日本のスーパーマーケットでも今でこそセルフレジが当たり前になっていますが、2008年頃はまだほとんど見かけたことがなかったように思います。
当時私はイギリスに留学していたのですが、イギリスの大手スーパーマーケットではセルフレジが既に導入されており、私はロンドンで初セルフレジ体験をする事となりました。
自分で商品のバーコードをかざして商品代金を支払うことがとても斬新で、そのハイテクさに驚いたと同時に、万引き対策などは万全なのだろうかと少々不安にも思いました。意図的でなく、バーコードのスキャンが上手くできない時だってあるはずですし……。
それから数年経ち、また新たに驚かされたイギリスのスーパーでのシステム、またイギリス国内の、日本とはあまりにも違う驚きの買い物事情をご紹介します。
イギリスのスーパーマーケット
アメリカ程ではないですが、イギリスのスーパーマーケットの店内もかなり広い造りになっています。きっとその要因のひとつに、ショッピングカートの大きさがあると思います。イギリスのショッピングカートのサイズはとにかく大きいです。
イギリスの家庭では1回の買い物で1週間分買う
そんなに大きなショッピングカートですが、レジで並んでる人達のショッピングカートには、たいてい食料品が溢れんばかりに詰め込まれています。イギリス人の一般家庭は1回の買い物で1週間分の食料品、日用品を購入することが基本です。
イギリスの家には”パントリー”と呼ばれる食料品をストックしておく小部屋があるところが多く、そこに缶詰めなどの腐らない、長期保存可能な食料品などを大量にストックしていきます。
それゆえ、1回の買い物の量は先に述べたように衝撃的な量になるわけです。見慣れるまでは「何人家族ですか?」と、聞きたくなるような量でした。あんなに巨大なサイズのショッピングカートさえ食料品で山積みなのですから。
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イギリスの画期的なシステムScan as you shop
そして今回イギリスに来て気付いた、画期的なシステムScan as you shopの存在を知ることになりました。
日本では店員さんがカゴから商品を取り出してスキャンし、別のカゴにスキャンした商品を入れていきお会計をしてくれ、精算した後に自分達でカゴを持って別のテーブルに行き、商品を袋につめると言う流れが一般的ですよね。
しかしここイギリスでは、自分でショッピングカートやカゴから商品を取り出し、レジへと繋がるベルトコンベアにのせ、店員さんが商品をスキャンすると、その商品をその場で自分で袋に詰めていかなければいけません。
実はこの一連の作業って、すっごい二度手間ですよね?
1人1人の買い物の量が膨大な上にこの作業をレジでおこなうことで、イギリスではレジで並ぶ時間がすごく長いです。またイギリスの店員さんは、日本の店員さんのようにスピーディーではありません。
ゆっくりな作業の上に、たまにお話し好きな店員さんがお客さんと喋ったりしていて、更に時間がかかります。
そこでScan as you shopの出番です。私は今のところTescoでしか見たことがありませんが、もしかしたら他のスーパーマーケットでも実践しているシステムかもしれません。
まずお店に行くと、入り口にハンドセットが並べられています。その中から1つを取って自分のTescoの会員番号を入力、準備はそれだけです。そのハンドセットを持って店内を周って買い物をしていきます。
使い方は、買いたい商品についてるバーコードや棚についてる値札のバーコードにそのハンドセットをかざして読み込ませます。それで完了です。
そのスキャンした商品は、ショッピングカートにいれず、自分の持ってきている袋にそのまま入れてしまって大丈夫なんです。
そしてお会計はScan as you shop専用のセルフレジへ。そこでハンドセットをかざすと一気にスキャンした商品の一覧が画面に出てきます。不要な物はそこでもキャンセル可能ですし、ハンドセット自体からでも大丈夫です。
そして後はお会計のみ。いちいち商品を取り出して並べて、スキャンしてもらってそれを袋につめる、なんて煩わしさがありません。実際に使ってみると、商品をショッピングカートから出す一連の作業の時間が短縮され、とても便利だと思いました。
Scan as you shopの事を詳しく知りたい方はこちらへどうぞ!Tsco-Scan as you shop
ショッピングカート専用のトークン
この写真のようなショッピングカート、日本でも見たことがあるかと思いますが、イギリスのスーパーマーケットではかなり主流なショッピングカートです。
海外でショッピングに行った際、気付かれた方も多いかと思いますが、とにかくあちらこちらにショッピングカートが放置されています。
店内の入口付近のみならず、広い駐車場の至る所に放置されっぱなしのショッピングカート。海外ではそのあちらこちらに散乱されたショッピングカートを回収する為に、専用の人を雇ったり警備員さんがその役割を担ったりするケースが多いようです。
人件費削減の為にセルフレジを沢山導入しているのに、ショッピングカートを回収するた為だけに人を雇うなんて本末転倒ですよね?
コインを入れてショッピングカートを使う
そこで今イギリスで主流になっているショッピングカートが、1ポンド(約140円)コインをいれてショッピングカートを使う方法です。
ショッピングカート置き場に置かれているカートは、それぞれ前後のカート同士がこの上記の写真のようなチェーンで繋がっています。これがコインをいれることによって外れ、ショッピングカートが使える仕組みです。
そして買い物が終わってショッピングカートを所定の位置に戻さないと、1ポンドは戻ってきません。なので買い物客は必ずカート置き場にショッピングカートを戻しにやってきます。誰も1ポンドを無駄にしたくないですよね。
このシステムのおかげで、イギリスのスーパーマーケットではもうショッピングカートがそこら中に放置されている光景は見なくなりました。
ただイギリスはカード社会。みなさん意外と小銭を持ち合わせていないことが多いです。そそこでそういう人達の為に、このショッピングカート専用のトークンを販売しています。
Creative Commons image- Peter Ellis via Wikipedia
上記写真のような感じのキーホルダー型のトークンです。これを車や家の鍵と一緒につけておくと、急に買い物に行った時にも安心です。
そして1ポンドを持っていないからショッピングカートが使えないという心配もありませんね。
イギリスはどのお店でも買い物袋は有料
日本でも最近ではどこのスーパーマーケットでも「レジ袋5円」などといって、買い物した商品をいれるビニール袋は有料のお店が殆どですよね?個人的にはとてもいいことだと思います。
イギリスもエコに関しては年々力をいれているのですが、2015年の10月頃からレジ袋に対する規則が厳しくなりました。スーパーマーケットでの有料レジ袋は当たり前ですが、なんと一般のショップの袋も有料になりました。
例えば洋服屋さんで服を買います。その時に買った商品を袋にいれるかどうか聞かれるのですが、「袋に入れてください」というと、その袋には20p(約30円)のお金がかかります。
※pとはペンスのこと(1ポンド以下の単位)
去年クリスマスプレゼントを買いにイギリスの高級デパートに行き写真立てを購入したのですが、その際も手提げ袋の有無を聞かれ「袋にいれてください」とお願いすると、しっかり20pを支払うことになりました。
もし「袋はいりません」と言うと、そのまま写真立てだけポンと渡されます。高級デパートでもそうなんだと少し驚きました。
ただし紙袋はリサイクルできるということで無料だそうです。お金がかかるのはビニールやプラスチック系の袋のみ。それでもBootsなどのドラッグストアではお金がかからなかったり、お店によって少し違う対応な時もあるようです。
たかが20pですが、塵も積もればなので、イギリスで買い物をする時には必ずエコバッグを持参しましょう。
返品・交換は当たり前
イギリス人は「とにかく悩んでるなら買ってしまって、家に帰ってから考えればいい」といいます。この国では返品、交換は日常茶飯事なんです。
試着するのが面倒だから買って帰って、サイズが合わなかったりデザインが気に入らなければ返品、交換をします。購入から1ヶ月以内なら問題なし。
もちろん商品についてあるタグは切ってはだめですし、購入時のレシートは必須ですが、日本に比べて本当に気軽に返品、交換が行われています。
返品、交換は購入時のお店でなくても、他の店舗ででも可能ですし、もちろんオンラインショッピングで購入した物も無料で返送できます。そして特にクリスマス時期のプレゼントの返品、交換に関してはかなり寛容です。
例えばプレゼントでもらった服のサイズが合わない場合。もらった本人がお店に行って自分に合ったサイズに変更することができますし、同じ金額の別の服に交換することも可能です。
「クリスマスプレゼントで貰った」と言えば、購入から1ヶ月以上過ぎていても大丈夫。クリスマスプレゼントとして物を購入の場合、申し出れば購入時に発行されるレシートには金額を載せないような配慮もされるそうです。
そしてプレゼントを贈る側がそのプレゼントと一緒にレシートも渡し、後にサイズ変更などで返品、交換を相手がしやすいようにしておくことも多々あるようです。
クリスマスプレゼントに関してはレシートがなくても商品の交換は可能なことが多いですが、返金はレシートが必須です。お店の人もとても慣れていて、迅速に対応してくれます。
まとめ
イギリスでのショッピング事情、少し日本とは状況が違いますが、私はこれらのイギリスのシステムはとても時代の流れにあっていて、いいなと思います。店側と客側、お互いが秩序を持って気持よく買い物ができればいいですね。
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