私がイギリスに最初に住みだした2008年頃は、円安ポンド高だったせいで生活はとても大変でした。
今でこそ1ポンド142円程ですが、当時は1ポンド200円を行ったり来たり。当たり前ですが、200万円をポンドに換金すると100万円以下になってしまうという、恐ろしい時代でした。
そして、イギリスに来られた方なら誰もが感じることだと思いますが、イギリスは日本よりもかなり物価が高いです。
今回はイギリス人の節約術についてご紹介します。
物価の高いイギリス
例えば地下鉄の初乗りが4.9ポンド。日本円に換算すると695円というとんでもない料金になります。たった1駅でもこの料金です。ただしオイスターカードというSUICAのようなカードを購入すると、初乗りは2.9ポンド、412円まで下がります。それでもまだ高く感じますよね。
またイギリスで有名なカフェのチェーン店で、大きめのサイズのホットチョコレートとトッピングにマシュマロをつけて注文したところ、7ポンド(994円程)になりました。
日本でも、ちょっとお洒落なカフェなどで飲み物を注文する時にはこれくらいの料金になることもありますが、チェーン店でこの値段だとなかなか普段使いはしにくいですよね。
このように、ただでさえ物価が高いイギリス。旅行で短期間だけならそこまで気にしなくてもいいのでしょうが、生活となると話は別です。賢くお金を使わないと、あっと言う間に貯金は底をついてしまいます。どうやったら節約しながらも楽しく生活ができるのでしょうか。
イギリス人と日本人の平均年収
日本人の感覚でいくと1.5倍から2倍ほど物価が高く感じるイギリスですが、だからといってイギリス人の年収が日本人の倍あるわけではないんです。
調べたところによると、2016年度のイギリス人の平均年収は28,000ポンドくらいだということが分かりました。これは日本円に換算すると398万円(1ポンド142円で計算)ということになります。
2016年度の日本人の平均年収が442万円といわれていますので、もちろんこの数字だけで一概にはいえませんが、それでもイギリス人の年収は日本人の年収の倍どころか、日本人の平均年収よりも低いという事実が浮かび上がってきました。
しかもそこから税金など諸々引かれることになり、最終的なイギリス人の手取り年収は22,207ポンド、日本円に換算すると315万3千円になります。
イギリスは医療費などが無料ですし、食品や日用品には日本でいう消費税がかからないなどそれなりの措置が取られてはいますが、それでもやはり物価の高いイギリスでは、多くの人が経済的に大変な生活を送っているのが現状です。
それでは一体イギリス人達は、この物価の高いイギリスでどのように生活しているのでしょうか。賢くショッピングをしてストレスなく節約をしているイギリス人。そんなイギリス人達がよく利用しているお店と、その方法をご紹介します。
衣類は“Primark”で買って節約
イギリス人の女性達に大人気の、アイルランド系の激安服屋Primark(プライマーク)。
イギリスの1号店は1973年にダービーでオープンしたそうですが、本格的に人気が出てきたのは2007年にOxford street沿いにオープンしたロンドン1号店以降だと思います。
最初の頃は”安かろう、悪かろう“な商品ばかり。デザイン性もないし、質も悪いし、種類も少ないしで、衣類が欲しくて買いに行くのですが、欲しいと思う商品が何一つとしてみつかりませんでした。
私の個人的な意見ですが、日本人は“安さ”よりも“質”を重視する傾向にあるので、安くてもあんなに品質が悪ければ買わないなと思いました。
それから数年してまたPrimarkに行ってみたのですが、何だか様子はガラリと変わっていました。相変わらず品質はそこまでよくありませんが、それでも以前よりかは幾分改善されているようでしたし、またデザイン性も出てきて種類が豊富になっていました。
そしてイギリス国内でも安くて人気があるといわれている、H&MやTOPSHOPなどの格安ブランドのショップよりも、ダントツに値段が安くなっていました。
2007年のロンドン1号店を皮切りに、ロンドンにはPrimarkが何店舗もオープンしていき、今ではイギリス国内に173店舗ものショップがオープンしています。
平日でもかなりの人で賑わっているPrimark。服は安いもので5ポンド(710円)程から売っており、13ポンド(1,850円)程出せばかなり選択肢が広がります。
靴も安いものでは5ポンドから売っており、私もバレーシューズ型の靴を5ポンドで購入しましたが、夏の間ずっと履き続けていても全く問題ありませんでした。仕事用の黒のパンプスですら10ポンド(1,400円)程度で購入することができます。
かばんも5ポンド程から購入可能で、ニット帽などは2ポンド(280円)から売っています。また子供服も10ポンド(1,400円)以内の物が大多数で、コートですら15ポンド(2,100円)程度から購入できます。
子供の成長は早いので、毎回そんなに服にお金をかけられないのではないでしょうか。でもこのPrimarkならそこまでお財布を気にすることなく、どんどん買えてしまいます。
このように、イギリスの物価から考えるとあり得ないほどの激安のため、地元の人達はかごに大量の服を詰めて試着室に並んでいます。
あるいは返品、交換などが日常茶飯事、簡単に行えるため、試着室に並んで試着せず、とりあえず全て買って家に持って帰ってから試着し、合わなかったり気に入らなかったりすれば後日、返品、交換しに来る人達が大多数です。
カフェは“Greggs”へ行き節約
先にもお伝えしたとおり、イギリスにもスターバックスをはじめCosta、Cafe Nero、 Pret A Mangerなどの有名カフェチェーン店がたくさんありますが、やはりどこもそれなりに高いです。
飲み物だけならまだそこまで気にならないかもしれませんが、これにサンドウィッチなどの軽食をつけると普通に7ポンド(980円)くらいになってしまいます。
日本だと平日ランチ1,000円でかなり豪華でお得にいただける昨今、そんなに美味しいともいえないサンドウィッチとコーヒーで1,000円はやはりお財布には厳しいですよね。
そこで現地のイギリス人達がよく利用しているカフェが”Greggs”です。このカフェだと上記のカフェの半額ほどで済ませることができます。サンドウィッチなども温めて欲しければちゃんと温めてもらえるので、サービスも悪くはありません。
感動するほど「美味しい!」ことはないですが、私自身スターバックスで「美味しい!」と思ったことがないので、Greggsで充分です。
ただし、いつも結構な長蛇の列ができています。そして店内もテーブルなどの数がそんなに多くはなく、そこまでくつろげる雰囲気ではありません。他のカフェのようにMacbookを持って仕事をするような人達を見かけることは皆無です。
どちらかといえば、ショッピングの合間に少し喉が乾いた、小腹が空いた、少し休みたいといった時に使うカフェですね。
食材の購入はスーパー“Lidl”と“Aldi”で節約
ロンドンの観光地エリアでは目にすることができないスーパーマーケットですが、少し郊外に出ればよく見かけます。
イギリスで大手のスーパーマーケットといえばWaitorose、Tesco、Sainsbury’s、ASDAなどが数も多いですが、LidlとAldiはそれらのどの大手スーパーマーケットよりも安いです。
大型スーパーマーケットではないので品揃えは豊富ではありませんが、必要最低限の物は一通り揃っており、ちょっとした台所用品やDIY用具などもかなり安く売られています。
最近は昔に比べると食品の品質もかなり向上しており、他のスーパーマーケットより劣るなんてこともありませんので、安心して買い物ができるようになりました。
ただ先にも述べたとおり、ロンドン中心地にはなく郊外に出ないとまず見かけません。それゆえ旅行者向けではなく、より地域に密着したスーパーマーケットといえ、地元の人達が経済的に購入できるようになっているのだと思います。
クリスマスセールで1年分を買い占めて節約
日本ではお正月明けからスタートする冬のセールですが、イギリスではクリスマスの次の日をボクシングデーとよび、この日から一斉に冬のセールがスタートします。イギリスの冬のセールはその割引率がかなりお得になっていることでも有名です。
なぜなら大半が半額から70%オフになるからです。日本でももちろん、冬のセールの割引き率は他のセールの時よりも大きいですが、なかなか半額以上とまではいかないのが現状ではないでしょうか。
こちらイギリスは衣類だけではなく、電化製品から家具、キッチン用品、寝具に化粧品など、ありとあらゆる物がセールの対象になります。
そしてイギリス人は、とにかくこの冬のセールに焦点をあて、この時期に1年分の買い物をして1年を乗り切ろうとします。子供服などは来年の冬を見越して大きめサイズを購入します。
特にクリスマスデコレーション関係は、軒並み半額以下から70%オフの値段になるので、女性達は既に次のクリスマスに向けてクリスマス用品を購入しストックしておくのが普通になっているようです。
クリスマスが終わった次の日から来年のクリスマスのことを考えているなんて、クリスマスがどれだけイギリス人にとって特別な日かということがわかりますよね。
まとめ
我慢しすぎるとストレスになって疲れてしまいます。イギリス人のように普段から賢くお店を使い分けて、無理なく節約生活が続けていければいいですね。
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