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海外就職の始まりはスペイン!〈後編〉南米でのキャリアアップ

前編では、スペインで職を得て働くことになった経緯をご説明しましたが、この後編では、その後南米に渡った私がどんな仕事をし、どうやってキャリアアップしていったかをお話しします。

スペインで実績を積んで通訳・翻訳の道を進もうと思っていた矢先、縁があり思い切って営業の分野に入りました。そのことが、自分でも予想しなかったキャリアの道につながっていきます。

前半は以下の記事をお読みください。

 

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目次

スペインで働き、日本に帰る

飛行機

スペインで勤めていた日本の会社では正社員として働いていました。期間限定のプロジェクトにも参加するための要員として、正社員での雇用でした。

そのプロジェクトが5年で終わった際に、マドリード本社の人事部への異動をオファーされたのですが、当時は人事の仕事には興味がなかったのでお断りして、いったん日本に帰国しました。

スペインでは社内通訳・翻訳をしていたので、その道で通訳としての仕事を日本で探すつもりでした。ところが、スペインに行く前まで勤めていた貿易会社にあいさつへ行って、私の道が変わります

通訳から営業として南米へ

打ち合わせ

この貿易会社(大阪の会社です)ではちょうどその時、南米支店の日本人駐在員が辞めたばかりだったため人を探しており、そこを訪ねたスペイン帰りの私は、まさにネギを背負ったカモでした。

お世話になっていた上司から「あんたやったら優秀なバイリンガル秘書や通訳になるやろうけど、40歳になっても50歳になっても通訳は通訳やで。キャリアを変えよう思ったら、営業やらなあかん。南米で営業やってみ」と説得されました。

実は営業=大阪商人、というイメージがあってあまり気が進まなかったのですが、1年でいいから行ってくれと言われ、冒険心も手伝い思い切って行くことにしたのでした。

そして確かに、思い切って海外で営業をやってみることで私のキャリアは確実にアップしたのです。

スペイン語力がさらに上がった

営業という職業は当然ながら、人とのコミュニケーションスキルが必要です。商品知識はもちろん、それを正しく魅力的に伝えるプレゼン能力も必要となります。

またラテン系の国では、商談に入る前にまず世間話をしたり冗談を言ったり、そういう付き合いが喜ばれるので、いろいろな話題に対応できるようにしておくことも大切です。

それを全部スペイン語でやるわけですから、当然スペイン語のスキルは確実にアップします。

南米で日本商社へ転職

挑戦

その貿易会社に勤めていたころ、ちょっとした縁があって別の日本の商社から声が掛かりました。経歴を聞かれたので、スペインで通訳・翻訳をした後、今は客先との商談、交渉、輸入、集金をしていると言ったら、即採用に。

そういった業務をスペイン語でできる日本人は、少なくとも当時はほとんどいなかったためです。

新たな仕事でもコミュニケーション力が生きる

こうして海外で転職したわけですが、この会社では営業だけでなく、プロジェクト案件もやらせてもらいました。プロジェクトにしても、成功するかしないかは人とのコミュニケーションに鍵があります。

営業をしながら、現地の担当者レベルからオーナーレベルまでたくさんの人とお付き合いしたおかげでラテン系の人の考え方やビジネスの仕方がよく分かるようになり、それをうまく日本人に伝えるコツも、日本人の考え方をラテン系の人に伝えるコツも習得することができたと思っています。

営業から管理部門へ(人事、法務、財務)

専門書

その日本商社では、うまくいったプロジェクトで投資事業会社を立ち上げることになり、今度は営業ではなく管理部門の仕事を任されました。人事、法務、財務系の仕事です。

新たな知識とスキルを身に付ける

スペインでは人事部に行くのが嫌で日本に帰ったわけですが、実際にやってみるととてもやりがいがあるものだということが分かりました

私が担当したのは人事関係全てで、求人広告を出したり、面接したり、雇用契約書を作成したり、弁護士と解雇手続きをしたりという業務をしました。これらももちろん全てスペイン語です。

また人事関係だけでなく、プロジェクトの訴訟対応で、弁護士と商法、民法、刑法まで分析する仕事もあり、法律関係の知識も得ることができました。

日本企業だったからこそ能力がアップ

同じスペイン語でやるにしても、もしこれが日本企業ではなく現地の会社での仕事だったら、スペイン語の能力も仕事の能力もそれほどアップしなかったと思います。

というのも、私が一番苦労したのはこうした業務の経過や結果を日本人上司や日本の本社に伝えることだからです。

まず自分が100パーセント理解していなければ人に正確に伝えることはできないので、多少分からないところがあっても仕事を進めてしまうということは絶対にできません。

そのため、人事業務も法務も言葉以前の問題として内容をしっかり勉強する必要に迫られました。ですが、私にとってはそれが語学プラスアルファの要因となっていると思います。

スキルアップに終わりはない

役立つスキル

海外で仕事をしたいという人は、語学を生かしたいからと考えている人が多いと思います。私もそうでした。でも実際は、海外で「○○をするために語学を生かしたい」というアプローチがいいのではないでしょうか。

ただこの「○○」は、今現在なくてもいいと思います。私のように、とりあえず先に海外へ行き、それから見つけるのもいいかもしれません。

いずれにしても、スキルアップに終わりはありません。管理部門の仕事ではこの他、環境マネジメントやCSRなどにも関わりましたが、今はまた営業に戻っています。

営業では多彩な商材をかじらせてもらっていますが、どの分野でも覚えることはたくさんあります。スキルアップの秘訣は結局のところ、好奇心かもしれませんね。

まとめ〜キャリアアップには思い切った転機が必要

スペインから始まった私の海外就職。様々な職種を経験し、就職先も南米に変わりました。

今でも、営業をやることを勧めてくれた大阪の貿易会社の上司に感謝しています。あの時、もし思い切って営業をやってみていなければ、やはり今ごろは通訳か、スペイン語と英語ができるアシスタント止まりだったかもしれません。

通訳やアシスタントが悪いというわけでは決してなく、その道を極めている方は尊敬しますが、特に海外でキャリアアップしたいという人はどこかで思い切った転機が必要なのではないでしょうか。

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