ニューヨークに住むとなると、まずは住む場所を確保しなくてはなりませんね。どこで探したらいいのか、また借りるのに必要な書類などは何でしょうか?
日本でマンション、アパートを借りるには敷金、礼金、それに冷蔵庫に洗濯機にガスレンジなどの購入…ととにかくお金がかかります。ここニューヨークでも日本と同じかというと、やはりちょっと違うようです。
知っておくとスムーズにアパートが見つかる、基本的なニューヨークの賃貸情報をお届けします。
ニューヨークにはどんな種類の賃貸物件がある?
留学生としてニューヨークに住むのか、それとも働くために住むのか。そのライフスタイルによって、借りたいアパートの種類も様々ですよね。まずはどんな種類の賃貸物件があるのか見てみましょう。
ルームシェア
学生だったり、節約をして暮らしたい場合にポピュラーなのがルームシェアです。ニューヨークでは年々賃貸の値段が上がっていて、学生さんが一人暮らしの物件を借りるのはなかなか難しいところです。
いわゆるワンルームタイプの物件でも、マンハッタンであれば$1,500以下では見つからないという状況です。そんな中で、他人と物件をシェアして暮らすというのはとても合理的ですよね。
それぞれ個人の部屋があり、キッチン、バスルーム、リビングルームなどはシェアするという形態が最も多いタイプです。
例えば$2,600の2LDKをシェアする場合は、半額の$1,300を家賃として払い、その他光熱費やインターネット代なども折半というのが一般的です。
大きなアパートビルディング
ニューヨークにある20世帯以上を擁する大きなアパートビルディングは、プリ・ウォーと呼ばれる戦前に建てられた古いものが多いです。このタイプのビルディングは壁も厚く天井も高いので、広々として趣があります。
大抵はマネジメントカンパニーが運営しており、何か問題があってもマネジメントに連絡すれば解決してくれます。
こうしたビルディングはニューヨーク州の賃貸法に厳しく管理されているので、害虫駆除やゴミ出し、避難経路の確保などもしっかりしていて安心できるでしょう。
管理人も住み込みでいますし、大きなビルディングなので古いながらもエレベーターが付いていることも多いです。
家賃も更新時に値上げできるパーセンテージが決められています。なので、30年以上前に借りた物件に、ほぼ当時そのままの値段で安く住んでいる住人もたくさんいます。
マンハッタンのど真ん中の広い2LDKに、$400ほどで住んでいる人もいるわけです。ちなみに現在だったら、その物件には$6,000以上は払わないと住めないでしょう。
ただ、水道管や配線も古いので、水漏れなどの問題も多くあり、窓枠やドアが微妙に歪んでいて開き辛いなどの問題もよくあります。
小さなアパート
大きなビルディング以外にも、6世帯ほどが入る程度の小さなアパートや、小さな一軒家の二階部分のみを貸している物件などもあります。これらは住宅街エリアの広い、マンハッタン対岸のブルックリンやクイーンズに多いです。
一軒家の一部を貸している場合、大抵は大家が一階部分に住んでいます。アットホームでいろいろ融通が効く場合も多いようですが、大家と相性が悪かった場合は距離が近い分面倒なことになるでしょう。
小さなアパートは大きなプリ・ウォー・ビルディングほどしっかりと重厚な造りではないので、隣人の音が響くこともあるようです。また、エレベーターがない場合がほとんどです。
これらの物件は州に登録していない場合が多く、更新時に賃料をいきなりものすごく値上げされてしまうこともあり得ます。
例えばブルックリンの人気のあるエリアでは、このタイプの物件でも2LDKで$3,500からになるでしょう。
そして、マンハッタンから遠くなればなるほど家賃も安くなります。クイーンズやブルックリンの奥地では、2LDKで$1,800ほどで探すことも可能だと思います。
コンドミニアム
ここ10年ほどの間に乱立している新しいコンドミニアム。壁一面が窓だったり、キッチンもデザイナー仕様でモダンなのが特徴です。
入り口にはドアマンがいて、住人専用のスポーツジムやプール、屋上テラスやライブラリー、ミーティングルーム、子供達のプレイルームなどがついているものも多いです。
もちろん、賃料は古いアパートより高くなります。マンハッタン内であれば2DLKだと最低$5,500から、ブルックリン、クイーンズでも2DLKで$4,000からになります。
ニューヨークでの賃貸物件探しで便利なサイト
街の不動産屋さんに飛び込みで行って、物件を探してもらうのももちろんアリですが、それだとその不動産屋さんが持っている物件しか見ることができません。
そこで便利なのが、いろんな不動産屋が自分の持っている物件を載せているサイトです。条件を絞って検索することができますし、様々な物件をネット上で比較することができます。
そして気に入ったものがあれば、そのリストを載せている不動産屋に連絡を取り、物件を見せてもらうという流れになります。
ルームシェアの相手を探すときにも非常に便利ですし、不動産屋を通さずに部屋を貸したいというオーナー個人もリストを載せていたりするので、とにかく物件情報が豊富です。
いくつか便利なサイトを並べておきます。
Zillow
全米の賃貸、購入物件を検索することができます。間取りや値段、エリアなど細かく検索することが可能。物件の地図が出てくるのでとても便利です。
また、検索したアパートビルディングについているアメニティや学区情報なども載っています。
StreetEasy
こちらも間取りや値段などで細かい検索が可能。写真多め。常に新しい物件がリストアップされています。
Craigslist
暮らしにまつわるなんでも掲示板で、もちろん物件情報も豊富。上記2つのサイトに比べると細かい検索などの機能は劣りますが、個人のオーナーが載せている「手数料なしの物件」の掲載が多いのが特徴です。
また、ルームメイトを探すにもここが一番情報が多いでしょう。
https://newyork.craigslist.org
ニューヨークの賃貸物件の家電設備について
日本で新しいマンションなりアパートなりに引っ越したら、冷蔵庫、洗濯機、ガスレンジなどは自分で購入しないといけないですよね。
ニューヨークの物件では、これらはすでに揃っている場合が多いです。まず冷蔵庫、ガスレンジは必ずキッチンに揃っていて、値段の高いアパートや新しいコンドミニアムであれば食洗器も付いてくるでしょう。
これら備え付けの家電は故障した場合、交換しなくてはいけない義務が大家にあるので、自分で修理に出したりもしなくてオッケーです。
ただし、古いアパートや安いアパートの場合、冷蔵庫やガスレンジがとてつもなく古い場合があります。物件を実際に見に行く時に、ちゃんと作動するか必ずチェックしましょう。
洗濯機は、大きなプリ・ウォー・ビルディングでは大抵地下に共同のランドリールームがあります。小さなアパートにはそれがないので、近所のコインランドリーに通うことになります。
日本では、どんな小さなアパートでも自分の部屋に自分だけの洗濯機がありますから、これはかなり不便に感じるかもしれません。
コンドミニアムには、もちろん各部屋に専用の洗濯機、乾燥機が完備されているか、もしくは大きな共同ランドリールームがあります。
ニューヨークでのルームシェアの注意点
節約もできて便利なルームシェアですが、他人同士が一緒に住むわけですからトラブルももちろん多いです。ですので先ほど紹介したcraigslistのようなサイトでシェア物件を探すのもポピュラーですが、やはり口コミ、友達の紹介なども多いです。
なるべくいいルームメイトを見つけるためには、相手の「生活リズム」「食生活」「綺麗好きレベル」をまずはっきり知っておくべきでしょう。
生活リズム
まずは「生活リズム」。似たようなデイスケジュールの相手とシェアするのもアリですが、全く逆のデイスケジュールを持つ相手とシェアするという人も多いです。
例えば、一人は会社に勤めていて昼は家におらず、もう一人はバーテンダーとして働いているので夜出勤、昼は寝ている、というようなあべこべの生活をしている相手を選ぶと、顔を合わせる時間がほぼないので、実質一人暮らしのように暮らせるというわけです。
このパターンは社会人に多いでしょうか。大学生だと、ルームメイト=友達となる場合が多く、気の合う相手を見つけて楽しく暮らしたいという人が多いですね。
食生活
次に「食生活」。これは結構大事なポイントなんです。ベジタリアンの多いニューヨーク、たくさんの文化が混じり合うニューヨークですから、相手の食生活は必ず知っておくべきです。
厳しいベジタリアンの中には、共同のキッチンで肉を調理しないでほしいという人も少なくありません。あなたが肉を食べる人であれば、このような人とはルームシェアをしない方がいいですよね。
宗教上の問題で特定の種類の肉を食べないとか、触ってもいけない食材があるとか、本当に様々です。また、私たち日本人は魚が好きですが、魚の匂いが耐えられないという人も結構多いですから、自分の食生活についても話しておく必要があります。
綺麗好きレベル
そして「綺麗好きレベル」。これは絶対話しておきましょう。ルームシェアにおいて共同であるスペースは、キッチン、バスルームとかなり個人によって「綺麗にしておきたい度」が変わってくる場所です。
あなたがもし「普通レベルの綺麗好き」であれば、あまりに潔癖な人とのシェアは窮屈に感じるでしょうし、あまりに気にしない人とのシェアではストレスが溜まってしまうでしょう。
どの程度まで綺麗にしておきたいのか、ルールを決めておくことが大事です。ちなみに「日本人の普通レベルの綺麗好き」は、ここニューヨークでは「かなりの綺麗好き」になるということを覚えておいてください。
そしてこれらをクリアした相手でもすぐに契約をせずに、まずは相手のSNSを覗いて、どんな交友関係なのか、どんな生活なのかをチェックするのも大事です。
実は強面のボーイフレンドがいて、しょっちゅう遊びに来るなんていうことが後でわかったら大変ですからね。
ニューヨークの不動産屋
サイトでいい物件が見つかり、不動産屋に連絡を取って実際に物件を見せてもらうことになったら、事前に必ずその内覧は無料かどうかを確認しましょう。
また、サイトに載せている住所が本当の住所か、載せている写真が実際の物件の写真であるかも確認してください。
中には契約を取りたいがために、人気のあるエリアの住所を適当に載せ、写真も実物のアパートとは全然違うものを載せる悪質なエージェントもいるからです。
嘘をついて内覧にこぎつけ、掲載とは違う物件を見せて口八丁手八丁でそこに決めさせてしまうのです。私たち外国人はカモになりやすいので気をつけましょう。
また、契約には
が必要になってきます。なかなかハードルが高いですね。
しかし日本人専門のエージェントであれば、割とゆるい条件で契約を結ぶことができます。例えば留学生で収入がなくても、日本にいる親の銀行口座のコピーがあれば大丈夫なようです。ただし、手数料は割高になるようです。
まとめ
個人のライフスタイルによって、多様な住まいの形がありますね。私は在ニューヨーク18年になりますが、最初は学生でお金もなくルームシェアから始まり、就職してからは小さなアパートで一人暮らしをし、結婚をして大きいビルディングへ移り……。
というように生活と共に暮らし方もどんどん変わりました。どんな状況であっても、暮らし方にも多様性のあるこのニューヨークですから、いつもその時に最適な物件を見つけることができました。
これからニューヨークに、またはニューヨーク内で、引っ越しを考えている方もきっと気の合う物件に出会うことができる事でしょう。
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