海外生活の中には、様々な発見があります。異国の文化や習慣に触れることで驚くことももちろんたくさんあるのですが、一方で日本では当たり前のことなのに外国では物珍しがられる習慣などもあります。
万国共通だと無意識に信じ込んでいたのに、その常識が覆された経験が、私にも多々あります。
この記事では、実はヨーロッパでは奇妙に見えてしまうような、日本もしくはアジア圏特有の習慣について解説します。
髪の毛を毎日洗う
日本人ならば当たり前に、お風呂に入る際には髪の毛を洗うと思います。
髪の健康のためにはシャンプーを一日おきにした方がいいなど、美容師さんからアドバイスを受けたことのある人は多いかもしれませんが、それでも最低2日に1度は髪の毛を洗うのが一般的ですよね。
これが欧米、特にヨーロッパではかなり珍しいことなんです。
私はイタリアでアパートシェアをしていた時に、同居人に言われました。
「あなたは頻繁に髪の毛を洗うよね。」
その時は意味がわからず、「そりゃあそうでしょう?」と思って適当に受け流しました。イタリアでの生活が長くなり、現地の友人も増えてきたころに「美容師は週に一度の洗髪を推奨している」という話を聞き、心底驚きました。
1週間も髪の毛を洗わずに放置するなんて、私たち日本人には到底無理でしょう。ベタベタになってしまいますし、痒くて耐えられないはずです。どうやら欧米人と東洋人では頭皮の質が異なるようです。
肌の色が違うのだから当たり前と言えば当たり前なのですが、洗髪の頻度がこんなに違うとは思ってもいませんでした。
西洋人に比べて皮脂量が多い東洋人の肌は、シワができにくいのはよく知られている事実ですが、同じ要因から髪の毛の扱い方にも大きな違いがあるようです。
肌の手入れ
※ドイツの桜
日本人女性ならば、毎日のスキンケアには最低でも化粧水と乳液の2種類を使うのが一般的だと思います。私は美容液も加えて計3種類のアイテムを使っています。これがヨーロッパでは珍しいことのようです。
イタリア人の友人たちと旅行に行った際には「いったい何種類のクリームを塗るんだ?」と半笑いで質問されました。
言われてみれば確かに、周りの女子たちが化粧水を顔にはたきこんでいる様子を目にしたことがありません。1種類のクリームを雑にササッと塗っているだけです。
ドイツで基礎化粧品を買いにあるショップに立ち寄った際には、店員さんに乳液1本だけを勧められたので「化粧水は?」と聞くと「あぁ、あなたは化粧水も一緒に使いたいの?」と、少しびっくりしたような顔で言われました。
また、私の友人はイタリア人の同居人から「あなたは毎日顔を洗うの?」と質問されて驚愕していました。
手をたたいて笑う
これは日本人ならば皆、無意識にやってしまう癖ではないでしょうか。しかし、大爆笑した時に手や太ももを叩いて音を出すのは万国共通ではありません。
笑いながら机なんて叩こうものならびっくりされてしまいます。ヨーロッパの人々は、ただ単純に声をたてて笑います。
私のドイツ人の友人は「日本人のマネ!」と言って、手を叩きながら爆笑するふりをして、この日本人特有の習慣をイジってきます。
お土産
※ドイツの紅葉
「お土産」という習慣は欧州には存在しません。その証拠に、お土産に該当する単語が存在しません。
旅行に行った際に必ず友人や同僚に何かを買ってくるというのは日本では当たり前ですが、実はけっこう面倒くさい風習ですよね。ヨーロッパでは誰がどこに旅行に行こうと、お土産を期待する人はいません。
もちろん、旅先で見つけた何かを「あなたに似合うと思って」と言って渡されることは稀にありますが、それは単なる「プレゼント」です。
文章にスペースを使わない
これは私にとっては目から鱗が落ちるような発見でした。イタリア在住時、パソコンに向かって日本語でメールを打っていた私の背後から画面をのぞき込んだ知人が、急に笑い出しました。
「スペースを入れなよ」
そう言って彼はとてもおかしそうに笑いました。そこで初めて気づきました。
日本語は、漢字、ひらがな、カナタナをミックスさせることによって単語ごとの区切りをある程度明確にすることができます。
もちろん句読点は存在しますが、アルファベット表記の外国語が単語ごとにスペースを入れるのと比較すると、確かに区切りをつける頻度が格段に低くなります。
自分の母国語のことなのに、まったく日本語を知らない人からの指摘で気づく事実もあるものだなと、一人で大いに感心してしまいました。
まとめ
頻繁にお辞儀をすることや、愛想笑いが多いことなどは広く知られている日本の習慣ですが、その他にもこの記事で紹介したように、様々な日常生活レベルでの特徴があります。
これらの違いに、自分はずいぶん遠い所へやって来たんだという事実を思い知らされます。
ですがそれを「やりにくい」と感じるか「興味深い」と感じるかはそれぞれの捉え方次第です。前向きに文化の違いを楽しんでしまえば、海外生活を充実したものにできるはずです。
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