私は現在、フィリピンのマニラにある日系IT企業で日本語教師として働いています。日本と比べると他の多くの国は祝祭日が少ないと思いますが、フィリピンも日本より祭日が少ないです。
フィリピンでは、現地の人や日本人はいつ、どのように休暇を過ごしているのでしょうか。
よく聞かれることでもあり、話題にのぼることも多いフィリピンの休暇について、日本語教師ならではの事情も交えながらお伝えします。
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フィリピン人は有休と病気休暇を使い切る
祝日が少ないフィリピンですが、その代わりフィリピン人は有給休暇と病気休暇をバンバン使います。有休は1年で15日、病気休暇は30日、みんなどちらも使い切っています。
病気休暇の場合、本当に病気かどうかは定かではありません。2日以上休むときは診断書が必要です。
だいたい月曜日の午前中に半休か、金曜日に1日、病気休暇を取っているので、「うそだろう!」と思うときの方が多いですが、上司も特に気にしません。ちょっと頭が痛いぐらいでも遠慮なく休みます。
フィリピン人にとっての長期休暇はクリスマス
フィリピンはキリスト教徒が大部分を占める国なので、長い休みと言えば「クリスマス」です。ただ、正月を大切にするという考えはなく、年始の仕事始めが1月2日なので、さすがに日本人同士で結束し交渉したことがあります。
フィリピン人スタッフには田舎から来ている人も多いので、正月に日本人が里帰りするように、クリスマスにはみんな故郷へ帰ります。そして、家族や地元の友達とクリスマスを祝い、最低3日ぐらいはパーティをします。
もちろん、マニラに住んでいるスタッフも家族といっしょに過ごします。
教会に行くことも大切
クリスマス時期だけではなく、平常の日曜日もそうなのですが、家族と教会に行くというのも大切な過ごし方です。教会はあちらこちらにあって、それぞれ懇意にしているところがあるようです。
そして、大きいショッピングモールではだいたい日曜日にミサが行われています。
ショッピングのついでにミサを済ませてしまおうというのもどうかと思いますが、信心深いことには変わりないので、まあ日本人よりは宗教心が厚いなと感じています。
フィリピンで働く日本語教師の休暇事情
年に2回、日本へ帰る航空券代を出してもらえるため、ほとんどの有休を日本帰国に使います。通常の連休はフィリピン国内を旅行したりしています。
フィリピンはやはり海がきれいなことで有名だと思いますが、意外と山も多い国です。マニラからだと3日あればきれいな海や山に行けるので、連休を利用していろいろなところに行っています。
なお、私たち日本人スタッフは社員ではなく、年毎のコンサルタント契約なので、病気休暇がありません。病気のときはどうするの?という疑問もあるでしょうが、休んだ分は給料から差し引かれるだけなので、あまり気にしていません。
フィリピンで働く日本語教師は同僚と別々に休日を過ごす
日本語教師の場合、何かの理由があって食事に同席するとか、日本関係の行事に参加するということはあるかもしれませんが、同僚といっしょに休日を過ごしている人は少ないのではないかと思います。
話していると仕事をしている気分に
日本語教師の仕事は、生徒さんと話をして、日本語を教えたり、直したりすることです。通常、食事をするにしても出かけるにしても「話す」ということは避けられないものです。
私たちにとって「話す」ことは「仕事をする」ことと同じです。上級者であっても、日本人に話すように話して理解できる人は少ないです。そのため、私たちは常に「ティーチャーズトーク」という教師独特の話し方をします。
相手が初級者なら初級者用の語彙と文法を使い、中級者なら中級者用の言葉を、というように使い分けるのです。
これは私の個人的な感覚なのですが、フィリピン人の同僚と話しているとどうしても気を遣ってしまい、休日でも仕事をしている気分になってしまいます。そのため、私は休日を同僚と過ごすことはあまりしません。
日本人同僚ともなるべく遠ざかる
実は、日本人の同僚ともそんなに過ごしません。日本人は3人と限られている上、月曜日から金曜日まで一緒です。休日ぐらいは別々に……というのが本音です。
そんなに頑張って会わなくても、家も会社もマカティで徒歩15分以内のところに全てあるため、休日に道でばったり!なんてことも珍しくありません。
日本人社会も狭いので、別々に知り合った共通の友達がいるという、日本ではあまり起こらないこともよくあります。
職場でも家でも顔を合わせるのは大変
今、勤めているところはお互いに住居が別々なのでまだ息もつけますが、寮か学校の持ち家に住まなければならないというケースもあります。その場合は朝から晩まで同僚と顔を合わせます。
上司と一緒に住まなければならない上に完全に相性が合わなかったこともあり、人間関係にもかなり影響しました。
まとめ~何もしないことが最高の過ごし方?
有休をめいっぱい使うお国柄のフィリピンですが、そうは言ってもお金がないため、単に家でゲームをしたり、だらだらしたりという過ごし方をしている人も結構います。暑いから外に出たくないというのも理由の一つです。
今の世代でも兄弟が5~6人、ときには10人もいるというフィリピン人にとって、家で家族と過ごすことが何よりも楽しいようです。
結局、定番の過ごし方は「何もしない」ということでしょうか。
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