日本と海外の働き方で大きく違うのは、人生における仕事のウエイトです。日本では、大学を出て就職することが一般的で、その後は仕事が生活の大部分になります。
ところが、例えばドイツでは、何歳になっても仕事を辞めて大学に通ったりと、いかに自分の人生を充実させるかが重視されています。そのため、自分にとって悪条件の仕事はせず、気持ちよく働けるよう交渉もします。
今回は、そんなドイツで働く際の労働契約について、私がパン職人としてドイツ企業で働き、転職した経験を踏まえながらお伝えします。
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ドイツで働きたい職場を見つけたら1日お試し勤務を
ドイツ企業の場合、求人情報は日本と同じようにネットで探すことができます。また、お店のホームページや店内に募集案内が掲示されていることもあります。
ドイツではProbearbeit(プローべアルバイト)といって、電話やメールなどで応募した後、実際に1日、無給ですが働かせてもらえる制度があります。
雇用主は応募者の働きぶりを見られるメリットがあり、応募者も職場の雰囲気を知ることができます。機会があったら必ずしてみてください。気に入らなければ応募辞退も気兼ねなくできます。
ドイツの雇用契約書のチェックポイント
面接やプローべアルバイトを経て双方が気に入れば、雇用契約を結ぶことになります。
当たり前ですが契約書はすべてドイツ語で、5枚ほどの紙にびっしりと書かれています。すべてを読むのは正直気が進みません。ですが、それでも最低限確認してほしいことは、給料と契約期間です。
また、有給休暇など主な待遇や条件もチェックしておきましょう。
給料
ドイツでは、手取り金額を表すNetto(ネット)、税引き前のお給料である Brutto(ブルット)のどちらかを契約書に明記します。
そのため、お給料が高いと喜んでサインした後、実はBrutto表記だったと分かると、実際に税金を引かれた後に手元に残る金額が思っていたよりとても少ないというトラブルも起こってしまいます。
契約期間
日本と違い、契約期間が長ければ安泰というわけではありません。逆に、その期間は昇給やボーナスのアップもないということがあります。
更新のたびに契約内容の変更ができるので、キャリアアップしたい方は短めに設定するよう交渉してください。
有給休暇
有休の取れる期間や日数は、ドイツの法律によって最低基準は守られています。気をつけてチェックすべきポイントは、万が一有休が取れなかったときの対応です。
有休が残った場合、無理にでも消化させるのか、余った日数分を金銭として支給するのかは企業によって異なります。
その他の待遇
通勤手当、深夜手当など各種手当がつくかどうか、またその金額も企業によってまちまちです。すべてが必ず契約書に明記してあるので、確認してください。
ドイツで採用通知をもらったら、いざ交渉
採用のお知らせを受けたら、契約書が渡されます。その場でサインするのではなく、いったん家に持ち帰ってから後日返送するのが一般的な手順です。
そうすれば、じっくり読むことも、知り合いなどに一緒に見てもらうこともできます。契約書内容に不服があった場合、給料のアップなども交渉できます。
転職であれば、以前の契約書を提示するのもありです。また、インターネットで得たその職業の平均月収を調べて添付するなど、なぜもっと高くする必要があるのかを裏づける根拠があると有利に働きます。
労働者も対等に意見でき、それを理由に採用取り消しということは滅多にありません。ただし、今後の関係もあるので譲歩する姿勢が大切です。
ドイツでは転職はプラス評価
ドイツでは、転職は「自己を高めるため」です。つまり、転職することはプラスに評価されます。違う業種であっても、いろいろな分野に挑戦していると認めてくれるため、比較的転職活動は難しくありません。
ただし、どこでも即戦力の人材が求められます。前の職場で何を学んだのか、転職して今後何を目指すのか、意思とビジョンをしっかり示すことが大切です。
まとめ〜勤務条件の優先順位をはっきりさせる
私の場合、パン屋さんに就職したかったんです。そこで、自分が客として利用して、おいしいと思うお店や気に入るお店を探すようにしました。
ただ、大きい店舗のパン屋だと焼き場が別の場所にあったりと、実際にはその店舗で働けない場合もあるので注意が必要です。また逆に、個人店では新規の従業員をあまり雇わないので、給料や待遇の面で劣る部分もありました。
それぞれ長所と短所があるので、何を優先させるのかはっきり見定めて就職活動してください。
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