タイ語というと、見慣れない文字のせいもあり難しいと思われがちです。しかし日常会話は思ったよりも簡単です。オフィスで使う言葉が英語だったとしても、簡単なタイ語が話せれば現地のスタッフとも早く仲良くなれます。
ここでは、仕事に役立つタイ語やスタッフとのコミュニケーションに使えるフレーズをご紹介しようと思います。なお、各フレーズの後に、男性ならクラップ、女性ならカーとつけると丁寧な言い回しになります。
初対面の挨拶で使うタイ語
挨拶
朝、昼、夜と時間を問わず、挨拶の際には「サワディー・カァ(クラップ)」と言います。また、別れる場合も「サワディー・カァ(クラップ)」と言います。
タイ語は男女によって会話をする際の語尾につける言葉が異なります。女性は「カァ」、男性は「クラップ」という言葉を文章の語尾につけます。
これは日本語でいうと「です」「ます」という意味合いなので、「カァ」「クラップ」を付けることによって丁寧な話し方になります。
挨拶の後には自己紹介で「ディチャン(ポム)・チュー・〇〇・カァ(クラップ)」と言います。一人称に、男性は僕という意味のポム、女性は私という意味のディチャンを使います。
- サワディー・カァ(クラップ)=こんにちは。
- ディチャン(ポム)=私(僕)
- チュー=名前
- ○○=自分の名前を入れる
- カァ(クラップ)=です
タイ人はあだ名で呼び合う
タイ人はフルネームが長く呼びにくかったりするため、短いあだ名で呼び合う習慣があります。あだ名は動物の名前や体の特徴などさまざま。最近は英語のあだ名も多いです。
また、日本人の名前もタイ人には複雑で呼びにくく、覚えにくかったりするので、自己紹介は短めの名前を心がけましょう。たとえば「ケンイチ」さんなら「ケン」とするなど。
ここで注意したいのが、タイ人が渡してくる名刺には本名しか書いていない場合も多いということ。名刺の本名と、実際に呼ぶ時のあだ名を一致させるのは少し大変なので、あとで名刺にあだ名を書いておくといいかもしれません。
また、あだ名の意味を訊くのも相手との話題になります。
時間、日にち、値段など 数字に関するタイ語
挨拶の次に覚えるべきはタイ語の数字です。日にち、時間、値段など日常で使用することが多いので早めに覚えておくと役立ちます。
- 1=ヌン
- 2=ソン
- 3=サーム
- 4=シー
- 5=ハー
- 6=ホック
- 7=ジェット
- 8=ペェット
- 9=ガオ
- 10=シップ
20はイー・シップと言いますが、それ以上などの数字は30:サーム・シップ、40:シー・シップ、50:ハー・シップなど、シップ(10)の前に数字をそのまま言います。
また、11など2桁以上で末尾に1が付く場合は11=シップ・エットとなります。49であれば、シー・シップ・ガオとなります。
バンコクの場合、大きな通りに面した小さな通りは数字で表されているので、数字を覚えることでタクシー移動の際に行きたい場所を伝えることができるようになります。
タクシー運転手の中には英語が達者な人も多いですが、田舎から出稼ぎにきたばかりの人もいます。そういった人はタイ語しか話せない場合がありますので、数字を覚えておくことは大切です。
また、買い物の際も英語で値段を訊くのと、タイ語で訊くのでは後者の方が安かったりするので、早めに覚えた方がいいです。
- タオライ=いくら?
タイ語:マイペンライ(大丈夫、気にしない、問題ない)
「マイペンライ」という言葉は大げさではなく、タイ人が日常でも職場でも最もよく使うフレーズなのではないかと思います。
最も多い意味合いが「大丈夫」
「マイペンライ」が最もよく使われるのは「大丈夫、大丈夫!」という意味合いです。例えばこちらが何か失敗をしてしまって相手に謝ると、たいていは「マイペンライ」という言葉が返ってきます。
実はあまり大丈夫ではない、という場合でもタイ人はとりあえず「マイペンライ」と声をかけてくれます。もちろんその後にはどのように問題を対処しようかという話になりますが、「大丈夫、なんとかなるよ」という感じですのでとても寛容という印象を受けることが多いです。
「大丈夫だよね?」と謝罪の代わりに言われることも
逆に、相手がなにかミスをしてしまったというシーン。ここではもちろん普段彼らがしてくれるように、こちらから「マイペンライ」と声をかけてあげたいところです。
しかし、こちらから声をかける前に「ミスしちゃったけど、大丈夫だよね?気にしないよね?」という意味を含んで、ミスをした方の相手から先に「マイペンライ」が出てくることが多いのです。
この背景にはタイ人はプライドが高く、あまり明確に「ごめんなさい」という謝罪をしないというのがあります。「ごめんなさい」というかわりに「マイペンライ」を使いうまくごまかしてしまうのです。
さまざまなトラブルを乗り越えるのに、マイペンライはぜひ使いこなしてもらいたいフレーズです。
これさえ覚えておけば便利なタイ語の一言
「マイペンライ(気にしないよ)」同様にタイ人のよく言えば大らかな気質を表している言葉「アライコダーイ」です。
- アライ=何
- コ=~も、~でも
- ダーイ=大丈夫、OK、構わない
要するに「なんでもいいですよ」と言う意味のフレーズです。
タイ人に質問した際によく聞く返答であり、自分がタイ人から質問された際にも使いやすい一言です。「何が食べたい?」など、「~アライ?」が付く質問の答えとして覚えておくと便利なフレーズです。
ただし、言いすぎると何も考えていないやつだなと思われてしまう可能性もあるので、要注意です。
タイ語:レオレオナ(早くね、至急ね)
「レオレオナ」という言葉は「レオ」が早くという意味で、2回繰り返すことで意味を強調しています。最後の「ナ」というのは日本語で言うところの「ね」ですので、「ナ」をつけることでやんわりとした言い方になっています。「ナ」をつけずにレオレオだけだと命令口調です。
日本人観光客相手のとき社内で多用
南国の暖かい気候のせいか、現地のスタッフたちは職場でもとてものんびりと仕事をしています。仕事中でもおやつを食べたり、スマホで仕事と関係ないことをしていたり、おしゃべりに夢中になったり。
それはそれでこちらものんびりしたいときは遠慮しなくていいのです。が、私の仕事は時間に正確な日本人の観光客と接することが多いので、スピードアップしてもらわなければならない仕事もたくさんあります。
そんなときはいつもこの「レオレオナ!」というフレーズを使っています。私のオフィスでは「マイペンライ」の次に登場するかもしれません。
タイ語:キンカオルーヤン?(ご飯はもう食べた?)
このフレーズは直接仕事に関係する言葉ではありませんが、相手との距離を縮めるのに使えるフレーズです。
本当にご飯を食べたか聞きたいので使うというよりは、あいさつの一つとして使います。食べていなければ「食べてないよー、おなかすいちゃった」。食べていれば「今日は〇〇を食べてすごくおいしかったよ」などという感じで、次の会話につなぐことができます。
オフィスのスタッフとの日常会話にも使えますし、取引先の相手との会話を盛り上げるためにも使うことができる便利なフレーズです。
中級タイ語:サドゥワックマイ?(都合は良いですか?)
「サドゥワックマイ?」は相手の都合を尋ねるのに使うフレーズです。タイに来たばかりの頃はこのようなフレーズは知らず、何かを頼むときには都合など聞かずに単刀直入にお願いするという会話の仕方でした。今思うと失礼な話し方をしていたなと思います。
このフレーズは相手に何かを頼むときのほか、さまざまな場面で使うことができます。相手の都合を聞くとき、また電話をかけたときに日本語の「今、お時間大丈夫でしょうか?」という意味合いにもなります。
私のタイ生活の中で、もっと早くに知っておきたかったと思うフレーズの一つです。
上級タイ語:チュワイ〇〇ドゥワイナ(〇〇してくれる?)
このフレーズの「チュワイ」という言葉は単体だと「助ける」という意味になります。「ドゥワイ」は「同じく」とか「一緒に」という意味です。「チュワイ」と「ドゥワイ」の間に動詞をつけて使うと、「〇〇してね」というような何かを頼むときの柔らかい表現になります。
例えば「電話してね」としたい場合は電話するという動詞「トーマー」をつけて「チュワイトーマードゥワイナ」となります。
このフレーズを使うことで、きつい言い方になりません。プライドが高く、命令をされることがあまり好きではない現地スタッフに仕事をお願いするときなどにも重宝しています。
タイ語の勉強法
私は、7年タイに住んでいる中で3回タイ語の学習を行いました。1回目は、来タイしてすぐのころに基本的な挨拶など日常で必要となる会話練習のためにグループレッスンで週1回2時間、3か月ほど学校に通いました。
2回目は、転職先の会社の共通語がタイ語のため会議などが全く理解できず、専門的な会話や仕事上で必要となるタイ語を身に着けるために、プライベートレッスンで週1回、3か月ほど教えてもらいました。
仕事の休日に自宅近くのカフェに来てもらい、1回2時間程度でした。
3回目は、タイ文字が読めるようになりたくて、文字だけのグループレッスンに週1回2時間、学校に通いました。全30時間通いました。
バンコクにはタイ学校も多数ありますし、プライベートでレッスンに来てくれるタイ人もたくさんいます。レッスンを受けたい時間や学習内容に合わせてレッスンを選ぶことが大切ですね。
タイ文字も覚えるとおもしろい!
タイ文字を覚えるメリット
タイ文字を学んでいることがわかればタイ人の同僚からよい印象をもたれます。「これはなんて読むの?」と尋ねることで、同僚とのコミュニケーションが生まれることがあります。
また、ローカルな屋台や食堂はタイ文字のメニューしかないことも多いので、メニューが読めるようになればランチの幅も広がりますし、食費が安く上げられるようになります。ローカルグルメ食べ歩きも楽しくなります。
タイ文字とは
シャム文字とも呼ばれるタイ文字は、クメール語が基本となっているインド系文学の1つです。
子音が42文字、母音が41文字、声調符号が4つの組み合わせで表されます。声調が5つあり、同じ単語でも声調が異なると違う意味の言葉になります。
例えば、「カイ」という単語は、声調によって「ニワトリ、卵、熱」など異なる意味を持ちます。文字に表すとそれぞれ違う文字を使用します。
タイ人と話していて、外国人がそれぞれの発音の違いを聞き分けることは非常に難しいです。
文字の組み合わせやそれぞれの子音が持つ声調などを学ぶことで、単語ごとの発音や声調の違いが分かります。
子音と母音だけで合わせて83文字なので覚えるのが大変ですが、文字や声調を覚えることでタイ語の会話の上達にもつながるので、時間に余裕がある方は文字の学習もおすすめします。
まとめー簡単なフレーズでもいいから積極的に使おう
タイで働き始めた頃はタイ語は全くできず、こんな難しそうな言葉を話せるようになる日は来るのだろうかと思っていました。
また、最初は現地の友達と食事をしたり買い物をしたりしながら言葉を覚えていったので、どうしても友達同士で使う言葉が多くなってしまい、オフィスなどフォーマルな場所で使うタイ語を覚えるのに苦労しました。
オフィスにいる時はなるべく同僚の現地スタッフたちが使っているタイ語を聞き、真似をするようにして少しずつ丁寧なタイ語を習得することができました。
これからタイで働こうと考えている皆さんも最初はきっと難しい!と感じると思いますが、英語で済んでしまう会話でも積極的にタイ語を挟みつつ話すことをおすすめします。
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