日本とアメリカの公立学校では、教師の勤務時間に大差があると思います。アメリカの教師の勤務時間が少ない理由の一つに、私のような臨時教師をうまく利用していることが挙げられます。
アメリカでは、先生の会議やトレーニングは児童がいる授業時間中に行われることが多く、先生がいない間、子供たちは自習するのではなく、臨時教師が起用されます。この他、先生が病気の時や諸事情で出勤できない時も、臨時教師が代わります。
では、アメリカの公立小学校でその臨時教師として働く私のある一日をご紹介します。
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アメリカの臨時教師は時間にゆとりのある仕事
臨時教師として一度登録すると、勤務先の学校、時間、そして教職の種類をコンピューターシステム上で閲覧でき、いつでも仕事を選ぶことができます。まだ完全に子供が自立していない私のような母親には、時間の合間を縫って仕事ができて便利です。
日本に住んでいると仕事が中心の生活で「仕事のために生きている」と感じることがありますが、今の職業である臨時教師は息子が病気になったり、自分の体調が悪かったりする時はキャンセルすることができ、時間にゆとりを持てます。
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[/col][col][/col][/2col]アメリカの小学校で働く一日:起床~勤務先への移動
6:00AM 起床、お弁当作り
朝一番にすることはメールのチェックです。その後、お弁当作りの準備に取り掛かります。
我が家には小学生と中学生の2人の息子がおり、小・中学校どちらにもカフェテリアがあってその日の気分でランチを買うことができます。
しかし、息子たちは列に並んで買うのに時間がかかってしまうのが嫌なこと、また学校のメニューのピザやフライドチキンはあまり美味しくないということで、お弁当を持っていきます。
とはいえ、家で作るお弁当もチキンナゲット、サンドイッチ、タコスなどです。
6:50AM 1人目の子供の見送り
アメリカの小学校への登校手段は徒歩、バス、そして車です。
息子たちは、それぞれ違う時間にバス停へ向かいます。中学生の息子の始業時間は早いため、6時50分に自宅を出て行きます。
7:00AM 朝食、出勤準備
息子を見送った後、出勤準備をします。小学校の教師は特に正装する必要はありませんが、身だしなみを整え、先生として振る舞えるようなズボンや長めのスカートなどを着るようにしています。
そして、自分のお弁当も準備します。授業中に水やお茶(コーヒー)を飲む先生は多く、私もマグボトルにお茶を常備しています。
準備ができたら簡単に朝食を済ませ、小学生の息子とバス停へ向かいます。
8:00AM 2人目の子供の見送り、勤務先へ移動
勤務先に応じて、息子の小学校で働く場合は車で一緒に行きますが、その他の小学校の場合はバス停に息子を降ろしてから出勤します。
私が登録している小学校区には140校ほどあるのですが、私は勤務地を自宅から車で15分くらいのところと決めているため、時間がかかることはありません。ただ、学校によってはラッシュアワーの渋滞に当たる場合もあり、時間にゆとりを持つようにしています。
アメリカの小学校で働く一日:出勤~退勤
8:30AM 学校へ出勤、クラス準備
学校に着いたら出勤の確認サインをして、指定された教室へと向かいます。
教室には、その担任の先生による“Sub Plan”と呼ばれる臨時教師向けの教育プランがあり、2、3ページに渡るその書類に目を通し一日の予定を把握しながらクラス準備をします。
8:45AM 児童登校・クラス開始
同じ学区でも、学校により始業時間が違います。これは、スクールバスが交通渋滞を避けるためです。私が行く学校は8時半~9時に始まるところが多いです。
初めてクラスへ入るときは、始業してすぐに18~20人の子供たちの名前を覚えなくてはならないので、長い名前や聞き慣れない独特の名前を覚えるのがとても大変です。
12:30PM ランチ
学校やクラスによって昼食の時間が違うのですが、大体12時半前後に30分のランチ休憩があります。
先生方が集まる職員共同のラウンジへ行って、他の先生と一緒にランチを食べます。ただ、その日の予定によって、教室で準備をしながらランチを取るときもあります。
またその時間は、子供たちにとっても30分間のランチタイム。クラス全員をカフェテリアへ誘導します。昼食を買う子供もいれば、お弁当を持ってくる子供もいます。クラスのみんなが一緒に指定されたテーブルで食べることになります。
子供たちが食べている間は、カフェテリア担当の人たちが子供たちを見てくれます。
4:00PM 児童下校・勤務終了
児童たちが下校した後、その日にあったことの反省やミーティングは特になく、直後にチェックアウトを済ませ帰宅することになります。子供たちの態度に問題があった場合は先生にコメントを残して帰ります。
臨時教師は一日限りということが多いですが、場合によってはまたリクエストしてくれる先生もいます。
アメリカの小学校で働く一日:子供のお迎え~夕食
4:30PM 子供のお迎え、帰宅
小学生の息子を迎えに行き、一緒に帰宅します。そして息子たちと一息つき、おやつを食べながら一日の出来事を話してくつろぎます。
5:00PM 息子たちと外でスポーツ
帰宅後、少し落ち着いたら、子供たちと一緒にスポーツをしてストレスを発散するようにしています。
息子たちは、シーズンに応じて野球かバスケットボールのチームに所属しているので、試合や練習があるときはそちらへ、そうでないときは近くの公園でウォームアップし体作りをするのが日課です。
6:00PM 夕食作り
エネルギーを発散した後は夕食作りです。通常、カレーライスや牛丼など庶民的な日本食が6割程度、ハンバーガー、ホットドッグなどのアメリカ食が3割程度、残りはメキシカンやイタリアンなどを作ります。
近くに韓国スーパーがあるので、日本食材はほとんどそこで調達しています。
疲れているときはファーストフード店やレストランへ。また、家から車で15〜30分ほど離れたところに韓国街とベトナム街があるので、外食するときはそういったところへも行きます。
7:00PM 家族で夕食
私が夕食の準備をしているときは、息子たちは宿題をしているか自由時間です。通常の学校の他に、毎週土曜日は日本語補習校へ行っているため、料理を作りながら宿題を見ることもあります。
また夕食中、会話をすることもあれば、みんなでテレビを見ることもあります。
以前は、子供たちに悪影響のあるコマーシャルが多いという理由で食事中にテレビは見なかったのですが、最近はnetflixなどストリーミングビデオの普及でテレビを見る時間が増えました。
こういったストリーミングビデオにはコマーシャルがなく、見たくないシーンを飛ばせるという利点があり、以前に比べてテレビの見方の効率もよくなりました。
アメリカの小学校で働く一日:夕食の片付け~就寝
8:00PM 片付け、シャワー
夕食の後はキッチンの片付けです。息子たちが少し手伝ってくれますが、食洗機を使ってもかなりの量の食器になるため相当時間がかかります。
この時間に次の日のランチや夕食の材料について考え、必要なときは次の日にスーパーへ買い出しに行きます。
その後、シャワーかお風呂に入り、その日の疲れを癒します。
9:00PM インターネット、読書
一日の終わりの時間はベッドでのインターネットか読書に使います。
インターネットは、ワシントンポストやヤフージャパンの記事を一通り流して読み、最近の出来事を把握します。また、私は旅行が好きなため、次はどこを家族で旅行しようかと考えながら自然公園や観光地を検索することが多いです。
読書はその日の気分によって、英語か日本語のどちらで読むかを決めます。
内容にもよりますが、英語で読む場合は頭が活性化するので実践書が多いです。日本語で読むと頭がゆったりしてくるため、のんびり小説を楽しむといった感じです。
11:00PM 就寝
ベッドの中で読書をしているとうとうとしてくるので、眠くなったら電気を消して就寝です。
まとめ~時間を有効に使いながら次の目標へ
臨時教師はその日限りで大きな責任がなく、無理せず自分の空いている時間を有効に使えるという点がとても気に入っています。
息子たちがもう少し自立できるようになる近い将来には、公立小学校でESL(英語を母語としない人のための英語)の教師になることを目指し、現在、資格取得を考えています。
アメリカは、たくさんの機会が与えられる場所。年齢や能力にとらわれず、やりたいと思い実行する人にはいくらでもチャンスが待っています。2人の息子が大きくなってからでも正規の教師になるチャンスがあるこの国は、向上心を掻き立て、やる気を起こしてくれる場所です。
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