香港人の仕事に対する考え方とは?意外と知られていない、香港人の働き方の6つの特徴

香港での働き方

日本人には日本人なりの考え方があるように、香港人には香港人なりの考え方があります。

といっても、個人個人で考え方には違いがあるものなので、「香港人」「日本人」とひとくくりにするのはあまり好きではないのですが、それでもやはりその国や地域に住む人に共通する一般的な考え方というものはありますよね。

日本の企業と香港の企業、両方で働いた私の経験から、香港人の仕事に対する考え方と働き方の特徴についてご紹介します。

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香港人はあくまで「個人主義」

一番の違いは、日本人が「和」を優先するのに対して、香港人はあくまで「個人」を優先することです。仕事をする上で大切なのは「会社」ではなく「自分の人生」「自分の生活」です。

香港人は「この会社は自分に合わない」と思えばすぐに辞めて別の会社を探します。その見切りのつけ方は日本人に比べると非常に早いです。

日本人ならどうしようかなと悩んでいるうちにだらだらと数ヶ月経つことも多々ありますが、香港人なら早ければ翌週には転職していることもあります。

就業時間には意外とルーズ

会社は9時始業、17時半終業です。日本人の一般的な感覚からすると、始業少し前に出社して、就業時刻にはまだ着席しているのが当たり前だと思います。私も早めに行って、メールチェックなどをしています。

では、現地スタッフはどうでしょうか?

中には日本人と同じように余裕を持って出社している人もいますが、大半はギリギリか遅刻して来ます。私の会社の場合、遅刻のペナルティーとしてその分お給料から引かれますが、それでも毎日懲りずに遅刻して来るスタッフがいます。

香港企業はもっとゆるい

9時に仕事を始めて取引先の現地企業に電話すると、担当者がまだ出社していないと言われることがよくあります。聞いてみると9時に開始のところ、9時半頃出社してくるそうです。

そして、9時半に改めて電話をかけ直すと今度は本人が出るのですが、机上で朝食中、なんていうことも。

ビジネスアワーについては日本より感覚がゆるい印象を受けます。

自由度の高い服装

私の会社では、外出するマネジャーはスーツ、私のような内勤のアシスタントマネジャーはジャケット着用ですが、現地スタッフのアシスタントとなると自由度はかなり上がります

特に夏場は、そのままビーチに行けるのでは?というくらいの軽装のスタッフもちらほら出没します。

仕事は縦割り型

ミーティング

日本人の場合、周囲に迷惑をかけないよう、またスムーズに物事が運ぶよう、気配りしながら仕事を進めると思います。自分の仕事範囲内でなくとも、チームや部署でトラブルがあれば協力して解決するのではないでしょうか。

一方、私の会社の現地スタッフは共同プレーより個人プレーの感覚の人が多く、自分の範囲内の仕事はきっちりとするものの、それ以外はあまり気にしない傾向が強い感じがします。

アシスタントにトラブル解決を指示しても、それは私の仕事じゃないのに、と言われることがよくあります。

香港では転職こそ最大のキャリアアップ

転職したことのある人が多いのが香港人の特徴です。自分を「高く買ってくれる」会社を求めてどんどん転職していきます。香港人は転職をプラスのイメージで捉えています。

日本では転職を繰り返している人に対して、仕事が長続きしないのではというマイナスのイメージがありますが、香港では逆に、ひとつの会社に長くいる人は能力がないからそこにしがみついているのでは、と思われます。

履歴書にも堂々と書ける転職歴

香港にも、ひとつの会社で長く続いているのは安定していていいことだ、という考え方はありますが、転職歴があるからといって、仕事ができないのではと思われることは少ないです。ただし、あまりにも転職ばかりしているのはもちろん考えものです。

日系企業で香港人スタッフを募集すると、転職歴のない履歴書を書いている人はほとんどいません。みな多かれ少なかれ複数の会社を経験しているのです。

香港では、日本人であっても転職はキャリアアップです。

香港人は仕事での飲み会はしない

「個人」を優先する香港人なので、仕事上の付き合いでの飲み会というものがありません

上司に誘われて飲みに行くとか、取引先の人と飲みに行くとか、そういうことがまったくないわけではありませんが、ほとんどありません。お酒を飲みながら和むことでコミュニケーションアップを図ろうという考え方がないのです。

そもそも香港人、飲まない人が多いですから……。

香港人はプライベート優先

上司から残業を頼まれても、「今日は妻の両親と食事をします」「子供と食事をする約束があります」などと、プライベートな理由を出して堂々と断ります。

日本だと、プライベートな理由はなかなか口に出しにくいものですが、香港人はプライベートを優先することは当たり前だと考えています。そのため、上司も割とあっさり「そうなのか。じゃ、無理だな」などと言ってくれます。

私用電話は堂々と

日本で仕事中の私用電話は控えるべきものですが、こちらの現地スタッフの場合は堂々とかけています。さすがに会社の電話からかけている時は注意します。

現地スタッフは結婚しても共働きで、子供の面倒はどちらかの親か、住み込みで雇っているメイドが見ることが多いです(香港ではフィリピン人やインドネシア人のメイドを月6万円ほどで雇うことができます)。

子供の学校の送り迎え、放課後のケア、買い物、家事など仕事場からてきぱきと電話で指示しているのをよく見ます。

デスクの上はプライベートエリア?

デスク

日本の会社では、デスクに個人的な物を置く人は少ないと思います。

香港はかつてイギリスの植民地だった背景も影響しているのか、現地スタッフはデスクの上に家族写真やお気に入りの雑貨、果ては小さな観葉植物まで置いて、完全にプライベートエリア化しています。

たまにそれらの写真が話のネタにもなるので良いのですが。

香港では有休は必ず使うもの

香港では「有給休暇は消化して当たり前」という考え方が非常に一般的です。一応他人とかぶらないように配慮はしますが、有休を取ること自体に気を使うという文化はありません。

周りの目、上司の目を気にしながら有休を取るというのは、日本独特なのではないでしょうか。

香港人は時間にルーズ、遅刻魔が多い

最後にもうひとつ、香港人の働き方の特徴として、始業時間にルーズな一方、就業時間はきっちり守るということがあります。

日本人の場合、始業時間が9時だとしたら、8時50分に会社に到着しようと計算する人が多いと思いますが、香港人は「9時20分ぐらいまでに行けばいいだろう」と思っています。

10分や15分の遅刻は遅刻ではない

9時に来たとしても、それからデスクの上で朝食を広げて食べるので、実際の仕事開始はやはり9時20分ぐらいになります。上司も何も言いません。最近はそうでない会社も増えてきていますが、まだまだ10分や15分の遅刻は遅刻のうちには入らない、と考える香港人は多いです。

その割には終業時間5分前ぐらいから帰る準備を始め、定時になったらぴったりと席を立ち帰宅していきます。

まとめ~それぞれの仕事の範囲が明確に線引きされている

このように書いてくると、なんだか香港人は仕事をまじめにしないように思われるかもしれませんが、そういうわけではなく、自分の担当の仕事はきちんとやります。

ただ、仕事とプライベートの線引き、自分と他人の仕事の線引きがきっちりとあって、これは自分の仕事ではないと思ったらはっきりと自己主張します。そこが日本人と大きく違う点だと言えると思います。

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