これからワーキングホリデーを利用してカナダで働こうと考えている人も少なくないと思います。そして、カナダで働くことに不安を持っている人も多いはずです。お給料の仕組みや労働・生活環境など、できれば渡航前に知っておきたいですよね。
私はモザイク都市トロントで働いた経験があります。そこで、渡航前に知っておくと安心できるカナダやトロントの情報を、その魅力や日本との違いとあわせてご紹介します。
きっと渡航前の不安が減り、行くのが楽しみになると思いますよ。
※1カナダドル=約88円
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カナダで働くことは発見の連続
カナダと日本の違いで私が慌てたのは、たとえば給料が小切手だったこと。
トロントのブティックで働くのが夢だった私は、トロント中のブティックを訪ね、100枚以上の履歴書を配って自分を売り込みます。晴れて第一志望のブティックで販売員として採用され、2016年から2017年の1年間働いていました。
給料は日本と同じように銀行に振り込まれると思い込んでいて、日本とは違う受け取り方だということを初給料日に知りました。
仕事を始める前に知っていれば不安になることもなかっただろう、そう思ったことがたくさんあります。それでは、そんな事柄を一つひとつご紹介したいと思います。
カナダと日本では給料の支払い方法が違う
では早速、私が戸惑ったお給料の話から始めます。
給料は2週間に1度
日本では、お給料は月に1度支払われることが一般的ですが、カナダは違います。カナダでは2週間に1度、お給料が支払われます。
貯金が苦手な私ですが、月に2回給料が出るので計画的に貯金することができ、月末に金欠になる心配もなくなりました。
カナダでは給料が小切手
上で述べたように、カナダではお給料は現金で振り込まれるのではなく、小切手を渡されます。
小切手をもらったら銀行に持って行って振込依頼をするか、自分で自分の口座への振込手続きをします。私は毎回、給料日に小切手を銀行の窓口に持って行き、振込をしてもらっていました。
ちなみに、トロントの銀行には通帳はありません。ネットから口座残高や振込履歴などを確認するようになっています。そのため、小切手からの振込手続きもATMやネットを使って行います。
自分で手続きする場合の注意点
ただし、ATMやネットからだとまれに振込が反映されなかったり、祝日をまたぐ場合は振込が遅くなったりすることがあります。
私がわざわざ銀行の窓口に行っていた理由は、振込予定を把握できるからです。銀行の受付で小切手を渡せば、何日にいくら振込されるかきちんと教えてくれるので安心できます。
また、レシートをもらえるため、万が一振り込まれていなくても小切手を渡したことをきちんと証明することができます。
カナダのサービス業はチップで生活費がまかなえる?
チップは、レストランなどで受けたサービスに対して支払うもの。カナダでサービス業に就くと、お給料とは別にチップをもらうことができます。
サービス内容により料金の0~15%以上
通常、料金の10〜15%程度の額をチップとして支払います。例えば、レストランでの食事の料金が50ドル(約4,400円)の場合、チップとして5〜6ドル(約440〜520円)程度を料金とは別に支払うことになります。より良いサービスを受けた場合は、さらに上乗せするのが一般的です。
日本人にとってチップ制度はあまり馴染みがないと思いますが、チップを渡さないと失礼にあたってしまうので、相応の額を渡しましょう。
ただし、あまりにもひどいサービスの時は10%以下、またはチップなしの場合もあります。サービスが悪かった時は、一言伝えるのも手だと思います。
美容師の友人はチップだけで生活可能
美容師としてトロントで働いている私の友達は、1日に100ドル(約8,800円)以上のチップがもらえるそうです。ちなみに1日6時間、週5日ほどのシフトです。彼女曰く、生活費はチップだけでまかなえるので、お給料は旅行のための貯金にまわしているとのこと。
また、ネイリストやマッサージのお仕事も繁忙期には1日に100ドル以上のチップがもらえるみたいです。ネイリストやマッサージの仕事は免許や経験がなくてもできるので、興味がある人は挑戦してみてください。
アルコールを扱う店も狙い目
バーやレストラン勤務の場合は、特にディナータイムにより多くのチップをもらうことができます。平日はレストランのウェイトレス、週末はバーでサーバーとして働いている人も見かけます。
カナダはアルコールの値段が高いので、その分、客が支払う料金も上がり、チップをより多くもらうことができるそうです。
稼ぐためにトロントに行く人は、チップが多くもらえる働き方をおすすめします。
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[/col][col][/col][/2col]カナダでは年齢や性別で人を判断しない
履歴書には年齢や性別を記載しない
日本では履歴書に年齢や性別を書きますが、カナダの履歴書にはこれらの情報を書く必要はありません。
私もトロントで仕事を探す際、年齢、性別、国籍を書かずに履歴書を作成し提出、ボスとの面接でも年齢やどこの国から来たかを聞かれることはありませんでした。
カナダでは年齢、性別、国籍などを採用の基準にすることはないのです。私自身、トロントに来て差別を受けたことはありません。移民大国であり、多様なことが当然で違いに寛容なカナダは外国人にとって働きやすい環境なんですね。
毎年、女性の権利向上をアピール
International Women’s Day(国際女性デー)というのを知っていますか?毎年3月8日、女性の地位や権利の向上を啓発する日で、カナダでは毎年、女性を中心としたデモが起こります。
トロントではこういったデモなどはよくあることです。ただし、ニュースで取り上げられるような、ケガ人が出たり乱闘が起こったりするような暴力的なものではなく、平和的なデモです。
ちょっとしたパレードのようなものだと私は感じました。海外のデモは暴力的で近づかない方がいいと思っていましたが、トロントで経験したデモは、想像とはかけ離れていました。
カナダのトロントは国際色豊かな都市
私のボスはフランス出身のカナダ人、同僚はポーランドをバックグラウンドに持つカナダ人でした。
彼らと、フランスとカナダの生活の違い、フランスと日本の英語教育の違い、結婚までの道のり、日本の文化などの話をする中で、新しい発見がありました。
3カ国語マスターは当たり前
ボスの子どもは小学4年生にして、すでに英語・フランス語・中国語の3カ国語をマスターしているらしいです。
ボスの奥さんは中国人なので中国語は身近なのかもしれませんが、他の子どもたちも3カ国語は当たり前のようです。移民が多い国なので、英語に両親の母語を加えて複数の言語が話せることは当然なのですね。
カナダでもkawaiiが定着
来店されるお客さまも十人十色です。日本のファッションについて話す機会もあり、日本のkawaii(かわいい)ファッションはカナダでも有名だということが分かりました。そして、日本式のかわいいコーディネートを提案するととっても喜んでくれました。
日本人気の実際を知ることができ、もっと多くの人に日本について興味を持ってほしいと思うきっかけにもなりました。
カナダの銀行では日本ならあり得ないことが起こる
トラブルを避けるためには、カナダのマイナス面も知っておく必要があります。日本の銀行とカナダの銀行では対応がまったく違います。
預けたお金がない?
以前に一度、預けたお金が口座からなくなっていたことがありました。焦った私はすぐに銀行に向かい、状況を確認しました。でも、窓口の人は解決策が分からないの一点張り。
預けたお金がなくなることにはもちろん、その対応にも驚かされました。上の人を呼んでくださいとお願いすると、やっとのことで支店長らしき人がやって来て「こちら側の手違いなので調べます」。
そして、10ドル札、20ドル札、50ドル札をそれぞれ何枚入金したか教えてほしいと言われました。でも、その時に限って大金を入金してしまったので、覚えているはずもありませんでした。
お金は戻るも連絡や謝罪はなし
結局、だいたいの枚数を伝えると、分かり次第連絡しますとのこと。
後日、口座を確認すると、なくなっていたお金がきちんと戻っています。しかし、連絡は一切ありませんでした……。
日本ではあり得ないですよね。私だけでなく、友達も似たような経験をしていたので、これから渡航する方は気を付けてください。
カナダでは祝日は働かない
祝日はお店も休み
日本では年中無休のようなお店が多く、祝日にも営業していますよね。
しかし、カナダの祝日はほとんどのお店が営業しません。営業していても、時間を短縮するのが一般的です。そのため、私も祝日は早く仕事を切り上げていました。
祝日はほとんどのお店が閉まっているので、予定を入れるときはカレンダーを確認することをおすすめします。
クリスマスは家族と過ごす
私がトロントにいたクリスマスの日は12〜15時まで働き、お店を閉めて退勤しました。ボスは家族と過ごすために、早くお店を閉めるようにしていました。
カナダには家族を第一優先にする文化があります。「日本もそんな文化になってほしい」私はつい、つぶやいてしまいました。
日本のクリスマスはイルミネーションを見たり、外出してイベントに参加したりするような過ごし方が多いと思いますが、カナダでは家族と過ごすことを大事にしています。
クリスマスの街は、お店はほとんど閉まって買い物もできません。買い物はクリスマスの前に済ませるので、街には人影もありません。
日本とはまた違った休日の過ごし方も経験してみてくださいね。
まとめ〜ローカルショップで働けばその土地を深く知れる
せっかくカナダで働くのであれば、地元のお店がおすすめです。ローカルなお店であればあるほど人脈も増え、新たな発見があります。
英語でのやり取りが難しいこともあると思いますが、モザイク都市トロントなら多彩な考え方に出会うことができ、視野を広げてくれるはずです。
これからワーキングホリデーに挑戦する皆さんが、多くの人に出会い、カナダやトロントで働く魅力を存分に知っていただけたらうれしいです。
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