ニュージーランドで幼稚園の先生!学校入学から学士号取得するまでの経験談をMio Kawaiさんにインタビュー!

Kawai Mioさん ニュージーランドの働き方

ニュージーランドでは子供の数に比べ先生の数が足りていない状況で、幼稚園の先生は2019年7月現在、移民局のSkill shortage list(人手不足な職種一覧)に載っている、とても需要がある職種です。学士号を取得することで、ニュージーランドの永住権を取得する近道になるかもしれません。

今回、そんな職種である幼稚園の先生としてオークランドの閑静な住宅街にある幼稚園マーシュウッド・モンテッソーリ(Marshwood Montessori)で働くKawai Mioさんに学校への入学準備から卒業・学士号取得までの道のり、そして、就職活動、現在のお仕事内容などについてもいろいろお話をうかがいましたのでご紹介します!

幼稚園の先生を目指したきっかけ

事務所

はじめまして、Mio Kawaiといいます。私は幼稚園の先生になって今年で13年目になります。現在はマーシュウッド・モンテッソーリ(Marshwood Montessori)でHead teacherとして2歳児から6歳児のお世話をしています。

日本では建築学科インテリアデザインコースの短大を卒業し、設計事務所に勤めていました。ニュージーランドに来て結婚し、娘ができて子育てをしているなかで幼児教育というものに興味を持つようになりました。

その後、シングルマザーになり働かざるを得なくなったときに、設計の仕事も好きでしたので迷ったのですが、当時から需要があった幼児教育のほうが就職に結びつくのでは、と思いこの道を目指したというわけです。

学校入学の準備

本

ニュージーランドで幼稚園の先生になるためには専門学校機関のGraduate Diploma in Teaching(Early Childhood Education)か、大学のBachelor of Education (ECE)のレベル7が必要となってきます。

(日本の文部科学省に当たるNZQAという政府機関により教育のレベルが明確に設定されており、例えば高卒はレベル3というように数字化されています。)

私はAuckland University of Technologyという学校に3年間通いBachelor of Education (ECE)という学士号を取得しました。ECEには、普通教育法・モンテッソーリ(Montessori)教育法・シュタイナー(Steiner)教育法と3種類に分かれていますので自分が興味があるコースを選びます。

私はモンテッソーリ教育法に興味がありましたし、資格取得後の就職活動の選択肢が広がるのではと思いそのコースを選びました。

学校入学にはIELTS試験が必要

私のように英語が母国語でない場合は、学校に入学するためにIELTSスコアが全体で6.5ポイント以上必要となってきます。(これは学校や学部によって違ってきます。)

1番大変だったのは、学校入学前のこのIELTS試験だったかもしれません。私は3回目のテストで規定のポイントに達し、晴れて学校に入学することができましたが、友人のなかには10回目でやっとポイントが取れた、という人もいました。

学校入学から卒業・学士号取得まで

証明書

私はフルタイムで週3日キャンパスで授業を受け、残りは課題をクリアするための勉強に追われました。とにかく提出しなければならない論文の数が多くて苦労したのを覚えています。

キャンパス内には、学生のために無料で論文の文法のチェックなどをしてくれるサポートサービスがあります。最初の1年目は英語で論文を書くのに慣れるまで、このサービスを何度も利用しました。

そのほかに実習も課せられていました。自分が実習したい幼稚園を自分で見つけてきて年に2回合計6回の実習をこなしました。1回の実習はだいたい3週間から6週間ほどの期間で、もちろん無給ですので学校に通っている間はある程度の貯金は必要となってきますね。

ニュージーランド独特のカリキュラム

ニュージーランドにはイギリス人と先住民マオリとの間に1840年に締結されたワイタンギ条約という平和条約があります。

政府はそれを礎として双方の文化を尊重しましょう、という二文化主義を教育方針として掲げているため、ワイタンギ条約やマオリ文化を理解するための講義がありこれは必須でした。

学校を卒業するために

1年ごとに成績がアセスメントされ、ポイントが規定に達しないと留年になります。出席数はもちろんですが、課題として提出した論文の評価がポイントに繋がりますのでとにかくいろいろな人の助けを受けながら必死に論文を書いていたのを今でも覚えています。

私はシングルマザーで子供を決まった時間にお迎えに行かなくてはいけなかったので、学校の図書館を思うように使えず、持ち出し禁止の書籍などは自分で購入するしかなく、図書館で勉強している同級生たちがうらやましかったですね。

就職活動

幼稚園

就職活動は特にしませんでした。というのも、学校のコースのカリキュラムのなかに必須項目として実習がありますので、実習先の幼稚園に卒業したら就職させて欲しい旨をオーナーに伝えてあり、卒業後は無事そこに就職することができたからです。

ですので、実習先を選ぶのはとても大事になってきます。就職することを想定して、家から通いやすいところを選び、実習中はオーナーとコミュニケーションをよくとったりしました。

ただし、空きがないとすぐに雇用には結びつかないと思いますので、私の場合はタイミングよく学校卒業と同時に幼稚園で空きが出てすぐ就職できたので本当にラッキーだったと思います。

多国籍の生徒を預かるうえでの苦労

小屋

オークランドは移民がとても多く、私が働く幼稚園も、中国・韓国・スリランカ・インド・タイ・フランス・ハンガリー・アメリカ・南アフリカ・ニュージーランドという具合にとても多国籍です。

苦労というほどではありませんが、注意しなければならないのはそれぞれの文化に基づく親御さんの要望です。

例えば、アジア圏出身の親御さんなどは文化的に身体を冷やすのは否としますので、希望があれば特に冬場などは温かい飲み物をあげたり、足を冷やさないように靴下をきちんと履いているかどうか確認したりしなければなりません。

このようにそれぞれの文化を理解し尊重することが、子供や親御さんと接するうえでとても大事になってきます。

幼稚園の先生として仕事をするうえでの喜び

遊具

大切な命を守っていますので、子供が転んで怪我をしたりするとヒヤッとしたりして、背中にも目がついていればいいなぁ、と思うことがありますが、仕事中に大好きな子供たちが「Mio!」と言って抱きついてくれたり懐いてくれたりすると疲れが吹き飛びますね。

また、授業中に一生懸命頑張って取り組んだことが成功したときの子供たちの喜んだ顔を見るたびに、教師としてのやりがいや達成感を感じます。

メンター制度

学校を卒業して就職するとTeaching CouncilにProvisionally Registered Teacherとしての資格を申請して教員登録されるのですが、これはまだいわゆる「仮免許」のようなもので、この後2年間実際に幼稚園で働きながらメンターに実地指導を受けて初めてFull Registered Teacherとして資格申請できます。

私は現在このメンターとして後輩の育成に関わっており、なるべく先生本人に考えさせて答えを導くようにしているのですが、つくづく他人に教えることの難しさを感じています。

しかし、人に教えることで新たに自分自身が発見することも多く、毎日本当に大変ですがメンターとして指導した子たちが正規の免許を得たときは自分のことのように嬉しいです。

まとめ~インタビューを終えて

今回、Mioさんのインタビューを終えてまず感じたことは、英語を母国語としない日本人が幼稚園の先生を目指すということは、難しいIELTSをパスしなくてはなりませんし、学校での英語での論文提出なども考えると、決して簡単な道のりではないということです。

しかし、幼稚園の先生は技能職の1つですので資格を取ってしまえばどこへ引越ししても先生として一生働くことができるとても安定性のある職業です。

そして何より、大好きな子供たちと接し、子供の成長に大きな喜びを感じているMioさんはイキイキとしててとても素敵でした。

Marshwood Montessori

補足情報

記事中の情報は2019年時点のものであり、Mioさんが卒業した学校の情報となります。また、それぞれの教育機関により入学に必要なIELTSポイントやご自身の最終学歴によって学校へ通う年数なども違ってきます。

ニュージーランド移民局ポリシーは随時変更されますので、詳しくは下記のサイトをご参考ください。

New Zealand Tertiary College

AUCKLAND UNIVERSITY OF TECHNOLOGY

ニュージーランド移民局

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