8カ月前にベルギーに移住して以来、日本の友人から「ベルギーってどんな国?」「海外暮らしは不便じゃないの?」と聞かれることが多々あります。
確かにベルギーと聞いてもどんな国なのか想像がつかないと思います。せいぜい、ビール、チョコレート、EUといったものが思い浮かぶくらいではないでしょうか。
そこで、今回は日本人にはあまり馴染みがないベルギーの魅力を5点に絞って紹介したいと思います。ベルギーの良さを実感してもらえたら嬉しいです。
ベルギーは食べ物が美味しい
私がベルギーに来てすぐにこの国が好きになった理由は、「食べ物が美味しい」ことにあります。ガイドブックにも「美食の国」と紹介されていることが多いベルギーですが、レストラン数も多く、スーパーの食材も豊富で新鮮です。
ビール、フリッター(フライドポテト)、ムール貝など名物もたくさんあり、季節ごとに美味しい野菜や果物などが市場に並び、胃袋がいくつあっても足りないくらいで目移りしてしまいます。
特に私は甘いものに目がなく、チョコレートが大好きなので、ベルギーに来られて幸せです。下記にチョコレートについて簡単にまとめてみました。
チョコレート
年間1人あたり8.4キログラム、1家庭で約4万円ものチョコレートを消費するとされ、街のいたるところにチョコレート屋さんがあるベルギーですが、その美味しさは多くの日本人も虜にしています。
ベルギーのチョコレートはカカオの含有率やその品質に対する基準が厳しく、本物の味が求められます。
チョコレートの中に詰め物(フィリング)をしたのもベルギーが初めてで、プラリネクリーム(アーモンドやヘーゼルナッツのペーストを合わせたチョコレートの詰め物)やキャラメル、ガナッシュ(生クリームを合わせたチョコレートの詰め物)など様々な味があります。
日本ではそういった詰め物がされたチョコレートは高価で1度にたくさん食べることはあまりないと思いますが、ベルギーではチョコレートは量り売りが基本で、1粒ごとの値段は決まっていません。
箱で買うこともできますし、何粒か選んで買うこともできます。旅行でチョコレート屋さんを巡りたい場合は粒で買って、潰れないようにタッパーなどの保存容器に入れて持ち歩くことをおすすめします。
王室御用達チョコレート屋さん6店
GODIVA(ゴディバ)
日本でもお馴染みのGODIVAですが、日本人の友人が遊びに来た際には毎回GODIVAの苺のチョコレートがけを食べています。このチョコレートは1粒からでも買えます。見た目にもインパクト大で、喜んでもらえます。
GALLER(ガレー)
スーパーでも手に入る気軽な王室御用達チョコレートです。いろいろな味のチョコレートバーがあり、全種類買って並べてみたくなります。
MARY(マリー)
とにかく商品と箱がかわいい!このチョコレート屋さんの箱をもらって喜ばない女子はいないのでは、と思えるくらいのキュートさにときめきます。お店の外観も可愛いです。
NEUHAUS(ノイハウス)
1857年創業のチョコレートショップ。「これぞ伝統の味」と思わせる正統派の味です。
VAN DENDER (ヴァン デンバー)
2003年に行われたベルギー王室の結婚式でウェディングケーキなどを手掛けた実力派です。
LEONIDAS(レオニダス)
観光スポットの写真が入ったパッケージのチョコレートなどが売っていて、味もまろやかで万人受けしそうな感じです。お土産に持って帰った時も喜ばれました。
ちなみに、2014年から毎年2月に「サロン・デュ・ショコラ」がブリュッセルでも開かれています。昨年行った友人から聞いた話では、チョコレートはしばらく見たくないというくらい試食ができるそうです。
また、私の住んでいる町のチョコレート屋さんの中には、顧客に向けて1年に1度のファクトリーツアーをしているところがあります。その工場見学時には自家製チョコレートを試食させてもらえます。
ベルギー在住の方は、お近くのチョコレートショップでそういったサービスがないか探してみてはいかがでしょうか。
今回は王室御用達チョコレートショップしか紹介しませんでしたが、街のいたるところにチョコレートショップがあります。日本でも有名になったピエール・マルコリーニといったチョコレートショップの本店ももちろんあります。
ベルギーはイベントがたくさんあって楽しい
ベルギーに来る前は、知らない土地に暮らし始めて友人がいるわけでもなく、毎日することがないのではないだろうか、と不安に思っていましたが、そんな心配は杞憂に終わりました。
ベルギーでは毎月さまざまなイベントをやっていて、パレードなど参加者が楽しめるものが多いので飽きることなく過ごしています。
特に2018年8月に開催されたブリュッセルのフラワーカーペットのように、2年に1度など開催年が限られているイベントも多くあるので、その年にベルギーに居ることができたらお得感が増します。
おすすめイベント
全てのイベントに参加したわけではありませんが、私が参加して見応えがあった次の4つを紹介します。
お花関連のイベント(4月~5月)
ラーケン王宮温室の一般公開、ブルーベルの花の群生が見られるハルの森など、花関連のイベントや花が見られる場所が各地にあります。
私はハルの森に行ってブルーベルの群生を見てきましたが、幻想的でまるで絵本の世界に迷い込んだかのように思いました。青い花に囲まれて森林浴をし、とてもリラックスした時間を過ごせました。
イーペルの猫祭り(5月)
こちらも3年に1度のお祭りで、5月の第2日曜日に開催されます。猫やねずみなどに扮したイーペル市民が、巨大な猫の山車とともにパレードを行います。子供も大人も猫やねずみになり切って、演じてくれます。猫好きにはたまりません。
キャストの人たちもとてもフレンドリーで、時には観客をもパレードの一員にしてくれて興奮しました。日本人観光客も多く、なんとその数についてベルギーのニュースになっているくらいです。
ブリュッセルのフラワーカーペット(8月)
2年に1度開催されるブリュッセルのフラワーカーペット。「世界一美しい広場」とヴィクトール・ユーゴーが称したとされる大広場グラン・プラス。その広場一面にベルギー産の花が敷き詰められます。
毎回テーマに沿った花模様が制作され、2016年には「日本」、2018年には「メキシコ」のテーマのもと壮大で華麗な絨毯が出来上がりました。
有料ですが、グラン・プラスに面した市庁舎のベルコニーからも見ることが出来ます。当日は開催15分前から列に並んだのですが、2時間近く待って登ることが出来ました。
次回はオンラインチケットを購入した方がよさそうだな、と教訓になりました。ですが、その眺めは素晴らしかったです。
ブリュッセルのクリスマスマーケット(11月~12月)
ヨーロッパ各地でクリスマスシーズンにはクリスマスマーケットが開催されます。もちろんベルギーの各地でも開催されますが、首都ブリュッセルのクリスマスマーケットが私は楽しかったです。
サント・カトリーヌ広場ではたくさんの出店や観覧車、メリーゴーランドが設置され、一気にクリスマス色に染まります。
国際都市ブリュッセルらしく伝統的なクリスマスの出店もあれば、モンゴルやポルトガルなど国際色豊かな出店もあり、どのお店に行っても楽しかったです。
また、クリスマスマーケット開催時にはグラン・プラスで音と光のショーもやっているので、そちらもお見逃しなく!
ベルギーでは英語が当たり前のように通じる
ベルギーはオランダ語(フラマン語)、フランス語、ドイツ語の3ヶ国語が公用語となっており、ゲルマンとラテンの文化が融合して国が成り立っています。
特にオランダ語圏では英語を流暢に話す人が多く、数ヶ国語を操るマルチリンガルが珍しくありません。
私が暮らすLEUVEN(ルーベン)もオランダ語圏であるため、日常生活においてオランダ語が分からなくて困ることはほとんどありません。むしろ自分の英語力不足を実感します。
電車に乗ると車掌さんはオランダ語、フランス語、英語で対応してくれますし、病院、不動産会社の担当者とも英語でやり取りをしています。
公的な文書はオランダ語等の公用語で書かれているので、不動産の契約書などは全く理解できなかったのですが、すべての項目を丁寧に英語で説明してくれました。
私が日本の学校で働いていた時に、海外から来たALT(アシスタント・ランゲージ・ティーチャー)達の賃貸マンションの契約や病院等は全て日本語対応だったので、基本的に日本人の英語教師がつく必要がありました。
でも自分がベルギーに来て、海外で初めて暮らす外国人にとって言葉が通じるというのはとても大きなメリットなのだろうと改めて実感しました。また、ルーベンの語学学校の費用は安くて語学学習がしやすいです。
ベルギーは車がなくても生活しやすい
自転車大国ベルギーでは、自転車で移動しやすいように道路が整備されています。現在、私も車無し生活ですが、遠出したい時以外には不便を感じません。中古自転車の販売もたくさん見かけますし、自転車のレンタルショップもあります。
自転車にお金をかけて、毎週末に遠出するベルギー人も多いです。彼らのお決まりは早朝に自転車で数十キロ出かけ、帰ってから近所のカフェでビールを楽しむことのようです。
私達、日本人が自転車生活をする際には、右側通行を守って、右折・左折時のハンドサインを忘れないなどのいくつかの注意点があります。
また、周りのベルギー人たちはかなり速い速度で自転車を漕ぐのでびっくりすると思いますが、遅くても抜いてくれるのであまり慌てず、自分のペースで安全運転をしましょう。
また、遠出したい時にはカーシェアリングやレンタルカーも安く利用できるそうで、学生や短期滞在者の多くが利用しています。
フレンドリーなベルギー人
今のところ、ベルギーで暮らしていてアジア人だからと言って差別を受けたという感覚はほとんどありません。鈍感なだけなのかもしれませんが、困っていたら手を差し伸べてくれるベルギー人が多いように思います。
「日本人は勤勉で清潔好き」と高評価してくれるベルギー人もいます。ですが、ずっと昔にベルギーに移住してきた方の話では、日本人に対する差別がレストランや近所でもあったような時代があるとのことでした。
そのような時もありながら、現在のような好印象を築いてくれた先人たちには感謝しかありません。
また、フレンドリーに関連して、ベルギー政府の移民に対する政策もとても寛大だと思います。
ベルギーに移住してきた外国人はなんと、語学学校でのオランダ語の授業が無料になります(手続き時にはベルギーに納税しているかを口頭で質問されました)。それだけではなく、ベルギー生活の手引きの講座も無料で開催しています。
移民に対してこれだけ手厚く援助してくれるベルギー政府を本当にありがたく感じます。
まとめ
ベルギーの良い所を探し始めると、たくさんあることに改めて気が付きました。個人的には、食や語学に興味がある人がベルギーに来ると、その魅力の虜になるのではないかと思います。
今回は紹介しませんでしたが、日本人サッカー選手も活躍するベルギーサッカーや、毎日飲んでも飲み切れないほどの種類を誇るベルギービールなど、まだまだたくさんの魅力があるベルギーに飽きることはなさそうです。
皆さんもぜひベルギーに1度足を運んでみてください。
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