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オーストラリアで納税する!働くなら知っておきたい税金事情

マネー

海外で生活していても、その国の法律に従って税金を納める義務があります。日本の消費税に当たる税金のほか、就職した際に給料に課せられる所得税はその国々によって制度が違い、とても複雑に感じることもあります。

ここでは、オーストラリアで働く際に知っておかなければならない税金、特に所得税についてお話します。ワーキングホリデーや留学でも人気の国なので、これからアルバイトをする方も多いと思います。ぜひ知っておいてください。

※この記事の内容は2017年6月現在のものです(1オーストラリアドル〈以下ドル〉=約85円)

目次

オーストラリアの税金:いわゆる消費税

税金

オーストラリアには、「GST(Goods and Services Taxの略)」と呼ばれる税金があります。これは日本でいう消費税にあたる税金で、税率は一律10%です。

生鮮食品や医療費、水道代など、生活するに当たり必要なものは「非課税」、ガス・電気代や嗜好品など、必要不可欠と見なされないものは「課税」と細かく分かれています。

スーパーなどで買い物をした際にもらうレシートに「GST○○ドル」と細かく記載されているので、自分がいくら消費税を支払ったのか確認することができます。

ちなみに「日焼け止めクリーム」は課税対象にはなっていません。皮膚がん発症率の高いオーストラリアならではの決まりです。

オーストラリアの税金:所得税

オーストラリアで労働し、給料を受け取る際に課されるのが「Income Tax」と呼ばれる個人所得税です。

フルタイムかカジュアルか、ワーキングホリデーか学生かなど、就労形態やビザの種類にかかわらず給料をもらえば所得税を支払う義務がありますが、税率は「居住者」と「非居住者」、また「ワーキングホリデービザ保持者」で異なります

オーストラリアに6カ月以上住む場合は「居住者」と見なされ、「非居住者」よりも税率が低くなります。「ワーキングホリデービザ保持者」に対しては別に税率が設けられています。

オーストラリアの所得税率はどれくらい?

税金

では、オーストラリアで働く場合に避けては通れない「所得税」について、詳しく見てみましょう。

オーストラリアの所得税は最高税率が45%、非居住者・居住者・ワーキングホリデービザ所持者、それぞれ所得金額により税率が異なります

2016/2017財政年度の税率を、オーストラリア政府のサイトを参考に以下にまとめてみました。

※参考サイト(英語):https://www.ato.gov.au/Rates/Individual-income-tax-rates/

居住者

年間課税所得額:税率

  • 0 – 18,200ドル(約155万円):0%
  • 18,201 – 37,000ドル(約315万円):19%
  • 37,001 – 87,000ドル(約740万円):32.5%
  • 87,001 – 180,000ドル(1530万円):37%
  • 180,001ドル –:45%

非居住者

年間課税所得額:税率

  • 0 – 87,000ドル(約740万円):32.5%
  • 87,001 – 180,000ドル(1530万円):37%
  • 180,001ドル – :45%

ワーホリ労働者

2017年1月1日以降、ワーキングホリデービザで働く人には独自の税率が適用されることとなりました。年間収入が37,000ドル(約315万円)までの場合、一律に15%の所得税が課せられます

それ以上の所得があれば、額に応じて税率が上がります。

三者それぞれの税額比較

例えば、日本食レストランなどで1年間(7月1日から翌年6月30日の間)に30,000ドル(約255万円)稼いだ場合、

  • 居住者:30,000ドル×19%=5,700ドル(約48万5000円)
  • 非居住者:30,000ドル×32.5%=9,750ドル(約82万9000円)
  • ワーホリビザ保持者:30,000ドル×15%=4,500ドル(約38万3000円)

をそれぞれ所得税として納めることになります。

なお、学生ビザで渡豪しアルバイトをした場合、6カ月以内の滞在であれば「非居住者」の税率、6カ月以上であれば「居住者」の税率が適用されます。

永住権保持者ならメディケア税も

また永住権保持者の場合は、所得税の他に「メディケア税」を2%徴収されます。「メディケア」とは、日本でいう「国民健康保険」と同等の保険制度です。

学生ビザやワーキングホリデービザ、ビジネスビザ保持者は免除されます。

オーストラリアで働くなら「TFN」を忘れずに取得

税金申告

タックスファイルナンバー

オーストラリアで働き始める前に、「タックスファイルナンバー(略してTFN)」と呼ばれる納税者番号を取得し、雇用者側に提示しなければなりません。

これは、雇用者が給料からあらかじめ所得税を差し引き、税務署に納めるためです。その際に、この「TFN」が必要になります。

「TFN」は以下のサイトから無料で申請が可能です。ビザの種類が変わっても、申請し直す必要はありません。オーストラリアの現住所が必要なので、滞在先が決まってから申請しましょう。

タックスリターン

オーストラリアで就労するに当たり、忘れてはいけないのが「タックスリターン(Tax Return)」です。これは日本でいう「確定申告」で、前年7月1日から6月30日までの会計年度に得た所得を10月31日までに税務署に申告する必要があります。

7月に入ると、雇用者から「PAYG Summary」と呼ばれる源泉徴収票をもらうので、それをTFNと銀行口座番号と一緒に提出します。

「タックスリターン」と呼ばれてはいますが、納めた税金が全額返ってくるわけではありません。納めるべき所得税額と、実際に支払った金額の差額が戻って来るので、場合によっては追加で納めなければならないこともあります。

タックスリターンの方法は3通り

  1. Australian Taxation Officeのサイトから自分で申請する
  2. 国税局から書類を取り寄せて申請する
  3. エージェントに依頼する

以下のサイトから「MyTax」に登録すると、自分で無料でオンライン申告が可能です。

初めて申請される方は少し難しく感じるかもしれませんが、申請方法を説明するビデオが閲覧でき、入力した情報を保存することもできます。慣れない会計用語がいくつか出てきますが、じっくり時間をかけて、翻訳機能を使いながら申請してみてはいかがでしょうか。

手数料はかかるが、専門家に依頼するのも手

書類申請には時間がかかり、少々面倒なので、私は毎年エージェントに頼んで申請しています。200ドル(約1万7000円)ほどの手数料がかかりますが、必要書類を渡すだけなので一番簡単です。

毎年タックスリターンの時期になると、ショッピングセンターなどにも特設ブースが設けられます。エージェント探しに困っている方は利用してみてはいかがでしょうか。

まとめ〜就労したら必ず納税を

買い物をするだけで自動的に支払うことになる消費税は難しくありませんが、所得税はその仕組みをよく理解しておく必要があります。

ビザの種類に関係なく、オーストラリアで就労し収入を得る場合は必ず「タックスファイルナンバー」を取得し、所得税を納め、「タックスリターン」を申請する義務があります。

きちんと義務を果たし、また取り戻せる分はしっかり取り戻すためにも、事前に正確な情報を調べ勉強しておきましょう。

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この記事を書いた人

オーストラリアの第三の都市ブリスベン在住歴十数年の三人娘の母。
都会ではないけれど田舎でもないこの街から、ブリスベン生活情報をリアルタイムでお届けします。

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