オーストラリアへ移住する前に!日本ですませておきたい手続きとは

オーストラリア 就職・転職

オーストラリアの永住ビザを取得してから、日本を出発した私と夫。ビザをもらったのが5月で、ビザには翌年2月中旬までに入国しなさい、という指示がありました。実際に引っ越したのは翌年の1月24日でした。

真冬の東京から真夏のメルボルンへ移動して、誰も知らない、どこも知らない街で、私たちは生活を立ち上げました。永住権を取ったからには、最低でも10年、長かったら一生、日本に戻らない覚悟でした。

そのために、日本を出る前に、各種の手続きや準備に追われました。今回はオーストラリア移住前の手続きや準備の詳細と、最終的に用意して良かったもの、用意する必要がなかったものなどを振り返ってお伝えします。※参考:1オーストラリアドル=約80円 (2019年1月現在)

オーストラリア移住前にしたこと  

富士山

オーストラリアの永住権が取れて、日本を離れることが正式に決まってから、出発までは、ほぼ半年ありました。逆に言うと、半年しかありませんでした。その間に、私達は家族や職場への通知、さらにさまざまな手続きをしなければなりませんでした。

公務員の私と、外資系IT会社の技術者である夫、という人から見たら恵まれた職場で働いているのに、どうしてそんなことを、と引き留めようとする人たちを説得しながら、いろいろな手続きをしました。

以下に順を追って書きます。

親類の説得

これが一番の難題でした。親の世代は「移住=日本で食べられない人がすること」というイメージが固まっていたので、それを変えてもらうことは、簡単ではありませんでした。

出発まで半年の時間をかけて、ゆっくり根気よく説明したところ、最後には「やりたいことなら、やりなさい」と、泣きながら母に言われました

その泣き顔を見ながら「親を泣かせてまで行くんだから、オーストラリアで辛いことがあっても、前向きにがんばろう。そして、目標を1つ1つクリアしていこう」と心に決めました。

何を持参し、何を現地で購入するか大まかに決める。

家具は、全部現地で買う方がいいのかも、と思いましたが、買うのも出費、しかも日本側で家具を捨てるにも費用がかかります。現地ですぐに、自分たちが気に入るものがあるかもわかりませんでした。

そこで私達は「できるだけ家具は持参する」方針を立てました。

国際引っ越し業者に見積もりを依頼する

「できるだけ家具は持参する」と決めたので、2社の国際引っ越し業者に声をかけて、荷物量をみてもらい、見積もりをもらいました。

2社の見積もり結果はほぼ同額だったので、それなら日本も現地も一貫して輸送、据え付けまでしてくれる、日通さんにお願いすることにしました。

輸送費用は見積時には90万円、実際には120万円ほどかかりました。そんなに高額なら現地で買った方がいいのでは?と思われるかもしれません。

でも実際にオーストラリアへ行ってから家具の価格を見たところ、同じ分量を揃えるとしたら、輸送費用と同額ほどかかることがわかりました。特に思い出のある食器類などは手放したくなかったので、持参して良かったと思います。

勤め先に退職の打診をする

夫は11月末で、私は12月末で退職をさせてもらいたい、と申し入れたのが8月でした。後の引継ぎを考えると、そのくらい早く申し入れてよかったと思います。

生命保険、賃貸契約などの解除申し込み

それまでかけていた生命保険の解約や、借りていたマンションの退去通知を9月初旬から行いました。

クレジットカードの1本化VISA

クレジットカードも複数持っていましたが、年会費も馬鹿にならないので、1枚だけ残して全て解約しました。

オーストラリアではVISA、Masterはどこでも使えますが、AmexやJCBは使えない場所が多いので、持参する場合にはVISAかMasterをおすすめします。

銀行口座

私は既に当時のシティバンク(=今はプレスティア)に口座をもっていましたので、それ以外の口座にあった資金を、全てシティバンクに集中させて、初期の生活費をそこから引き出すことにしました。

シティバンクは残高が100万円以上あれば、口座管理料も引き出し手数料も必要ありません。現地の銀行ATMで、そのままオーストラリアドルで引き出し可能なので便利でした。

日本で買える海外仕様の家電製品を購入

オーストラリアの家電製品事情が全く分からなかったので、とりあえず、白物家電を除いた家電類でオーストラリア仕様のものを購入し、引っ越し荷物に加えました。

具体的には、テレビ、ビデオデッキ(当時はDVDがまだ主流ではなかったので)、オーディオ、変圧器2台、電子レンジを送りました。炊飯器は到着してすぐに使うことを想定して、手荷物にしました。

メルボルンのコンドミニアムを契約

オーストラリアに行った直後は、ホテルは割高なのでコンドミニアムに滞在することにして、日本の旅行代理店経由で2週間の契約をしました。キッチン・バス付きの1ベッドルームで1泊110ドルでした。

電気・水道・ガスの契約終了日通知

引っ越し日が具体的に決まった時点で、電気・水道・ガスの契約終了日を通知しました。

国際免許の取得

オーストラリアは車社会なので、国際免許を持参しました。国際免許で運転してもいい期間は、州によって異なります。私が引っ越し先に選んだビクトリア州は、国際免許で運転できる期間は最初の3ヶ月だけでした。

その後は、筆記と実技試験を受けて、オーストラリアの運転免許に切り替えることが必要でした。国際免許は車の運転だけでなく、国外から来た、という証明にも役立ちます。多少費用はかかっても取得しておくことをおすすめします。

社会保険事務所での手続き

夫は会社員でしたので、社会保険の解約手続きを、社会保険事務所に出向いてしました。社会保険がその時点で切れるので、国民年金と国民健康保険をかけるために、次には市役所に行って、それぞれの加入手続きをしました。

また年金手帳を無くすと困るので、その他の貴重品と一緒に一つの箱にまとめて持参しました。

準確定申告

夫が11月末に退職したため、年末調整ができなかったので、12月に入ってから税務署で準確定申告を行いました。税務署の職員さんが手伝ってくれたので、難しくはありませんでした。

国民健康保険の解除、国民年金の払い込み免除の手続き

夫は11月末で会社を退職したので、出発する1月までの間、つまり12月と1月は国民健康保険と国民年金の対象者になりました。その加入手続きと掛け金も支払いました。

私は12月末で退職したので、1月だけ国民健康保険、国民年金の対象者となり、その手続きと掛け金を支払いました。

出発1週間前に、海外引越のため、と言う理由で国民健康保険は止めて、また年金も払い込み免除の手続きをしました。国民年金は海外移住のためであれば、支払わない、という選択ができます

支払っていない間は「みなし期間」とされます。「0円を支払った」とみなされて、その期間も年金を受給するために必要な、最低20年の支払い期間に入れてもらえます。

ただし、支払額は当然少ないので、年金をもらえるようになっても、全額の支給はありません。それでも、これまで掛けた年金がゼロになることは無いので、必要な手続きをすることをおすすめします。

住民票の異動

引っ越し日より前に、余裕をもって住民票をオーストラリアへ異動させました。

車を義弟に預ける

オーストラリア生活には、車は欠かせないことはわかっていました。そして現地で販売されている車がほとんど輸入車なので、価格が高いことも調べてわかりました。

そのため、私達は車を個人輸出しようとしたのですが、在日オーストラリア大使館は、外務省の管轄で、輸出入は商務省の管轄に分かれていました。

そのため、大使館では車の個人輸入について詳しいことはわからない、と言われてしまいました。そこでオーストラリアに到着してから、個人輸入の手続きをとろう、と考えました。車は、しばらく義弟にあずかってもらうことにしました。

引っ越し荷物の箱詰め

壊れ物は損傷保険の対象になるので、業者さんにまかせるのですが、自分達でできる本や調理器具などの箱詰めを始めました。

スーツケース・手荷物のまとめ

引っ越し便で送るものは、船便で、通関作業も必要なため、3月初旬にならないと手元に届かないとわかりました。そこで、荷物を2つに分けました

持参するスーツケースにはすぐに必要な夏物の服、本、辞書などを詰め込み、さらにコンドミニアムで使う炊飯器などを手荷物としてまとめました。

オーストラリア移住前に用意して良かったもの

花

家具類

引っ越し代金がかかる、と思うかもしれませんが、実際に初期には車のない状態で、現地で家具を購入するのは大変だったと思います。

基本的に無料の配送サービスがない国なので、家具を買ったら、自分で持ち帰ります。それには車が必要ですから、車がなかった当初は難しいことでした。

また、家具のサイズも微妙にオーストラリアのものは大きいのです。持参した家具類は、自分達向けのサイズですから使いやすく、快適でした。

食器類

私は陶器や食器の趣味がありましたので、日本から持参して良かったと思いました。

本も重くてかさばりますが、読書が趣味の私としては、本のない生活は考えられませんでした。100冊以上持参しましたが、2年ほどですべて繰り返し3回は読み返したので、持参して良かったと思います。

オーストラリアは、本屋さんがあまり充実していない印象を受けました。Amazonで取り寄せることも可能でしたが、送料がかなりかかるので、ひんぱんには使えませんでした。

そこで帰省するたびに、古本屋さんで文庫本を中心に買い、段ボール箱に詰めて船便で送りました。

飲みなれた薬、抗生物質入りの目薬・軟膏、ホカロン

オーストラリア人と日本人は、体の大きさや体質に違いがあります。例えばオーストラリアの痛み止めで代表的なPanador(パナドール)は、私には強すぎて規定量の半分で十分でした。それでも吐き気がするので、あまり使えませんでした。

またオーストラリアでは、平熱が37℃とされています。例えば私が37.5℃で発熱だと思っても、医師からは「それは平熱の範囲ね。え?平熱が36.5℃?それが低すぎるのよ。もっと運動しなさい。食べなさい」と言われました。

これほど、人種によって違いがあるということは、驚きでした。そんな時、なんとなく持って行った常備薬類がとても役に立ちました。

またオーストラリアは、国の保健政策で、抗生物質を簡単には処方しない、販売もしない方針なので、日本で売られているような抗生物質の入った目薬や、切傷用の軟膏は購入できません。持って行って大いに助かりました。

このほかホカロンは、現地には存在しないので、風邪の引き初めに背中に張って、症状が酷くなるのを防ぐことができました。

炊飯器

持参した家電の中で、最も良かったものは炊飯器です。オーストラリア産のコシヒカリも、美味しく炊いてくれました。

オーストラリアで買おうとしても、昭和のころのような時代遅れの簡単な炊飯器しかなかったので、持参して良かったです。

オーストラリアに到着してしばらくは、週末ごとにレンタカーの生活をしましたが、その後、個人輸入で愛車を取り寄せました。積み出しの横浜港まで、もっていってくれた義弟のおかげで、ようやく私たちも便利な生活ができるようになりました。

オーストラリア移住に用意する必要がなかったもの

不必要

海外旅行保険

Medicare(メディケア、国民健康保険)のシステムがよくわからず、歯科や専門医にかかったら全額自己負担、と聞いていました。そこで、お守り代わりに海外旅行保険を半年分かけて出かけました。

結局、海外旅行保険は1回使っただけで、それもただの捻挫でしたから、Medicareで十分対応可能でした。また、風邪や腹痛などの場合はG.P.(ジー・ピー、一般医)に行くのですが、それは到着してすぐに加入できたMedicareが使えます。

オーストラリアは日本と医療システムが大きく違い、日本のように自分で「あ、これは皮膚科だな」と判断して皮膚科の専門医に行く、ということはできません。整形外科や眼科、婦人科なども同じです。

これらの専門医にかかるには、まずG.P.に行って、そこで手に負えない場合だけ、紹介してもらいます。そのため専門医に行く、ということ自体が稀でした。ですからMedicareが使えない、と言ってもそんなに心配することはありませんでした。

海外旅行傷害保険の掛け金はかなり高かったので、これは用意しなくてもよかったものの筆頭です。

炊飯器以外の家電製品

テレビやオーディオは、現地で買っても、日本で買うものとそんなに性能に差はありませんでした。また価格も現地生産できるせいか、思っていたよりも安かったので、持参する必要は無かったと思います。

公的手続きは忘れずに(税や保険、年金、住民票に関すること)サイン

日本を出る前にするべき手続きは煩雑ですが、とても重要なものばかりです。特に税や保険、年金、住民票に関することは、後から気がついても、手続きのためだけに日本に戻ることは難しいので、もれなくしておくようにしましょう。

例えば、国民健康保険の脱退手続きをしないと、いつまでも未払い扱いにされ、請求の山になります。国民年金も同じことです。私たちは国民年金を払い続けることはやめました。

住民税は1月1日現在で、住民票がある人に対して、その前年の所得に応じて課税されます。「今年はオーストラリアにいます」と言っても、免税になりませんので、注意が必要です。私たちは住民税分を、日本の銀行口座に残して出発しました。

あなたがどの位の期間、オーストラリアにいる予定なのか、そして日本側で手伝ってくれる親族がいるか、によって準備は多少変わりますが、いずれにしても公的な手続きは早めにきっちりとすることをおすすめします。

まとめ

カレンダー

日本を出発する前には、ただでさえ慌ただしい中で、様々な手続きが必要です。時期が来ないとできないこともたくさんあります。例えば、まだ会社勤めをしているのに、社会保険を辞める手続きはできません。

最後になってパニックにならないように、早めにやりたくてもできないものが多い、と実感しました。全部を自分達だけでするのですから、手続き漏れが無いように、スケジュール管理をするのが大切です。

私達は特別な「準備カレンダー」を作って進行管理していました。みなさんも、年金や税金について手続き漏れが無いように気を付けてくださいね。

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