私はカナダの大学に正規学生として留学していたのですが、その間に地元のフィッシュ&チップスのお店で1年半アルバイトをしていた経験があります。
カナダでは大学やカレッジ、専門学校に留学している学生に、週20時間までの就労を許可する学生ビザが発行されます。苦学生にとってはとてもありがたい制度です。このビザをフルに活用して、夏休みなどの長期休暇を中心に仕事をしていました。
そんな私が、カナダのお店でアルバイトをすることになったいきさつを詳しくご紹介します!
フィッシュ&チップスのお店で雇われるまで
カナダに渡航したのが5月で、仕事探しを始めたのは6月頃。ちょうどその頃は、授業を終えた学生が夏休みのアルバイトを始める時期で、すでに求人募集は終了していました。
普段ならWe’re hiring.(スタッフ募集中)という張り紙が店頭に貼られていますが、このときはもうどこも雇い終わった様子でした。
初めのうちは片っ端からお店に飛び込んでは直接履歴書を手渡していましたが、受け取ってはもらっても連絡が来ない毎日でした。門前払いをされることもありました。
ネット求人
バイトを探すのはもう辞めようと諦めかけた矢先、ネットでたまたまフィッシュ&チップスの求人を見つけたので、即応募しました。この求人が載っていたサイトはindeed(インディード)でした。
この他にもcraigslist(クレイグズリスト)やUsedVictoria(ユーズドビクトリア)などの求人サイトでも多数の求人情報が随時更新されていたので、そちらも同時にチェックすると選択肢の幅が広がると思います。
フィッシュ&チップスのお店のホームページのリンクが求人サイトに貼ってあったので、そこから飛んで個人情報や希望勤務日数、性格などを記入して応募が完了しました。翌日には電話がかかってきて、面接の日程を決めました。
インタビュー
周りのアルバイト経験者から、面接時に志望動機や自分の長所・短所、スケジュールを詳しく聞かれるよと聞いていたので、入念に準備をしていました。ただ、面接当日に聞かれたことは「週に何時間働ける?週末はシフトに入れる?」だけでした。
その場でトレーニング期間やお店のシステム、給与、シフト管理などを教えてもらい、翌日にまたお店に来てねと言われて面接は終わりました。
夏の一番忙しい時期に人手不足だったのか、あっさり仕事が決まりとてもラッキーだったと思います。こんなに簡単にバイトが決まることは珍しいと思うので、参考程度にしてもらえたらと思います。
フィッシュ&チップスを選んだ理由
フィッシュ&チップスのお店に初めて面接で訪れた際に、スタッフが和気あいあいと仕事をしている姿が印象的でした。同じ世代のカナダ人スタッフが多かったことも後押しになりました。
また、もともと接客業を希望していて、そのお店は観光客がたくさん訪れる有名な場所だったことも決め手となりました。マネージャーも気さくな方で、私の大学のスケジュールにも柔軟に対応してくれました。
3月から10月下旬までの期間限定のお店だったので、時間に余裕のある夏はほぼフルタイムで働いて、授業が始まる9月からは週末だけ勤務していました。
時給もブリティッシュコロンビア州の最低時給よりも高く設定されていたので、生活費を少しまかなうことができてよかったです。
仕事のポジション
私はフロントスタッフとしてお客さんからオーダーを取り、受け渡しカウンターで出来上がった料理を提供する仕事をメインにしていました。お客さんと一番接する機会が多いポジションだったので、高い英語力と接客力を求められました。
ただ、スーパーバイザーが傍について接客の際に気を付けるポイントを丁寧にひとつずつ教えてくれたので、スムーズに仕事内容を覚えることができました。
何よりも大変だったのは、お客さんの食物アレルギーへの対応でした。揚げ衣にはグルテンが含まれるのかの質問や卵が含まれていないソースが欲しいなどの要望を正確にシェフに伝え、希望にあった料理を提供するのに当初苦戦しました。
カナダで仕事をしてよかった点
求められる人材は国によって様々です。日本では、マニュアル通りのおもてなしが最優先で、正確さとスピード感を持って仕事ができる人が重要視されます。一方、カナダではお客さん一人ひとりにあった柔軟な対応力と会話力を持つ人が重宝されます。
毎週お店を訪れてくれる常連さんのご夫婦がいたのですが、カウンターで話をする中でご主人がフィッシュ&チップスをタルタルソースではなくてマヨネーズにつけて食べるのが好きなことを知りました。
特別にマヨネーズを添えて料理を提供したときに「ここに来るのが毎週の楽しみになったよ。ありがとう!」と声をかけてもらいました。他のスタッフにも対応力の高さを褒めてもらえたのが嬉しかったです。
カナダ人の仕事に対する姿勢
カナダ人は基本的に仕事に対して真面目です。責任感が強い国民性なのか、途中ですっぽかして仕事を辞める人はいませんでした。バイト歴が長い人が多かったこともあって、頼りになるスタッフばかりでした。
仕事への意識は日本人と共通する点がいくつかあったので、カナダ人と働いていても、日本人と一緒に働いているような感覚でした。
タイムマネージメント
バイト先にはタイムカードがあり、スタッフは勤務開始時にログインするのですが、ほとんどの人は5分前にはすでに持ち場についていました。遅刻するスタッフはほとんどいませんでした。
それに加えシフトもアプリで管理されていて、誰がどの時間に働くのか一目で分かるシステムだったことで、問題も特になく、安心して働くことができました。
また休みたい日があれば、2週間前までに事前にアプリで連絡すれば O.K.。比較的スケジュールの融通が利く職場でした。
給与が払われなかった!などのトラブルに巻き込まれたケースも耳にしたことがありますが、幸い私のアルバイト先はそういうことがなかったので、恵まれた環境で仕事ができたのだと実感しています。
徹底されたホスピタリティー
「常に最高品質のフィッシュ&チップスを提供する」ことをモットーにしていたので、お客さんの料理の満足度アップとスタッフへの教育には熱心でした。
食べ終わったお客さんからの感想やフィードバックをもとに、どうしたらもっとよいサービスを提供できるのか、マネージャーはいつも意識していたように思います。
接客中に気が付いたことがあれば、仕事の途中でもアドバイスをもらいました。基本的な報告、連絡、相談もスタッフ間で徹底されていたので、クレームにも迅速に対応できる体制が整っていました。
カナダでのアルバイトを通して、日本とは異なるホスピタリティーを学ぶことができました。
まとめ
海外で働くのは敷居が高いなと思う人もいるとは思いますが、決してそんなことはありません。カナダはワーホリや留学生には人気のある国で、海外での就労を考えている人には最適な場所だと思います。
カナダ人はおおらかな人が多く、滅多なことでは怒りません。英語に苦手意識がある人でも、働く意欲と努力さえ見せれば、後ろからフォローしてもらえるはずです。案ずるより産むが易し!
海外求人
あなたの挑戦を待っている!あこがれの海外企業へ就職しよう(海外求人)
カナダで就職・転職するには?日本人がカナダで働くための12のポイント
【カナダ求人】未経験からでもカナダを狙える転職エージェント・転職サイトまとめ
あわせて読みたい