海外での生活はそれだけで日本のようにいかないことが多いですが、病気になるとさらに不安ですよね。
体調を崩したとき、気になる症状が現れたときなど、ドイツでお医者さんに診てもらいたいときはどのようにすればいいのでしょう?
日本とはシステムが違うため、いざという時に困ることのないよう情報を知っておくことが大切です。
ここでは、ドイツで病院にかかるときの流れや注意点についてご紹介します。
ドイツで病気になったら
まずはかかりつけ医に診てもらう
ドイツでは通常、かかりつけ医(Hausarzt)を持っておき、まずはそこへ行って診察を受け、必要に応じて専門開業医(Praxis)を紹介してもらいます。
日本では自分で大きな病院を選んで受診することもありますが、ドイツでは総合病院のような大きな病院(Krankenhaus)は基本的に入院患者の治療を目的としているので、かかりつけ医の紹介状がある場合か、救急のときにしか行きません。
そのためドイツに長く滞在する場合は、自宅から通いやすいかかりつけ医を探しておく必要があります。
症状が分かっていれば専門医に診てもらうことも可能
また、明らかに症状や原因が分かっていて歯科や産婦人科などにかかりたい場合は、直接専門開業医に電話して予約を取り、受診します。
女性は20歳を過ぎると婦人科のかかりつけ医も持つべきだと言われています。
保険に加入していれば診察料は無料
診察に関しては、保険に加入していれば基本的に無料で受けられます。
ただし、保険の種類によってカバーされる対象の病気、症状が変わってくるので、自分の加入している保険についてパンフレットや資料によく目を通して把握しておきましょう。
ドイツの一般医(Arzt für Allgemeinmedizin)=かかりつけ医
一般医(Arzt für Allgemeinmedizin)とは、内科を含め全般的な診察をする医師のことです。
原因がよく分からない頭痛や腹痛などの症状や、風邪がひどくなったとき、また予防接種を受けたい時なども、まずは一般医を受診します。
診察の結果に応じて紹介状を書いてもらう
一般医は診察の結果により、必要であれば専門医への紹介状を書いてくれます。たいてい専門医の名刺や地図などを渡してくれるので、紹介状を持って受診します。
診察が終わって薬が必要なときは(ドイツでは日本のように沢山の薬を出さないことが多いですが)医師が処方箋(Rezept)を書いてくれるので、それを持って薬局(Apotheke)に行きます。
薬局へ
赤いAの看板の出ている薬局であればどこでもOKです。カウンターで処方箋を渡すと、薬を用意してくれます。
服用の方法を説明してくれるところもありますが、日本のように親切な説明書はないので、医師から処方箋をもらうときにしっかり服用の仕方を確認しておきましょう。
薬代は自己負担が多い
薬代は自己負担のことが多いですが、加入している保険や薬の種類によって、保険会社が払ってくれる場合もあります。
詳細については、加入している保険会社のパンフレットやホームページなどで確認してください。
ドイツの病院は予約してから行くのが基本
一般医(かかりつけ医)・専門医ともに受診する際は、基本的に電話で予約(Termin)を取ってから行くのが一般的です。その医院のホームページなどを見て、予約なしの飛び込み受診を受け付けているかをチェックしておくといいと思います。
一般医では飛び込み受診OKのところも結構ありますが、専門医では予約必須としているところもあるので注意が必要です。まだかかりつけ医を持っていない場合は、ドイツ人の知人などに聞くか、インターネットで探しましょう。
インターネットでの医師の探し方
気に入った医師を見つけるのは結構大変なので、最初のうちは何件か試してみるといいと思います。インターネットでは下記のサイトなどを利用するか、自宅の近くにある一般医のホームページなどを見て探します。
また、Allgemeinmedizin(一般医)、自分の住んでいる街、などで検索をかけて探すこともできます。
最初に電話をかけるときは緊張するものですが、
- 自分の名前
- 生年月日
- 健康保険会社の名前
- 症状
- 希望の日時(何曜日がいいか、午前か午後かなど)
- 自分の連絡先(固定電話か携帯電話の番号)
をドイツ語で言えるようにしておきましょう。
あらかじめ紙にメモをしてから電話すると、わりと落ち着いて話せると思います。
専門医は予約重視
明らかに受診するべき分野が分かっているときは、自分で専門医を探して診察の予約をすることもできます。専門医は予約重視のところが多いので、電話予約することをおすすめします。
ドイツ語に自信がないときは、実際に医院まで行って予約を取りたいと伝えれば、その場で相談して予約を取ることもできます。
オンラインでも予約できるシステムはあるのですが、上手く機能していないところもあり、予約を入れてシステムからの返信もあったのに実際に医院に行ってみると予約できていなかったということも起こり得るので、電話をするか、実際に訪ねるのが一番確実だと思います。
専門医へ紹介してもらったら
一般医で専門医への紹介状(Überweisung)をもらったら、電話で予約を入れます。その時、かかりつけ医から紹介状をもらったので、と一言添えるといいでしょう。
自分の情報や希望日時などを伝えて無事予約が取れたら(私にとっては最初の頃はこれがとても高いハードルで、無事予約が取れるとホッとしたものですが)、予約した当日、予約時間の約15~20分前までに着くように出かけます。
特に初診の場合は、問診票に必要事項を記入したりする時間も必要なので、時間には余裕を持って出かけましょう。
専門科のドイツ語
眼科 | Augenarzt |
---|---|
外科 | Chirurgie |
皮膚科 | Dermatologie/Hautarzt |
婦人科 | Frauenarzt |
産婦人科 | Gynäkologie |
耳鼻科 | Hals Nasen Ohren Arzt (HNO) |
内科 | Internist |
心臓科 | Kardiologie |
神経科 | Neurologie |
小児科 | Kinderarzt |
精神科 | Psychiatrie |
整形外科 | Orthopädie |
泌尿器科 | Urologie |
歯科 | Zahnarzt |
ドイツでの受診時に持っていくもの
受診に必要なものは、健康保険証のカード(Versicherungskarte)です。このカードにはICチップが埋め込まれていて、基本情報はすべて入っています。
カードを忘れると基本的に全額自己負担となるので、必ず持っていきましょう!
その他は特に必要ないのですが、薬の処方があった時のための現金と、医師に言われたことをメモする筆記用具、念のため電子辞書などあるといいと思います(実際には調べる時間はないと思いますが。最近ではスマホでも調べられるので便利になりました)。
婦人科への妊婦検診のときにはそれに加え、母手帳(Mutter pass)、子どもの定期検診や予防接種の際は子ども手帳(黄色い表紙のノートなので、黄色いノート・Gelbe Heftと呼ばれています)が必要です。
ドイツでの診察の流れ
問診票の記入
問診票では、過去にかかった病気や手術の有無、家族・親族の中に病気のある人はいるか、それはどんな病気か、などの問いがあったり、心臓病、糖尿病、血栓症、輸血をしたことがあるか、肥満、高血圧などについての設問があります。
普段の生活では使わない医療用語がずらりと並んでいるので、あらかじめ下調べをしていった方がいいでしょう。特に何か医師に伝えなければいけない疾患を持っている人は、そのドイツ語名をメモし、持参しましょう。
受付
受付で名前と予約時間を言うと、健康保険証カードを出してくださいと言われます。カードを渡すと、受付の人がカードリーダーで情報を読み込み、すぐに返してくれます。
これで最初の手続きは終了。待合室(Wartezimmer)で待っていてくださいと言われるので、呼ばれるまで待っていましょう。
飛び込みで受診した場合、待合室でかなり長い時間待たされます。医院によってさまざまですが、2、3時間待たされることもザラです。予約なしで受診する場合は、そのつもりでいた方がいいと思います。
診察前に名前を呼ばれる
医師が直接「○○さん」と呼びに来てくれるので(またはスピーカーを通してアナウンスしてくれる)、呼ばれたら軽くJaと返事をして診察室に入ります。
まずは握手から!医師が名前を名乗って挨拶をするので、こちらも名乗って握手をします。その後、医師がどうぞ座ってくださいと席をすすめるので、席につきます。
分からなければゆっくり話してもらう
まず、どうされましたか?と聞かれると思うので、自分の症状や気になる点、いつから症状があるのかなどを説明します。
この時、医師は(受付の人もですが)ドイツ人に話すのと同じペースで話すことが多いので、聞き取れなかったり理解できなかったりしたときは、「もう少しゆっくり話してください(Könnten Sie bitte etwas langsamer sprechen?)」とお願いしましょう。
親切な人なら、ゆっくりはっきり、簡単な言葉で話してくれます。残念ながらそうでない人も沢山いますが、こちらが一生懸命理解しようとしていることを態度に出すことが大事です。
大事なことは必ずメモを
診察が終わると医師から診断を告げられるので、ドイツ語に自信がない場合や、覚えておける自信がない人は、大事なことをしっかりメモします。
特に薬の処方がある場合は、いつ、何錠、どのぐらい続けて服用するのかなど、きちんと聞いておきましょう。日本のように、写真入りの丁寧な説明書は作成してくれないので、ここで聞き逃すと大変です。
何か質問はありますか?と聞かれ、なければ診察は終了です。
別れ際もまた握手をして退室します。もし次回の受診も必要な場合は、帰りに受付で予約をして帰ります。
ドイツで受診する際の注意点・アドバイス
早めに予約をする
分野によって違いますが、ドイツでは2週間先、1か月先の予約しか取れないこともザラにあるので(特に歯科、眼科、婦人科などの専門医)、緊急時でない限り早めに予約を取りましょう。
緊急の場合も電話
逆に緊急の際は、電話をして「予約はないけれど、こんな症状があってとてもひどいのですぐに受診したい」と伝えると、「じゃあ今日の〇時に来てください」とか「明日の〇時に来てください」というように優先してくれます。
体調の悪い時に延々と待合室で待つのは辛いので、無駄な時間を省くためにも、まずは電話で相談してみてください。また普段服用している薬があれば、診察時に必ず医師に伝えるようにしましょう。
口頭で伝えるのに不安がある人は、パッケージをそのまま持って行ったり、メモに書いて見せながら伝えるといいと思います。
ドイツ語のできる知人がいると安心
ドイツ語に自信のない人は、何かあった時に一緒に付き添ってくれるドイツ語のできる友達、知人を作っておくといいと思います。
医療に関することなので、本来なら100%理解しなければならない内容です。
もしドイツに来てまだ日が浅く、知り合いが誰もいないときは、業者や通訳をしてくれる個人のガイドなどに頼むこともできます。
大きな街には、その街に住む日本人のための情報交換サイトがあるので、それを参考にしてみるといいと思います。
ドイツで急病・怪我・緊急の場合(救急車は112)
救急車を呼ぶときは、ドイツでは112に電話をかけます。
ドイツには3種類の救急車があり、患者の移送をするためのKrankenwagen、応急処置をしながら移動するRettungswagen、さらに医師も同乗しているNotarztwagenです。
まとめ
体調を崩してしまうと生活も一変してしまいます。
一日も早く元気になりたいのに、診察の予約がなかなか取れなかったり、そもそもかかりつけ医を探すところから始まったり、やっと診察にこぎつけても専門用語がぽんぽん出てきて理解に苦しんだり、外国での受診にはいろんな苦労がつきものです。
その時の負担を少しでも和らげるために、元気なときにかかりつけ医を見つけておき、緊急時に伝えるようないくつかの単語はメモしておくといいでしょう(特にアレルギーや持病のある場合など)。
大変なことは多いですが、ドイツの進んだ医療を受けられるのは非常にありがたいことです。
もしものときの備えをしっかりしておき、いざというときには焦らず、落ち着いて段階を踏み、不調を乗り越えましょう!
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