アイルランドに移住するなら、車は必需品です。首都ダブリンの街中に住んでいれば車がなくても何とかなるかもしれませんが、少しの遠出でも車の必要性を感じます。
ダブリン以外に住んでいれば、交通網の発達していないアイルランドではかなり不便です。日本から持って来る方法もありますが、我が家はアイルランドで2回車を購入しました。
そこで今回は、私の経験をもとに、アイルランドでの車の購入方法と手続きについてお伝えします。
※2019年5月1ユーロ=約123円
アイルランドの車事情
アイルランドは自国の自動車メーカーがないので、色々な国の車を見かけます。その中でも日本車は大人気で、トヨタをはじめすごく評判がよいので、日本人として嬉しく感じるほどです。
しかし、ほとんどがマニュアル車です。日本車でもオートマチック車は少ないので、車を探すときに選択肢はかなり少なくなります。
そして、乗用車でもディーゼル車があります。我が家はフォルクスウェーゲンとセアット(日本にはありませんが、スペイン車)を購入しましたが、どちらもディーゼル車です。
驚きの年式と走行距離
日本人なら驚いてしまうのが、車の古さと走行距離です。日本は車大国なので、10年前の車や10万キロ以上走っている車は市場に多く出ませんし、あればとても安く買えるでしょう。
しかし、アイルランドで10年前の車はいまだにたくさん売られており、15年前の車だってまだまだ走っています。走行距離20万キロなんて車まで販売されています。
そして、アイルランドは公共交通機関があまり発達していないので、年式が比較的新しくても、走行距離が既に10万キロを越えている車も結構あります。
値段は日本より高め
新車価格には大きな違いはありませんが、中古車の場合は日本より全体的に高めです。
例えば、トヨタ・ヴィッツ(アイルランドではYaris)を比較した場合、2013年式で走行距離が約7万キロだと、日本では安いものだと58万円、アイルランドだと7900ユーロ(約97万円)と日本円で約40万円も違います。
フォルクスワーゲンのゴルフを比べてみても、やはり50万円ほどの差があります。
参考ウェブサイト
- カーセンサー:http://www.carsensor.net
- グー・ネット:http://www.goo-net.com
アイルランドでの車の探し方
車を探すには、大きく分けて3つの方法があります。
インターネット
今や何を調べるにもインターネットの時代ですよね。車探しも同じです。
アイルランドで誰もが使うウェブサイトが「ドン・ディール(Done Deal)」。車以外にも、何でも買ったり売ったりすることができます。自分の希望の年式や値段、メーカーなど細かく設定してサーチできます。
その他に「カーゾーン(Car Zone)」も有名です。
また、北アイルランドまで車を購入しに行く方法もあります。特にオートマチック車はイギリス(北アイルランドを含む)の方が選択肢もあり値段も少し安めです。その場合は、イギリスのウェブサイトもチェックします。
我が家は2018年に車を買い替えましたが、その際は北アイルランドまで行きました。そのとき利用したウェブサイトは「オート・トレーダー(Auto Trader)」です。
参考ウェブサイト
- Car Zone:http://www.carzone.ie
- Auto Trader:http://www.autotrader.co.uk
ディーラー
好きなメーカーが決まっていれば、直接ディーラーに見に行くのもよいでしょう。ディーラーでは、新車以外にも中古車も販売しています。
もちろん事前に各ディーラーのウェブサイトをチェックしてから行くこともできますが、家の近くにディーラーがあれば、とりあえず見に行ってみるのも手です。ウェブ上にまだあがってない車がある可能性もあります。
新聞
15年くらい前までは、家探しや習いごと探しはまだまだ新聞が主流でした。車探しも同じで、特に地方紙には多くの売買情報が載っていました。もちろん今でも載っています。
新聞の情報欄は紙面が限られてスペースが小さいので、車のメーカーや年式、走行距離と投稿者の電話番号の情報くらいで、インターネットのように写真や詳細はわかりません。
アイルランドは個人売買が主流
一番多くの人が使う方法、インターネットで車を探してみると、ディーラーや小規模なガレージも多く投稿していますが、個人の名前が多いことに気づきます。そうなんです。アイルランドでは、車は個人間での売買が主流なんです。
我が家も最初に買った車は個人からでした。日本ではあり得ませんよね。しかし、アイルランドでは普通のことで、車を見に個人のお宅へお邪魔することが多々あります。
個人間での売買は、信用性が低いというデメリットもあります。ディーラーならきちんと車の点検をしてから販売していますが、個人の場合はわかりません。売る側の言うことを信用するしかありませんが、中には悪意のある人もいます。
実際に車を見に行くことになったら、特に車の知識がない人は、必ず車に詳しい友人や知人と一緒に行くことをおすすめします。
車探しから試乗まで
気になる車が見つかったら、ディーラーに直接見に行く以外は、まず電話かメールで問い合わせます。メールは返事がすぐに来ないこともあるので、電話の方が話しが早いかもしれません。
まずは、車を見せてもらう約束をします。お互いの住所を伝え合い、どこで会うかを決めます。
インターネットを通じてディーラーとやり取りする場合は、こちらがディーラーへ行くことがほとんどですが、個人とやり取りをする場合は、家が遠すぎるようなら中間地点あたりで会うパターンも多いです。
試乗から購入まで
車を見せてもらう約束ができたら、何をチェックするべきか考えておきましょう。その場になると忘れてしまう可能性もあります。
確認リスト
- NCT(日本の車検にあたる)の有無と次までの期限
- 税金の有無と期限
- エンジンを見せてもらう
- 事故歴、オーナー歴
そして、必ず試乗をさせてもらいましょう。オーナーも一緒に乗る場合もありますし、オーナーに自分の車のカギを預けたうえで、自分だけで試乗する場合もあります。
車が気に入ったとしても、お金はその場ですぐに全額渡さない方がよいです。そして、ダメもとで金額交渉をしてみます。
例えば、8,000ユーロ(約984,000万円)の車なら、6,000ユーロに値切ったりしてみましょう。間を取って7,000ユーロになったり、少しは譲歩してくれる可能性もあります。
ディーラーとの取引なら、今乗っている自分の車を下取りしてくれます。我が家が北アイルランドまで行ったときは、片道5、6時間かかりました。ですので、2台見てその日に決めて買ってしまいました。
個人ではなくディーラーだったからという理由もありましたが、近場で買える場合には、家にいったん戻って、冷静になって考えてから後日お金を払う方が無難です。
名義変更は簡単
お金の支払いと同時に、名義変更をします。個人売買の場合でも、オーナー名義の証書の裏にサインする場所があるので、必要事項をすべて記入します。
オーナーが Department of Transport(運輸省)に記入済みの証書を送ってくれるので、自分の名前に名義変更された証書が自分の住所地に郵送されてくるのを待つだけです。
アイルランドで個人売買が主流なのは、この名義変更が簡単だからなようです。
参考ウェブサイト:Citizens Information
※公式情報では、運輸省にどちらが証書を送ってもいいようですが、一般的には元のオーナーが送ることが多いです。
税金と保険はお早めに
そして、税金と保険料を払わなければいけません。どちらも義務ですので、なるべく早く行います。
税金は車の年式と排気量で変わりますし、保険は運転者の年齢と運転履歴で変わります。どちらも日本より高いのがつらいところです。
まとめ
アイルランドの車は日本より全体的に高いものの、古い車も多く売られているので値段に幅があります。
安いものなら10万円以下でも購入できますが、あまりに安いと何度も修理が必要など、後からお金がかかるケースもあります。個人よりディーラーから買えば安心ですが、個人の方が価格が安いのも確かです。
私のように、オートマ限定の運転免許証だとオートマチック車しか選択肢がなく、アイルランドでは探すのに少し苦労しますが、みなさんもお財布と相談しながら、よい車に巡りあえることを期待しています。
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