アメリカはとてもスポーツが盛んな国です。アメリカで暮らす人々は普段からスポーツ意識が高く、大人でもサイクリングやテニスなどのスポーツチームに入っていたり、外でジョギングする人を見かけたり、ジムに通う話もよく聞きます。
一つのスポーツに偏ることなく、常に挑戦するアメリカ人。スポーツ意識の高いアメリカ人は、普段どうやってスポーツに触れているのでしょうか。ここでは、アメリカ人とは切っても切れないスポーツ・スピリットについてご紹介していきます。
普段からスポーツに対する関心が高いアメリカ国民
日本では、サッカーや野球がかなり人気のあるスポーツですが、アメリカ人はどのスポーツに対しても関心が高いです。
アメリカでは、民放局でシーズン毎に放送されるスポーツ番組に加えて、ケーブルでも専門スポーツチャンネルがあり、季節に応じて一日中いろいろなスポーツを流しています。
また、スポーツの中で特に人気が高いのは、バスケットボール、野球、アメリカン・フットボールで、これらの試合はプロのみならず、大学や高校の試合まで気軽に足を運び観戦に行く人が多いです。
また、私が驚いたのは、以前勤務していた会社内で大学対抗のバスケットボールのトーナメント(NCAA)の賭け事をする人がいたことです。
これは、私の勤めていた会社に限らず、比較的普通に行われている習慣で、賭け金は一人1〜3ドルとお手頃。ただし、賭けに参加する人数が多いため、勝つと20〜30ドル近く獲得できるのでお小遣い稼ぎにはなるようです。
あくまでもバスケットボールに関心があり、お金儲けのためだけに賭けをしているわけではないのが特徴です。
小さい頃から、いろいろなスポーツに触れる子供たち
私には二人の息子がいますが、上の息子は3歳でテニスのクラスを始めました。また4歳からテコンドー、そして6歳から12歳の今まで野球をしています。
その他にも、バスケットボール、水泳、アイススケート、体操など、いろいろなスポーツに触れてきました。下の息子もほとんど同じです。
我が家は、主人も私も含め、決して体育系の血筋ではありません。ただアメリカで普通に生活していると、いろいろなスポーツに触れる機会があります。
私の息子たちがチームというまとまったグループで活動しているのは、野球とバスケットボールだけです。その他は、単にクラスに参加するといった形です。
しかし、子どもや親が熱心で、野球、バスケットボール、水泳、テニスなどの正規団体に入り、1年を通してスポーツに触れている家庭をたくさん知っています。アメリカでは、そのくらい頻繁にスポーツに取り組んでいるのです。
スポーツにお金を掛ける親
日本では主にスポーツ団体は、自治体や中・高校が主体となって活発に活動しています。アメリカでも、レック・リーグ(Recreational League)と呼ばれるリーグは、自治体が基礎となっており、気楽に楽しんでスポーツに取り組む傾向にあります。
この場合は日本と同じような感じで、それほどお金が掛かることもありません。ボランティア主体の構成で出来ているため、お父さん方が監督やコーチになって、子供たちの指導をしています。
この他に、トラベル・チームと呼ばれる遠征チームがあり、このチームは他の地域の強いチームと戦うことになります。基本的に父兄ではない、そのスポーツに精通しているコーチを雇い、本格的に指導が施されます。
当然ながらボランティアではなく、自治体の援助もありません。そのため、かなりの高額な会費が必要となります。スポーツのレベルや年齢にもよりますが、だいたい年間600〜3,000ドルが会費になります。
その他、自費でユニフォームやスポーツ用具を購入するとなると、膨大な額になります。ただ、トラベル・チームを希望する親は、子どもへのスポーツ費用を全く惜しまない傾向にあります。
我が家では、まだ子供たちがトラベル・チームへの参加を必要としていないため、加入していないので助かっています!
お金持ちは有名ブランドよりもスポーツ・ブランドを身につける
私の印象ですと、日本で裕福な人達は比較的に有名ブランド品を身につける傾向にあります。洋服や靴、そしてカバンなどがその典型と言えます。
それに比べ、アメリカ人はスポーツ・ブランドを身につける傾向にあります。以前にはNikeの帽子やシャツが流行りましたが、今ではUnder Armourというブランドが人気スポーツ・ブランドです。
その他にもAdidas, Patagonia, Columbia, L.L. Beanなどが人気です。
こういったブランドを身につける傾向は、第一に品質が良いことが上げられます。例えば、ランニング・シューズだけでも数十種類あり、その弾力性や心地よさなど、個人個人にこだわりがあることがわかります。
こういったスポーツ・ブランド品は良質なため、長持ちします。多少高くても良いものを買おうと、購入する人が多いです。また、富裕層の人達はスポーツ・ジムに通ったり、家族でスポーツに携わっているため、スポーツ色の強い服を好みます。
こういった面から、アメリカにいるとお金持ちか体育会系なのか見分けがあまりつかなくなります。アメリカのお金持ちは割りとカジュアルです。
スポーツはビジネス化されている
先程、トラベル・チームでも少し触れたのですが、遠征チームはかなり費用が掛かる傾向にあります。それは、スポーツがビジネス化されている傾向にあるからです。
私の知り合いの息子さんが、サッカーのトラベル・チームに入り、イギリス人コーチが指導していたと聞いたことがあります。そのイギリス人コーチは評判が良いようですが、そのチームに掛かる費用もかなり高いようです。
また、格闘技である柔道、空手、テコンドーは私個人の意見ですが、ビジネス化思考が強いように思います。特に子供たちの間では、出席日数に従い4~5年くらいで黒帯を貰えるという驚くべき実態があります。
また、全ての格闘技道場に当てはまるわけではありませんが、レッスン料が異常に高いことは割りと一般的に知られていることです。
4~5歳の頃から初めた子供たちは、10歳くらいには黒帯を獲得して辞めてしまい、その後はもう二度とその格闘技に触れないという話も良く聞きます。
このため、アメリカで「私は空手の黒帯を持っている!」と言われても、あまりすごいとは思われません。お金を払えば黒帯が貰えてしまうシステムに疑問を感じます。
チームに現れる「自分が一番になりたい」と思う気持ち
スポーツだけに限りませんが、アメリカで「チーム・ワーク」という言葉を使うとき、日本の文化に密接する「チーム・ワーク」とは少し違うように思います。
アメリカで競技をする場合、チームのためではなく、誰もが「自分は絶対に勝つ!」っという気持ちが根底にあるため、みんな競争心をむき出しにして戦います。
アメリカでいう「チーム・ワーク」はチームとはいえ、個人が主体になっているように感じます。例えば、メジャー・リーグで選手として活躍している場合、チームの勝ち負けも大切ですが、選手だけでなく、観客も選手がどんな活躍をしたかを見ます。
そのため、例えチームが負けたとしても、活躍したプレイヤーにスポットライトが当たります。
もちろん、チーム・メート同士で連携プレイを見せて観客を喜ばせることもありますが、基本的には「個人」がいかにチームに貢献したかという評価が大切になります。
日本ではチームのために個人が犠牲になるということが良くありますが、アメリカではあまりありません。この個人主義の根底は、周りとうまく調和して作り上げていくプレイとは本質的に異なります。
そのため、どんなスポーツでも日本人がアメリカでプレーをするときは混乱すると思います。
まとめ
普段からスポーツに触れる機会が多いアメリカ人。その根底にある考え方は、自分がいかに上手にプレイできるかを披露するパフォーマンスの舞台という捉え方のようです。
日本では「縁の下の力持ち」という言葉がありますが、アメリカ人にはそういった和の精神が理解できないかもしれません。
小さい頃からスポーツへの関心が高い環境で育ってきたアメリカ人。子どもの頃から、負けたくないという競争心が身についているのでしょう。
その精神を自分の子供たちへ受け渡し、大人たちはジムへ通い体を鍛えて、スポーツ観戦を楽しみながら生活しています。
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