ドイツ国内で引っ越しするときの手順・気を付けるべき点とは

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引っ越しは日本でも面倒ですが、外国で引っ越しともなると面倒さが倍増します。

私はドイツ国内で2度の引っ越しを経験しました。2010年にハイデルベルクからハンブルクへ、2018年にハンブルクからデュッセルドルフへです。この経験で都市によって違う事、また時間とともに変化したことなどがわかりました。

今回はそれらの経験を踏まえてドイツ国内での引っ越しの手順や注意すべき点をご説明します。

ドイツ国内で住みたい地域を決める

ドイツ

ある都市に引っ越しする場合、最初に住みたい地域の候補を2つ3つ決めます。職場または学校の近くがいいのか、街中の交通の便が良いところがいいのか、治安や家賃の上限、その他にこだわるところに優先順位をつけます。

ネットでその地域の情報を調べたり、その地域の人に聞いてみるのもおすすめです。観光と生活は違うので、もしその地域に住んでいる知り合いがいれば、アドバイスをもらえるととても参考になります。

ドイツでの家探しの方法

ウェブサイト

家の探し方

ドイツでは大都市で家を探すときは日本と同じように不動産を通します。人口が少ない町では最初は口コミや知り合いのつて、新聞広告などに情報が乗り、それでも物件が決まらなかった場合に不動産に情報を出すというパターンもあります。

インターネットで探す場合、サイトを通してメールで「この住居に興味があるので見学させてください」と言えば大抵あちらから何らかのリアクションがくるので、それに沿って先に進みます。まだその住居が空いていればアポイントがもらえます。

返答がないところは大抵埋まってしまっているところなので、この時点では気にせずとにかく部屋見学のアポイントをたくさん集めておきます

どうしても気になる物件があったり急いで返事が欲しい時は電話をするのも有効です。状況に合わせてメールと電話の両方をうまく使うと部屋見学のアポイントが取りやすいです。

実際に行った予約の手順

ハンブルクからデュッセルドルフに引っ越す際、ハンブルクにいる間にネットでデュッセルドルフの不動産サイトを見て最初の見学アポイントをもらいました。そのアポイントが確定してから、4日間のデュッセルドルフ行きの予定を立て、行きの電車とホテルを予約しました。

ただ4日で家が見つかるとは限らないので、状況によっては滞在延長できるように帰りの電車は予約しませんでした。

デュッセルドルフに到着してからも毎日インターネットのチェックは行い、いいと思った物件の住居見学を申し込みました。結局4つの見学予定をもらいました。

賃貸物件の見学

部屋

物件の見学の方法

約束の日に物件の見学に行きます。2010年にハイデルベルクからハンブルクに引っ越ししたときは、見学日というのは「公開見学日」のことで希望者全員がその日にそこに集まりました

人気のある住居には1度に20人以上の見学者が訪れて、全員が1度に部屋に入りきらず分けて見学になることもありました。実際に住居を見学したあと、興味がある人の中から不動産屋さんが誰かを選びます。

不動産屋さんは、部屋を借りる理由・人柄・経済的安定性・コミュニケーション能力などを見ますので、ドイツ語かせめて英語ができないとなかなか選んでもらえません

ドイツ語も英語もできない場合は1人で独立した住居を借りるのは難しいので、シェアハウスを探してそこに住んだりします。シェアハウスは同居人さえ気に入ってくれれば不動産屋さんの許可は必要ないからです。

2018年のデュッセルドルフへの引っ越し

私が2018年にデュッセルドルフの部屋探しをしたときには、公開見学日というのはありませんでした。住居の見学は私と不動産屋さんの2人だけです。不動産屋さんのひとりに聞いてみたところ、他の希望者とは違う日に別々に会っているそうです。

この違いがハンブルクとデュッセルドルフという土地の違いなのか、2010年と2018年という年月の違いなのか、それとも私が今回たまたま公開予定日がある物件にあたらなかったのかわかりませんが、どちらのパターンもあるかもしれないと知っておくと慌てないと思います。

住みたい家を見つけたとき

書類

いくつか物件を見て、住みたいと思う物件に巡り合ったとします。その場合はライバルに取られないようにすぐさま不動産屋さんにその旨を伝えます

ドイツでは賃貸契約書にサインをするまでは、何が起こるかわかりません。迷っているうちに直前で他の候補者に契約書を結ばれてしまっても文句は言えません。

こちらが住みたいといっても、相手がいいというかわかりません。不動産屋さんがいいと思っても大家さんがだめという場合もあります。そのため、住みたいと思った時はすぐに不動産屋さんに意思表示をして、賃貸契約書作成の手続きを始めてもらいましょう。

2018年にデュッセルドルフで住居を見つけて賃貸契約を結んだときに驚いたことは、2015年から規則が変更されて不動産屋さんへの礼金を店子の私ではなく、大家さんが支払うことに変更されていたことです。

2010年の引っ越しの際は私が不動産屋さんの礼金を支払ったのでこれは大きな変化でした。礼金は不動産屋さんに依頼した側(基本的は大家さん)が支払うことになったそうです。

賃貸契約締結に必要な書類

パスポート

実際に賃貸契約書を交わす前に必要なものが3つあります。有効なビザ(滞在ビザ・就労する人は労働ビザ)、定期的収入がある証明(学生は銀行口座等、社会人は給与明細または労働契約書等)、Schufa(借金等の調査機関)の書類の3つです。

急いで家を探している人は、いつでも提示できるように住居見学の前にこれらの書類を用意しておきましょう。

Schufaというのは、個人の借金や過去に請求書の遅延がないかなどを調査する機関です。90日以内発行の新しい調査結果が要求されますので、昔のものが手元にあったとしても無効です。引っ越しが決まったら早めに用意しましょう。

インターネットで申し込みをしておけば10日程度で結果を送ってくれます。結果が悪いと家を借りにくくなります。過去の遅延などもすべて調査されますので、請求書等の遅延はしないように日頃から気をつけましょう。

新しい家が決まったら

部屋

賃貸の解約は3か月前に

新しい家が見つかったら、すぐに今までの家を解約することを伝えます。大抵の賃貸契約は解約届を出してから3か月後まで解約することができないので、早めに解約届を出さないと家賃を2重に支払うことになってしまいます。

家賃の2重払いを避けるには

2重に家賃を払うのを避けたい人は、自分で今の家に住んでくれる人(Nachmieter)を探して、その人を不動産屋さんに紹介してみましょう。その人が住むことを大家さんが認めれば、2重の支払いを避けることができます。

その他の解約・移転手続き

住民登録

ドイツでは国内移動の場合は、住民登録の退去届は必要ありません。新しい地域に入居住民登録をすれば自動的に以前の住所からは退去したことになります。日本などドイツ国外に出る場合のみ、住んでいた地域で住民登録抹消手続きを行います。

水道・電気

今まで住んでいた水道・電気の解約はそれぞれすぐにメールで行いました。しばらくすると、家のカギを不動産屋さんに返却する日のメーターの数値を知らせる事、それに伴って最後の請求と解約の手続きと行うという連絡があります。

電話・インターネットの移転

私の場合は、電話・インターネットは解約せず、そのまま新居に引っ越しの手続きを行いました。引っ越しの1か月前には知らせないと希望日に予約が難しいということで、はっきり引っ越し日が決定するまえにおおよそで電話会社に電話で引っ越し予定を伝えました。

予約日に新居に担当の人が来て無事に電話・インターネット回線が使えるようになりました。

郵便物の転送手続き

以前の住所に郵便が届いたときのために、郵便局に1年間の転送サービスを申し込みました。これで以前の住所あての郵便が新住所に届くことになります。

完ぺきに全部の郵便が新住所に届く保証はありませんが、多少は役に立つと思います。価格も1年で30ユーロもしないので、申し込んで損はないと思います。

銀行・保険・カードなどの住所変更

これらのほとんどはお店に行く必要はなく、ほとんどネットまたは電話で済ませることができます。あまり早めに伝えて引っ越し前の新住所に書類が届いても困るので、これらは新居に引っ越ししてから順次変更していくことにします。

店舗カードなどは、新居の近くの店舗に行ってサービスセンターで新住所を伝えれば簡単に変更できます。

新住居での手続き

パスポート

住民登録などの手続きは早めに

住民登録は引っ越ししてから14日以内に行わなくてはいけません。地域によって予約制の場合がありますが、デュッセルドルフでは予約制になっていたので前もって予約を入れておきました。

以前と変わったのはテロ対策らしく、住民登録に申請書と一緒に不動産会社の確認の書類が必要になったことです。

ハンブルクでは電気と水道の両方を自分で申し込みしないといけませんでしたが、新居では私が個人で申し込むのは電気だけで、水道は個人で申し込む必要はありませんでした。

これは地域性というよりは物件による違いかもしれません。物件を探す際は、そのあたりの条件も確認しておきましょう。

ビザに記載されている住所の変更

ドイツではある時期からビザがシールではなくて、チップ入りのカード式になりました。これは住所が明記されているので身分証明書として使えて便利なのですが、引っ越ししたときには書き換えを忘れないように気をつけましょう。

まとめ

ドイツ

家の探し方、見学までの手順、3つの必要書類、賃貸契約書、前の家の解約など、これらを読んで少しでも参考になれば嬉しいです。

大切なのはドイツ語ができるほど家が見つかるチャンスは広がるということです。ドイツに住んでいてドイツ語ができて損することは1つもありません。ドイツに来たいと思っている人は、少しずつでいいので勉強しておくことをおすすめします。

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プロフィール 札幌出身。2000年よりドイツ在住。語学知識ゼロからドイツ語を始める。2009年南ドイツの大学にて修士課程卒業。2010年北ドイツのIT企業に就職、のちに代表を務める。本業のIT業務のかたわら社内ベンチャーにて、2015年当時都市で唯一の専門飲食店を立ち上げ繁盛店にする。現在はフリー。趣味はテニスと読書。ブログ等でさまざまな方向からドイツ情報を発信しています。

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