日からすでに週末気分
月曜日から金曜日まで働くオフィスワーカーにとって、金曜日というのは心踊る日ですよね。
イギリスでももちろんそれは同じ。特に、在宅勤務を推奨していた私の会社では金曜日はほとんどのマネージャー陣がオフィスに不在のため、すでに週末モードでした。
デスク横の通路でクリケットをする人、ランチタイムに一杯ギネスをひっかける人、ミーティングと称して社員食堂で延々とコーヒーを楽しむ人々と、自由過ぎる雰囲気でした。
17時の退社時刻が近づくと女子トイレは満員御礼。バッチリメイクと衣装替えで準備万端です。オフィスに出社しているマネージャー達も「金曜日だから」の一言で済ませ、自身も仕事そっちのけで早々に帰り支度を始めます。
イギリスでは上司にも気兼ねなく意見を言える
英語圏では上司だろうとパートナーだろうと、一緒に働く仲間ならファーストネームで呼び合います(稀にMr/Msで呼んでほしい人もいるようですが)。
そのせいか、日本のように格式ばった雰囲気はほとんど感じられなかった気がします。会議中も、上の言うことは絶対!ではなく、誰もが意見を言うことが許されます。
それでも、やはり高いポジションにいる人がリードするのは当然なので、仕事では上司の意見や方針が尊重されます。けれど、納得のいかないことがあるとき、その上司を通り越してさらに上へ相談することもタブーではありませんでした。
基本的に、プロ意識を持って仕事をしていれば立場に関係なくその頑張りは認められ、また一度オフィスを出てしまえば恐縮することなく上司とも友達のように楽しく飲める雰囲気でした。
イギリスでは気軽にたっぷり有休を取れる
イギリスに住んでいた頃、日本の家族や友人達がなかなか遊びに来てくれないことがやや不満でした。彼らの言い分は「仕事の休みが取れない」。それでも来てくれた数少ない友人達は、たった数日で帰ってしまいました。
それを不満に思ってしまっていた私は、有休を年25日取ることを許され、また1年に1度は3週間ほどまとめて休むことも当たり前の恵まれた環境で働いていました。
さすがに繁忙期は休みにくいのですが、「ちょっと疲れたから」という理由でも、その間カバーしてくれる人さえいれば1週間ほど休むことも可能だったのです。
これは、日本ではなかなか難しいですよね。
イギリスでは自らアピールしなければ評価されない
イギリスで働いていた日本人の同僚が一番頭を悩ませていたのは、イギリス人社員達の良く言えばビジネスライクな勤労態度でした。
仕事熱心であるが故に頼まれていないことも引き受けたものの、それを依頼した人物が残業する自分を置いてとっとと退社する姿に愚痴をこぼしてしまう人は数知れず。
けれど結局のところ、それは自分の選択なのでさほど感謝もされません。
もちろん、頑張りは評価されますが、それも自己アピールあってこそ。陰の努力はなかなか認められない、というか気づかれないのが現実です。残業しても、人より多く仕事をしても、要領の良いイギリス人社員には敵わないこともあります。
まとめ~異なる文化を尊重し受け入れる
イギリスの企業文化は、日本のそれとはかなり違う部分が多いです。慣れるまでは戸惑ったり、不満に思ったりすることもありますが、イギリスで働くのであれば、イギリスのスタイルに合わせていかなければなりません。
日本と比べるのではなく、イギリスのやり方を受け入れて尊重し、なおかつ自分の働き方に自信を持つことが、イギリスで楽しく仕事をするカギだと思います。
異なる文化の中で求められる仕事をしっかりこなせば、ぐんと成長できるはずですよ!
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