タイで外国人が就けない職業とは?違法になる?タイ在住日本人の注意点を解説

ワークパーミット タイでの働き方

私が住むタイには日本人が8万人以上住んでいます(2020年10月1日現在)。この数字は在タイ日本大使館発表の在留届提出済み邦人の数なので、在留届を提出していない人を含めればはるかに多くなります。

在留日本人の数でみると、タイは東南アジアではぶっちぎりの1位です。それだけ日本人にとって住みやすい国ということです。ただ、自由に仕事ができるわけではありません。

タイで働きながら暮らしてみたいという人のために、注意すべきタイの仕事事情をお伝えします。

※1タイバーツ〈以下バーツ〉=約3円

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タイで就労するにはビザと労働許可証が必要

ワークパーミット

どの国でもそうですが、タイでは外国人が自由に職業に就くことは法律で禁止されています。就労するには、就労可能なビザと労働許可証(ワークパーミット)を取得しなければなりません。

就労ビザ

就労可能なビザは、ノンイミグラント「B」(就労ビザ)と、ノンイミグラント「O」の一つであるタイ人家族のビザ(タイ人と結婚している、または親がタイ人など)です。

「TR」(観光ビザ)や「ED」(教育ビザ)、「O」のうち就業者家族ビザ(駐在者の妻など)、リタイアメントビザでは就労できません。

労働許可証

労働許可証(ワークパーミット)は、一定の条件を備えた会社が申請できます。その条件とは、200万バーツ(約600万円)以上の資本金。資本金200万バーツ当たり1名の外国人を雇用することができます。

ただし、1人の外国人を雇うにはタイ人を4人雇用している必要があります。例えば3人の外国人を雇うなら、資本金600万バーツ、タイ人労働者12人の雇用が必要です。

タイで外国人が就けない職業39種

タイ人労働者の保護やタイ文化の保全のため、外国人には就労が禁じられている39種類の職種があります。以下に列挙します。

1. 肉体労働
2. 農業・畜産業・林業・漁業への従事(ただし、特殊技能業種、農業管理、海洋漁業船舶における単純肉体労働を除く)
3. レンガ職人、大工その他の関連建設業者
4. 木彫品製造
5. 自動車などの運転や運搬具の操縦(ただし、国際線のパイロットを除く)
6. 店員
7. 競売業
8. 会計業としての監査役務の提供(ただし、臨時的な内部監査を除く)
9. 貴石類の切削や研磨
10. 理容師、美容師
11. 織物製造
12. アシ、藤、麻、竹を原料とするマットやその他の製品の製造
13. 手すき紙製造
14. 漆器製造
15. タイ特産楽器製造
16. 黒象眼細工
17. 金・銀その他の貴金属製品の製造
18. 石工
19. タイ特産玩具の製造
20. マットレス、上掛け毛布類の製造
21. 托鉢用鉢の製造
22. 絹手工芸品の製造
23. 仏像製造
24. ナイフ製造
25. 紙製・布製の傘製造
26. 靴製造
27. 帽子製造
28. 仲介業、代理店業(ただし、国際貿易業務を除く)
29. 建設、木工に関し、企画、計算、組織、分析、計画、検査、監督助言をする業務(ただし、特殊技能を必要とする業務を除く)
30. 建設業における設計、図面引き、コスト計算、助言をする業務
31. 服仕立業
32. 陶磁器類の製造
33. 手巻きタバコ
34. 観光案内人および観光案内業
35. 行商・露店業
36. タイ字のタイプ
37. 絹を手で紡ぐ業務
38. 事務員、秘書
39. 法律・訴訟に関する業務

引用元:JETRO(日本貿易振興機構)「タイ 外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用」https://www.jetro.go.jp/world/asia/th/invest_05.html

※2018年7月以降、一部職種について外国人の就労が認められています。

タイでは「店員」として働くことができない

日本料理のお店

バンコクの日本食レストランや居酒屋に行くと、よく日本人店員に出会います。日本人ならではのきめ細かなサービスを提供してくれ、また日本語での注文ができるので、気持ち良く過ごすことができます。

物販店にも日本人店員は存在します。しかし、上記のリストでは「店員」が外国人就労不可の職種の一つに指定されています。

「単純労働は外国人でなくてもできる」「外国人は特別な能力・スキルを必要とする職種でのみ就労できる」というのが法律の考え方です。モノを売る「店員」は単純労働と見なされているということです。

特殊技能を持っていれば違法ではない

では、店で見かける日本人店員たちは不法就労者ということになるのでしょうか。その可能性もありますが、そうではないかもしれません。

例えば、単純な売り子ではなく「日本式接客の指導」「特殊な仕入れの手配」などの特殊技能保持者としてなら雇用ができるのです。店が会社組織になっており、こうした職種で雇用の申請をするなら、日本人店員を雇うことができます。

タイでは「観光ガイド」として働くことができない

観光ショップ

日本人は、旅行者を観光地に案内する観光ガイドにはなれません。観光ガイドでの就労はタイ人にのみ許されています。マイクロバスなどの運転手も同様です。

ただし、観光ガイドの補佐役や、利用者の世話係であれば日本人の就労が可能です。

まとめ〜認められた条件での就職を目指そう

一念発起、住みにくい日本を離れて海外で新しい人生を始めよう!と考えている人もいるかもしれませんが、外国での就労は簡単ではありません。

タイで働く日本人の中には、本来就労が禁じられているビザで労働許可証を取得せずに就労している人もいます。しかし、万が一当局に摘発された場合は国外退去、5年間の入国禁止という処分になる可能性があります。

労働許可証なしの就労では、日々不安を抱えながら過ごさなければなりません。資格条件を備えた会社で、能力を生かせる職種に就くことを目指しましょう。

バンコク就職・バンコク転職するには

バンコク就職の状況は絶えず変化しています。違法な労働環境下で働かされないためには、信頼できる転職エージェントを使って仕事を探すことが重要になります。

JAC Recruitmentやリクルートエージェントはしっかりした内容の求人が多く、違法労働させるような求人はまずありません。安心できる仕事を見つけてこそ、タイでの生活を楽しめます。

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