インドネシアで10年!支え合って暮らすインドネシア人の仕事と人生に対する考え方

インドネシア人 インドネシアでの働き方

南国インドネシアはそのイメージ通りに1年を通して温暖で、お米にも果物にも困ることのない豊かな自然に恵まれた国です。そんな土地に暮らしてきた人々と日本で生まれ育った私たちとでは、当然考え方は違ってくるものです。

私はインドネシアで10年暮らし、インドネシア人と共に働き、プライベートでも交流をあたためてきました。そこで今回は、私から見たインドネシアの人々の働き方、そしてちょっとユニークな仕事やお金に対しての考え方をご紹介します。

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インドネシア人にとっての優先順位第1位は宗教

インドネシア人

私たち日本人にとって、人生における優先順位とはどのようなものでしょうか?家庭を持つ年代ならば1番に「家庭」をあげる方が多いでしょう。しかし、実際の生活ではどうしても「仕事」が中心になってしまうのが現実です。

インドネシアの人々にとって人生で優先すべきものはまず「宗教」です。次に「家族」、そしてようやく「仕事」「お金」です。宗教観が希薄な私たち日本人には理解しにくい部分ですが、宗教国家と言われるインドネシアでは宗教を中心に人生を考えるのが一般的なのです。

したがって、仕事のために宗教上の儀式や家族の行事をおろそかにする人は少ないです。そして、年齢を重ねるほど、また都市部よりも地方に行くほど、この傾向が強くなります。

宗教は日本人にとっての仕事と同じ?

私たち日本人の中で、仕事とは家庭を守るためのもの、また経済的に豊かに暮らすためだけのものと割り切っている人は少ないと感じます。仕事に「生きがい」や「人生の意味」を見出そうと必死になっている、だからその姿が世界の人には「日本人は勤勉すぎる」と映るのでしょう。

この日本人にとっての「仕事」を、インドネシアの人々の「宗教」に置き換えれば理解しやすいと思います。

「仕事に真摯に取り組むことで、経済的にも精神的にも安定し、家族も穏やかに暮らすことができる」と考えるのが日本人です。一方、「神様が決められたルールに従って生きることで、調和が保たれ、家族や周りの仲間たちも穏やかに暮らすことができる」と考えるのがインドネシアの人々なのです。

インドネシア人は日本人以上に村社会で生きている

インドネシア人

歴史的に農耕民族とされる日本人は、調和を大切にし共同作業をして暮らす社会を形成してきました。しかし、一方でそれは、人の顔色をうかがう、目立ちすぎないようにするなど「村社会的な悪しき習慣」を生じることにもなります。

実は、インドネシアではこういった傾向が日本よりもっと顕著です。日本人と同じく農耕民族であったインドネシア人ですが、日本と異なるのは言葉も違う多くの民族が共存してきた歴史があることです。

そのため、村や同族に対する帰属意識が強く、都市部であっても同じ島の出身者同士が集まって暮らすような地区が多くあります。

派閥づくり、根回しがスタンダード

社内などで派閥やグループをつくりたがる傾向は、日本のそれよりもさらに明らかです。また、目立つ人の足を引っ張るほか、陰口なども多いです。

仕事上ではリーダーの指示に従順に従います。自分の意見などを公に言うような人は少ないですが、根回しが得意です。インドネシアで長く暮らしている人は、「インドネシア人は皆が政治家みたいなものだ」と揶揄したりします。

インドネシア人はシンプルな指示系統を好む

戦士の彫刻

インドネシアには300年以上もの間、オランダに統治された歴史があります。オランダ統治時代には有名な「愚民政策」が行われ、90%以上を占める労働者階級の人々に教育が施されることはありませんでした。

外国人のリーダーが農地や工場のすべてを取り仕切り、現地の人々はその指示に従って黙々と働くことで生活を保障される暮らしをしてきました。 

その名残りを現代の会社組織の中でもはっきりと感じることができます。上に立ち指示を出す一人のリーダー、その下で職務を遂行する労働者という、いたってシンプルな組織になっています。

日本のように、係長、課長、部長といった複雑な上下の命令系統にはなじめないようです。 

インドネシア人にとって副業は当たり前

魚

インドネシアの人の大半は、会社員でも公務員でも副業をいくつか持っています

田舎の人ならば、近くの工場に勤めながら農業をやっていたり、週末や休日だけ漁師になったり、ココナッツの実を都市に売りに行ったりするような人もいます。

都市部だと、ご主人は勤めながら奥さんと小さな食堂や雑貨店を経営するケースもあります。また、街中であっても牛や鶏などを飼い、食材生産者である人もいます。

最近ではオンライン・バイクタクシーなどの新しい副業が流行っていて、空いた時間に皆、マイペースで副収入を稼ぎます。

副業は人生を自由に生きる鍵

貧富の差が極端なこの国で平均的な暮らしというのは示しにくいのですが、平均月額賃金であれば2018年現在、日本円にして約23,000〜33,000円です。

このデータだけでインドネシアを見ると、貧しい暮らしのように感じてしまいます。しかし、実際はどこの家庭も賃金とは別に同程度の副収入を得て暮らしています

このような働き方であるからこそ、インドネシアの人々は日本のように会社に忠誠を誓う必要もなく、とても自由に生きていけるのです。

インドネシア人は貯蓄しない、お金があれば仕事もしない

インドネシアの人々

インドネシア人にとって、土地が売れたり娘がお金持ちと結婚したりすると、勤めは辞めて副業だけでのんびり暮らすというのが理想の生活のようです。

また、銀行などで貯蓄する習慣も考えもありません。貯蓄はよほどのお金持ちか、ケチのすることだと思っています。

そして、インドネシア人にとって、他人からケチと思われることは貧乏と思われるよりも屈辱です。貯め込んでいると噂されることは最も避けなければならないことなのです。

イスラム教の教え「富めるものは貧しいものに分け与える」

仕事というのはインドネシア人にとって、あくまで現金収入の手段です。そのため、お金がたくさん入るようなことがあると仕事を辞めてしまう人が多いです。

たくさんのお金が入れば、貯蓄ケチと噂されないためにもすぐにその使い方を考えて、ぱっと使ってしまいます

その考え方や行動は、「富めるものは貧しいものに分け与える」というイスラム教の教えに沿うものとして、インドネシアの経済発展に大きく寄与しているとも言われています。

まとめ~みんなが平等に暮らせることこそが幸せ

インドネシアでは、日本のように国が最低限度の生活を保障する社会保障制度が導入されたのはつい最近です。まだすみずみまで行き渡っていない現状があります。

しかし、国民が自分を幸せだと思うかどうかで比較した「世界幸福度ランキング2017」(アメリカ世論調査会社ギャラップ・インターナショナルとWINによる共同調査)では、インドネシアは世界で4位に入っていました。

ここでは、家族同士、村人同士がお互いに支え合って暮らしています。誰か一人が競争に勝つのではなく、皆が平等に暮らしていけることこそがインドネシアの人々の理想なのです。

そういった考え方が、この国の人々の穏やかな笑顔をつくっているのでしょう。

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