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インドネシアの辺境地、真珠養殖場で働く私の一日とは

真珠養殖場

美しい輝きをたたえた高品質の真珠を作るためには、透き通ったきれいな海の水が必要です。そのため真珠の養殖場というのは、できるだけ都市部から離れた島やその海辺に作られます。

私の働く真珠の養殖場も、そんな人知れないインドネシアの海辺の一つにあります。 

観光地や市街地から遠く離れた養殖場で働く日本人技術者は、例外なく住み込みの生活をしています。人によっては「監獄暮らし」などと例えることもある真珠養殖場、そんな場所で働く私の一日をご紹介します。

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目次

インドネシアで働く一日:起床~朝食

5:30 お祈りで起床

早朝の教会

養殖場での生活は毎朝決まってまだ暗いうちから始まります。というのも、インドネシアの田舎にある海辺の村の住民はほとんどが熱心なムスリム(イスラム教徒)なんです。

朝5時を過ぎると決まって「アザーン」と呼ばれる彼らのお祈りが、大音量でスピーカーから流れます。

村人いわく、「お祈りが月まで聞こえるように」というほどの大音量なので、否が応でも毎朝決まった時間にしっかりと起きる習慣がつきます。

そんなインドネシアの田舎村なので当然、現地の人たちは皆早起きです。主婦やおばあさんなどは毎日3時くらいには起きて朝市での買い物や料理を始めるそうです。

私も5時半には起きて寮の部屋を出ますが、それでも同じ寮内では日本人の私が一番遅いです。

6:00 朝ごはん

寮を出るとすぐに海岸なので、海辺に立ってその日の海の状況や風をチェックします。

その後、インドネシア定番の甘い甘いコーヒーを飲んで目を覚まし、おにぎり1個分程度のご飯が入っているナシ・ジンゴといわれる朝用お弁当を食べ、仕事に出るための準備に取りかかります。

インドネシアで働く一日:通勤~午前の仕事

養殖場

通勤は0分

このインドネシアの辺境地でも就業時間は午前7時から午後4時までの、休憩1時間を引いた8時間労働が基本です。

時間にルーズと思われがちなインドネシア人ですが、私が勤めている養殖場の従業員は滅多にこの朝の始業時間に遅れません。

というのも、日の出前に起きる暮らしが当たり前の田舎の人々なので寝坊などしない上、養殖場で働く現地従業員は一番近くの村の人々に来てもらって地域に雇用を生み出すようにしているため、通勤時間というものがかからないのです。

養殖場に住み込んでいる私も通勤時間は30秒です。

7:00前 仕事スタート

6時半には皆集まり、各々タバコなどを吸ってリラックスします。その従業員に作業の指示を出すのが私の役目で、主だった役割を持つ従業員を集めて簡単にその日の作業の指示と確認を済ませます。

その後、7時の始業時刻を待たずして海岸に留めてあるボートに乗り込み、皆一斉に海に出ます。一日の仕事の始まりです。

ボート

真珠の入っている真珠貝を海から引き揚げ、一つ一つ丁寧に汚れを落とす「貝洗い」や、海に潜ってロープやアンカーなどの施設をメンテナンスする作業、「珠入れ」という真珠の種つけなど、様々な作業をチームに分かれて行います。

ほとんどの作業を炎天下の海上に浮いたボートや作業小屋の上で行うので大変な重労働で、帽子やサングラスなどの日焼け対策も必須です。

9:30 甘いお茶で休憩しパワーを補給

インドネシア人と働く上で大切なのは、毎日決まった休憩時間を守ることです。9時半には必ず甘い甘いお茶とお菓子を用意して15分間のお茶休憩を取ります。

あまり糖分を取りたくない私は無糖のお茶やコーヒーを用意してもらいますが、インドネシア人にとっては定期的に糖分を摂取することが大切なようで、これがないと元気が出ないらしく遅れると文句が出ます。

インドネシアで働く一日:昼食~終業

12:00 お昼休みは30分

休憩後も作業を続け、午後12時にランチタイムになります。1人1人に油紙で包まれたインドネシアのお弁当ナシ・ブンクスが配られ、これも海の上に浮いた作業小屋で食べます。

インドネシアの人はご飯はスプーンなど使わずに手でつかんで食べるのですが、これも慣れてくると手で食べた方が美味しく感じるようになるから不思議なものだと思います。

昼食時間は30分と短めにしています。これは私の判断ですが、1時間もあると必ず昼寝を始める人が出てきて仕事を再開するときにもたつくことが多いのと、その分早く帰れるようになって従業員が喜ぶからです。

昼食は皆10分ほどで食べてしまうので、残った20分を使い作業小屋から釣りをして遊ぶ従業員が多いですね。

16:00 仕事終了

12時半から3時まで午後の作業を引き続き行い、終わると使ったボート、作業小屋などの清掃を始めます。

海で使ったものは毎日高圧洗浄機などできれいに清掃しなければすぐに臭くなったり、錆びたりするので掃除は念入りに行い、仕事場は清潔にするようにしています。

そして、午後3時45分までに陸に着けるようボートで帰ります。従業員は皆そのまま帰宅しますが、私はその後にだいたい1時間ほどパソコンに向かって、貝を管理するための表を修正するなどの事務仕事をして一日の仕事を終了します。

インドネシアで働く一日:仕事後の自由時間

17:00 夕暮れ前にシャワーと夕食

夕焼け

海の上で一日作業するので体は塩分でベタベタです。仕事が終わればすぐにシャワーを浴びます。お湯のシャワーはなく水シャワーですが、火照った体にはとても気持ちがいいです。

シャワーを浴びてさっぱりした後に夕暮れの近づいた海岸で海風に吹かれるこの時間が、私の一日で一番好きな時間です。

一日の肉体労働でお腹が減るので午後5時半には夕食をとります。賄いの女性が用意しておいてくれるのですが、だいたいがお昼の残りものです。

毎日同じようなメニューでは味気ないので、たまには近所で捕れたばかりの魚などをたくさん買って、従業員とバーベキューなどすることもあります。

魚

ただしイスラム教の影響が強い地域だけに、公にお酒など飲むことは禁止です。お酒が好きな私にはここが一番つらいところですが、基本的に養殖場で暮らしている間は自分に禁酒を課しています。

19:00 ジムでwork out!

ジム

毎日ではありませんが、海に潜ったりといったハードな仕事がない日には、養殖場からバイクで20分ほど走ったところにあるフィットネスジムに行って筋力トレーニングで汗を流します。

「インドネシアのど田舎にフィットネスジムなんてあるの?」と疑問を抱く方も多いと思いますが、インドネシアでは昨今フィットネスブームで、日本のジムと比べると小さくあまりきれいとは言い難いものの、どんな田舎の町にもたくさんのジムがあります。

真珠養殖の仕事はやはり体力が基本である上、仕事で同じような動きばかりしていると体のバランスを崩し、腰痛などの原因になります。そのため、最低でも週2回はジムに行ってバランスのいい体を作るために筋トレやランニングを続けています

21:00 部屋にこもってリラックスタイム

ジムからは午後9時には戻り、シャワーで汗を流した後は部屋でリラックスタイムです。

最近はこの田舎の養殖場にも携帯の電波が広がりインターネットが自由に使えるようになったため、youtubeで動画を見たり、SNSをチェックしたりして過ごします。また、日本人の友人の間で貸し借りする日本のドラマのDVDを見ることもあれば、本もよく読みますね。

22:00 翌朝に備えて早めに就寝

次の日も朝が早いので、できるだけ午後10時を過ぎたら眠るようにしています。ですが、DVDでドラマなんかを見始めてしまうとなかなかやめられず、午前0時まで起きていることもあります。

寮の部屋にはクーラーがないので寝苦しいこともありますが、一日しっかり体を動かした後の眠りは心地よいことが多いです。

インドネシア真珠養殖場での暮らしは「お寺での修行」

こうしてまとめてみると、真珠養殖場での暮らしというのは、早寝早起き・質素な食事と肉体労働という、かなり健康的でストイックなものだと思います。

先輩たちが「監獄暮らし」などと比喩するのにもうなずけますが、私は「お寺での修行」に近い生活だと思って前向きに日々を過ごしています。

この生活はある程度、孤独に強い性格と、食べ物や住むところにこだわりを持たないという適性が必要になってきます。いわゆる、ちょっとした変わり者ですね。

まとめ~地味な仕事にも魅力がある

インドネシアで真珠の養殖というと、ちょっとロマンチックな響きを感じる方もいるかもしれませんが、実際にはなかなか地味な毎日です。

それでも、この仕事には魅力があります。それは、海の中でイルカやジンベイザメと遭遇するようなサプライズが時々起こることと、毎日苦労して育てた貝を開いてみたら美しく輝く大きな真珠が出てくるときの喜びだと思います。

海外での真珠養殖にロマンを感じ、どんな場所でも暮らしていける!というのであれば、ぜひこの業界の門を叩いてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

海外就職・海外求人マッチングサービスGuanxiを運営しているIT企業。
世界各地をお仕事で飛び回っています。

世界各地で滞在し、見たもの、感じたもののリアルを届けます。

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