ヨーロッパの中でも割と親日家の多いドイツへ移住して、いつの間にか7年目。移住当初の悪戦苦闘の日々を思い返してみました。
私の場合、言語の壁が一番高かったです。ドイツ語はまだ幼稚園児レベル、それでも、この地で生活するなら働いてみたい!という気持ちは膨らむばかり。
あせらずに「やりたいこと」と「できること」を探すと、周りにはたくさんの可能性が転がっています。その中には、国外で働くという選択肢もあるんです。
※1ユーロ=約128円
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ドイツへ移住!厳しい冬にトラウマも、やっぱり運命の国?
ヨーロッパに小さい頃から住みたかった、というわけではありませんでした。でも、海外に漠然としたあこがれを持っていたことは確かです。
2003年に日本の大学を卒業し、6カ月間マルタ島に語学留学するために初めてヨーロッパに向かいました。マルタ島の次には、文化、歴史、音楽などからずっとあこがれていたドイツ行きを心に決めながら……。
そして、その年の冬にミュンヘンに1カ月滞在したのですが、ドイツの冬の寒さを身をもって知ります。さっさとマルタに逃げ帰って農業学校に通いました。
巡り巡ってやっぱりドイツに
その間に滞在したモロッコ、チュニジア、イギリス、イタリア、フランスは開放的で住み心地がよく、ビザ申請をする度に移住が頭をよぎるようになりました。
ヨーロッパに移住するのならスキルを!と意気込んで、タイでマッサージ学校に通ったりもしたのですが、やっぱりあの寒さには耐えられないだろうと思い直し、日本に戻って派遣会社を通して事務職に就いてみたり……。
「2003年ドイツの冬」経験のトラウマは根強く、どうにか冬のドイツを回避して過ごしていた数年間。ところがその後、あれよあれよと人生は進んで、気がつけばドイツに嫁入りすることに。またドイツへ?
ドイツ語ができなくてもできる仕事を探す
そういうわけで、2011年に旧東ドイツの町、ライプツィヒに移住してきました。が、ドイツに嫁入りしただけでいきなりドイツ語が話せるようになるわけではありません。
そこで町に散策に出て、仕事をしている外国人を探してみることにしました。
ドイツで外国人がしている仕事
- 技術職
- 語学学校の先生:アメリカンスクールや私立スクールの外国語課程の先生。
- 八百屋経営:スーパーではなく、果物、野菜のみを売っているお店はベトナム人が経営しているところが多いです。
- レストラン店員:各国料理に合わせて外国人従業員がいます。
- カフェ店員:なぜかカフェの店員もドイツ人ではないことが多いです。
- 建築現場スタッフ:東欧の労働者が多数働いています。
旧西ドイツでは、簡単作業である道路掃除、ゴミ収集やスーパーのレジなどに外国人が多いのですが、ライプツィヒではあまり見られません。ツアーガイドも外国語が話せるドイツ人が多いです。
さて、私にできる仕事はあるのでしょうか。
ドイツでいざ、仕事はじめ!
上記で挙げた仕事も、ある程度ドイツ語ができないとこなせません。では専業主婦に?いえいえ、せっかく異文化の国に移住したのですから、もうちょっとその文化にひたってみたい!
とりあえず、どれくらい通用するのか、短期で仕事を始めてみることにしました。
クリスマスマーケットに出店
最初に挑戦したのはクリスマスマーケットへのアクセサリーショップの出店です。ライプツィヒ南部のワークツヴァイ(Werk 2)というコンサートホールでは、毎年手作りのお店が出店するマーケットが開催されています。
アクセサリーを作るのは小さい頃から好きだったのと、ドイツ語が必要ないところが魅力でした。店頭に立っていても、お客さんの8割方がグリューワインというホットワインでいい具合に酔っぱらっているので、緊張は不要です。
売り上げは1日200ユーロ(約25,000円)ほど。11日間、14〜21時まで店頭に立ち、制作時間と合わせて時給換算すると1時間約1,000円ちょっとくらいでした。
ドイツでの初めての仕事としては上出来です。
ライプツィヒのコンサート会場で開かれるクリスマスマーケットの基本情報
- 名称:werk2
- 住所:Kochstr. 132 04277 Leipzig
- 公式サイト:http://www.werk-2.de/
ドイツを拠点にスウェーデンへ仕事を求めて
楽しく好きな仕事をずっと続けられたら本望ですが、クリスマスシーズンは12月限定です。私はドイツ語にまだ自信がなかったので、建築現場の仕事をすることにしました。
夫がフリーランスでショップ作りの請負をしていたので、その仕事仲間づたいにスウェーデンのIKEAで展示品の設置の仕事を見つけました。北欧なら英語も通じ、ある程度工具も使えるので直談し、雇ってもらうことに。
業務内容と収入
スウェーデン中部にあるIKEAで、床の張り替え業務につきました。閉店後に出勤、商品棚、展示品をすべて移動し、床を張り替えて開店までに店内を元通りにするという流れでした。
私は主に商品移動前に店内の写真撮影をし、展示品を再設置する業務を担っていました。日給150ユーロ(約19,000円)ほどでした。
なお、ドイツ国外で仕事をすると、出張滞在費免除の制度(Ausland-pauschalen)が適用されます。働く先の物価で免除される費用は異なるのですが、滞在費・食費(Verpflegungsmehraufwendungen)と見なされる部分が免税されます。
確定申告の際にはお忘れなく!
- 2017年度の国別免除額
Ausland-Pauschalen:http://www.sis-verlag.de/
ドイツ人と働くってどんなかんじ?
意外と気さく
このIKEAの仕事で初めてドイツ人ばかりの職場を経験しました。意外や意外、みんな気さくで、割とおちゃらけたりもします。ビシッとしているイメージが強かったので、これにはほっとしました。
チームワークの良さ、仕事の正確さは噂通りです。
立場に関係なく発言
どんな相手にも、例えそれが上司でも、雇用主でも、クライエントでも、ドイツ人はへこへこしません。上司の立場でドイツに転勤になった人は、彼らの強気に少し驚くでしょう。
ただし、仕事の仕方を否定しても、個人的なことに発展しないので一緒に仕事はしやすいです。
ドイツ人と仕事をする機会があったら、遠慮なく意見を言いましょう。建前やお世辞は不要です。冷たい会話になりそうですが、要点をついて簡潔に伝えるとすぐに反応してくれます。
逆にオブラートに包んで伝えようとしても、一切通じません。行間を読むような習慣がないので、例えば鼻毛が出ている人に「ちょっとトイレ行っておいで」「鏡を見ておいで」と言っても通じません。ダイレクトに「鼻毛出てるよ」と言ってよいのです!
ドイツを含む世界のあらゆる場所で暮らしていく方法
ドイツになじもうと仕事探しをしていたら、ドイツ国外で働くことになりました。ドイツで家を持ち、「帰る」場所が日本のほかにもできて大きな達成感がありました。
とはいえ、未知の土地で、日本とは異なる習慣や文化の違いを受け入れていく必要のあるのが外国暮らし。そんな海外生活は大変だと感じる人が多いと思います。そんな人へ一言。
いろんな国に行き私が実感したことの一つが、日本人の仕事能力の高さです。不平不満の少なさ、忍耐強さ、仕事の丁寧さなどなど、日本人らしくあれば世界のどこでも暮らしていけます。日本人はもっと自信を持つべきと思います。
まとめ〜海外で自分の仕事が認められるという経験
海外での新生活、思考と行動範囲を広げると案外楽しく過ごせます。私はドイツ国外にまで働きに出ることになりましたが、世界で自分の仕事が認められ、対価をいただくのは大きな経験です。
あなた独自の個性と技術は胸を張れるもので、日本国外で仕事をする!と気負う必要もありません。
冬を避けて生活していたツケがどっと回ってきて、なぜか冬場の仕事ばかり。でも、そんなことをすっかり忘れるくらい、未経験の分野での仕事は楽しいものです。生活を彩るのは仕事ですね。
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