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インドネシアの辺境で働く真珠養殖業のとても優雅な休暇事情とは

ビーチ

私は真珠養殖会社の技術社員です。実は、インドネシアの中でも、誰も聞いたことがないような辺境の地で仕事をしています。

美しい真珠を育てるためには、海水がきれいで、年間を通して安定した環境に養殖場を作ることが条件です。その条件を満たす場所は、都市から遠く離れ人口もまばらな辺境地です。そういった場所で養殖場を運営することになります。

日本とも、家族とも、遠く離れて働くことになるので、人気の高い仕事ではありません。だからこそ働く人に不満が出ないよう、この業種には特別の休暇ルールが存在しています。

今回は、そんなインドネシア南洋真珠養殖業の休暇事情をご紹介いたします。

インドネシアの一般的な祝日と休暇事情

海辺

インドネシアはイスラム教、キリスト教、ヒンドゥー教、仏教と4つの宗教が国として認められています。それぞれの宗教ごとの祭日が全て国の祝日となります。

1年の中に祝日は、2018年現在16日。これは日本と同じ祝日日数で、世界的に見ると日本と並び第3位です。

多くの会社や官公庁は、土曜日、日曜日が休日です。さらに法律では、12か月以上勤務したものには、年間で12日間以上の有給休暇を保障すると定められています。

一般的な会社では、年間で14日間の有給が保障されています。有給休暇日数自体は、日本の平均である18日よりも短いです。

病気や怪我による欠勤は、病院の診断書が必要です。診断書に書かれた日数分だけ、有給とは別に欠勤が認められています。

細かい違いがあれど、休暇水準は日本とほぼ同じです。ただし残業は極力しないよう、配慮が必要です。また、残業代がつくからと言っても、やりたがる人はいません。

インドネシア人口の90%以上を占めるイスラム教徒の人々は、「イドゥル・フィットリー」と呼ばれる断食明けの祭りの前後に、祝日の2日間と土日と合わせて有給休暇を使います。

10日間ほど休んで自分の家族のいる故郷に帰るのが、一般的な長い休暇の習慣です。ここでほとんどの人が有給休暇の半分ほどを使います。

インドネシア人は、宗教行事や家族をとても大事にする国民性です。有給は宗教に絡んだ家族の行事、地域の行事に使う人が多いです。

時には「妻が熱を出したから。」など日本人の感覚ではびっくりするような理由で、有給を使う人もいます。

ですが当然、有給休暇は自由です。全ての社員が、お互い様といった感覚で、有給休暇を使います。休みを言い出すことが悪いといった雰囲気はありません。

真珠養殖業者の有給休暇は年間2か月

インドネシアの海

私の働く真珠養殖会社では、土日祝日が休みです。有給休暇に関しては、インドネシア人と日本人社員でルールが違います。

日本人もインドネシア人も1年勤務の後に有給休暇がもらえますが、日本人社員は1年勤務の後にはなんと、年間で2か月間、日数にして44日間もの有給休暇がもらえます。

この有給は1か月連続で取る必要があるため、真珠の収穫時期や、挿核という貝に真珠の核を植えつける仕事が忙しい時期などには使えません。

海のコンディションが安定せず仕事にならない雨季の12月、1月や、強風が続く8月などに取得することが多いです。

当社のインドネシア人の社員は、入社から12か月勤務後に、一般的なインドネシア企業よりも多い22日間の有給がもらえます。

これは真珠養殖の会社が全てというわけではなく、当社だけのルールです。日本人が長い有給を取得しているため、インドネシア人社員にも他社より多い有給を約束しています。

有給休暇が多い理由

水上ハウス

なぜこんなに休暇が高待遇なのかの理由は、南洋真珠の養殖がインドネシアで盛んに行われるようになった、昭和30年代まで遡ります。

昭和30年代には、日本の真珠(アコヤ真珠)は海外でも高値がつき、日本政府は外貨取得のための推進事業として奨励し、伊勢や志摩で業者が増え生産が増大します。

その生産増加にともなって、海は汚れ、貝は大量死を起こし、業界は大きなピンチを迎えることになりました。ですがそのピンチに大手の真珠会社は、技術と高度成長期で蓄えた資本を持って、東南アジアに乗り出しました。

戦前に、南洋に分布する白蝶貝という貝を使っての真珠養殖は研究されていたため、真珠会社は日本だけで生産を続けていくリスクに対するマネージメントとして、フィリピン、マレーシア、インドネシア、オーストラリアに進出したのです。

美しい真珠を育てるには、汚染のないきれいな海水と、安定した環境が必要です。ですので、真珠の養殖場というのは、発展途上国であるインドネシアの中でも、誰も知らないような、辺境の地に作られることになりました。

当時、真珠養殖の技術は、日本人以外には門外不出とされていました。現地の作業員も雇いますが、真珠の核入れや、収穫といった大事な工程はすべて日本人技術者だけで行っていたそうです。

会社の命令で海を渡った私の先輩方は、家族とは遠く離れ、当時のことですから携帯電話もインターネットもなく、日本の食材もなく、手紙すらまともに届かないような地で、毎日同じものを食べ、日本から持ってきた雑誌を穴が開くほど毎晩眺め、暮らすことを余儀なくされていました。

このような事情から、真珠養殖技術者の仕事は5か月勤務、1か月帰国休暇と、相場が決まりました。その習慣は今の真珠会社にも引き継がれています。

当時とは状況が違うとはいえ、やはり辺境の地で単身働くことになります。外国人たった1人というような精神的に辛い状況に置かれても、年間で2か月の休暇を楽しみに、辺境の地での仕事を乗り切ることができるような仕組みになっています。

休暇の過ごし方

えび

土日の休暇の場合は、養殖場の寮やその近辺から動くことはありません。1人誰もいなくなった養殖場で、たまった事務処理を片付けることもあれば、釣りや趣味の水中銃などで魚をとったり等の遊びもします。

やる気が起こらない時には、部屋でネットをしたり本を読んだりして2日間を過ごすこともあります。はっきり言って仕事をしてたほうがましだと感じます。

これが近くでサーフィンでもできれば話は別なのですが、真珠養殖は穏やかな海でないとできませんので私の一番の趣味であるサーフィンとは相性が悪いのです。

祝日があるときには、ありがたいことにも会社の方針で、土日と祝日をつなげて連休にできます。

4日間の連休ともなると、国内線の飛行機を使ってバリ島にある家に帰り、家族と過ごすこともできます。日本の単身赴任で、地方にいるお父さんのような状況です。

半年に一度の1か月休暇ですが、夏場の休暇は日本に家族で帰国するか、近隣の国に2週間の旅行に出かけます。

私の家があるバリ島からは、LCCの飛行機を使えば運賃2万円少々と4時間ほどの時間で、タイ、カンボジア、マレーシア、スリランカなどの東南アジアの国々に比較的簡単に旅行することができます。

インドネシアの国内だけでも、数え切れないほど行ってみたい場所があります。

丸々1か月の休暇があると、お金の制約さえなければ、世界中の行ってみたいと思うところにはどこにでも行くことができます。そう考えるだけでも、不思議ととても豊かな気分になれます。

年末年始に取得する1か月の休暇は、日本も寒いため、バリ島で、家族や友人と一緒にゆっくりと過ごすと決めています。

朝から夕方まで子供と一緒に過ごしたり、妻の料理を食べるという、何気ないことが続く毎日というのも、普段辺境地暮らしの私にとっては、精神衛生上とても大切な時間です。

ただこの有給休暇も入社後、最初の1年間は取れませんし、その次の1年間もまだ仕事的に未熟という理由で、取ることは自粛しました。このあたりの空気を読む感覚は、やはり私もまだまだ日本人だと思いました。

休暇中、仕事はどうなっているのか?

サンセット

私の仕事は養殖場の管理というのが、大きな役割でもあります。もちろん休暇中にどうなっているのか心配に思うこともあります。

基本休暇中は、必要最低限の業務しかしないような体制にしていきます。真珠の仕事の場合ですと、真珠の収穫などの大切なスケジュールはいれませんし、報告が必要になるような、新しい試みなども行いません。

1日に1度10分程度の電話で養殖場の天候や、貝の状態、作業の進捗状況を確認するだけです。何があってもいいよう、予備の資材などの準備はしっかりと確認したら、思い切って休んでしまいます

従業員も普段口うるさい日本人がいなくなって、のびのび笑いながら仕事をしているのではないかと想像し、それも悪くないのではと思っています。

休暇のための準備を全て整えた後、養殖場を出て、1か月の休暇のために帰路につく時のあのワクワクする、足が浮くような気分は、夏休みを迎える日の小学生の時と同じ気分です。

世界の長期休暇の職業と比較

ビーチ

見方によってはとても恵まれた休暇事情の真珠養殖という業種ですが、他の業種でも私のように、一度に長く休みを取れるような仕事が、世界には存在するのかを調べてみました。

  • オーストラリアの炭鉱業:採掘をする辺境地に勤務して、1週間仕事、1週間休みが基本シフト。有給休暇はそれとは別に年間30日。
  • 日本のカツオ一本釣り漁師:各地の港に寄るものの、10か月間操業、2か月間休み。
  • ベーリング海のカニ漁師:3か月間の操業で年収1000万以上稼ぎ、9か月間休み。

やはり休暇の長い仕事というのは、辺境の地で働くことになる、きつい肉体労働というのが相場のようです。

TVのドキュメンタリーなどで、こういった仕事はよく取り上げられて、それを観る方々にはとても恐ろしい仕事のような印象を与えています。

私自身この仕事に就くまでは、電気もろくに使えない辺境の地で何ヶ月も働くというのはやはり覚悟が必要でした。

しかし経験してみると、人間ができることには限りがあり、楽しみのないところでは人間は働いていけません。どんなに辛い仕事でもそれに見合った楽しみと、見返りがあって仕事は成り立っているものだと感じました。

まとめ

「日本人は休みが少ない。」とはよく言われることですが、実は祝日は多いですし、年間休日数では世界に比較しても少なくありません。正確には「日本人は連休が取れない。」のではと思います。

働き方、休み方はそれぞれの価値観ですが、私は集中して働いて、集中して休み、遊ぶというスタイルが好きです。

今の仕事も、有給休暇2か月という項目に魅力を感じて就職しました。休暇をきちんと使えるようになるまでには、時間もかかりました。

家族や、現代的な暮らしと遠く離れた辺境の海辺で精神を消耗するときがあったとしても、1か月間仕事と離れて、子供と遊んで過ごしたり、行きたいところに時間の気兼ねなく行けるような、今の暮らしはやはり素晴らしい環境だと思って過ごしています。 

海外に出れば、日本では考えなれないような働き方がたくさんあります。長い休みが取れない日本の働き方に疑問を感じている方がいましたら、是非日本の価値観の外に飛び出てみましょう。

自分の理想とする働き方、休み方、あなただけののライフワークバランスを探してみてはいかがでしょうか?

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投稿者プロフィール

インドネシアはバリ島へ移住して10年。妻と二人の子供と暮らしてます。

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