「ミャンマーで生活する」と聞いて、みなさんはどんな印象を持たれますか?とりわけ「住まい」についてはどうでしょう。
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日本にいると情報もなく、なかなか想像がつきませんよね。ミャンマーで暮らして間もなく半年。駐在妻がリポートするミャンマーの賃貸物件の探し方をお伝えします。
ミャンマー(ヤンゴン)の家賃の現状
東京並みに高い家賃
ミャンマー、特にヤンゴンの家賃は、数年前より、海外からの企業の進出ラッシュを迎えたことにより、急激に値上がりし、東京並みに高い状況になっています。昨年(2015年)くらいからは家賃の値上がり幅が落ち着いたとも言われていますが、それでも、東南アジアにしてはかなり高額な印象です。
特にヤンゴンの中心部は、アクセスの面からも人気を集めていますが、家賃が高いため、ミャンマー人のローカルの方も、5人ぐらいで30㎡弱の部屋をシェアするのが当然という話を聞きます。中には6人で、6畳のアパートを借りて、個人のスペースがほとんどないような状況で生活しているミャンマー人の方もいるのが現状です。
そんな中、外国人である日本人が住む所としては、発展途上国に暮らすという性質上、セキュリティーなどが整っている場所に住むのが、安全かつ安心で人気となっています。
外国人が住む物件の種類と相場について
外国人が住む物件としては、大きく分けて、次の3つの種類に分かれます。
- サービスアパートメント
- ローカルアパートメント
- 一戸建て
それぞれの特徴と相場について
①サービスアパートメント
サービスアパートメントには、プール、ジム、遊戯スペースなどが完備されており、24時間体制の警備員が配備されています。各部屋にはキッチンが常設され、電化製品も、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯乾燥機などが、完備されています。
サービスアパートメントの家賃相場:2000USドル~5000USドル
②ローカルアパートメント
ローカルアパートメントには、物件ごとに常備される家具、電話製品などが異なります。物件により発電機付きや、エレベーターの有無などによっても価格は大きく変動します。
ローカルアパートメントの家賃相場:100USドル~1000USドル
③一戸建て
一戸建ては、部屋数、家賃相場も幅広くなっています。特にセキュリティ対策は、サービスアパートメント、コンドミニアムとは違い、その程度が重要なポイントになります。
一戸建ての家賃相場:200USドル~5000USドル
ミャンマーで賃貸物件を探すときの注意点
さて、ヤンゴンには、不動産業者は約200社あると言われていますが、正式なライセンスを取得して営業している業者は、約10数社しかないということです。
信頼できる業者を見つけることから不動産探しはスタートします。また、自分で探す場合には、外国人に対しての価格は高く言われることがほとんどですので業者を見つけ、依頼するほうが、一般的です。
契約期間は1年間が一般的
次に、ミャンマーにおける賃貸物件の契約に関する注意点として大事なことは、契約は一年契約がほとんどで、家賃は契約時に一年分、または半年分の前払いが一般的だという事です。
「一年分または半年分」ということがキーワードになっています。後で慌てないよう、注意が必要です。また、不動産業者の紹介で物件を借りた場合には、日本と同じように、一か月分の手数料を払います。
ミャンマーでの物件を探すときの3つのチェックポイント
1.長い間空き家であった物件や新築物件よりも、人が住んでいたところを借りたほうがベター(電気・水道などのインフラが整っていないケースがあるため)
2.長時間停電することがあるので、発電機(ジェネレーター)付きの物件を探すほうがよい(サービスアパートメントやコンドミニアムにはジェネレーターが共用部分に置かれているところがあるので安心できる)
3.インターネット回線が来ているか、速度や料金を事前に確認(ミャンマーはネット環境があまりよくないので事前に確認しておくと住んでからのストレスを減らせます)
実際にミャンマーに住んでいて思う、賃貸物件で重要なポイント2つ
ポイント1、発電機を備えていること
ところで、私はミャンマーに引っ越してから半年になりますが、実際にミャンマーに暮らしてみて、一番苦労したのが、停電の多さです。
一番暑い、暑季の時期は、毎日気温が40度もあり、エアコンが欠かせないのに、電力不足で一日に10回も停電することがあり、料理や洗濯などの家事も、停電により中断し、そのストレスは、便利な日本で暮らした身として計り知れないストレスでもありました。
それでも、家に発電機(ジェネレーター)が完備されていることで、停電はしても、長くても10分待てば電気が復旧する仕組みになっていて、かなり助かっています。
発電機代は電気代に合わせて請求されるため、電気代としては高くつきますが、便利さには代えられません。
実際にあった体験
一度、ミャンマー人の知り合いの家にお招きいただき、ごちそうになったり楽しいひとときを過ごしていた時のことです。
その最中にやはり停電になり、その方の家は発電機がないため、半日以上停電したままで、エアコンも止まってしまい、結局うちわを借りて、半日以上汗を流し流し熱中症になりそうになりながら過ごしたなんてこともあったので、発電機を備えているか確認することはマストであるといっても過言ではありません。
ポイント2、職場など、重要な場所にアクセスのいいところ(交通渋滞が読めないため)
現在、私と夫が、発電機を備えている住まいで暮らしていることは、かなり便利でありがたいことですが、不動産選びで、一つ失敗したかなと後悔していることがあります。
それは、アクセスが良くないこと。
ヤンゴン管区に住んでいるとはいえ、街中から遠く、スーパーや、日本食のお店、病院などにかなり遠く、電車やバスも乗り場が遠いのでタクシーに頼らざるを得ないことです。
夫の職場に近いということや、セキュリティー、発電機の関係で現在の住まいに決まりましたが、いざ暮らしてみて、ミャンマーは近年交通渋滞が激しくなっていて、しかも、交通渋滞の時間帯が読めないため、目的の場所に向かうのにひたすら時間がかかってしまいます。
夫の職場へも想像以上に通勤時間がかかり、通勤時間が長くて、かわいそうです。私も、街中へ、食料品など生活に必要なものがあって買い物に出かけていくのに、交通渋滞によって片道2時間近くかかるときもあって、買い出しだけでぐったりすることもしばしば。
しかも、タクシーにただ乗っていればいいから楽というわけではなく、ミャンマーの道路はまだ舗装が完全じゃないので、凸凹道を車で進むだけで体にストレスがかかります。
生活する上で、そのご家庭ごとに、どこの場所に近い住まいがいいか優先順位を考え、その一番重要な場所に近い不動産を選ぶことも、激しい渋滞、読めない渋滞の時間などの問題があるミャンマーでは大切なことと言えそうです。
まとめ
東京並みに高い家賃のミャンマーの賃貸事情ですが、やはり、安全には代えられません。外国人となると、セキュリティーがしっかりしていない住居に住むのは、危険が伴います。
ローカルの方向けの不動産より外国人向けの不動産のほうが、家賃はやはり東京並みになるかもしれませんが、安全と安心と便利には変えられないのではと考えます。
単身向け、男性の方なら、多少我慢できるかもしれませんが、家族帯同でいらっしゃる方、日中家で過ごす時間が長い、奥様やお子さまがいるご家庭は、セキュリティ、発電機、アクセスなど、じっくり考慮されたうえでお住まいを決められることをおすすめします。
「東京並みに高い」とはいえ、昨年からその価格もおちついてきたというミャンマー。現在も街中には外国人用の住まいが多数建築中です。あちらにもこちらにも、素敵なレジデンスが計画されています。これから、価格もリーズナブルで住みやすいところが、きっとどんどん増えてくるはずです!
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