ドイツの買い物や食事で日本と大きく異なるのが、チップの文化。タクシーやホテル、レストラン・カフェなどでスムーズにチップを渡せたらかっこいいですよね。ドイツでもこのチップの習慣があり、「必須ではないが渡すべきもの」とされています。
今回は、ドイツに滞在中のどんなときにチップが必要なのか、スマートな支払い方法と、その金額の相場をご紹介していきます。あなたもこれで「ただ者ではない日本人」感が出せるはず!※1ユーロ=124円
ドイツのチップ文化概要
ドイツだけでなく、欧米などの海外旅行の際「どんなときにチップを払えば良いのだろう?」と迷ったことはないでしょうか。
チップはその国によって、またはシーンによって払うときと払わなくても良いときがあります。旅行に行くときは、その国のチップ事情を知っておくようにしましょう。
ドイツ語でチップは何と言う?
ドイツのチップは「Trinkgeld(トリンクゲルト)」と呼ばれています。「Trink(トリンク)」は動詞「Trinken:飲む」からきており、「Geld:金」2つの言葉が合わせられた言葉がトリンクゲルトです。
ドイツでチップは必須?
ドイツでも他の欧米諸国と同じように、レストランやホテル、タクシーなどでこのトリンクゲルトを支払うことが普通とされてます。ただし、もともとの料金にサービス料が入っている場合もあるため、必須というわけではありません。
また、アメリカのように「ウエイターやウエイトレスの給料の大部分を占めている」というわけでもありません。現地のドイツ人でも、サービスが良くなかったことを理由にチップを払わない人もいます。
チップを支払うべきときとは、「サービス料が含まれておらず、さらに相応のサービスを受けているとき」ということです。
ドイツでチップを渡す場面と金額相場
ドイツでチップを渡すのは、レストランやホテル、タクシー、公衆のトイレなどです。
レストラン
サービス料が含まれていない場合は、原則5~10%のチップを支払います。10%で支払う人がほとんどです。
サービス料がすでに含まれている場合、レシートに「Trinkgeld inklusive(トリンクゲルト・インクルージブ)」と書かれています。英語表記なら「Tip(もしくはService chargeまたはGratuity) Include」です。
分からなければ「Is the top included?:チップは含まれていますか?」 と聞いても良いでしょう。上の写真のような軽食屋さん、売店ではチップは必要ありません。
ホテル
ホテルでチップが必要なのは、カバンを持ってもらったりルームサービスを頼んだりというエクストラサービスを受ける場合です。これらの場合は、1ユーロ程度を手渡します。
日本人がよく行う枕銭(リネン交換をしてくれる人に向けたチップ)は、あまり欧米で一般的とはいえません。
「枕の下にチップを入れたけど、落し物と思われたのか机に置いてあった!」という話もよく聞きますので、よほど日本人になれているホテルでなければ、その意味を理解してくれることはないでしょう。
よしんばなくなっていたとしても、受け取り側にはあなたの「気持ち」は届いてない可能性も高いです。どうしても置きたいという場合を除き、枕銭はほぼ不必要といえます。
タクシー
タクシーも利用した場合はチップを支払うのが一般的です。5~10%を支払いますが、荷物が多いときなどは多めに支払っても良いでしょう。
ヨーロッパ諸国でよく聞く「タクシーのぼったくり」は基本的にありません。荷物をトランクに入れるときも親切にしてくれる人が多いと思います。
トイレ
ヨーロッパでは、トイレにお金がかかります。ドイツには、駅や高速道路のインターチェンジなどの公衆トイレに、50セント~1ユーロコインを入れることで入場できるトイレがあります。(下写真)
デパートやマクドナルドなどファストフード店、観光地の外付けトイレなどでも、チップを入れるお皿が置かれている、またはそこに人がいて、20セント~50セントを支払う必要があります。
普通のレストランや美術館などの観光施設内のトイレなどは無料で使用できます。
レストラン・タクシーでのスマートなチップの支払い方
旅行中に「スマートにチップを渡せたらかっこいいなあ」とは思っていても、日本にない習慣のため、なかなか難しいものです。ここでスマートに支払うためのコツを見ていきましょう。
レストラン、タクシーでは金額を口頭で言われる場合がほとんどです。その場でチップ料金を計算し、チップを合わせた金額を出す必要があります。お勘定前に頭の中でだいたいの金額を計算しておくと良いですね。
チップの渡し方は2通り
チップの渡し方は以下の2通りです。
全部で32ユーロのとき
- A. 35ユーロを渡して「あとはとっておいてください。」という方法
1番スムーズで、ドイツ語も簡単です。
- B. 40ユーロを渡して「35ユーロでお願いします。」という方法
こちらは「細かい金額がないけれど、さすがにチップでそんなには出せない」というときに使います。これで、3ユーロチップを払ったということになり、5ユーロがお釣りとして返ってきます。
現金のみでなく、クレジットカードでも同じようにいえます。
また、高級レストランでクレジットカードで支払う場合は、チップをいくら渡すのか記入する欄が領収書にあるので、よく見ておきましょう。
お勘定のときのドイツ語表現
店員「~ Euro, bitte. (~オイロ ビッテ):~ユーロです。」
- A. の支払い方法→チップを含めた金額を渡しながら「Stimmt so. (シュティムトゥ ゾー):お釣りはいりません。取っておいてください。」
- B. の支払い方法→「–Euro, bitte. :–ユーロで(お釣りをください)お願いします。」
Bは値段を聞く、「その場でチップを計算してその金額を言う」という難易度の高いものなので、よりスムーズに進めるなら、Aがおすすめです。
細かいコインなども持っておき、あらかじめチップの料金を計算しておいた上で「Stimmt so. 」と言えたらとてもスマートですね。
トイレでのチップの支払い方
駅のトイレや高速度道路のインターチェンジのトイレでは、以下のようにコイン(チップ)を入れることで入場できる機械が設置されています。
紙幣は使えないことが多いので、50セント・1ユーロ・2ユーロコインは常に持っておくことをおすすめします。
機械によって入場方法は異なりますが、コインを入れると入場券のようなものが出てくるので、それを取るとそのまま入場口が開くタイプがほとんどです。
入場券は捨てずに買い物へ利用しよう
この入場券は、トイレの後に商品の割引券・引換券として使用できます。
例えば、駅のトイレはだいたい50セント~1ユーロで使用でき、その金額に応じた割引券(50セントの場合はないことも多いです。)として周辺のお店で使用することができます。
高速道路のサービスエリアのトイレはだいたい70セントで使用できます。ここでは入場券は50セントの券として使用でき、券だけで買い物することもできるため、ちょっとしたお菓子と引き換える人がほとんどです。
ただしサービスエリアのお菓子や飲み物はスーパーの2~3倍であることを覚えておきましょう。
ドイツでチップを払うときに注意すること
ドイツでチップを払うときに注意すべきことは、ずばり、ジャラジャラ細かいコインを渡さないこと。日本でぴったり支払うために1円や5円を使う感覚で、1セント・2セント・5セントコインを使うことは嫌がられます。
特に、枕銭としてコインをジャラジャラ撒いて帰るのは要注意です。リネン係を侮辱しているともとられかねません。
ジャラジャラ細かく支払うくらいなら、多めに渡してお釣りをもらうか、やや少なくても端数分のみ支払うのが良いでしょう。
ヨーロッパの治安の悪い国だと、過剰にサービスしてきてチップをせびったり、日本人だからといって高額なチップを要求してくるという悪質な人や店もあります。が、ドイツではまずそのようなことはありません。
安心して、スマートにチップを渡すことに集中してくださいね。
まとめ
ドイツのチップの支払い方をご紹介しましたが、チップで重要なのは結局は「気持ち」です。ドイツで「Trinkgeld」と呼ばれるように、チップとは給仕係に「このお金でちょっと何か飲み物でも買いなよ」という気持ちで渡し出したことが慣例化していったもの。
ですから極端なことをいえば、そのサービスに満足しなければ支払わなくても良いのです。ドイツ人でも、ホテルでは荷物は自分で持つ、端数の切り上げだけしか払わない、レストランは味とサービス次第、という人も多いものです。
「払わないと失礼だ」「マナー違反だ」と固くならず、「楽しい旅先で温かいサービスに出会えた記念に」という気持ちで支払えばよいのです。そうすることで、旅がより良いものになるのだと思います。
旅する側ももてなす側も、優しい気持ちになれるようなチップを渡したいものですね!
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