ドイツの気候と過ごし方inラインラント・プファルツ州

ドイツ ドイツ生活・移住

私は今ドイツで、通算5度目の冬を過ごしています。「ドイツは寒い」と聞いたことがある人は多いと思いますが、具体的にどのくらい寒いのか、気温以外にはどのような特色があるのかなど、実際に生活してみないとわからないことも多くあります。

この記事ではドイツ西部のラインラント・プファルツ州に住む私が、今後ドイツで生活する予定のある人や、旅行の計画を立てている人へ向けて、ドイツでの四季をご説明します。

ドイツの11月から3月

ドイツの冬

ドイツでは夏が終わるとあっという間に冬が訪れます。11月初頭から、すでにぶ厚い冬のコートが必要になります。

日本の真冬に使っているようなオシャレなものは、ドイツでは秋口にしか役に立ちません。そのため、私は毎年ファッション性の低さには目をつぶって、11月からは防寒重視のダウンコートを着用しています。

気温

ラインラント・プファルツ州での11月の最高気温の平均が5~6度、最低気温の平均が2~3度ほどです。

最も冷え込む1月の平均最高気温は2~3度、平均最低気温はマイナス1~2度ほどですが、最低気温がマイナス10度前後まで低くなることも珍しくありません。私は昨年の冬に、人生最低記録のマイナス23度を体験しました。

3月になると春を予感させるような温かい日も徐々に出てきて、月の平均最高気温は7~8度くらいまで上がります。

天気

11月中旬には雪が降りはじめます。あられやヒョウが降ることもあります。スマホなどで週間天気予報を見ていると、雨と雲と雪のマークばかりが暗い色で連続して表示されていて、気が滅入ってしまうことも多々あります。

ごくたまに太陽のマークを天気予報で見ると、出不精の私でさえも「おぉ!晴れる!出かけなければ!」と思います。そのくらい太陽が照る日は冬のドイツでは貴重です。

とはいえ、12月のドイツでは日の出は朝の8時半前後のため9時くらいまでは薄暗く、日の入りは夕方4時半前後なので4時前後には電気をつける必要があるほど暗くなってしまいます。そのため、晴れた日でも太陽を楽しめる時間はとても短くなります。

湿度とカビ問題

そしてラインラント・プファルツ州の冬で一番やっかいなのが、異常に高い湿度です。

気温が低い上に湿度が高いと、体感気温はさらに下がります。骨身に染み入るような冷気からしっかりと身を守らなければ、あっという間に風邪をひいてしまいます。

私はこの地に引っ越してきてから半年ほどは、ほぼ毎月体調を崩していました。もともと体が弱い方ではないので、おかしいなと思っていたのですが、同僚曰く、他の地域から引っ越してきた人にはよくあるケースなのだそうです。

新しい土地とその気候に体が慣れるまでは、無理は禁物です。

ラインラント・プファルツ州に住む人々は、11月頃からしつこいカビの被害に悩まされます。定番のバスルームに留まらず、寝室などの天井もカビてきてしまいます。

これまで私は色々な土地で暮らしてきましたが、自宅にカビが生えたのは初めてだったので、どうしたものか最初はとても困惑しました。

「家にカビが生えた」なんて恥ずかしくて人に相談できないと思っていたのですが、同僚との会話の流れで、この地域ではごくごく当たり前のことだということを知りました。

暖房をつけっぱなしにしている間は比較的ましなのですが、旅行などで家を空ける際には要注意です。私の知人は一週間ほど家を空けて帰ってみると、玄関を開けたとたんにカビの匂いがして青ざめたそうです。

私は仕事で12月に2、3日家を空けた際、帰ったその日に布団とシーツがずっしりと湿気を含んでいてショックを受けました。

じめっとした寝具は冷え切っており、潜り込んだら体まで冷たく湿ってくるようで、使っていないにも関わらずシーツを交換する必要がありました。

カビは放っておくと健康被害の原因にもなりかねないので、冬の間に数回はカビ取りの大掃除をしなければなりません。カビ取り用のスプレイなどは、ドラッグストアで簡単に手に入ります。

このように、長く寒いドイツの冬は辛いものですが、12月にはクリスマス・マーケット、1月にはセール、2月にはカーニバルと、イベントが目白押しです。それらのイベントを楽しむことで、冬を乗り切るための活力とし、人々は春を待ちわびます。

ドイツの4月

4月はドイツの短い春です。気温が一気に上昇し、木々は生き生きとした緑を取り戻し、至る所で花々が咲き始め街を彩ります。

ドイツは緑がとても多い国です。春になると天気の良い日も急激に増え、寒々しかった景色も華やかなものに一変します。

ドイツ人たちはこの頃から自宅でのバーベキューを楽しんだり、芝生に寝転がって読書をしたりして、待ち望んだ太陽光をめいいっぱい楽しみます。ライン川やモーゼル川でカヤックなどのアクティビティを楽しむ人々の姿も目にします。

私は日本で生活していた頃、ひどい花粉症のせいで春が嫌いでした。それがドイツに移り住んでからは花粉症がピタッと消え、大いに助かっていたのですが、4回目の春を迎えた時にドイツでも発症してしまいました

症状は軽く、点鼻薬だけで乗り切ることができましたが、3月末から4月中旬までの1か月弱は、今後も花粉症と付き合っていくことになりそうです。

ドイツの5月から7月

噴水

5月

5月に入るともう夏だといってしまっていいでしょう。とはいえ、5月中は気温差の激しい日が続きます

ノースリーブで快適に過ごせるような夏日があるかと思えば、翌日にはスプリング・コートを羽織らないと肌寒くなったりもするので、毎日出かける前に服装に悩むことになります。

6月、7月

6月、7月には35度を超える猛暑日も出てきます。私の同僚曰く、昔のドイツの夏はここまで暑くはなかったそうですが、少なくともここ4~5年はドイツでも猛暑日が記録されています。

夏のラインラント・プファルツ州は冬とは違って湿度が低めなので、気温が35度を超えても日本の夏よりはずっと過ごしやすいと思います。ドイツでは冷房設備が備わっていない建物が多いのですが、それでもなんとかやり過ごせる程度です。

夜になると気温が下がるので、寝苦しい熱帯夜などはほとんどありません。

この時期には太陽光がとても強くなるため、サングラスが手放せなくなります。

日傘の文化がないヨーロッパでの日焼け対策として、私は毎年夏中大きな帽子をかぶって歩くのですが、帽子だけだと照り返す太陽光が眩しいので、サングラスと併用する必要があります。

日本人の髪は黒いため、西洋人と比べて太陽の光を集めやすくなっています。この時期にドイツを訪れる方は、熱中症対策のためにも帽子をかぶったり、日陰を歩くことをおすすめします。

猛暑が続くと、急激な雨が降ることがしばしばあります。短時間で止むのですが、夏の雨は勢いがすごいので、ポツポツと雨粒を感じ取ったらすぐに屋根のある場所へ避難する必要があります。

雨が通り過ぎるとグッと気温が落ち着くため、その日一日は過ごしやすくなります。

8月

ドイツ

8月に入るとドイツはもう夏の終わりに差し掛かります。私が初めてドイツで夏を超した2013年は特に冷夏で、雨も多く寒い日が多かったため、8月初頭にクローゼットの奥からスプリング・コートを引っ張り出すことになりました。

その後も毎年6、7月には暑さに唸る日もありますが、8月は過ごしやすい日が多いため、この時期のドイツは観光するにもよいと思います。まだまだ日は長く木々の緑や花の色も美しいですし、カラッとした程よい暑さの日が続きます。

7月から始まるサマー・セールも最終段階に入っていて、ファッション・アイテムが激安の価格で購入できるので、ショッピングにもよい時期です。

8月いっぱい長期休暇をとるドイツ人が多いため、有名観光地の少ないラインラント・プファルツ州の町中からは人が減ります。

私は劇場勤務なので、ドイツに観光に来る日本人には是非劇場でなんらかの上演の観賞をおすすめしたいところなのですが、ドイツの劇場はどこも7月中旬から8月いっぱいまで休みなので、芸術鑑賞にも興味があるという人の場合は7月、8月のドイツ旅行は避けた方がよいでしょう。

上演はどこの劇場でも9月半ばころから再開します。

ドイツの9月、10月

ドイツの秋

9月

9月のドイツは秋一色です。肌寒い日が増え、徐々に曇り空や雨雲に覆われる頻度が高くなり、日もどんどん短くなってきます。

10月

10月に入るともう冬の気配が町を包み始めます。日本の真冬に着るようなコートはこの時期に活躍し、毎日暖房が必要になります。

公共の建物などでは9月からすでに暖房がついている日もあるのですが、私はなんとなく自分のルールで、10月に入るまでは寒くても暖房に頼らず、厚着で乗り切ることにしています。

日が短くなるにつれ、朝目を覚ましてもまだ真っ暗という日が増えてきて気分が滅入ることもあります。10月の最終日曜日にはサマータイムが終了し、時計を一時間遅らせるので、その違和感が少し薄れます。

まとめ

私はドイツに移り住んでから初めて、どれほど太陽が大切な存在であったのかを痛感しました。

夏には日焼けを恐れて避けるようになる太陽が、雨や雪の続く暗いドイツの冬にふと雲の合間からのぞいて暖かい光を注いでくれると、感謝の念がこみ上げてきます。

太陽を浴びることで補われる栄養素などもあると聞きます。そのような要因から、人間の身体は本能的に太陽光を欲してしまうもののようですね。春の訪れを待ちわびる日々が、今年もまだまだ続きそうです。

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