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イギリス就職したい人が知っておくべき11のこと【イギリス就職者が解説】
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歴史の古いヨーロッパの一国、イギリス。英語圏であることに加え、その文化や街並みに引かれてイギリスで働きたいと考えている人も多いかもしれません。
でも、やはり日本からは遠いので、実は知っているようで知らないことだらけではないでしょうか。旅行と違い、働き暮らすとなると、より深くイギリスのことを知る必要があります。
実際にイギリスで就職し、今も在住する私から、イギリスで仕事をしたいと考えている人が知っておいた方が良い10の事実をご紹介します。
※1ポンド=約136円
- イギリスの就職状況・特徴を知る
- 英語を勉強し幅を広げる
- イギリスで働く自分をイメージする
- イギリスでの生活状況を知る
- 転職サイトを利用する
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記事の目次
イギリスという国について
正式な国の名前は「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」です。英語ではThe United Kingdom of Great Britain and Northern Irelandです。
イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの地域から成っています。文化や言葉だけでなく、政治、教育制度、法律も異なる部分があります。
気候は1年を通して寒暖の差はそれほどありません。しかし「1日に4つの季節がめぐる」といわれるように、1日の天気は変わりやすいです。嵐や長雨による洪水、小さな地震もありますが、日本のように自然災害は多くなく住みやすいです。
移民が多数
イギリスの人口は6410万人ほどで、イギリスの外で生まれ現在イギリスに住んでいる人の数は870万人ほどといわれています(2015年調べ)。
その中でロンドンは最も移民の割合が高く320万人。ロンドン全体の人口は860万人とされているため、この数字で見れば37%が国外で生まれていることになります。
ロンドンに行ってみると、周りの人がいろんな言葉を話していて、移民が多いことを実感します。
イギリスで就職する魅力
ネイティブスピーカーレベルの英語は不要
ロンドンには英語を母国語としない人たちが多くいますので、ネイティブスピーカーレベルの英語は求められません。イギリスで仕事を始めたとき、私の英語力はTOEIC750点レベル。聞き取れないことや単語が分からないことが多々ありました。
そんな私でも、上司は電話応対を担当させてくれました。同僚のロシア人女性も強いロシアなまりの英語でしたが、まったく気にしていない様子。そういう環境だったので、「英語力は仕事をしていく中で磨いていこう」と思うことができました。
実際、英語力をあげるには英語を使って仕事をするのが最も効果的です。ロンドンには、英語が完璧でない人たちに成長のチャンスを与えてくれる寛容さがあります。
イギリスの仕事を探すための転職サイト
イギリスでの仕事を探すなら、次にご紹介する日本とイギリスの転職サイトを利用してみましょう。
日本の会社のイギリス駐在員ポストを探したり、イギリスの会社へ直接応募したりすることができます。
日本の転職サービス3選
日本のサイトが便利なのは、就職が決まるまでエージェントが「無料」でサポートしてくれる点です。
履歴書の書き方のアドバイスをもらえるほか、スケジュール管理、給料や待遇の交渉などを任せられるので、安心して求職活動を進められます。
1975年にイギリスで設立された人材紹介会社。サイトは日本語です。英語の得意な人向け。
求人案件数や採用決定数が業界内でトップクラスのエージェント。幅広い案件があります。
世界各地に拠点を持ち、外資系企業案件も豊富です。
イギリスの転職サービス4選
いずれもアカウントを作れば、条件に合う求人が出たときにメールで知らせてくれるサービスがあるので便利です。
- Jobsite.co.uk:http://www.jobsite.co.uk/
地域や産業ごとの検索が可能。CV(履歴書)登録サービスもあります。
- indeed.co.uk:https://www.indeed.co.uk/
同じindeedの日本版もありますが、イギリス国内の求人を探すならイギリスのサイトを使いましょう。
- reed.co.uk:https://www.reed.co.uk/
形式は上の二つと同じ。Eメールお知らせサービスを利用するには、検索後「Email me jobs like these」をクリックして登録します。
- jobs.ac.uk:http://www.jobs.ac.uk/
教育・研究機関専門の求人情報サイト。イギリス以外の国の情報もあります。
イギリスでの就職活動に必要な書類
イギリスの仕事に応募するなら、イギリスの文化に合った書類を用意しなければなりません。イギリスでは、CVと呼ばれる履歴書と、履歴書に添える手紙Cover Letterが必要です。
CV(履歴書)
CVには、たいてい2人のReferenceと呼ばれる推薦人の名前と連絡先を書くことになっています。
Cover Letter(送付状)
そして、Cover Letterには自己紹介と意気込みを書きます。
サンプル
CVやCover Letterのサンプルは以下をご覧ください。私からのアドバイスですが、どんなに英語に自信があっても、書き上げたら必ずネイティブにチェックしてもらいましょう。
- カバーレターの書き方(英語版)How to write a cover letter.
- 成功するCVの書き方(英語)How to write a successful CV.
- CVのサンプル画像:https://www.flickr.com(The CV Inn)
CVとCover Letterを提出し、書類審査を通過すると次は面接に呼ばれます。
面接に呼びたい人をリストにすることをShortlistといいますが、たいていShortlistされた時点で、推薦人に推薦状を提出してほしい、またはそれに応じたアンケートに答えてほしい、という依頼が採用側から送られます。
イギリスの給料事情
イギリスでは国が最低賃金を定めています。ミニマムウェイジUKによると、2017年の最低賃金は25歳以上が時給7.50ポンド(約1,020円)となっています。つまり、それ以下の賃金は違法ということになります。
では、いったい平均で考えるとどのぐらい支払われるのでしょうか。Monsterという求人サイトに平均年収についての記事があるので、こちらからご紹介しましょう。
業態別で見ると、
- 金融:35,356ポンド(約480万円)
- ITサービス:34,830ポンド(約474万円)
- 建設業:30,322ポンド(約412万円)
- 製造業:29,438ポンド(約400万円)
- 教育:24,961ポンド(約339万円)
- 小売業:26,121ポンド(約355万円)
- ソフトウェア開発:34,679ポンド(約472万円)
となっています。
生活費・税金とのバランスに注意
ちなみに、都市別に平均年収を見ると、ロンドンが一番高く34,626ポンド(約470万円)、続いてケンブリッジ31,122ポンド(約423万円)となっています。
ロンドンで働けたら収入が良さそうですが、実は生活費も一番高いので楽観できないでしょう。
また、イギリスの税金事情も知っておくとよいでしょう。イギリスでは年収が日本円にして660万円近く、またはそれ以上になると、所得税で半分近く引かれることになります。
イギリスの就労ビザ
イギリスで働くにはビザの取得が必要です。
イギリスではここ数年、ビザの種類と申請方法、それに費用もとてもよく変わるので、手続きの際は最新情報を確認してください。こちらにご紹介するのは2017年2月22日現在の情報です。
企業に就職するならTier2が必要
イギリスのビザの種類はTier1からTier5というカテゴリーに分けられています。
- Tier1:起業などを目的とする人のためのビザ
- Tier2:一般にイギリスで就職する人や日本の会社から転勤する人などのためのビザ
- Tier3:現在使われていない
- Tier4:学生ビザ
- Tier5:一時的に滞在して就労する人のためのビザ(チャリティー、スポーツ、政府関係、宗教など)
これ以外にも、結婚ビザ、パートナービザ、フィアンセビザなどがあります。
Tier1以外は受け入れ側がビザのスポンサーとして許可を持っていなければならないので、就職の際はこれがネックになることがあります。
イギリスの家賃
先にロンドンの生活費が高いと述べましたが、家賃はその中でも大きな割合を占めます。
アパートから一軒家まで住居は様々で、地域によっても家賃は違いますが、全体像をつかむため一つにまとまったデータをご紹介しましょう。
全国平均は月約12万円
HomeLetが毎年、イギリス国内の平均家賃を公開しています。これによると、2017年1月現在の国内全体での平均家賃は月888ポンド(約12万円)だそうです。
地域ごとに見ていくと、ロンドンは1,497ポンド(約20万円)とダントツに高く、南東部が989ポンド(約13万4千円)、イングランド東部が893ポンド(約12万1千円)で、これらの地域では国内全体平均を上回っています。
一番安い地域はイングランド中東部で583ポンド(約7万9千円)でした。ちなみに私はここに住んでいます。
仕事を探すときに家賃を参考にすると、働きやすく住みやすい場所が見つかるかもしれませんね。
イギリスの交通事情
イギリスは鉄道発祥の地でありながら車社会です。各都市には地下鉄、路面電車、バスが整備されていますが、バス網しかない都市もあります。
また、各都市間は鉄道の幹線がつながっていますが、運賃が高い割に運行本数が少なかったり、故障や事故による遅延や運休が多かったりするのが残念なところ。
そのため、職場に徒歩で通えるような距離に住めるととても便利ですが、そうでない場合は公共交通機関の便をよく調べて住むところを探すといいでしょう。また、少し距離のある場合は自家用車を手に入れると便利です。
イギリスの国内産業
イギリスではどんな産業が国を支えているのでしょうか。
PrimeFindというオフィスレンタル会社のサイトThe Top Ten Industries in the UKの記事を参考にご紹介しましょう(2014年6月現在の情報です)。
金融、銀行業
2014年現在で200万人が従事しているといわれ、イギリス国内の労働者の7%を占めるほどの多さです。
地域ではロンドンにもっとも企業が集中し、それ以外ではエジンバラ、リーズ、マンチェスター、バーミンガムとなっています。
IT
この分野は580億ポンド(約7兆9千億円)の価値があるといわれ、年々拡大しています。
建設業
建設業はイギリスのGDPの6%を占めています。293万人が28万件の建設業に雇われていて、建設業関係で労働人口の10%を占めています。
石油と天然ガス
この分野は急成長中で、45%がスコットランドにあります。この10年の間にさらに12万人の雇用が創出されると見られています。
公務
イギリスにはNHSという国が運営している保健機構があり、医療費は無料です(ビザ申請のときにNHS保険料を請求されることがあります)。公務の中で一番割合が高いのはこのNHSと教育と行政です。
保健医療
労働人口の12%はこの分野で雇用されています。国立保健機構をめぐる環境が不安視される中、私的医療機関の需要は上がるものと考えられています。
製造業
イギリスは産業革命の頃から歴史的に製造業が強く、2009年のリーマンショック後も大きな影響を受けることなく安定しています。
小売業
2007年以降、この産業の成長は緩やかです。小売業の35%は販売か顧客サービスに携わっています。
運輸
150万人が航空業や運送業に携わっています。2011年には8万5千の流通関連企業がありました。不況の影響で企業の数が一時減りましたが、今後は回復すると考えられています。
教育
この業種は国内トップ3の雇用者数を抱えていて、経済効果は730億ポンド(約9兆9千億円)とみられています。うち、高等教育機関では75万7千人が働いています。
イギリスの社会階級
イギリスの社会には階級が存在します。驚く方もいると思いますが、イギリスに住んでいるとよく階級のことが話題になります。
大きく分けて3つの階級があり、上から上流階級(upper)、中流階級(middle)、労働者階級(working)となっていて、さらにそれぞれの階級が上層、下層と分けられることがあります。この分類は一般に職業、財力、教育で決められます。
しかし現在は、経済的には労働者階級の上層が中流階級の下層より収入が良く裕福であるようなこともあり、2013年のBBCの調べでは、階級の分類には経済、社会、文化というカテゴリーも含めるべきだと考える人が増えているそうです。
イギリスで結婚
さて、イギリスで働きながらパートナーを見つけられたら……なんて思っている方もいるでしょう。私のまわりにも、イギリスで生涯のパートナーと出会って結婚し、家庭を築いている人がたくさんいます。
実際、どこでどう出会っているかはもちろん人それぞれですが、夢を持っているあなたに私からできるアドバイスを。
カップルになっている人を見ると共通するのが、イギリス人のパートナーが日本文化や日本語に興味を持っていることです。日本に興味がある、つまり日本人であるあなたにも興味があるということが話すきっかけになりやすいのです。
出会いの場は日系のお店やイベント
日本好きのイギリス人に出会う場所として、おすすめはまず日系のスーパーなどでしょうか。以下は、私がよく利用する有名なロンドンの日系スーパーと本屋です。
- ジャパンセンター(ロンドン):https://www.japancentre.com/ja
- らいすわいんショップ:http://www.ricewine.f2s.com/
- JP-Books:http://shop.jpbooks.co.uk/ja/
また、日本関係のイベントも出会いの場になるかもしれませんね。
- ハイパージャパン:http://hyperjapan.co.uk/
ランゲージエクスチェンジに参加する手も
店やイベント以外にも、ランゲージエクスチェンジを目的としたソーシャルネットワークがいろいろあります。
「ランゲージエクスチェンジって何をするんですか?」とよく聞かれますが、簡単にいうと日本語を勉強しているイギリス人と英語を勉強している日本人がペアになり、それぞれの言語を教え合います。
例えばスターバックスなどのコーヒーショップで1時間か2時間ほど、お互いに日本語や英語の質問をし合うほか、半分は英語で話す時間、半分は日本語で話す時間、など時間を決めて会話する例もあります。
機会はたくさんある
ロンドンではこういったランゲージエクスチェンジの場として、またはそのパートナーを探す場所として、毎週のようにたくさんのミーティングが開かれているそうです。
私も地元で一つの会を催していますが、毎月のミーティングでは日本語を勉強したいイギリス人や日本に興味のある人に出会いたいイギリス人などが集まって、ざっくばらんにおしゃべりを楽しんでいます。
下記のようなサイトでグループを探すこともできます。また、Facebookでもこういったグループがたくさんあるので検索してみてください。
まとめ~ハードルは高くてもチャンスを見つけよう
イギリスで働く姿がより具体的に想像できるようになったでしょうか。
私がこちらに移住して10年が過ぎましたが、この間にイギリスは国外からの労働者を締め出す方へ舵を切ってしまい、ビザの種類と申請方法が複雑になった上、申請料も信じられないほど値上がりしました。
ハードルの高いイギリスですが、最初にも述べたように、歴史が長く文化が豊かで自然災害の少ないこの国は暮らしやすいと思います。イギリスで働きたいという夢が叶うことをお祈りしています。
イギリス就職・イギリス転職するには
イギリスの就職状況は絶えず変化しています。イギリス就職・転職活動を進める上で大事なことは「情報収集」と「行動力」です。
効率よく就職活動を進めるには転職エージェントの利用がおすすめです。情報収集が進めば、より具体的にイギリスで働く自分をイメージできるはずです。
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