南ドイツ・バイエルン最大の都市、ミュンヘン。経済的に安定しており、日本人の在住者や留学生も多い都市です。
9月の終わりから10月始めにかけて世界最大規模のお祭り・オクトーバーフェストが開催されることでも有名。ロマンチック街道の終着地に近く、観光地としても栄えています。
このミュンヘンの治安は、果たして良いのでしょうか。今回は、観光地・ミュンヘンの治安について徹底解析。日本人なら気をつけておきたいこと、近づくべきでない地域などをまとめました。
ミュンヘンの治安とは?
ミュンヘンの治安は、おおむね良好。ミュンヘンに限らず、ドイツ国内は他のヨーロッパの国々に比べて治安が良いとされています。ミュンヘンの治安はそんなドイツの中でも非常に良いようです。
スリや置き引きなども、南ヨーロッパに比べればはるかに少なく、警戒心を持ちすぎていると肩透かしを喰うかもしれません。
私の友人などは、電車内でリュックを背負っていたら近くのドイツ人に「チャックが開いてるから閉めなさい」とわざわざ教えてもらったほど……。
とはいえ、ミュンヘンも外国の都市。特にEU加盟国であり、シェンゲン協定によってパスフリーで移動できるため、ドイツには東ヨーロッパなどからスリなどの犯罪グループが出稼ぎに来ていることもあります。
日本と同じ感覚でいれば、運悪く犯罪に巻き込まれてしまう可能性も。それでは、どんなことに注意をすれば良いのでしょうか?
ミュンヘンで日本人が気を付けるべきこと
荷物から目を離さない
まず、ドイツだけでなく海外で気をつけていただきたいのは荷物を肌身離さず携帯しておくこと。日本のように、カフェなどでトイレに立つとき荷物を置いていくのは、欧米人にとって驚くほど「うかつな行為」です。
ミュンヘンの治安が良いといえど、そこまで警戒心がない人は悪い人に見つかってしまいやすいのです。自分の荷物から目を離さないのはもちろんのこと、貴重品は肩がけカバンやウエストポーチに入れて携帯するなど、盗られにくい工夫をしましょう。
人の多いところでリュックを背負っている、カバンの中身が見えているという状態も危険です。特に不特定多数の人が行き交う場所、観光地など人が多い場所ではスリや置き引きに注意しましょう。
人目につくところでお金をたくさん出さない
財布や札束などを手に持ちっぱなしにするのも日本人がしがちな行為。両替の後やキャッシュディスペンサーを使用した後、支払いをした後などはすぐにお金や財布をカバンにしまうことをおすすめします。
警戒心のなさに付け入られて、ターゲットにされないように自衛しましょう。
夜の繁華街で1人歩きをしない
ヨーロッパには、深夜まで営業するお店はほとんどありませんが、ミュンヘンは学生の多い町。
繁華街にはクラブやバーがいくつかあり、深夜に騒ぐ若者であふれています。お酒が入っている場合がほとんどなので、1人でフラフラしていると危険です。
特に女性は、繁華街でなくても、暗くなってからの1人歩きは避けましょう。
華美すぎる服装は避ける
日本人女性に多いのが、旅行先でオシャレに気合いを入れすぎてスリに目を付けられてしまった……というケース。特に高価な装飾品で着飾っていると狙われやすくなってしまいます。
スリや犯罪者にとっても「華美な服装のアジア人は日本人で、お金を持っているしカモにしやすい」という認識もあるようです。気持ちは分かりますが、オシャレはほどほどに。
ドイツに住むほとんどの人は、カジュアルなシーンでは女性も男性もラフな服装が多いので、周りに合わせても良いでしょう。冬などはアルプスに近いミュンヘンは極寒の地であり、あまり気合いを入れすぎると浮いてしまうことも……。
電車で寝ない
多くの外国人が日本に来て驚くのが「どこでも寝ること」。これはひとえに、日本国内の治安がそれほどに良好であることの証拠に他なりません。
しかし、ミュンヘンはもちろんヨーロッパでは危険な行為。電車内、公園のベンチ、駅や店などでうっかり眠ることのないように!
ミュンヘンの治安を注意すべき場所
ミュンヘンは治安が良く、困っていれば町行く人が助けてくれるほど助け合い精神にあふれた都市。それは冒頭でご紹介した通りですが、慎重に行動しなければならない地域も存在します。
ミュンヘン中央駅(Hauptbahnhof)周辺
旅行者にとっては利用せざるを得ない中央駅。しかし、この中央駅周辺は麻薬中毒者やホームレスが徘徊していることが多く、慎重に行動したい場所です。駅構内も入場にお金がかからないため、犯罪目的で入ってくる人もいます。
また、偽警察官も出没するらしく、外国人に対してパスポートやバッグを見せるように言ってそのまま持ち去るというケースも増えています。
不審に思ったら周りの人に助けを求めましょう。日本人よりも少しおせっかいなドイツ人ですから、必ず助けてくれます。
駅周辺のあまり綺麗ではない路地も、治安が良くないエリアですので、夜には避けるようにしてください。
マリエンプラッツ(Marienplatz)
ミュンヘン観光の中心地であるマリエン広場。ドイツ最古とされる仕掛け時計のある市庁舎やピーター協会、フラウエン教会などを目当てにした観光客の多い地域です。このように人が多い場所はスリの危険性も高まります。
特に、仕掛け時計が動く時間は多くの人が集まっており、動く時計を見上げていたらいつのまにか……ということもあり得ます。手荷物には十分な注意を払っておいてください。
また、マリエン広場は、ドイツ代表戦や地元サッカーチームであるバイエルン・ミュンヘンの試合日にサポーターが集まる場所でもあります。
その際、敵チームのサポーターとケンカが勃発したりということも稀にあるので、危険を感じたらすぐにその場を離れましょう。
ミュンヘンの華やかな祭りの裏でも事件発生中!
ミュンヘンは毎年多くの催し物が開れます。中でも有名なのはオクトーバーフェスト。
このビール祭り目当ての観光客もたくさんいますが、人が集まるところに犯罪あり。それぞれのお祭りと合わせて、注意すべきことを見ていきましょう!
オクトーバフェスト(Oktoberfest)
ミュンヘンのお祭りといえば、オクトーバーフェスト。世界最大規模のビール祭りで、市内中心のテレージエンヴィーゼ(Theresienwiese)という広大な敷地に、多数のドイツビール会社が巨大なテントを張ってビールを振舞います。
来場者数はなんと毎年600万人以上。さまざまなドイツビールや料理を楽しめるだけでなく、夜店のような雰囲気の出店や移動遊園地など、楽しめる要素が満載。
しかし、この時が最もミュンヘンで犯罪が起きる時期なのも事実です。来場者を狙ったスリが増えるので、オクトーバーフェストに行く際は十分荷物管理に気をつけてください。
また、ドイツ人来場者でも外国人来場者でも、お酒が入ることでハメを外しすぎてしまう人がいます。場所によっては乱行パーティーのような雰囲気になることもあるので、危険を察知したらその場を離れましょう。
特に女性はナンパにも注意してください。
クリスマスマーケット(Weihnachtsmarkt)
ドイツのクリスマスといえば、クリスマスマーケット。クリスマスマーケットは11月の終わりからクリスマスにかけて出店されるお店の集まりです。
寒空の下で温かいワインや料理を楽しんだり、クリスマスの装飾品を買ったりできる、楽しいイベントです。ミュンヘン市内でも、各地でクリスマスマーケットが開催されます。
しかしこの時期も、オクトーバフェストと同じくスリなどの犯罪が増えるので要注意。特に夜がメインとなるクリスマスマーケットですから、暗闇に乗じた犯罪が起こっています。警戒心を忘れない程度に楽しんでください。
ミュンヘンではテロへの警戒も忘れずに
近年、ヨーロッパにおいて大きな問題となっているテロ。ドイツ・ミュンヘンでもそれは例外でなく、警戒態勢が続いています。
2016年に起こったオリンピア・ショッピングモールでの銃撃事件は記憶に新しい事件であり、テロ事件ではないかという見方もされました。
また、ミュンヘンでは、過去にオリンピック中にテロ事件が起きています。これは、1972年9月5日のオリンピック開催中、パレスチナ武装組織「黒い九月」によりイスラエルのアスリート11名が殺害された事件です。
このように、ミュンヘンはドイツの中でも特に治安が良いとされていながらも、凄惨な事件が過去に起こっている都市でもあります。
現在ヨーロッパでは、劇的に変化する情勢と増える難民への対応として、テロへの警戒を強めています。
もともとドイツは賛否両論ある中で、すでに数万人の難民を国内に受け入れています。もちろん難民=テロリストというわけではないのですが、難民に紛れてテロリストがいつ入ってくるかも分からない状況となり、社会問題にまで発展しています。
テロに対する警戒で個人ができることには制限がありますが、まずはテロの起こりそうなところに行かないことが重要。必ず在ミュンヘン領事館などのホームページをチェックし、テロへの警戒警報が出ていないかを確認して出かけましょう。
日本人がミュンヘンに住む場合は、必ず在留届を提出してください。在留届の手続きは、ホームページからできるようになっています。
さらに、難民反対の過激なデモを行うような団体の活動も活発になっています。彼らは外国人排斥という意識も強いので、これらのデモ活動には絶対に近づかないようにしましょう。デモについても、領事館ホームページなどで確認できます。
- 在ミュンヘン日本国領事館ホームページ:http://www.muenchen.de.emb-japan.go.jp/jp/
まとめ:ミュンヘンの治安は良いけれど、日本にいる時のように行動してはいけない!
ミュンヘンの治安は冒頭で述べた通り、非常に良好です。市民は優しく世話焼きな人も多く、危なっかしい行動をしている日本人に忠告してくれることもあるほどです。
しかし、日本でも犯罪が日々起こっているように、ミュンヘンでも事件被害に遭っている人はいます。スリや置き引きなどの軽犯罪は日本より多いので、十分気を付けましょう。
これらを踏まえた上でしっかり対策をしていれば、素晴らしい景観と文化を楽しむことができますよ。
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