フランスで初めてのワーホリ【前編】ビザ申請前の初期準備あれこれ

フランス ワーキングホリデー

「ワーホリ」と略されることの多いワーキングホリデー制度は、主に18〜30歳の若者を対象に、貴重な海外経験を通して人生を豊かにしてもらおうという目的で始まりました。その理念通り、外国での滞在を自由に楽しみながら労働もできる、とても価値の高い制度です。

筆者は年齢制限ぎりぎりの30歳の時、夫婦でフランスでのワーホリを経験しました。最高の1年間を過ごし、たくさんの忘れられない思い出ができました。

そこで、これからフランスでのワーホリを目指す皆さんが充実した1年を過ごせるよう、2回に分けてワーホリ準備のノウハウをご紹介していきます。

※この記事は筆者の体験に基づいています。条件や必要書類は最新の情報をご確認ください。

フランスでのワーホリの基本条件を確認しよう

フランスワーホリの基本

最初のステップは、下記の在日フランス大使館公式ウェブサイトから情報をしっかり読み取ることです。必要な条件・書類がそれなりにあるので、慎重に読んで抜けのないようにすることが大切です。

基本の条件は以下の4つです。上記サイトから引用します。

  • 申請時に満18歳以上30歳未満であること (30歳のお誕生日の前日まで申請が可能)
  • フランスを知るための渡航で、なおかつ仕事に就く意思があること
  • フランスへのワーキングホリデービザを過去に取得していないこと
  • 子ども同伴ではないこと

この4つの基本条件について、少し解説を加えたいと思います。

年齢について

渡航日あるいはフランス滞在中に30歳になる人でも、申請時に30歳未満であればOK。上にあるように、30歳の誕生日の前日まで申請可能です。

ちなみに、申請はフランス入国の3カ月前から行うことができます。

目的によっては学生ビザがふさわしい場合も

ワーキングホリデービザの発給目的は若者がフランスを知ることなので、何らかの学校に行くことが目的なら学生ビザを取得しましょう

学生ビザの取得手続きはワーホリビザのそれよりも煩雑な上、働ける時間も減ります。しかしその分、フランスの健康保険に加入できたり、公共交通機関の割引対象になったりと、学生の身分ならではの恩恵もあります。

目的に合ったビザ選びが大切ということですね。

一つの国でワーホリは生涯一度限り

フランスに限らず、ワーホリビザはそれぞれの国で取得できるのは生涯で一度だけです。ビザの発行も一度限りなので、パスポートの盗難・紛失にはくれぐれも注意しましょう。

また、夫婦や兄弟など家族と一緒に申請する場合も、家族だからまとめてといったことはできず、書類や費用は一人ずつ用意しなければなりません。

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フランスでのワーホリに必要な資金を準備しよう

資金の準備

上記フランス大使館サイトのページ冒頭には「このビザの申請には全く費用がかかることがなく……」とあります。

たしかに申請費用は無料なのですが、じゃあ飛行機代だけで大丈夫なのかというと、そうではありません。大使館サイトにある必要書類リストをダウンロードしてみてください。取得にお金がかかる項目がいくつかあることに気付かれると思います。

約40万円近くの残高証明ができる口座

まずは残高証明。帰国のための飛行機代を含めて3,100ユーロ以上、もしくは相当額の日本円(約40万円近く)の残高があることを示す書類です。

つまり、その残高のある申請者本人名義のフランスか日本の銀行口座が必要になります。

※1ユーロ=約124円(2016年12月)

海外旅行保険の加入に約20万円

さらにリストを見ていくと、フランス入国日から1年間有効な海外旅行保険の加入証明書も求められています。この保険の加入に、だいたい20万円はかかります。

その他費用を含め、申請だけで60万円程度が必要

その他にも、健康診断書の発行に数千円、大使館への書類提出のための交通費(場合によっては宿泊費も)、さらに持っていない人はパスポートの申請費用なども必要です。

ここまでで、どんな人でも申請段階で60万円くらいは必要ということになりますね。

初期費用も考えると150万円程度の準備資金が安全圏

その先は個人の事情によって差があるでしょう。生活の初期費用、言語を学ぶための費用、またすぐに仕事が見つからない可能性を考慮して、最低でも100万円、安心を求めるなら150万円ぐらいは必要だと思います。

ワーホリ出発に向けて日本での生活の整理を始めよう

1年間、日本を離れるとなると、さまざまな生活の整理と備えが必要です。

  • 仕事や学校はどうする?
  • 休職や休学はできる?
  • 区切りがつくまで待ってからワーホリに行く?
  • 家と家財道具はどうする?
  • アパートを引き払うとしたら、荷物を実家に置かせてもらえる?

実際の手続きはまだ先だとしても、早い段階で方向性を考えたり必要なことを調べたりしておくのは重要だと思います。出発するタイミングにも大いに関係してきます。

ワーホリ渡航後すぐのフランスでの滞在先を探そう

部屋探し

お金のこと、日本での生活の整理のことを考えたら、次はフランスでの滞在先について検討しましょう。

泊めてくれる家族・友人などが現地にいる場合は話が早いかもしれませんが、そういったつてがないならいろいろな選択肢から滞在先を選んでいく必要があります。

ビザ申請にはフランス到着時の住所が必要

ビザ申請書にはフランス滞在中の住所を記す欄があります。滞在中、ずっとそこに住むかどうかは別として、少なくともフランス到着時の住所が決まっている必要があるのです。

1年の間にいくつもの町を転々としたいという方もいるでしょう。1カ所にとどまるにしても、実際に行ってみないと住む場所はなかなか決められないものです。まずは最初の数カ月の滞在先を決めるのがよいと思います。

滞在先の選択肢1. ホームステイ

まず検討できるのは、ホームステイという選択肢でしょう。

フランス人の家庭を選べば、フランスを味わうという面でも言語上達の面でも、充実した滞在になると思います。多少の苦労をいとわないポジティブな人にはオススメです。

また、定期的にステイ者を受け入れている日本人家庭もあります。家では日本語でホッとでき、日本語でフランス生活のノウハウを学べる、安心なプランといえるかもしれません。

滞在先の選択肢2. ホテル

お金に余裕があるなら、とりあえずホテルというのも一つの手です。

フランスでは、studio(ストゥディオ)やアパートメントホテルといった、簡単な自炊のできるリーズナブルな宿泊施設が豊富です。1泊30〜40ユーロ(3,700〜5,000円程度)で見つけることができ、長期だと割安になる場合もあります。

※1ユーロ=約124円(2016年12月)

滞在先の選択肢3. ルームシェア

ホームステイやホテルより安上がりで、フランス暮らしをしっかりと味わえる方法です。ただし、安全に暮らすために、たとえ相手が日本人でもルームメイトがどんな人か慎重に見極めましょう。

ワーホリのあらゆる手続きに必要となる渡航日を決めよう

フランスワーホリの開始日

どの方法で滞在するか見通しがつき、すでに費用も十分なら、渡航日を決定できる段階にあるといえます。滞在先との契約・予約にも、そしてビザ申請書類にも、渡航日の情報は必須です。

例えば、海外旅行保険は渡航日が保険適用の起算日となり、その日から1年分の加入証明書が出ます。先に述べた通りこの証明書もビザ申請書類の一部なので、渡航日を決めて保険に加入しなければビザ申請ができないのです。

渡航日は書類などの準備期間を考慮して設定する

渡航日には、後編となる別記事で取り上げている書類の準備が関係してきます。仕事や学校の都合で週末だけしか時間が使えないとしても、1カ月程度あればそれらの書類は準備できると思います。

本記事で紹介した初期準備が整っているようであれば、最短で2カ月後には渡仏できることになります。書類作成に1カ月、その後のビザ申請と受領で2週間、余裕を見てさらに2週間という具合です。

実際には日本を離れるにあたっての準備が他にもあるはずなので、もう少し余裕を見た方が無難だとは思います。しかし、いずれにしてもこの段階で妥当な渡仏の日付を決めておくと、先の手続きがスムーズに進みます

まとめ~基礎準備をしっかりと

ここでご紹介した準備は、ワーキングホリデーを成功させるための土台・基礎といえる重要な部分です。この基礎準備がしっかりできていないと、次のステップである書類作成に手間取ったり、ビザを取得できたとしても渡仏後にトラブルが発生したりするなど、困った事態に直面することにもなりかねません。

はやる気持ちを抑えて、ぜひ慎重に基礎を固めていきましょう!

下の後編では、書類作成と大使館でのビザ申請、さらにはその後の渡航準備についてご紹介しています。

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