海外で体調を崩すと、なかなか心細いものですよね。体調を崩してから通院先や治療薬の手配をするのは一苦労です。人は病気にかかるものですから、健康な時に一度「病気になった時」のシミュレーションをしておくことをおすすめします。
ドイツではかかりつけ医を持ち、どんな症状でも一度かかりつけ医に診察してもらうのが主流です。今回は私のライプツィヒでの病院、薬局の利用の仕方をお伝えします。
ドイツの滞在先が決まったらかかりつけ医を見つけよう
ドイツに渡航して住居が決まったら、かかりつけ医を見つけましょう。こちらでは、体調が悪くなったら、どんな症状であっても、まずかかりつけ医(Hausarzt)に行きます。
ライプツィヒには各エリアにかかりつけ医の医院やクリニックがあります。オンライン予約ができたり、ホメオパシーの資格を持っていたりと、医院によって一長一短があります。私のおすすめのかかりつけ医の選び方は、とにかく自宅から近い所です。
私は、風邪や頭痛などでちょっと具合が悪い程度では自宅療養で治します。体が弱っている時に、ありとあらゆる症状の患者がいるかかりつけ医の待合室に行くのがちょっと怖いというのもあります。
なので、私がかかりつけ医に行こうという時は、重症ではないにしても、そんなに動き回れる状態ではありません。
一番最初に選んだかかりつけ医は、自然療法をメインとした素敵なポリシーの女医さんでした。しかし、病気の時に路面電車に乗りたくなくて自宅療養をしていたら、悪化して急患として運ばれた事があります。
今は自宅から徒歩で行けるかかりつけ医にお世話になっています。
ドイツではかかりつけ医に行くときも予約は必須!
日本では検査や検診以外の診察では、直接医院に行く事が多いと思います。最近ではネット予約などのサービスが多くなってきましたが、予約無しでも受け入れてもらえますよね。
ドイツのかかりつけ医と、日本の医院の大きな違いの一つは、診察時間です。ほとんどのかかりつけ医は、週4日午前中の診療で、午後の診療は1日、もしくは2日だけです。
週1日は予約患者のみの受付だったりするので、飛び込みで行く場合は3時間待ちであったり、後日の予約を受け付けるだけで帰宅を即されることさえあります。
中には予約無しでもOKのかかりつけ医もありますが、診察時間が始まる10分前にはすでにドアの前に数人並んでいる状態です。
ネット予約をするか、緊急を要する症状の場合は電話をして予約を入れましょう。急を要する症状である場合、都合を付けてくれることがあります。
会社に提出するKrankenschein(診断書)を忘れずに!
ほとんどの会社では、病欠する場合には診断書の提出が求められます。病院で診察をしてもらったら、診断書(Krankenschein)を貰う事をお忘れなく!
数日安静に、という指示が医者から出ても、診断書がなければただの休み、もしくは有休扱いになってしまいますよ!
会社により規定は異なりますが、うちの主人の会社では、月2日までは診断書なしで病欠をしていいという決まりがあります。
ドイツの病院通いは待ち時間や大雑把な受付、看護婦とのやりとりで、病にむち打つ心労を負う事があります。就職するときには休暇だけではなく、こういった条件の確認もしておくといいですね。
専門医に紹介状を書いてもらおう
かかりつけ医に診療してもらい、明らかに何科に行けばいいか分かっているときは紹介状を書いてもらいましょう。紹介状がないと、皮膚科、整骨医や眼科などでは、日本ではありえないくらい予約が取りにくいです。
昨年末から湿疹に悩まされていたので近所の皮膚科に連絡したところ、取れた予約は4ヶ月先でした。
日常に支障をきたすような湿疹の痛みだったので、かかりつけ医に行き、症状を見せた所、ビタミンB2の皮下注射を月1で受けるように言われ、2度の注射で少し改善しました。
ですが3回目の注射の時に少し悪化しているとのことで、皮膚科に紹介状を書いてくれました。紹介状付きで取れた予約は一週間後だったので、もともと入れていた予約より早く診察してもらえました!
緊急の時は総合病院の救急窓口へ
食中毒や熱中症など、急激に体調が悪くなったり、骨折や裂傷など緊急を要する場合は総合病院の救急にて受付をしましょう。
ライプツィヒの総合病院でおすすめは聖エリザベス病院です。大学病院もありますが、敷地が広大で駐車場からものすごく遠く、常時混雑しています。
聖エリザベス病院の救急も混雑していますが、双方お世話になったことのある私としては、聖エリザベス病院のほうが対応が多少良かったと感じています。
急患で総合病院に行く場合も、保険証、身分証明書(パスポートか、運転免許証などのID)を忘れない様にしましょう。
救急車の呼び方(112)
ドイツの救急車番号は112です。私は2度、救急車で運ばれた事があります。血圧が下がっていたのではっきりとした記憶はありませんが、点滴、応急処置、症状の確認、搬送先へ連絡と、運転手を含めた2人1組の救急隊員の手際の良さに感心しました。
救急車に乗る前に保険証の有無を確認されました。事故などで意識がない時のことも考えて、保険証は常に肌身離さず持ち歩きましょう!
救急で病院に運ばれると、一通り検査を受けます。採血、心電図、全身のチェックをしてから各科の医師が来るのを待ちます。
病院により待合室は違いますが、急患が運ばれるのはその一角なので、事故、事件、病気、怪我など、わりとひっきりなしに患者が運ばれて来るのでうめき声や泣き声が聞こえてきます。
救急搬送の費用には全て保険が適用されましたが、入院費は1日につき15ユーロ、血液や細菌の検査費として60ユーロ程、後日請求が来ました。(1ユーロは約130円。2018年4月現在)
救急で現場に医者を呼ぶ番号は116と117です。骨折などの外傷で意識ははっきりあるものの救急窓口まで自分で行けないときは、医者に自宅まで来てもらうこともできます。
自分で動けるのならタクシーや車で救急窓口へ、動けない時は医者を自宅に、緊急を要するものは救急車を呼ぶ様にしましょう。
症状が軽い時は薬局へ
風邪や湿疹、腰痛など、症状が軽いときは、薬局で薬剤師に症状を説明すると、症状にあったものをおすすめしてくれます。
日本よりも処方箋がなくても買える薬が多いですが、直接薬局から購入すると自腹です。時間と気力があれば、かかりつけ医に行って処方されると、保険でカバーされます。
ライプツィヒの薬局では、薬局同士の連帯が進んでいます。欲しい薬が近所の薬局の在庫にない場合は、数時間で他の薬局から配達されます。
わざわざ大きい薬局まで出掛けなくても、一番身近な薬局にてすべて購入できるので、このシステムはとてもありがたいです。
保険の適用が広いドイツ
ドイツでは健康保険加入が義務づけられています。短期滞在でもそれは同じです。ドイツ滞在のビザを取得するには、歯科、妊娠にも対応する健康保険に加入していなくてはなりません。
月々の出費は痛いですが、保険のおかげでどんな症状でも気軽に診察に行けているのも事実です。
一昨年ぎっくり腰になった時に、妊娠中だったこともあり、保険で腰痛ベルト、整体、姿勢強制のインソール全てカバーされました。妊娠していない場合はすべて何%か自腹になるそうです。
処方されるとほとんどの薬が全額カバーされます。保険によっては病気や腰痛を未然に防ぐ効果のあるマッサージや整体もカバーされます。
まとめ
なるべく病院のお世話にはなりたくないですが、気をつけて生活していても病気になったり怪我を負ったりしてしまうことはあります。
ドイツの医療機関は、必要な仕事をこなしてはいますが、日本の医療機関のような丁寧さはありません。
絶対安静と言われて入院中だった時に、看護婦が来て「◯◯検査室に来る様に」とだけ言われた事があります。這う様にして検査室までいくと、今度は医師に「絶対安静だと言っただろう!」と叱られました。
ドイツ人の友人にどうすれば良かったのかを聞くと、
「伝言を伝えた看護婦は業務があったんだろうから、ナースコールで他の看護婦を呼んで検査室に連れて行ってもらう様に頼む」
と言われて目からウロコでした。
自分の症状を事細かに伝える、やって欲しい事はどんどん発言する、というルールを心にドイツの医療機関で健康を取り戻しましょう!
緊急時のおすすめの病院、聖エリザベス病院の基本情報
- 名称:St. Elisabeth-Krankenhaus Leipzig
- 住所:Biedermannstraße 84, 04277 Leipzig
- 営業時間:前日3時から6時30まで
- 電話番号:Tel.: 0341/39 59-63 00
- 公式サイト:http://www.ek-leipzig.de/
- メール: notfallambulanz@ek-leipzig.de
緊急時に行ける総合病院のUniversitätsklinikum Leipzigの基本情報
- 名称:Universitätsklinikum Leipzig
- 住所:大人の緊急時;Paul-List-Straße 27, Haus 4.1 04103 Leipzig、子供の緊急時;Liebigstraße 20a, Haus 6 04103 Leipzig
- 営業時間:救急は24時間体制
- 電話番号:クリニックのメイン受付;0341 – 97 109、大人の急患の場合;0341 – 97 17800、子供の急患の場合;0341 – 97 26242
- 公式サイト:https://www.uniklinikum-leipzig.de/
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