みなさん、WWOOF(ウーフー)をご存知ですか?WWOOFとは簡単に言えばボランティアでの農業のお手伝いです。今回は私が実際に体験した農業ボランティアWWOOFについて紹介します。
「WWOOF」とは?
WWOOFとはWorld Wide Opportunities on Organic Farmsの略字です。意味は「世界に広がる有機農場での機会」の頭文字から。
初めての活動は1971年イギリスでした。その後、オーストラリア、ニュージーランドなどに活動の場が広がり、現在は、世界60か国以上でWWOOF事務局が設置されています。
各国にその国のWWOOFを運営するWWOOF事務局が一か所あります。日本では2002年からはインターネットを使いWWOOFジャパンとして本格的に活動しています。
農業をしたい人と手伝って欲しい人をつなぐ
ホストとなる有機農家が食事と宿泊施設を提供する代わりにウーファー(WWOOFに参加する人:WWOOFer)が農業を手伝うという仕組みです。まずホストもウーファーも登録をしなくてはなりません。
登録後、ホストリストを見てウーファーが直接連絡を取り、申し込みをします。ホストから受け入れの承諾をもらい、スタートの日時や期間などの詳細を決定し活動が始まります。
WWOOFは金銭のやり取りのないボランティアです。そのため「労働」ではありません。
なぜWWOOFで農業ボランティアをしたのか?
私はつい最近までWWOOFの存在を知りませんでした。カナダへ観光ビザで入国し、3カ月間語学学校へ通いました。
コースが終わる前カナダ人の友人に進路の相談をしたところ、「WWOOFしたら?」と言われたのがきっかけでした。彼女は日本で3カ月間ウーファーとして滞在して、とてもいい経験ができたのですごくおすすめだと言っていました。
日本語はほぼ話せないのに農家が経営するオーガニックカフェのお手伝いもし、観光では味わえないすごく刺激的な体験ができたとも言っていました。
そこで初めてWWOOFのことを知り、観光ビザでもできるボランティアということもあり参加してみることにしました。
ウーファーになるまでの流れ
登録料は$50
ウーファーになるにはまず登録をします。WWOOFカナダの場合はオンラインで$50を支払い登録します。登録した後に詳しいホストリストを見ることができます。
場所、何を育てている農家か、家族構成、宿泊施設などを見て、興味のあるホストにサイトを通じて連絡します。
ホームページで農地の様子を確認
私の場合、学校のある市の近くにあるホストを探しました。写真やホームページ(WWOOFにFacebookやホームページのリンクが掲載されているところもあります)でオーナー家族や農場の様子が見ることができます。
私が気になったところは2ケ所ありました。1ケ所目は小さな農場で、いかにも優しくていい人そうなホストでした。過去に滞在したウーファーのレビューもよく、コンスタントに受け入れしているところもよさそうなポイントでした。
2ケ所目は3人の子供がいる苺農場でした。苺のほかにもブルーベリーやラズベリーを栽培していて、私はベリーが好きなのでとても惹かれました。またホームスクーリングをしている家庭だったのでそこにも興味がありました。
開始時期や期間をメールしホストの回答を待ち、運よく両方のホストから受け入れを承諾してもらえました。
ウーファーになる!
一ケ所目のホストはシティまで迎えに来てくれました。多くのホストは郊外に住んでいますが、シティへのピックアップをしてくれるようです。
農作業は苦労の連続
私がWWOOFを始めた5月はようやく雪が溶けてこれから土壌づくり種まきという時期でした。毎日草むしりや畑を耕す作業は決して楽ではありませんでした。
特に蚊が多かったので外での作業は苦難の連続でした。鶏を飼っていたので餌やりや小屋の掃除もしました。
慣れない農作業と虫刺されでめげそうな時もありましたが、ホストの方がいろんなところに連れてってくれたり日本食が恋しくならないようにと食事に気を遣ってくれたり家族の一員のように迎え入れてくれたので、すごく楽しい思い出になりました。
2ヵ所目はパワフルな子供たちとのトランポリンから始まりました。子供たちはすごくかわいくて次々に遊ぼうよ!と言ってくれたので、一緒にいろんな遊びをしました。テレビゲームではなく木登りや秘密基地など自然の中でたくさん遊びました。
例年よりも早い時期に収穫が始まったためすごく忙しい日々でした。毎日すごく甘い苺を畑から取って食べるご褒美があったので炎天下の中でも頑張ることができました。
朝早くに作業を始めた日には日の出が水平線から昇る風景も見ることができ、大自然の中での生活には感動がすごく多かったです。
WWOOFで学んだこと
初めての農業で学ぶことはたくさんありましたが、その中でも特に印象に残っているのが食へのこだわりです。どちらのホストも自分たちが毎日口にするものは安全なものがいいという考えを持っていました。
私は今までスーパーに行ってほしいもの買って食べていましたが、どれだけの農薬を使って育てられているか、どんな土壌で作られたのかなどはあまり気にしていませんでした。
またスーパーでパック詰めされている肉にしか目にしませんでしたが、農家では世話をしていた、さっきまで生きていていた鶏が食卓に並ぶということもあったので命をいただいていることに気づかされました。
WWOOFを終えてからなるべくオーガニックの食材を選ぶようになり、肉を食べる量はめっきり減りました。食への意識、そして食生活がものすごく変わりました。
注意点
世界各地で体験できるWWOOFですが登録は一か国のみ有効です。
日本でWWOOF登録した場合、日本のみ有効です。海外でも体験してみたい場合、その国のWWOOF登録をしなくてはいけません。また一年間、二年間有効という要綱も国によって違うので確認が必要です。
一日のお手伝いの時間、休みの日などに関する規則がないので、待遇はホストによって様々です。繁忙期は少し長めのお手伝いをお願いされることもあります。
最後に
いかがでしたか?私はなんとなく楽しそうという軽い気持ちでWWOOFを始めましたが、終えてみてものすごく貴重な体験だったと思います。WWOOFをしていた6週間は英語漬けだったこともあって語学の面でも成長できたと思います。
年齢制限やビザの心配もないのでこれから機会があれば他の国でも体験したいと思います。また食事代と宿泊費が浮くので安く旅行をしたいという方にもおすすめです。観光だけではなく、よりローカルな体験ができると思います。
WWOOFジャパン公式HP:http://www.wwoofjapan.com/
WWOOFカナダ公式HP:http://www.wwoof.ca/
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