海外で大学進学というとどこの国を思い浮かべますか?
数々の著名人を輩出してきたケンブリッジ大学やオックスフォード大学など名門大学が有名なイギリスを思い浮かべる方も多いかと思いますが、実は世界大学学術ランキングの上位20位の約8割はアメリカが占めています。
あの東京大学も世界ランキングではやっと20位に食い込むくらいです。
日本の大学数は4年制大学で約800校、短期大学を併せて約1,200校ほどです。アメリカの大学は4年制で約2,300校、コミカレ(日本で言う短大)をあわせると約4,000校を超え、実に日本の3倍以上の大学数です。
世界で2番目に大学が多い中国は約1,800校です。2位中国との差も2倍以上あります。アメリカは、まさに大学大国と言えます。大学数が断トツに多く、世界の約8割の名門大学が集まる国アメリカ。
今回はアメリカ大学進学の魅力と制度についてお話いたします。
アメリカ大学進学の魅力とは?
日本人が留学で選ぶ国、不動の1位はアメリカです。年間留学生数(短期、ワーキングホリデー除く)約5.5万人のうち、約2万人がアメリカに留学しています。
参照:文部科学省「日本人の海外留学者数」及び「外国人留学生在籍状況調査」等について
世界中から留学生が集まるアメリカ大学進学の魅力とはどのようなところにあるのでしょうか?
実は入学がそれほど難しくない?
名門大学が世界で一番多いと聞くと、どれだけ英語力が必要なんだ!?と構えてしまう方も多いと思います。しかし、アメリカは英語圏のなかでは英語力の求められるスコアが低く設定されている大学が非常に多いのです。
カナダやアメリカなどのアメリカ英語圏では、TOEFLという英語検定のスコアを求められます。日本ではTOEICや英検が主流のため、あまり聞いたことがないという方もいるかもしれませんが、世界的にはTOEFLのほうがメジャーです。
では、アメリカ進学に求められるTOEFLスコアはどれくらいなのでしょうか?国によるおおよその入学基準のTOEFLスコアは以下の通りです。
参考数値TOEFL PBT
- アメリカ(コミカレ):400~500、4年制大学:500~600
- カナダ(コミカレ):550~600 4年制大学:560~600
- イギリス(大学):550~600
- オーストラリア(大学):550~600
- ニュージーランド(大学):550~600
TOEFLはTOEICと異なりスピーキングはありませんので一概には言えませんが、アメリカのコミカレ入学の参考スコアであるTOEFL400~500はTOEICで言えば300~550くらいと言われています。
TOEIC協会が公式で発表している日本人のTOEIC公開テストの平均点は512点です。
日本人の平均スコアがあれば入学できてしまう数値ということになります。アメリカの大学へ入学したら講義は当然英語ですので、できる限り英語力は伸ばしたいところですが、入学の門戸が広いというのは安心できますよね。
留学生の受け入れに寛容
全世界から留学生を集めることに積極的なアメリカは、留学生の受け入れに寛容です。留学生専任の担当スタッフがいたり、条件付き入学と言って英語力の足りない留学生も語学コースを一定期間就学することで入学を認める制度をとっている大学も多いです。
入学後も留学生用の英語補講クラスを設けている大学もあり、留学生にとってはありがたい環境です。
柔軟で自由な進路選択
日本では大学に入学したら、選択した学部で卒業するまで学びます。しかし、アメリカでは「10代で人生を決められるわけがないし、色々な分野への興味が生まれて当然。」という考えが根本にあります。
そのため、最初の2年間の授業を「一般教養」として学びながら、いろいろな授業を受講できます。受講した授業の中で、特に興味のある科目を3年生進学時に専攻として選択します。
興味が2つあった場合は、「ダブルメジャー」として専攻を増やすこともできます。基本的に必要な単位が揃えば卒業できるというシステムなので、途中で気が変わっても全く問題ありません。また、コミカレから4年制大学への編入も非常にしやすいです。
この柔軟な体制を利用して、あえて学費の安いコミカレから入学し、4年制大学へ編入する留学生も多いです。
専攻が豊富
世界一の大学数を誇るアメリカは専攻数も豊富です。そのバラエティ豊かな専攻の一部をご紹介します。
- 言語学
- パフォーミングアート
- 宇宙工学
- 映画製作
- 芸術
- 学際的学問
- 保安
- 宗教
- 視覚的芸術
- 天然資源保護
- ジェンダー研究
- 民俗学
- 健康
- 公園保養
- 保安
- 舞台
など
もちろんベーシックな経済学やビジネスなんかもありますよ。自分の興味のある分野がニッチなものであれば、一度アメリカの大学を調べてみると良いかもしれませんね。
アメリカの大学制度について
アメリカの大学は、日本の大学と違い試験のみで合否を決めるものではありません。色々な書類を提出してもらい、様々な角度から判断し合否を決めるのです。では、アメリカの大学進学はどのような制度になっているのでしょうか?
入学申請に必要な書類
大学によって提出書類は異なるのですが、一般的に以下の書類の提出を求められます。
- 願書
- 高校3年間、もしくは大学の最終学歴成績証明書
- 英文の預金残高証明
- エッセイ
- 推薦書
- TOEFLテストの結果
大学によっては面接が行われる場合もあります。芸術系大学だとポートフォリオという自分の作品提出があったり、音楽系大学の場合は自分が演奏したCDの提出を求められるのが一般的です。
入学時期・選考時期
アメリカの多くの大学は2学期制をとっています。主に秋学期と春学期となっていて、秋学期は9月~、春学期は1月~開始するのが一般的です。
秋学期が日本で言う入学時期になりますが、アメリカでは秋学期に入学しても、春学期に入学しても、単位さえとれてしまえば問題ないため、どちらの時期に入学しても構いません。
9月入学を目指す場合、1月~3月に書類提出期限を設けている大学が多く、3月~5月に合否がでる大学が多いです。エッセイはある程度考えて準備する必要がありますので、余裕をもって準備を事前に行うことをおすすめします。
コミカレは提出期限にもう少し余裕があり、学期始まりの2~3ヶ月前までの場合が多いです。
合否の判断基準
英語力は実はあまり重要視されません。もちろん最低限はできてないとダメですが、もっと大事なのがGPAと呼ばれる成績の平均評定値とエッセイの内容です。
エッセイは、日本の様にハンコを押した様な典型的な内容ではなく、個性があり、自分を持っている内容が好まれます。
その中でも特に重要なポイントは、その大学で何を学びたいのか、なぜそれを学びたいのか、大学生活を通じてどうなりたいのか、というところです。
アメリカで働くことができる?OPT制度について
ワーキングホリデー制度の協定がなく、学生ビザでも原則キャンパス内の学食の受付や大学内の購買部(文具などを販売するところ)などの仕事 で一定時間までしか働くことができないアメリカ。
しかし、アメリカでキャンパス外でも合法的に有給で働ける制度があります。それがOPT(OptionalPractical Training)制度と呼ばれるものです。
大学またはコミュニティカレッジで最低9ヶ月以上フルタイムで就学した場合、最長で1年間働けるビザがおります。学校で学んだ専攻に関連する分野を実践で活かすためにできた制度です。
OPTで気に入られ、その後就労ビザをもらってそのままアメリカに滞在することになった方もいますので、チャンスをつかめる制度でもあります。
理数系専攻の学生の場合、プラス17ヶ月で合計29ヶ月働くことができるケースが多いため、更にチャンスは広がりますよ。
まとめ
海外の大学進学というと、非常に敷居が高いイメージがありますよね。事実、英語力も必要ですし、大学キャンパス内でしかアルバイトができず、生活費もかかるため簡単には決断できません。
しかし、世界中から留学生が集まるアメリカは比較的入学がしやすく、受け入れも寛容で留学生が学びやすい環境です。専攻科目を自由に変えられ、2年間興味のある分野を色々と学べるのも魅力的ですよね。
卒業後にOPTを利用すれば、有給で働けるだけでなく、そのままアメリカで就職するチャンスもあります。
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