ニュージーランドの医療・保険制度とは

病院 オセアニア移住

海外に住むことが決まったら知っておきたいのが、その国の医療・保険制度ですよね。住む国によって異なり、ある程度の知識があるととても便利です。

私の住むニュージーランドの医療・保険制度も、日本とはかなり異なります。予期せぬ事故や、体調を崩したときに慌てることが無いように、事前にリサーチしておくとやはり安心感が違います。

今回はニュージーランドに実際に住む上で、知っておくと安心できる医療・保険制度について紹介します。1NZドル=73.800円(2019年1月)

ニュージーランドの医療システムとは

ドラックストア

ニュージーランドはホームドクター制度を導入しています。どんな症状でもまずは、GPと呼ばれる町医者を受診します。(※歯科はGPではなく歯科医へ受診します。)

GPで症状が回復しない場合や、専門医に見てもらう必要性があると判断された場合は紹介状をもらい、専門医で受診することが可能になります。交通事故や緊急の場合は紹介状に関係なく、緊急外来を受け付けている公立病院での受診となります。

レントゲン撮影や血液検査などを行う検査機関もあり、ニュージーランドの医療機関は大まかに下記の様に分かれています。

一次医療機関

  • GP
  • 薬局
  • 検査機関
  • 歯科医院

など

2次医療機関

  • 専門医

公立病院・私立病院

GPとは

クリニック

GPとはGeneral Practitionerの略称で、ニュージーランド国内に3,500程存在します。基本的には登録制で、住んでいる地域に関係なく選ぶことができます。

予約制

ほとんどが予約制度を取り入れています。

私の住んでいるエリアは田舎町でGPはありません。移住当初、自宅から一番近い町のGPに登録しましたが、予約制ではなく受診のたびに何時間も待つことがありました。

友人に相談すると、GPによってドクターの在籍数も異なり、予約制とそうでない場合があるそうです。ほかにも、私の家族にアレルギー疾患者がいますが、アレルギー疾患に特化したGPも知人に紹介してもらいました。

もちろん電話帳やヘルスラインへの問い合わせでも自分にあったGPを見つけることができますが、一番は近所の方や知人におすすめのGPを聞くことだと思います。

登録無料

GPは無料で登録でき、いつでも変更することが可能です。GPでの患者の情報は健康省を通じて共有できるシステムで、変更の際も面倒な手続き等はありません。

もちろんGPに登録せずに受診することも可能ですが、登録したGPでの受診には割引があります。私のGPでは登録の有無で50%近くも値段が異なります。そして担当医の性別なども選ぶことができます

また、定期健診、子どもの予防接種などのお知らせもGPからメールで送られてくるので、登録するのがおすすめです。

ヘルスライン 電話番号: 0081611116

GP検索サイト:http://www.yourlocaldoctor.co.nz/

GP受診料

お金

受診するGPによっても受診料は異なりますが、1度の受診で20ドルから70ドル程度の支払いが必要になります。

休日料金

処方箋代は1品で5ドル程度です。休日などに受診する場合は、休日料金が上乗せされます。

子供料金

子どもに関しては、現在は13歳未満の場合は医療負担がなく無料ですが、GPによってこの制度を取り入れていない場合もあるようです。

無料のGPでは、日本のように後で支払った受診料を返金するシステムではなく、受診ごとに支払いがありません

※2018年12月から13歳未満から14歳未満からに法改正になります。

専門医の受診

医師

専門医で受診をするためにはGPからの紹介状が必要になり、公立病院、私立病院での受診を選ぶことができます。

公立病院

ニュージーランドの公立病院は国内に40程あります。市民権、永住権、2年連続のワークビザの資格を保有している場合は、専門医による公立病院での医療費は一切かかりません

その分、予約が取りにくく受診までにかなり時間がかかります。中には数カ月待つ人もいますし、順番待ちリストにも入れてもらえない場合もあるんです。

実際に待たされているうちに、病状が悪化して死に至ってしまったケースもあったそうで、ニュースなどで大きく取り上げられていました。

私立病院

私立病院の場合は医療費にかかる全ての金額が患者負担になります。私は過去に1度、私立病院で専門医に見てもらった経験があります。

専門医に受診するために検査機関にてレントゲン撮影(150ドル)をしました。検査結果は直接検査機構から専門医に送られます。

専門医ではそのレントゲンを見ながら問診と触診のみでした。約5分の診察でしたが、300ドル近い金額になりました。

GPに比べ、専門医での受診はかなり高額です。実費で受診料金を払える場合や、私のように個人加入の保険で支払いが可能な場合は待つことなく予約が取れます。

ニュージーランドの医療保険

保険

ニュージーランドの医療費は日本に比べ、やはり高額です。病気になった場合は素早く診察してもらうのが理想ですが、公立病院ではなかなか難しいのが現実です。私立病院の場合は予約まで待つこともなく、スムーズに受診できますが、医療費がとても高額になります。

医療保険加入のメリット

そんな時に医療保険に加入していると、高額な医療費の心配なく、迅速に専門医に診てもらうことができるので安心です。そのため私の知人も含め、ニュージーランドではほとんどの人が医療意保険に加入しています。

医療保険加入資格

ニュージーランドで医療保険に加入する際は条件などもあり、現地の医療保険に加入できるのは、公的医療を受ける資格がある場合のみだそうです。

つまり市民権、永住権、2年連続のワークビザの資格を保有していることが前提となります。あとは、加入ができても補償内容などがニュージーランド人や永住者などとは異なってくるそうです。

旅行、留学、ワーキングホリデー、長期出張など帰国が前提の滞在の場合は日本で医療保険に加入するのが一般的のようです。

移住が目的の場合は、渡航する前に日本で海外旅行保険に加入し、その後現地の医療保険や職場提携の医療保険にシフトしていく日本人が多いです。

日本語通訳サービス

通訳

移民の国ニュージーランドでは、ほとんどの医療機関で無料の翻訳サービスをしています。GPなどで予約を入れる際に通訳希望の旨を伝えます。当日予約する場合は難しいですが、前日でも通訳を入れてくれます。

オークランドには日本人の医師がいるGP、日本人歯科助手が在院する歯科医などもいくつかあり、言語が不安な場合はそういったところを調べておくと安心です。

ほかにも日本語で病院予約から実際診察時の通訳などのサービスを行っている会社や、領事館のHPにもいざという時に無料で相談できる機関の記載があります。ぜひ参考にしてください。

日本人医師在院GP:http://www.eastmed.co.nz/

オークランド領事館サイト:https://www.auckland.nz.emb-japan.go.jp/

イーストウィンドメディケア通訳サービス:http://www.eastwind.co.nz/medicare/

ACC制度とは

医師

ニュージーランドにはACC(The accident compensation corporation )と呼ばれる医療制度があります。

所有ビザに限らず旅行者でも永住者でも国内の事故による怪我などに対し、一部の医療費を国が負担してくれるサービスです。交通事故のような大きな事故はもちろん、火傷、転倒などによる捻挫、怪我なども対象になります。

ACCにサイトに詳しい記載がありますが、怪我により通勤できなくなった場合も最大80%の給与を負担してくれるなど、かなり手厚いサービスが受けられます。

通常は事故により病院を受診した際に、病院とACC間でのやり取りがあります。保障が認められると、治療にかかる費用の一部、もしくは全額がACCが負担するシステムです。

まとめ

ニュージーランドに住むと決まったら早めにGPに登録するのがおすすめです。海外で自分の健康状態を全て把握してくれるホームドクターを持つということは、非常に心強いことです。

また、安心して海外で生活する上では医療保険などへの加入(日本で入っていく海外旅行保険も含めたものでしょうか?)も必要不可欠だと思います。

そしていざという時、「知らなかった」「どうすればいいの?」と混乱しストレスを感じないように、医療・保険制度について普段から意識して調べることも重要だと思います。

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記事を書いた人
makick

ニュージーランドの大学生活、インターシップ、アルバイト、就職経験し日本に帰国。
日本で約10年間の社会経験後、数年前に子連れでニュージーランド移住し現在は育児に奮闘中!

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