子供がいるのにフィリピンに駐在員として移住することになった。もしくは何らかの事情で子供と一緒にフィリピンで暮らすことになった。
そんな人でも安心して子供をフィリピンの学校に通わせられるように、現在のフィリピンの教育、学校事情について知っておきましょう。
また、近年日本のみならず世界中の人たちの間でも人気のある「フィリピン英語語学留学」に関してもお伝えしていきます。
フィリピンの義務教育制度
現在の日本の平均的な教育制度は6-3-3制で、その後4年制大学に進むのが一般的でしょう。このスタイルは第2次世界大戦後から約70年近く変わっていないことになります。これはちょっと問題だと思います。
フィリピンでは2013年に教育制度改革が行われ、それまでの6-4制の10年間の義務教育が、1-6-4-2制のトータル13年の義務教育制度に変わりました。幼稚園(1年)-小学校(6年)-中学(4年)ー高校(2年)です。
幼稚園から教育をスタートさせるのはもう世界基準のようです。常夏のフィリピンでは、春休み、夏休み、冬休みのようなものはありません。
学校はだいたい二期生で、1学期(6-10月)、2学期(11-3月)となり、3月中旬から6月初頭までの長い夏季休暇があります。その他にクリスマス~年末年始にかけて2週間ぐらい休校になるのが一般的です。
学校の種類
フィリピンの学校は大別すると、公立校(public school)と私立校(private school)があります。基本的に公立校の授業料は無料です。
公立校(public school)
少子化が進む日本と違い、フィリピンは子供の数が増え続けていますので、都会の一部の公立校などでは、入学試験や親の面接を実施している学校もあります。
また生徒数の増加に対して、学校や教室の数が不足している地域の学校も多く、昼間と夜間に生徒を振り分けるために、試験や面接を実施している公立校もあるようです。
私立校(private school)
私立校に関しては入学方法もいろいろですが、親との面接を重視することが多いようです。基本的には、授業料を払い続けられるかどうかの家庭の経済力を調べているようです。
もちろん、入学前に子供の学力を検査したり、家庭訪問をするという場合もあります。日本人の子供は、この現地の私立校に通うパターンが多いようです。日本人学校
日本人学校
また、親の海外転勤などの理由で一時的にフィリピンに滞在する日本人の子供たちを対象にした「日本人学校」というものもあります。カリキュラムは、日本と同じ教育内容を提供しています。「マニラ日本人学校」が代表例になります。
インターナショナル・スクール
その他に、外国籍の子供を対象にしたインターナショナル・スクール、特殊教育活動を希望する人のためのホームスクーリングのような学校もあります。
日本の学校に通っていた子供をいきなり現地の学校に通わせることに不安を感じる親も多いでしょう。したがってマニラのような都会では選択肢が多いと思いますので、どの学校に通わせるかは先輩の日本人の意見を参考にするのが良いでしょう。
選択肢の限られた地域に住む場合でも、わざわざ子供の学校のために住居を変えるほどの必要はないと思います。
田舎の学校でもカリキュラムは一緒で世界基準に劣ることはありません。また意外と子供たちは大人よりも異なった環境に順応するのが早いものです。
マニラのような都会は別ですが、ほとんどの日本人の子供は現地の学校に通うのが一般的です。
日本との教育内容の違い
フィリピンと日本の教育内容の大きな違いは、やはりフィリピンの学校のほとんどが英語で授業を行っているということでしょう。
国語(フィリピン語)、社会(歴史など)の授業以外はだいたい英語が使われておりそのレベルも高いです。小学2年生ぐらいで、日本の中学3年生レベルの英語力は習得できていると思われます。
その他の科目に関しても、教科書のレベルは世界基準となっています。
しかし、体育のレベルに関してはかなり低いです。日本のように基礎体力やひと通りのスポーツをこなす能力は備わりません。
わかりやすい例では、フィリピン人は「泳ぐこと」ができない人がとても多いのです。これは学校にプールの設備がないという事情もありますが、もともと教育カリキュラムに水泳の実践教育が盛り込まれてないことがあります。
また道徳に関して日本の学校では小さい頃から「片づけをする」、「時間を守る」といったマナー教育がしっかりされていますが、フィリピンの学校はそういった面では厳しさがたりません。
しかし、「親や親類を大事にする」とか「年配者を敬う」といった教育は徹底的にたたきこまれます。
以上のように日本とフィリピンの学校教育の内容に関してはどちらにも長所と短所があるので、どちらが子供にとって良い学校なのかは一概に言えません。
フィリピンの教育格差
近年は日本国内でも「子供の教育格差」が問題となっていますが、フィリピンの教育格差問題はかなり深刻です。
公立校の授業料は基本的に無料なのでどんな子供でも学校に通えるはずなのですが、実際には制服やえんぴつ、ノートなどの文房具、教科書、イベントなどの費用といったお金がかかります。
ということで経済的に余裕のない家庭はこのレベルのお金さえ支払うことができず、子供を学校に通わせることを断念してしまうケースも多いのです。
また家を持たない家庭、あるいは借りることができない家庭も多く定住することができていないので、その子供が一定の学校に通えないという悲惨な状況もあります。
リゾート地のような外国人にも人気のあるようなエリアではボランティア団体の援助が受けやすいのですが、そうでない地域では国の援助さえありませんので解決の方法がありません。
子供数の増加問題と貧困格差の問題がある限り、フィリピン国内の教育格差はなくならないでしょう。
フィリピンの英語留学に関して
フィリピンはアジアで最大の英語圏であり、世界でも3番目に英語を話す人口の多い国。ということで日本のみならず、アジアそして世界各国から「英語語学留学」をする人が増えています。
「安・近・短」で留学可能なフィリピンでは、語学学校の数も増えており、大学生はもちろん、親子、小学生~高校生、社会人、お年寄りと英語力をつけたい日本人の留学生も多いです。
人件費の安いフィリピンならではのマンツーマン授業は、アメリカ、イギリス、オーストラリアのような先進国と比べ、授業料や滞在費の面で大きなメリットがあるようです。
学校のある地域やシステムなどいろんな選択肢がありますが、成功の鍵はやはり「本人のやる気次第」であると思います。本当に「英語力」をつけようと思ったら、日本語を話す機会がないような状況がいいのではないでしょうか?
安全や確実性を重んじるならば、ランキング上位の語学学校がいいと思います。また、英語力UPだけでなく、フィリピンのような発展途上の国の文化やパワーを体験できることも、「フィリピン語学留学」の大きな魅力のひとつなのかもしれません。
いろいろな情報もあり、迷っている方がいるならば、とりあえず「短期でも良いから挑戦してみる」という気持ちが大事なことだと思います。
ちなみに現地の日本人としておすすめの学校は、マニラ近郊の高原リゾート地タガイタイにある「FACE2FACE ENGLISH SCHOOL」です。日本人オーナーが運営していますので安心だと思います。
日本国内でセミナーを開催している語学学校もありますが、現地情報をよくわかってない人が説明することも多いのであまりおすすめはできません。
まとめ
フィリピンの学校に自分の子供を通わせることに関して、非常に心配をしている保護者の方も多いでしょう。しかし、思っているほどフィリピンの教育・学校事情は悪くありません。むしろ、日本や先進国にはない素晴らしい面もいっぱいあります。
せっかく海外に移住しているのだから、これをチャンスと思い地元の学校に子供を通わせてみてはいかがでしょうか?意外に子供のほうが親より違う環境に順応するのが早いものです。
日本人学校や外国人ばかりが集まるインターナショナルスクールではないフィリピンの学校で子供を成長させることは、彼らの将来にとってもすばらしいことかもしれません。
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