アイルランドには、英語を勉強するために色々な国から多くの語学留学生がやって来ます。そうです!みなさんがご存知の通り、アイルランドは英語圏の国です。
しかし英語は第2言語で、第1言語は今でもアイルランド語(ゲール語)です。アイルランドに来ると、道路標識や看板などいたる所でアイルランド語を目にしますし、英語に溶け込んでいる単語もあります。
実際はアイルランド語を知らなくても困ることはありませんが、知っていればよりアイルランドを理解できると思います。
今回は、アイルランド語についてと、知っていると便利なアイルランド語を紹介します。
アイルランド語の概要
アイルランド語とは
アイルランド人はもともとはアイルランド語を話していましたが、700年以上イギリスに支配され、アイルランド語を話すことを禁止されていました。話している所をイギリス兵に見られたら、暴行されることもありました。
英語は強制的に使わされた言葉でしたが、今となっては英語は世界の共通語ですし、仕事をしていくためにも必要不可欠です。英語はアイルランド語より簡単ということもあり、アイルランド語は次第に衰退していきました。
しかし、母国語がなくなってしまったら、今までの文化や思想もなくなってしまいます。そこで政府は、近年になってようやくアイルランド語復興に力を入れるようになります。
アイルランド語は必須科目
アイルランド語の教育
アイルランドの学校では、5〜18歳までアイルランド語は必須科目です。実は、30代以降の人々はアイルランド語の授業が好きじゃなかったと口を揃えて言います。
授業内容がつまらないだけでなく、アイルランドはイギリス支配やじゃがいも飢饉と悲しい歴史ばかりなので、歴史を学びながらアイルランド語を学ぶのは、暗い気持ちになったそうです。
では、現在の子供たちはどうかというと、政府が力を入れていることもあり、授業内容も見直されて、以前よりも楽しく学べているようです。
それでも、アイルランド語は難しい言語です。13年間学んでも話せるようになる人が少ないのが現状です。日本の英語教育にちょっと似ていますよね。日常で使う機会がないので、忘れてしまうのが問題だと言われています。
先生になるなら、アイルランド語はトップレベルが必要
アイルランドで学校の先生になりたいなら、アイルランド語は避けて通れません。大学を決める際のテスト(リービング・サート)で、アイルランド語は英語、数学と並んで必須受験3科目です。
アイルランド語の成績がトップレベルじゃないと、教職免許が取れません。アイルランド語が苦手な人は、先生になるのは大変なようです。
アイルランド語が話される地域:ゲールタクト(Gaeltacht)
現在はアイルランドの100%に近い人が英語を話していますが、今でも2〜3%だけ日常的にアイルランド語を話している地域があります。
その地域はゲールタクト(Gaeltacht)と呼ばれ、アイルランド語保護地区になっています。1番大きなエリアは、西部のコネマラ地方です。
ゲールタクトでは学校の授業もすべてアイルランド語で、英語は勉強しません。なので、ゲールタクトに住んでいる人の中には、英語を話すことはできても文法など細かいことはわからない人もいます。
アイルランドの中高生たちの留学場所
夏休みになると、アイルランドの中高生たちは3週間〜1ヶ月ほどゲールタクトにアイルランド語を勉強しに行きます。アイルランドに住んでいるのに、同じ国に留学するのはなんとも面白いことですよね。
この間はアイルランド語漬けです。ホームステイをしながら、ハイキングなど色々なアクティビティを通してアイルランド語をグループで学びます。
看板や標識で使われているアイルランド語
アイルランドに来たらすぐに気づくと思いますが、道路標識は英語とアイルランド語の両方が表記してあります。ほかにも、店の看板やレストランのトイレなど、いたる所でアイルランド語を目にします。
ここでは、町のあちこちでよく見かけるアイルランド語を紹介します。
- Eire(エーラ):アイルランド
- Baile Átha Cliath(バラー・クリーア):ダブリン
- Corcaigh(コールキー):コーク
- Gaillinh(ガリム):ゴールウェイ
- Gaeltacht(ゲールタクト):アイルランド保護地区
- Fáilte(フォルチャ):ようこそ
- Slán(スローン):さよなら
- Slán abhaile(スローン・ナワリャ):気をつけてお帰りください(Safe home)
- Go mall(ゴ・マール):ゆっくり(Slow)
- Bus Éireann(バス・エアレン):アイルランド・バス
- siopa(ショッパ):店
- Fir(フィア):男
- Mná(マノー):女
レストランやパブのトイレは、アイルランド語のみの表記のところも多いです。たいていは絵で判断できますが、Mná(女)は英語のmanと似ているので、トイレへ行く際は間違えないように!
英語に溶け込んでいるアイルランド語
テレビやラジオのニュースでよく聞くアイルランド語や、日常的に英語に混ざっているアイルランド語もいくつかあります。特に政治関係の言葉はアイルランド語のままです。
- Gaeilge(ゲールガ):アイルランド語
- Taoiseach(ティーショク):首相
- Dáil(ドール):アイルランド下院
- Fianna Fáil(フィアナ・フォイル):共和党
- Fine Gael(フィナ・ゲール):統一アイルランド党(現在の第1党)
- Sinn Féin(シン・フェイン):ナショナリズム政党
- Garda(ガーダ):警察
- scoil(スコル):学校
- TG4(テジカハール):アイルランド語のテレビ局
- Ceol(キョール):音楽
- Féile ceol(フラー・キョール):アイルランド音楽の音楽祭
- Craic(クラック):楽しいこと(Fun)
- Sláinte(スロンチャ):乾杯
アイルランド語の簡単なあいさつ
日常的に使うことはなくても、ほとんどのアイルランド人が知っているアイルランド語の簡単なあいさつがあります。こちらからアイルランド語で話しかけたら、きっと喜んでくれますよ。
- Maidin mhaith(マージン・ ワー): おはよう
- Dia dhuit(ディア・グウィッチ):こんにちは
- Oíche mhaith(イー ・カワー):おやすみなさい
- Conas atá tú?(コナサ・トートゥ):元気ですか?(How are you?)
- Cén chaoi a bhfuil tú?(ケー・ウィルトゥ):元気ですか?(コネマラ地方の方言)
- Tá me go maith(トー・ メー・グマ):元気です
- Cad is ainm duit?(コッド・ イス・ アニム・ ディッチ):名前は何ですか?
- John is ainm dom(ジョン・イス・アニムドン):ジョンです
- Go raibh maith agat(グラー・マハグッ):ありがとう
- Gabh mo leithscéal(グマ・レシュケール):すいません
まとめ
日常で話すことはなくても、アイルランドにいればアイルランド語は必ず目にする耳にする言語です。知らなくても困りませんし、ゲールタクトでさえ英語が通じますが、せっかくアイルランドにいるなら少しでも知っていると、アイルランド人との会話も理解しやすいです。
パブで「Sláinte(スロンチャ)!」と乾杯したり、「What’s the craic?」をHow are you?と同じ感覚で使ったりと、アイルランド語は英語と混ぜても使われています。ぜひ覚えてトライしてみてくださいね。これであなたもアイルランド通!な気分になれますよ。
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