ニューヨークの地下鉄と郊外を走る列車をマスターしよう!

地下鉄 アメリカ生活・移住

東京の地下鉄路線は、とても複雑だと世界的にも有名ですね。私は東京で生まれ育ちましたが、それでも全ての地下鉄路線図を頭の中に入れておくのには苦労しました。

アメリカに移住して十数年、東京にはさらに新しい路線ができたりsuicaなどのシステムも出来上がり、今では帰国のたびに地下鉄利用に緊張してしまいます。

外国人観光客にとってはこの東京の地下鉄を使いこなすのはどれだけ大変か……ちょっと想像もつかないですね。

それに比べて、欧米の地下鉄は割とシンプルに出来ています。今回はニューヨークの地下鉄と、ニューヨーク郊外を走る列車についてご紹介したいと思います。

とにかく便利な地下鉄

地下鉄

ニューヨーカー達にとって、なくてはならない毎日の足がsubway(地下鉄)ですが、一昔前は非常に危険だとされ、旅行者は地下鉄の利用を避けたほどだと言われています。

ニューヨークで生まれ育った友人によると、70年代から80年代は電車の中も外もグラフィティだらけで、ホームでも電車内でも禁煙なのにもかかわらず、どこでも喫煙している人々も多かったようです。

もちろんタバコだけではなく、様々なドラッグユーザーもおり、強盗、レイプ、スリなどは日常茶飯事で乗車するだけで危険とされていました。

しかし90年代に入り、ジュリアーニがニューヨーク市長に就任してから、地下鉄を含めニューヨークの街自体が飛躍的に安全になりました。

地下鉄に描かれた全てのグラフィティを撤去し、警官を大勢配置し、小さな犯罪も見落とさずに連行するといった、かなり強行なやり方で変えていったのです。

これはなかなか良し悪しのあるやり方だったようですが、それはここでは置いておいて、この街全体、地下鉄の安全化は多くのニューヨーカー、観光客たちに歓迎されました。

今では「危険」というイメージは全くなくなったニューヨークのsubway。マンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、ブロンクス、スタテンアイランドの端っこまで通っています。

路線は色とアルファベットで分けられていて、見やすくわかりやすいので観光客にも簡単に乗車できるようになっていると思います。地下鉄乗り場のブースで手に入る地下鉄路線図も非常に見やすいデザインなので、手に入れておきましょう。

特に東京の複雑な地下鉄に慣れている日本人にとっては、あまりにシンプルでわかりやすいこのsubwayで、乗車や乗り換えに迷うことはまずないと思います。

ニューヨークの地下鉄の乗車賃と乗り方

メトロ

ニューヨークsubwayの2018年3月現在の乗車賃は、レギュラー・メトロカードと呼ばれる紙製の一回乗車券で、$2.75です。この乗車券で、subwayが通っている区間ならどこでも行くことができます。

乗車賃

日本は乗車距離によって乗車賃が変わりますが、ニューヨークsubwayは1駅でも20駅でも乗車賃は変わりません

いちいち一回乗車券を買うのが面倒な場合は、$5.50から$80分までまとめてプラスチック製のメトロカードにチャージして買うこともできます。

この他にアンリミテッド・メトロカードという乗り放題の乗車券もあります。こちらは7日間の乗車券が$31、30日間の乗車券が$116.50です。

通勤・通学で地下鉄を利用するニューヨーカーたちは、このアンリミテッド・メトロカードを購入しています。

購入方法

購入方法は、まず駅の自動販売機にて「シングル・ライド」という紙製の一回乗車券か、「メトロカード」というプラスチック製の、クレジットカードサイズのカードを購入します。一枚発行するのに$1かかります。

そしてこのメトロカードを購入した場合、アンリミテッドを選ぶかまたは必要な値段をチャージするというシステムです。全てタッチスクリーンの画面で操作できるので簡単です。

駅のブースで駅員さんから購入することも可能ですが、大抵愛想の悪い駅員がやる気なく座っているので、自動販売機で購入する方が多分100倍スムーズですよ。

メトロカードを購入したら、改札にカードをスライドして通します。早すぎず、ゆっくりすぎずがコツです。

地下鉄で気をつけること

セキュリティ

いくら安全になったとはいえ、それでもニューヨーク。やはり完全に油断することはできません。地下鉄は24時間動いていますが、乗る時間帯には特に気をつけましょう。早朝や深夜は絶対に避けたほうがいいです。

また、走る区間によっても危険度は変わってきます。比較的安全とされるマンハッタンのミッドタウン以南やクイーンズの住宅街でも、早朝、深夜は気をつけたほうがいいですが、やはりマンハッタンのハーレムやブロンクス、クイーンズ、ブルックリンの奥地への乗車は昼でも十分に気をつけることです。

強盗、スリ、レイプに注意

何に気をつけるのか?それは強盗、スリ、レイプなどです。どのように気をつけたらいいかというと、隙を見せないことです。

ぼーっとヘッドフォンをしながらスマホをしていたら、区間と時間帯によっては100%狙われてしまいます。スリにも気をつけましょう。

オドオドしすぎるのもよくありませんが、「自分は周囲に気を配っている」という気配は持っていた方がいいです。

地下鉄を利用しているニューヨーカーたちを見ると、みんな一見スマホばかりいじっているように見えますが、常に周りにヤバい人がいないか気を配っているのがわかります。

そうしていれば、何か危ないことが起こったり、やばそうな人が近づいてきたら避けることができますし、強盗やスリも、警戒している人物は狙いにくいですからね。

ニューヨーク州では、銃の所持は違法ですが、それでも隠し持っているギャング達はたくさんいるのです。

銃の脅威は、日本とは比較になりません。ニュースでも、毎月のように発砲事件が報道されますね。ここではとても身近な脅威として銃犯罪は存在しているのです。

また、電車内に現れる物乞いですが、たまに怖い時もあります。様々な種類の物乞いがいるのです。

平和的なのは歌を歌ったりダンスをしたりして、終わったら電車内を回ってお金を集める人たち。怖いのは、無言の圧力を乗車してる人々にかけて睨みながら手を差し出してくる人や、大きな声で威嚇しながらお金をもらおうとする人たちです。

このようなタイプに出会うことも、珍しくありません。毎日地下鉄に乗っていたら、1週間に1回は出会ってしまうでしょう。

その場合、目を合わせずに無表情でやり過ごすことです。ターゲットにされ、あまりにしつこい場合は周囲の人に助けを求めましょう。

地下鉄に時刻表はない

時間

地下鉄の時刻表は、あってないようなものです。というか、ないと言っていいでしょう。日本では、電車が2分でも遅れるとアナウンスが入りますね。それはこちらの現状と比較すれば奇跡とも言えるシステムです。

時刻表を確認してから駅へ向かう人は皆無だと思います。全く意味がないからです。「ラッシュアワーだから大体4分ほど待てば次の電車が来るだろう。」という感覚でみんな動いています。

最近ではホームに電光掲示板がある駅が増え、次の電車があと何分で来るかがわかるようになりました。あと数年で、すべての駅にこの電光掲示板を設置する予定だそうです。

そして本当によく路線自体が止まります。朝、駅に行ったら「今日はこの路線は動きません。違う駅まで行ってください。」ということも珍しくないのです。ですので大事な試験や会議がある日は、みんな異常に早く家を出たりします。

そしていわゆる「電車遅延証明」のようなものもないので、寝坊して遅刻した場合でも「地下鉄が止まってしまって…。」と言い訳ができるというのは、利点でしょうか?

郊外を走る列車

駅

ニューヨークには地下鉄以外にも、郊外まで伸びる列車がいくつかあります。郊外から通勤する人々にとってはなくてはならないものです。また、ニューヨーカーたちの週末の日帰り旅行などにも愛用されています。

これらの列車にはちゃんと時刻表があり、一応時間通りに電車は動いています。そして日本の電車のように、距離によって乗車賃も変わります。乗車チケットは駅でも買えますし、列車内で買うこともできます。

Long Island Rail road(ロングアイランド・レイルロード)

マンハッタンのPenn Station(ペン・ステーション駅)からロングアイランドの端っこまで伸びている列車。ロングアイランドとは、クイーンズとブルックリンの先に続いている郊外エリアです。

細長く、海に囲まれているので夏は海水浴客や釣りを楽しむ人で賑わい、秋にはワイナリーがイベントを開催したりしています。ファームなど、子連れの日帰り旅行に人気のスポットも多いです。

また、ロングアイランドの閑静な住宅街に一軒家を構えて、マンハッタンまで毎日通勤する人も多いです。

Metro-north Railroad(メトロノース・レイルロード)

マンハッタンのGrand central(グランド・セントラル駅)からニューヨークのアップステートまで伸びている列車。アップステートは広く、この列車は4線あります。

アップステートとは、マンハッタンを北にどんどん行った郊外(というか田舎)エリアのことです。

グランド・セントラル駅を出て20分もすると、もう緑いっぱいの景色に変わります。ニューヨーク市内の家賃の高騰に耐えられなくなったり、家族が増えたりした人たちはアップステートの美しい自然の中に居を構えて、市内まで通勤しています。

また、ハイキングレイルやキャンピングサイトなどもあり、こちらも週末の小旅行の手段として親しまれています。海派はロングアイランド、山派はアップステートなのです。

このロングアイランド・レイルロードとメトロノース・レイルロードは、新幹線には遠く及びませんが、結構速い列車です。ロマンスカーくらいでしょうか?

設備も良く、トイレや手洗い場も付いています。割と綺麗なので、快適な乗車ができます。

まとめ

地下鉄の入り口

世界中どこの都市に行っても便利なのが電車や地下鉄です。これら公共の乗り物には、それぞれの都市の個性がとてもよく表れているように思います。

ニューヨークの地下鉄も、便利で合理的、でもちょっと危険でいい加減…という辺りがいかにもです。

ニューヨークのタクシーの運転は危険極まりないですし、気を抜けば勝手に遠回りされたりもしますから、旅行者にとっても地下鉄は本当に便利ですよね。

何かトラブルがあっても、遠慮せずに周りの人に助けを求めましょう。ニューヨーカーはお節介な人が多いです。大都市ですが、決してお互いに冷たくなく、助け合うことが多いです。

これは世界共通かもしれませんが、特におばちゃん達は本当に面倒見がいいというか、きっと困っていたら助けてくれることでしょう。

「ニューヨークの地下鉄」というと未だにちょっと危険なイメージがあるかもしれませんが、時間帯と区間に気をつけていれば大丈夫です。どんどん利用していきましょう!

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