フランスで5番目に大きい都市、ニース。この街の公共交通機関は、電車、トラム、バスですが、中でもバスは大変発達していて、街中を網羅しているんです。
このバスのすごいところ、東はマントン(Menton)、西はカンヌ(Cannes)まで、なんとたったの1.5ユーロで行けてしまうのです!
ですから、世界で2番目に小さい国モナコへも、1.5ユーロあれば行けるというわけです。これはバスを使わない手はないですよね。
しかし、フランスのバスは日本のバスと比べてかなり「クセ」があります。少し厄介なんですよね。実際に乗って「えー!?そうだったの?」と泣くことにならないように、準備万端で乗車しましょう!
ニースでバスを使いこなすコツをご紹介します。
バスの料金
料金は一律1.5ユーロです。ニース市内だけでなく、近郊の街カンヌ、マントン、グラースまでも同料金です。このチケットは、トラム(路面電車)とバス共通です。
旅行者だと知らない人も多いのですが、このチケット、74分以内なら一度だけ乗り換えが可能です。(例えば、A路線のバスに乗った後、74分以内であればB路線のバスやトラムに乗り換え可能。但し、往復は不可)
ですから、一度乗ったからと言ってポイしないでくださいね。また、よくバスを利用する方には、お得なチケットもあります。項目4「お得なチケット」をご覧ください。
チケットの買い方
バスの中で
乗車時に、運転手からチケットを購入できます。「チケット1枚ください」をフランス語で「un ticket s’il vous plaît(アンチケットシルヴプレ)」と言いましょう。
この時、小銭で払うのが好ましいです。10ユーロ札はともかく、20ユーロ、ましてや50ユーロ札などを出してみようものなら、運転手にすごく嫌な顔をされる可能性大です。
自動販売機で
自販機はトラムの各駅にあります。一回券は「solo(ソロ)」という名前です。ここで要注意なのが、お札は使えません!小銭かクレジットカードのみになります。
カードを使いたくない人は、小銭を用意しておきましょう。
私はフランスに着いて間もない頃、小銭がない時はわざわざスーパーに行き、飴などを買ってお札をくずしていました。そんな無駄遣いをしないためにも、小銭は常備しておくのがオススメです。
店舗で
ニースのバス会社はLigens d’azur(リーニュ ダジュール)1社しかありません。市内には店舗が4つあります。こちらの窓口でチケットが買えます。
これを知らないと泣く!バス乗車時の注意点
バスは停まってくれない?
日本のように、バス停に人がいれば停まってくれる、という考えは通用しません!ではどうするのかというと、「バスが来たら元気よく手を挙げる」のです。手を挙げないと、完全にスルーされます。
というのも、ニースにはバスが約100路線あり、バス停によっては色々な路線のバスが停まるのです。
だから手を挙げて、私はこのバスに乗るんだ!というアピールをしないと、運転手は「この人は乗らないんだな」と判断し、思い切りスルーするというわけです。
バスに乗車したら刻印を絶対にすること
乗車したら、運転手の横にある「刻印機」にチケットを通しましょう。これは必ず行って下さい!チケットを持っていただけではダメです。
必ず刻印しなければなりません。
なぜかというと、基本的に運転手はチケットのコントロールはしません。だからチケットを買わずにタダ乗りする若者などがザラにいるのが現状です。それを防ぐために、たまにチェックが入るのです。
タダ乗り防止のチェックとは
紺色の制服を着たガタイの良いお兄さん達がバス停にずらっと並び、バスが停まるなり出入り口を塞ぎます。タダ乗り客を逃さないためです。そして数人がバスに乗り込み、乗客一人一人のチケットをチェックするのです。
これが結構迫力があって、チケットを持っていてもドキドキしてしまうくらい。
そして、チケットを持っていなかったり、持っていても刻印がされていないと、外につまみ出され『罰金』が課せられるのです。その金額がこちら。
- 刻印なし:34.50ユーロ
- チケットなし:51.50ユーロ
- さらに、その場ですぐ支払えないと追加で38ユーロ
このコントロールは、どこのバス停という決まりはなく、あちこちのバス停で不定期に行われます。ですからチケットの購入はもちろん、刻印もお忘れなく。
乗車したら現在地を確認すること
市内を走るバスは、電光掲示板もなければ、アナウンスもありません。車内には、路線図がぺろっと1、2枚貼ってあるのみです。ですから乗客は、自分で降りるバス停を把握していなければならないのです。
しかも降りる時は、バス停より手前で「降車ボタン」を押さないといけません。でも初めて行く場所だったら、難易度が高いですよね。
降りる手前の停留所をチェックしておく
乗ってから慌てないためにも、降りるバス停の2〜3駅手前の停留所名もしっかりと把握しておきましょう。ここで注意なのが、降りる人も乗る人もいなければ、運転手はすごいスピードでバス停を通過することです。
車内からバス停の名前を確認するのはちょっと難しいですが、ここは目を凝らしてしっかりと見ておいて下さい。カンヌなどへ行く長距離バスは、最近では電光掲示板とアナウンスが流れるのでご安心を。
ちなみに、バスの路線図はバス停やトラムの駅に貼ってありますが、Ligens d’azurの店舗で入手することもできます。
バスの時刻表がわかりにくい
日本のバス停にある時刻表は、その停留所にバスが来る時間ですよね。
ニースでは、どこのバス停に行っても同じ時刻表が貼ってあります。どういうことかと言うと、各停留所にある時刻表は、始点のバス停を「出発する時間」なのです。
では、どうやって時間を調べるのかというと、時刻表の右側にすべての停留所名が書いてあります。その横を見ると、おおよその時間が書いてあります。
出発時間を目安に計算
例えばA駅(始点)とE駅の間に「10分」、E駅とJ駅の間に「15分」などと書いてあります。A駅は始点なので、時刻表に8時出発と書いてあれば、E駅を通過するのは8時10分ということになります。
自分が乗るバス停がH駅だとしたら、「だいたい8時20分くらいかな」みたいな感じです。ものすごくアバウトです。始点から近いならまだしも、離れていると足し算が大変です。
そのため特に急いでいない時は、来たやつに乗れ、という心構えでいいと思います(本数が少ないバスはきちんと調べましょう)。計算するのが面倒で時間がある方なら、Lignes d’azurのホームページで各停留所の通過時間を調べることができます。
バスの運賃は小銭支払いがルール
これは先程も述べましたが、大きなお札で支払うと嫌な顔をする運転手が多いからです。私はこんな経験をしたことがあります。
チケットを買おうとしたら、お財布に20ユーロ札しかありませんでした。仕方なく運転手にそれを出したら「お釣りがない」と言われました。
「ないわけないでしょ、小銭掻き集めれば!」と思いましたが、面倒なのかさらには「他の乗客に両替できないか聞いてみて」と。
この対応に開いた口が塞がらなかったのは言うまでもないですが、言われるがまま周りの人に聞いて回りました。ですが、20ユーロも両替できる人など誰もおらず、結局、運転手承諾のもとタダ乗りしたことがあります。
スリがあなたを狙っている?
ニースは治安の良い街ですが、バスやトラムの中ではスリが多発しています。実際、私も被害者です。その時は口の開いたバッグを持っていて、友人とお喋りをしていました。
その間に擦られたのです。バッグはチャック付きのもの、そして前に抱えるなどして被害に遭わないようにしましょう。
お得なチケット
10回以上乗る人には
Multi 10 voyages(ミュルチ ディス ヴォワヤージュ)がおすすめです。10回券で10ユーロです。 通常15ユーロなので、5ユーロもお得です!しかも有効期限がないので、買っておいて損はないでしょう。
ちなみにこちらも74分以内で乗り換えが可能です。但し、長距離バスでは使えません。このチケットはバスの中では購入できないので、予め自販機か店舗で購入しましょう。
通勤通学の人には
定期券を作るのがおすすめです。1年分と1ヶ月分があります。料金は下記の通りです。
- 1年分ーAbonnement annuel(アボヌモン アニュエル):学生 228.50ユーロ、会社員 261.50ユーロ
- 1ヶ月分ーAbonnement mensuel(アボヌモン マンシュエル):学生 28.60ユーロ、会社員 32.60ユーロ
なお、定期券を作るには、店舗の窓口で下記書類を提出します。
学生:
- 身分証明書(オリジナルとコピー)
- 証明写真
- 学生証カードもしくは在学証明書(オリジナルとコピー)
会社員:
- 身分証明書(オリジナルとコピー)
- 証明写真
- 会社の雇用証明書
定期券は、紙のチケットと違ってプラスチック製です。刻印機の側面に近づけると「ピッ」と音がするので、音が聞こえたらOKです。
ちなみに「ビビビッ」と音が鳴った場合は接触が悪かったので、もう一度試して下さい。それでも鳴るようであれば期限切れかもしれません。なお、1ヶ月分の定期券は再チャージができます。
夜行バス
ついつい仲間と楽しく飲んでいて、気付いたらこんな時間!ということもありますよね。トラムは夜中の1時過ぎまで走っているものの、バスの最終は路線にもよりますが早いです。だいたい21時台が最終となります。
家の近くのバス停に「N」が頭に付く路線がある方はラッキーです。それは夜行バスを意味しています。現在、N1〜N5までの5路線があります。
このバスは21時から2時までの間のみ運行しています。但し本数は少ないので、予め乗り場と時間を調べておくことをおすすめします。
知ってるとラッキー!テンションの上がる座席
これは長距離バスを利用する際ですが、モナコ経由マントン行き(100番)は進行方向の右側の座席、カンヌ行き(200番)は進行方向左側の座席に座るのがおすすめです。
バスは海沿いを走ります。前述した座席に座れば、窓から素晴らしい景色が見られます。特にマントン行きのバスからは息をのむ絶景が見られ、シャッターチャンスがたくさんありますよ。
まとめ
いかがでしたか?
日本のバスのシステムとは異なる点が多いですよね。初めての国でバスに乗る時は、誰でも少し緊張するはず。ましてフランス語が話せないとなると、どうやって聞いたらいいの?と焦りますよね。でももう大丈夫です。上記のコツさえ覚えておけば、怖いものなしです!
電車は速いのがメリットですが、バスはゆっくりと絶景を楽しめるのが醍醐味です。おまけに1.5ユーロだったら、お財布にも優しいですよね。ニースでは是非、バスをフル活用してみてください。
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