長期や短期の滞在に関わらず、スウェーデンで、携帯サービスの利用を開始することはさほど難しいことではありません。複雑な契約手続きなしで、SIMカードの購入が可能です。
SIMカードを購入した後は、自分で携帯にセットし、サービスをすぐに開始できます。SIMフリーの携帯さえあれば、日本から来たばかりでも、到着したその日から現地の人と同じように携帯を使えてとても便利です。
今回は、スウェーデンでの携帯SIMカードの購入や利用方法、スウェーデンのキャリアについてご紹介したいと思います。※1スウェーデン・クローナ=約13円(2018年12月)
記事の目次
スウェーデンの携帯サービス利用方法
SIMフリー携帯持参でキャリア直営店へ
まず始めに、スウェーデンで暮らす私が、どのように携帯サービスの利用を開始したかをお話ししたいと思います。
スウェーデン生活を始めるにあたり、まずは、日本のアップルストアでシムフリーのiphoneを購入し、こちらに持ってきました。
そして、スウェーデン到着後、スウェーデン最大のキャリア、テリア(Telia)の直営店に行きました。そこで、SIMカードを購入し、使用のための設定をしてもらいました。
スウェーデンの携帯業界で最大手として信頼でき、ネットワークもつながりやすいという口コミからテリアを選びました。
携帯はプリペイドで使用が便利
SIMカード購入後は、プリペイドタイプのマンスリーセットプランを利用しています。
ストックホルムでは、カフェ、レストラン、図書館などの公共施設など、多くの場所でフリーWi-fiが充実しています。そのため、月々のデータ使用量は比較的少なく抑えられます。
現在私が利用しているのは、テリアの通話料・SMS送受信無料、データ2GB、30日有効で199SEK(日本円で約2600円)というセットプランです。これを30日ごとに買い足して利用を続けています。
データは、足りなくなったときに、追加でチャージすることもあります。データの追加は0.5GBで49SEK(日本円で約650円)で購入することができ、データ量をまとめて多く購入する場合は割安になります。
月の携帯代は日本円で約2600円ほどになります。物価が高いスウェーデンでも、通信費に関しては比較的リーズナブルに利用できると感じています。
スウェーデンの携帯キャリアとは
IT先進国のスウェーデンでは、通信事業も盛んで、キャリアも複数存在します。その中でも、SIMカードの販売を行っているキャリア大手は、以下の4社があげられます。
- Telia (テリア)
- Comviq(コンビック、Tele2グループ)
- Telenor (テレノール)
- 3 (トゥリエ)
それぞれに、サービスの特徴や利用料金も異なります。この中からどこのキャリアを選んで良いのか迷ってしまう方も多いと思うので、以下に参考にして頂きたいことを、まとめてみました。
スウェーデンの各キャリア通信速度・使い勝手の比較
通信速度
スマホ利用をする際に、通信速度を重視する人も多いと思います。スウェーデンのキャリア4社の最大通信速度を比べると、テリアが100Mbit/s、コンビック80Mbit/s、テレノール40Mbit/s、トゥリエが64Mbit/sとなっています。
あくまでも、最大通信速度ですが、比較からは業界最大手のテリアが、最速のオンライン利用が可能となっています。
トップアップのしやすさ
プリペイドSIMの場合、データや通話料がなくなったときにトップアップ(チャージ)することが必要となります。スウェーデンでは、プリペイドのトップアップが、それぞれのキャリアのサイトやアプリなど、オンラインで行うことができます。
オンラインでトップアップする場合、テレノールはスウェーデン国内で発行されたクレジットカードのみ使用可能となっています。つまり、外国のクレジットカードではトップアップはできません。
スウェーデンのクレジットカードを持っていない場合は、駅の売店などに行き、トップアップ手続きをします。旅行者など短期滞在者でスウェーデン国内のクレジットカードを持っていない方は、不便を感じるかもしれません。
海外ローミング
トゥリエのプリペイドSIMカードは、スウェーデン国内でのみ使用可能なため、海外ローミングができません。周遊旅行でヨーロッパを回る方、スウェーデン在住者でヨーロッパの国々へ旅行に行く方には、ローミングができる方が都合が良いでしょう。
トゥリエはスウェーデン以外で、スウェーデン国内と同様に携帯を使いたい方には不向きかもしれません。
こうしたことからも、まわりでは、テリアやコンビックを利用している人が圧倒的に多いです。
スウェーデン最大のキャリア(テリア)
広範囲なサービスエリアと使いやすい速度
テリアはスウェーデン最大のキャリアで、独自で4Gを提供しており、そのカバーエリアは広範囲に及んでいます。他のキャリアがカバーしていない地域、特にスウェーデン北部や都市部から離れた場所でも広く利用できるのが特徴です。
プリペイドタイプでも、4Gネットワークを利用することができます。4Gを利用できるので、通信速度が早くて使いやすいのが特徴です。
EU諸国でローミング可能
プリペイドSIMであっても、EU諸国で、スウェーデン国内と同一料金で通信・通話をすることができます。
その背景に、EUで2017年5月に施行された、携帯に関する法律があります。「EU内では、他国にいても自国にいるのと同じようにローミングを可能にし、海外ローミング代を別途請求をしてはいけない」と定められています。
テリアのプリペイド携帯をEU諸国でローミングするためには、オンラインでの手続きが必要です。その際には個人識別番号であるパーソナルナンバー(Personnummer)を持っていることが前提となります。
セットプランの値段
テリアのプリペイドマンスリープランは、パッケージが最小で30日間、60回分の無料通話、SMS送受信無料、データ通信0.5GBが99SEK(日本円で約1300円)で利用できます。
(キャンペーンの実施などによって、値段や内容は変更する場合もあります。)
- ホームページ https://www.telia.se
スウェーデンのプリペイド携帯の先駆け(コンビック)
プリペイドサービスの先駆者
コンビックは、スウェーデンで携帯事業とケーブルテレビ事業を手がけるテレ2傘下のキャリアです。コンビックは、スウェーデン初の携帯のプリペイドサービス事業者として設立されました。その後の合併により、テレ2のグループ会社となりました。
プリペイドサービスの先駆者だけに、比較的広範囲なカバーエリアや、安定した通信速度を低価格で提供しています。また、テリアやテレノールなど他のキャリアとネットワーク共有することで、より良いサービスを低価格で実現しています。
EU諸国でローミング可能
コンビックもテリア同様に、プリペイドでもEUで、スウェーデン国内と同一料金で通信・通話をすることできます。
プリペイドSIMを購入後、自動的にEUでのローミングができるようになっています。(プリペイドのウィークリータイププランでは、ローミングは使用できません。)
セットプランの値段
プリペイドのマンスリープランでは、30日間、通話・SMS送受信無料、データ通信5GBまで145KR(日本円で1900円)から利用できます。(キャンペーンの実施などによって、値段や内容は変更する場合もあります。)
- ホームページ https://www.comviq.se/
スウェーデンでのSIMカードの入手方法
SIMカードはスウェーデン語で、コンタントコート(Kontantkort)と言います。SIMカードを入手するには、いくつかの方法があります。
各キャリアで直接申し込む
SIMカードは、各キャリアのホームページからオンラインで申し込むことができます。オンラインで申し込んだ場合、SIMカード代が無料となります。
ただし、オンライン申し込みでは、パーソナルナンバーが必要となります。オンライン申し込みしてから数日で、SIMカードが自宅のポストに届き、自分でアクティベートします。
テリア、テレノール、トゥリエは地下鉄グリーンライン、ハートリエット(Hötorget)駅近くに、隣接する形で直営店があります。コンビックには直営店がありません。
直営店でSIMカードを購入すると、アクティベートまでやってもらえます。テリアの場合は、直営店でプリペイドSIMカードを購入する場合、別途100SEK(日本円で約1300円)必要となります。
街中のコンビニや駅の売店で購入
また、コンビニ(7-Eleven)、駅の売店(Pressbyrån: プレスビューロン)などでも購入できます。
SIMカード代は45SEK〜49SEK(日本円で約590円〜650円)で販売されています。通話・データ通信は、SIMカード代とは別売りです。
コンビニや駅の売店で購入する場合は、パーソナルナンバーやIDカードは必要ありません。ほとんどの場合、店員さんが英語で対応してくれます。
トップアップ方法
有効期限が切れてしまったり、データを使い切ってしまった場合はオンラインで、トップアップ手続きができます。キャリアのホームページか専用アプリを使うのが便利です。
通話・SMS送受信・データ通信のセットのプランは、ファーストプリス(Fastprist)を、データのみ購入する場合は、スールフ(Surf)を購入します。
また、コンビニ、駅の売店でもトップアップをすることができます。
レジで支払い後、自分専用に割り振られた番号が書いてある控えをもらいます。控えに記されているキャリアの専用ダイアルにコールし、割りふられた番号を入力したらチャージ完了です。
SIMカード料金の月極とプリペイドの違い
月極契約は長期滞在者向けで新端末購入時のみ
新しい携帯端末を購入する際には、各キャリアと月極契約をすることで割引で購入することができます。日本と同じように、契約期間を設けることによって、携帯端末が割引で購入できる仕組みです。
ほとんどのキャリアが2年という期間を設けています。契約前に、途中解約ができるかどうかなど、条件を確認することをおすすめします。
携帯端末本体には、スウェーデンでは、消費税25%が課税されます。月極契約による割引きが適用されても、場合によっては、同じ端末を日本で購入するより高くなってしまう可能性があります。
長期滞在者でもプリペイド 送金アプリも利用可能
SIMカードは1度取得したら、変更する必要がなく、同じものをずっと使用できます。私は長期滞在中ですが、SIMフリーのiphoneをプリペイド式でずっと使用しています。これまで、特に不自由することなく日々生活しています。
スウェーデンの銀行口座を持っている人に対して、バンクID(Bank ID)というオンライン個人認証IDが付与されます。
このバンクIDを用い、携帯番号のみで自分の銀行口座から、指定した電話番号の相手の銀行口座へ送金ができるスウィッシュ(Swish)というアプリがあります。スウェーデンではかなりメジャーなアプリです。
わたしもよくこのスウィッシュを利用しますが、プリペイドタイプの携帯番号でも、問題なく利用できます。
短期滞在者も気軽にプリペイド利用可能
スウェーデンに短期で滞在される方でも、街中のコンビニや駅の売店で簡単にSIMカードを購入できます。パーソナルナンバーやスウェーデン国内の銀行口座の有無に関わらず、わずらわしい手続きなしで、サービス利用が即可能です。
EU内のローミングもスウェーデン国内と同一料金で行えます。スウェーデン以外のEU国を周遊するときへ使用の幅を広げられます。
プリペイド携帯の使用は短期滞在者でも在住者と同じネットワーク環境で、手軽に利用できるサービスとなっています。
まとめ
スウェーデンではこのように、簡単にSIMカードが購入でき、長期や短期の滞在に関わらず携帯サービスが利用しやすくなっています。
そのために必要なのは、日本から持ってくるSIMフリー端末の対応周波数を確認しておくことです。
携帯端末自体の周波数や通信世代(2G、3G、4G)がスウェーデンで対応できるかを、事前に確認しておけば、こちらに来てすぐに携帯を使うことができます。ネットでもスウェーデンの周波数帯を調べることができます。
スウェーデンはネットワークサービスが充実していて、しかもそれがリーズナブルに利用可能です。SIMフリー携帯を持っていれば、とても重宝すると思います。
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