今や私たちに欠かせないスマートフォンや携帯電話。ニュージーランドに長期滞在する場合、コスト的にも日本で契約している携帯電話は解約して現地でスマートフォンの契約をする必要が出てくるでしょう。
そこで今回は、ニュージーランドでどのようなスマートフォンを手に入れることが出来るのか、気になる通信費の値段など、ニュージーランドでのスマートフォン事情についてまとめてみました。
(下記に出てくる価格はすべてニュージーランドドルでの記載となります。1ニュージーランドドル=80円で換算してあります)
ニュージーランドの主な通信会社
まず、ニュージーランドにもいくつかの通信会社がありますが、大手は下記の3社です。
- sparkNZ(スパーク、旧telecomNZ)
- vodafoneNZ(ボダフォーン、日本ではSoftbank)
- 2℃(トゥーディグリーズ)
SparkNZ(以下Spark)は元々TelecomNZという通信会社でしたが、2014年にSparkNZに改名しました。旧Telecom時代よりニュージーランドの固定電話やインターネットサービスを担う超大手です。
携帯・スマートフォンでも、Vodafoneについで2位の国内シェアとなっています。
VodafoneNZ(以下Vodafone)は他社に比べて販売するスマートフォンの種類の豊富さや通信費の安さが人気で、携帯・スマートフォン事業ではニュージーランドトップのシェアを誇っています。
最近ではインターネットプロバイダサービスの、ihugも国内第3位のシェアを持つ人気となっています。ちなみに筆者もVodafone利用者の一人です。
2℃はニュージーランドにおける携帯・スマホ通信費の「格安化」を目指して2009年にサービス開始した比較的新しい通信会社です。
それまではVodafoneとSpark(当時Telecom)でやりたい放題だった携帯電話の通信費設定に革命を起こし、通信費の低下に大きく貢献したと言われています。
ニュージーランドのスマートフォン事情
さて、上記のような大手の通信会社からスマートフォンやSIMカードを購入する場合、やはり決め手はサービス内容と通信費ですよね。
日本では、スマートフォンを持つ際、通信会社と契約を交すのが主流ですが、ニュージーランドで最も主流なのは契約に縛られない「プリペイド式」スマートフォンです。
プリペイド式SIMカードとスマートフォン(または携帯電話)のセットが各社から販売されており、これを購入するだけで利用を開始できます。
契約に縛られることがなく、手続きも不要という簡易さが最大のメリットと言えるでしょう。
SIMフリーのスマートフォン本体をすでに持っている場合は、プリペイド用SIMのみ現地で購入すれば利用開始できます。そのお手軽さから、ニュージーランドへのちょっとした旅行でも、現地のプリペイド用SIMカードを購入して使用する観光客は多いです。
プリペイド式とその価格
プリペイド式とは
この「プリペイド式」では、契約を締結して毎月通信費を払うのではありません。自分のアカウントへ通信費をあらかじめ前払いして(=Prepay)、チャージしておきます。
その中から、使用頻度に合わせて通信費が引かれていき、アカウントの残高が低くなったらチャージする、というのが基本の仕組みですが、スマートフォン向けには、各社からプリペイド式のセットプランが発売されています。
まずはセットプランを購入して、そのプランの範囲内でデータ通信・通話などを利用し、足りなくなったらその分を追加購入するという利用法になります。
プリペイド式の主要3社比較
参考と比較のために、お手軽な19ドルのセットプランを3社間で比較してみました。
通話、携帯メールに関しては、ニュージーランドだけでなくオーストラリアも含まれている場合が多いのが特徴です。
プリペイド式プランの主要3社比較:19ドルセットの場合
通信データ量 | 通話 | 携帯メール | |
SparkNZ | 500MB | 50分(NZのみ) | 500通 |
VodafoneNZ | 750MB | 150分(NZとオーストラリア) | 使い放題(NZとオーストラリア) |
2℃ | 500MB | 100分(NZとオーストラリア) | 使い放題(NZとオーストラリア) |
比べてみると通信費に割高感のあるのがSpark です。追加データ量は100MBあたり3ドルから購入可能です。Spark ホームページによると、各種割引券や、Wifiの通信費一部無料になるなど特典やキャンペーンを多く行っているようですね。
Vodafoneはセットプランが他社に比べてかなりお得&多彩なのが特徴です。上記以外にも、固定の値段の中で自由にデータ量、通話、メールの配分を変えられるセットプランを販売しています。
一方で、Vodafoneでセット以外の追加購入はデータ量1MBごとに20セント(単純計算1GB=200ドル)、通話1分あたり20セントなどとかなり割高で、お勧めできません。
追加でもうひとセット購入した場合には、前の残りの通話料・通信料は継続して使用することができます。
通信費のコストパフォーマンスでは上記2社の中間の2℃ですが、実は2℃のスマートフォン同士なら無料で通話し放題となります。家族で2℃プリペイド式スマートフォンを使用し、家族間での通話が多い場合などは大変お得に使えるでしょう。
通信費前払いの安心感とお手軽さが売りのプリペイド式スマートフォン。通信費設定の方は正直、日本に比べるとビックリするくらい高く感じますね。
月々契約する場合の料金プラン
主要3社ともに、固定契約プランもあります。固定契約だと通信データ量がぐんと増えるため、ヘビーユーザーの場合はこちらの方がお得になるようです。
月々の使用量が59ドル代(会社により59.99ドルまたは59.95ドル)と39ドル代(会社により39.99ドルまたは39.95ドル)のプランについて、3社間で比較してみました。なお下記のプランは月々支払いですが、契約期間に縛りはありません。
月々プランの主要3社比較~39ドル代プラン
通信データ量 | 通話 | 携帯メール | |
SparkNZ | 1GB | 300分(NZのみ) | 使い放題(NZとオーストラリア) |
VodafoneNZ | 1GB | 300分(NZとオーストラリア) | 使い放題(NZとオーストラリア) |
2℃ | 1GB | 400分(NZとオーストラリア) | 使い放題(NZとオーストラリア) |
月々プランの主要3社比較~59ドル代プラン
通信データ量 | 通話 | 携帯メール | |
SparkNZ | 4GB | 使い放題(NZとオーストラリア) | 使い放題(NZとオーストラリア) |
VodafoneNZ | 4GB | 使い放題(NZとオーストラリア) | 使い放題(NZとオーストラリア) |
2℃ | 5GB |
使い放題(NZとオーストラリア) |
使い放題(NZとオーストラリア) |
データ量の追加料金
上記はお手頃プラン2種類の例ですが、39ドルプランの方ではデータ量が少ないけど、通話し放題まではいらない…と感じる方も多いのではないでしょうか。
追加のデータ量に関しては、各社下記の様な設定となっています。
- Spark:追加データ1MBごとに 30セント
- Vodafone:追加データ100MBを6ドル~、1GB を20ドルなど。
- 2℃:100MBあたり5ドル、1GBあたり20ドルなどをプリペイド式セットとして購入
2年間以上の固定契約プランなども
上記は一例で、1~2段階上のヘビーユーザー向けプランや、2年間固定契約プランなどが通信会社によって用意されています。
2年間固定契約プランだと、スマートフォンの購入代金を電話代に上乗せする形で分割で支払うことも可能です。その場合、購入料金に利息はかからないという利点がありますが、一方で、よく日本である「新規スマホ購入割引」のような割引特典は基本的にはありません。
あくまで購入料金の24ヵ月分割払い+月々の通信費のセット、という事になります。
スマートフォン本体のお値段
スマートフォン本体のお値段は、上記3社の間で大きな違いはありませんでした。特に下記の人気機種に関しては、機種本体は同じ値段です。
日本で新品を購入した場合の本体価格と、1ニュージーランドドル=80円の場合でニュージーランドでの価格を比較してみました!
日本でも人気機種!
Samsung GalaxyS7 edge 32GB:
- ニュージーランドで購入すると:機種代1399ドル
- 日本円に換算すると:約112000円(税込み、1ドル80円として)
- 日本で購入すると:59400円(au機種変更で一括支払いの場合)
Apple iPhone7Plus 32GB:
- ニュージーランドで購入すると:機種代1429ドル
- 日本円に換算すると:約114000円(税込み、1ドル80円として)
- 日本で購入すると:85800円(税別、Apple Store参考)
Apple iPhone7 32GB:
- ニュージーランドで購入すると:機種代1199ドル
- 日本円に換算すると:約96000円(税込み、1ドル80円として)
- 日本で購入すると:72800円(税別、Apple Store参考)
Huawei P9:
- ニュージーランドで購入すると:機種代899ドル
- 日本円に換算すると:約72000円(1ドル80円として)
- 日本で購入すると:46000円前後(価格.COM参考)
その時のニュージーランドドルの交換レートにもよりますが、日本での購入の方が若干お得そうですね。
格安スマホ系
例えば下記の様な、本体価格が安いスマートフォンも購入できるようです。いずれも日本では売っていないモデルのようですね。
- Huawei Y3 Lite Black:$99ドル(税込み)
- ALCATEL Pixi First Grey:59ドル(税込み)
Vodafone、Sparkなどの独自モデル
VodafoneやSparkからは独自モデルのスマートフォンが何種類か発売されており、いずれも価格がリーズナブルなものが多いです。。
日本では入手できないスマートフォンですので、現地で現物を見て購入の判断をすると良いでしょう。
Vodafoneからは、最も安いものでVodafone Smart Mini7(49ドル、税込み)~最も高いものでVodafone Smart Platinum 7(399ドル、税込み)が販売されています。
Sparkからも、最安モデルがSpark LITE (79ドル、税込み)~最高Spark R84(499ドル、税込み)が販売されています。
ニュージーランドのスマートフォン事情2
さてここまで見てくると、日本と比べてプリペイド式スマホの場合の料金設定の割高感などは驚く方も多いかもしれません。実はニュージーランドでは、意外と少しの通信料でも間に合っている……というスマートフォンユーザーが多いのも現状です。
主な移動手段が自家用車であるニュージーランドでは、移動中=運転中の人の割合が多く、必然的に移動中にスマートフォンを使用する機会が少ないです。
移動中以外ならば、マクドナルド等の無料WIFIを使用したり、家のパソコンを利用することが可能なので、そこまでスマートフォンのデータ通信に頼る必要もないのかもしれません。
また、携帯・スマートフォンの電波事情は年々改善されているとはいえ、少し田舎になると通信電波が悪くなります。
筆者はオークランド市内では不便を感じだことはありませんが、オークランドから車で3時間のタウランガという町の静かな住宅地で、電波の受信状況が悪くスマートフォンをうまく使用できなかった経験があります。
まとめ
ニュージーランドのスマートフォン事情、いかがでしたか?
- スマートフォン本体はニュージーランドで使えるSIMフリー機種を、日本で購入した方が若干お得
- プリペイド式は、「プリペイド用」SIM購入で即時気軽に使えるが、通信料が割高!
- ヘビーユーザーはプリペイドよりも固定契約が断然お得
- 滞在先の電波状況や、使用スタイルにも注意
あなたの使い方に合わせて通信会社やプランを選び、快適なスマートフォンライフを過ごしてくださいね!
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